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  1. 環境省
  2. 大気環境・自動車対策
  3. 日本モデル環境対策技術等の国際展開
  4. 日本の環境対策技術のアジア展開に向けて
  5. 国際情報-アジア地域や国際機関等におけるの環境対策技術の普及に係る動向

アジア地域や国際機関等における環境対策技術の普及に係る動向

(最終更新日:2017年7月25日)

ミャンマーにおける大気汚染の現状と対策、環境対策技術ニーズ

 以下では、ミャンマーにおける大気汚染の現状と対策、環境対策技術ニーズに関する情報を提供しています。

1.大気汚染の現状
自動車やバイクなどの移動発生源による沿道汚染が徐々に顕在化してきています。2011年から自動車の輸入規制が段階的に緩和されたため、外国産中古車両の数が近年急増しており、都市部では交通渋滞が慢性的に発生しています。これにより、今後都市部の大気環境が悪化していくものと見られます。車両単体の排ガス濃度にも課題があり、ヤンゴン市内を走行する低年式の商用車や旧型バスは高濃度の排ガスを排出している可能性があります。また、有鉛ガソリンは2014年まで規制されることなく使用されており、また高硫黄ガソリンも未だに流通していると考えられるため、こうした低品質燃料が車両の触媒被毒を起こし、高濃度のCO・HCやNOx排出に繋がっていることが懸念されます。

2.法制度の整備・執行
 ミャンマーでは、都市部の人口増加や工業発展により公害対策の重要性が増しています。2012年3月には、大気汚染や水質汚濁、廃棄物など様々な公害問題を包括的にカバーするための法的基盤として「環境保全法」が制定されました。同法はミャンマーで初めての環境関連法であり、環境保全森林省に法制度整備の権限を与えていますが、具体的な規制・基準はまだ定められていません。環境大気や排ガスの基準もないため、排ガス処理設備の導入はほとんど進んでいない状況です。

3.政策動向と課題
 2011年9月に、当時の林業省(Ministry of Forestry)が環境保全林業省(Ministry of Environmental Conservation and Forestry)に改名され、環境全般の所管官庁となりました。環境保全森林省は、大気汚染対策の手始めとして、世界保健機関(WHO)が定める環境品質ガイドラインを参考にミャンマー独自の大気環境基準策定を進めています。また、大気汚染状況の把握のため、環境大気の常時監視体制の構築に向けた取り組みも開始しています。

 4.環境協力の現状
 国際協力機構(JICA)は、ヤンゴン市都市開発委員会(YCDC)と協同して、中長期的かつ包括的な開発ビジョンを基にした経済社会開発促進のための戦略的開発計画(マスタープラン)を策定するなど、社会基盤インフラ整備への協力に取り組んでいます。大気汚染対策としては、ドイツ国際協力公社(GIZ)がミャンマー主要都市(ヤンゴン市・マンダレー市)の大気汚染状況を過去に調査しており、その後もYCDCに対し環境大気計測器の斡旋や測定地点の検討支援などを行っています。

5.環境対策技術ニーズ
 ミャンマーの大気汚染問題における技術ニーズとしては、以下の表のようにまとめられます。

  分野  技術ニーズ
 大気汚染  @自動車排ガス対策
- 触媒導入(三元触媒・酸化還元触媒・PM捕集フィルター)
- 車両整備(エンジンの点火時期調整、排ガス再循環装置など)
- 高品質燃料(無鉛・低硫黄)への転換

A工場ボイラー対策
- 高品質燃料(低窒素・低硫黄)への転換
- ボイラーの燃焼管理
- 集塵機の設置

Bセメント産業
- 電気集じん機
- 仮燃炉の設置
- 低NOxバーナー

C火力発電所
- 低硫黄燃料への転換
- 排煙脱硫・脱硝装置
- 低NOxバーナー 環境分析・測定
  環境分析・測定 - 大気汚染物質のモニタリング装置

6.普及啓発ガイド
2015年に日緬の共催で実施した二国間セミナーにて、大気汚染対策の普及啓発ガイドを配布しました。

大気汚染対策普及啓発ガイド(ミャンマー語)[PDF 2.3MB]

大気汚染対策普及啓発ガイド(日本語訳)[PDF 2.5MB]

参考資料

・報告書(日本語)
[本編 PDF 4.9MB 別添 (1) PDF 210KB (2) PDF 209KB (3) PDF 3.3MB (4) PDF 71KB (5-1) PDF 3MB (5-2) 4.9MB (6) PDF 2.3MB]


・報告書(ミャンマー語)
[本編 PDF 4.1MB 別添 (1) PDF 151KB (2) PDF 404KB (3) PDF 3.5MB (4) PDF 269KB (5-1) PDF 3.5MB (5-2) PDF 4.9MB (6) PDF 4.7MB]

コベネフィット型環境対策技術等の国際展開に基づく
今後の協力事業形成のための基礎調査事業委託業務

・平成28年度 報告書(日本語)
[本編 PDF 4.8MB]


・平成28年度 報告書(英語)
[本編 PDF 3.3MB]

アジアにおける環境技術の実証・認証制度

(以下、すべて2011年3月時点での調査結果に基づく

第7回東南アジア諸国連合(ASEAN)+3(日中韓)環境大臣会合(2008年10月)では、環境上適正な技術やクリーン技術の推進において活動を行っていくことが合意されており、また、第12回日中韓環境大臣会合(2010年5月)で採択された「環境協力に係る日中韓三カ国共同行動計画」では、日中韓が環境対策技術の実証に関する情報交換を進めることが掲げられています。

さらに、2009年に作成されたASEANの社会文化分野の行動計画ASEAN社会文化共同体ブループリント(ASEAN Blueprint for Socio-Cultural Community) では、戦略的目標として環境上適正な技術(environmentally sound technologies、EST)を推進することが掲げられており、その実現のため2015年までにASEAN Network on ESTを創設することが目標として掲げられています。 また、2010年6月にはフィリピンにおいて第1回ASEAN 環境技術実証(Environmental Technology Verification、ETV)ワークショップが開催され、ASEAN7カ国に加えて中国及び韓国がオブザーバー参加しています。

アジア各国における環境対策技術等の実証・認証制度の導入状況
環境技術に関する制度の種類と導入状況 実施機関 (関係機関)
韓国 実証制度:導入済み(1997年)
1997年に書類審査と現地試験を通して実証を行うETV制度を導入し、2006年にはETV制度を簡素化した、主に書類による審査を行う New Excellent Technology(NET)制度を導入した。
・環境産業技術院
・環境部
認証制度(国家規格):導入済み(1963年)
韓国産業規格(Korean Industrial Standards)であるKSには環境部門があり、環境評価、大気、水質、土壌、廃棄物などの項目がある。KSマークを取得するためには、韓国標準協会から審査を受ける必要がある。
・技術標準院
・標準協会
フィリピン 実証制度:導入済み(2006年)
2011年現在、ASEANの中で唯一ETV制度を既に導入・運用している。
・産業技術開発研究所
・科学技術省
・環境・天然資源省
タイ 認証制度(国家規格):導入済み(1969年)
タイ工業標準局が、国家規格であるTIS (Thai Industrial Standards)の策定・認定を行う。浄水フィルタ(活性炭やイオン交換樹脂)の国家規格がすでにあり、飲料水用浄水フィルタやディーゼル車の排気ガスに関する規格も検討されている。
・天然資源環境省環境保全推進局
・国立イノベーション機構
・工業標準局
実証制度:導入予定なし N/A
中国 実証制度:導入予定有り
2015年までに導入予定。
・環境保護部
・環境科学学会
ベトナム 実証制度:導入予定有り
ベトナムの状況に合った環境技術を選定・普及させることを目標としたETV制度の構築を行っている。
・天然資源環境省環境総局
・科学技術省
マレーシア 実証制度:導入予定有り
第10次マレーシア5ヵ年計画にETVを盛り込むためのプログラム及び予算を政府に申請中である。
・エネルギー・グリーンテクノロジー・水道省
・標準工業研究所
インドネシア 実証/認証制度:導入予定なし
以前にカナダ国際開発庁(CIDA)の支援によりETVプロジェクトを実施した経験がある。
・環境省
・技術応用評価庁
・クリーナープロダクションセンター
・国家標準局
カンボジア 実証/認証制度:導入予定なし (該当なし)
ラオス 実証/認証制度:導入予定なし (該当なし)

詳細情報

技術実証・認証制度の相互認証、環境技術の規格標準化に係る国際動向

環境技術実証(ETV)制度はカナダと米国で発祥し、現在はカナダ、EU、フィリピン、韓国が中心となり(日本と米国はオブザーバーとして参加)、 ETV制度、あるいはETVのパイロットプログラム が実施されて います。しかし、現在は 国ごとに ETV制度の仕組みが異なるため、ある国で実証された環境技術 がそのまま 他国で認証される仕組みとはなっていません。 こうした状況を乗り越えるため、現在ETV制度を共通のルールに従い、相互認証を行うため次のような取り組みが国際的に行われてきました。そして、2012年9月にカナダ政府からISO事務局にETVに関する提案書(NWIP: New Work Item Plan)が提出され、2013年2月に賛同国多数により、ETVのISO規格化を具体的に進めるためのワーキンググループが立ち上がることになりました。

  1. EUによるAdvance ETV
  2. OECDによる取組
  3. International Working Group on ETV (IWG-ETV)
  4. 共同実施プロジェクト
  5. 相互認証のための標準化に係る取組(カナダ)

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