課題名

A-2 オゾン層保護対策技術の開発と評価に関する研究

課題代表者名

水野 光一 (通商産業省工業技術院資源環境技術総合研究所統括研究調査官)

研究期間

平成5−7年度

合計予算額

361,009千円 (うち7年度 119,688千円)

研究体制

(1) フロン等分解技術の開発と評価に関する研究

(通商産業省資源環境技術総合研究所、物質工学工業技術研究所、九州大学)

(2) フロン等の回収・再利用・放出抑制に関する研究(通商産業省資源環境技術総合研究所)

(3) ハロン代替物質の開発と消火能力評価に関する研究

(通商産業省名古屋工業技術研究所、上智大学)

(4) ハロン代替物質の環境影響(毒性)評価に関する研究(環境庁国立環境研究所)

(5) ハロン及びフロン等代替物質の環境影響(寿命)評価に関する研究

   ハロン及びフロン代替物質の大気中での挙動に関する研究

(環境庁国立環境研究所、北海道大学、東京大学)

  ハロン及びフロン代替物質等の不均一化学反応に関する研究

(通商産業省資源環境技術総合研究所)

(6) フロン等の回収・分解のためのトータルシステムの開発と評価方法に関する研究

(環境庁国立環境研究所、横浜国立大学)

(7) フロン等の光分解に関する研究(キングモンクート大学)

研究概要

 成層圏オゾン層の破壊を引き起こす物質の大気への排出を抑制するための対策技術を確立することが要望されている。本研究では、オゾン層破壊物質(ODS)の分解技術、ODSの回収技術、ハロン代替物質の開発、並びに代替物質の生体毒性や環境中での寿命などの環境影響評価を総合的に開発・評価し、併せて回収と分解技術のトータルシステムを評価することを目的とする。

研究成果

1.フロン等分解技術の開発と評価に関する研究:分散的発生源に対しては放電プラズマ、触媒、並びに熱分解の手法を、また、集中的発生源では燃焼、光分解、並びに超臨界水の手法を検討した。多種類のフロン、代替フロンなどの分解について、システム性能の評価、生成物と副生物の組成解析、反応パラメータの解析、反応促進の考案、機構解明などを検討した。

2.フロン等の回収・再利用・放出抑制に関する研究:ゼオライトにマイクロ波照射による吸着制御をフロンと水蒸気の2成分系で行い、フロンの選択吸着の操作パラメータを抽出した。また、Y型ゼオライトに金属イオンをイオン交換すると吸着力が高まり、炭化物の二酸化炭素処理で吸着量を向上できた。

3.ハロン代替物質の開発と消火能力評価に関する研究:分子中に(CF3)2N-基をもち、臭素の含まないポリフルオロアルキルアミンが消火能力が高いことを見いだした。また、計算機化学的によりフッ素系代替物質の消火メカニズムを考察し、トリフルオロメチルラジカル(CF3)が触媒的に燃焼炎中のHOHラジカルを捕捉する新消火機構を提案した。

4.ハロン代替物質の環境影響(毒性)評価に関する研究:ハロン代替物質である2H-hepta fluoropropane, trifluoroiodomethane, perfluorotrialkylamineは遺伝子毒性や細胞毒性がなかった。また、これらの熱分解成生物についても、perfluorotrialkylamineを除いて、遺伝子毒性や細胞毒性が認められなかった。

5.ハロン及びフロン等代替物質の環境影響(寿命)評価に関する研究

 .魯蹈鶺擇咼侫蹈鸞綢慂質の大気中での挙動に関する研究:(C2F5)3NOHとの反応性は非常に低いが、フッ化アルコールとOHとは反応し分解速度パラメータを得た。(C2F5)3Nの光吸収スペクトルは近紫外域に吸収がなく対流圏中では極めて長い寿命を持つことが示唆された。また、HCFC-22の超高感度分析法で大気測定し、2-Boxモデル計算に基づいて生産・放出統計と比較した。さらに、HFC-142bについて高感度の大気濃度測定を可能とする研究開発を行った。

 ▲魯蹈鶺擇咼侫蹈鸞慂質等の不均一系化学反応に関する研究:3種類のハロン代替物質について不均一過程での反応性を比較した結果、(CF3)2NCF=CF2 > (CF3)2NCF2CF2H > (CF3)3Nの光分解性序列を得た。また、前2者の物質から分解生成物を検出した。

6.フロン等の回収・分解のためのトータルシステムの開発と評価手法に関する研究:全国の産業廃棄物焼却処理施設の調査から、潜在的なフロン処理容量は年間20,000トンと推定した。また、4ヶ所の実用焼却炉でフロン分解を行い分解性能と安全性を確認し、処理に伴うダイオキシンの捕集方法として水とエチレングリコールをそれぞれ1本の吸収びんとする簡易なサンプリング技術の有効性を見いだした。

7.フロン等の光分解に関する研究