TOP > 会合の成果 気候変動


会合の成果

気候変動セッションでの鴨下大臣基調講演

会合では、気候変動、生物多様性、3Rの3つのテーマを中心に、大臣レベルでの議論がなされました。議論の結果は、会合最終日の26日に議長総括としてとりまとめられました。



議長総括[PDF]

    

(1)気候変動

気候変動は、21世紀最大の課題といっても過言ではありません。昨年のハイリゲンダムサミット(ドイツ)において、安倍前総理は先に発表した日本提案「美しい星50(クールアース50)」を各国首脳に紹介しました。その結果、「2050年までに世界全体の温室効果ガスの排出量を少なくとも半減することなどを真剣に検討する」ことが合意されました。さらに、今年1月の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)において、福田総理はG8議長として、「クールアース推進構想」を示しました。

本会合では、この構想を踏まえつつ、実効ある地球温暖化防止のために、

①長期目標の達成に向けた低炭素社会への移行
②先進国と途上国の協力
③2013年以降の枠組み

といった主要な論点について議論がなされ、結果は、会合最終日の26日に議長総括としてとりまとめられました。



気候変動に関する主な成果(概要)

長期目標の達成に向けた低炭素社会への移行

●2050年までに世界全体の排出量を少なくとも半減させる目標を洞爺湖サミットで合意することに強い意志を表明。半減のためには、先進国が大幅な削減を達成することにより主導すべき。
●長期目標の実現のために低炭素社会への移行が不可欠で、すべての国が低炭素社会について明確なビジョンを持つべき。

先進国と途上国の協力

●途上国におけるコベネフィットの促進、適応の開発への主流化、資金・能力向上に対して、先進国からの支援の必要性を認識。

経済的手法

●排出量取引や環境税などの経済的手法は炭素に価格を付け、排出削減を進める有効な手法であり、各国の事情を踏まえつつ、更に活用すべき。

2013年以降の枠組み

●中期目標については、IPCCの科学的知見を考慮した実効的な目標を設定することが必要。
●先進国が、共通だが差異のある責任と各国の能力の原則の下に、率先して目標を掲げて対応するとともに、特に排出量が急増している途上国は排出増加のスピードを抑制することが重要。
●セクター別アプローチを用いた国別総量目標の設定方法の有効性を確認。目標の設定に当たっては環境上、十分なレベルを確保することが必要。

神戸イニシアティブ

●低炭素社会の研究ネットワークづくりなど、「神戸イニシアティブ」と名づけた今回の会合のフォローアップのための活動と主要国の対話の提案に幅広い支持。

神戸イニシアティブとは

神戸イニシアティブとは、環境大臣会合のフォローアップのため、アウトリーチ国を含めた会合を開催するというものです。
主要な検討事項は下記の通り予定されています。

①低炭素社会に関する国際研究ネットワーク
②セクター別の削減ポテンシャルの積み上げに関する科学的分析
③コベネフィット・アプローチの促進
④途上国のインベントリー・データ整備のための能力向上支援(測定・報告・検証可能性)


クールアース推進構想

昨年の日本提案「クールアース50」に示された『2050年までの排出量半減』を実現するための具体的な行動として、「ポスト京都フレームワーク」「国際環境協力」「イノベーション」の3つの柱を提案しています。

クールアース推進構想