廃棄物・特定有害廃棄物等の輸出入

令和3年12月1日

埼玉県の輸出事業者H

経済産業省産業技術環境局
資源循環経済課長 羽田 由美子

環境省関東地方環境事務所
所 長 瀨川 俊郎


特定有害廃棄物等の未承認輸出について(厳重注意)

貴社が博多港からマレーシア向けに令和3年2月に再生利用目的として輸出した貨物(メタルスクラップ(被覆導線))について、マレーシア当局が有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約(以下「バーゼル条約」という。)で規制する有害廃棄物に該当すると判断し、日本に対して通報するとともに、当該貨物を横浜港にシップバックさせた。

当該貨物には、同年10月11日に横浜税関による貨物検査に経済産業省、環境省及び関東地方環境事務所横浜事務所の職員が立ち会った結果、有害物質の含有のおそれのある廃基板及びバーゼル条約で規制されている複数の種類のプラスチックが混入していることが判明した。

これらは、特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律(平成4年法律第108号。以下「バーゼル法」という。)第2条第1項に規定する特定有害廃棄物等に該当する。

特定有害廃棄物等を輸出しようとする者は、バーゼル法第4条第1項の規定に基づき、外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号)第48条第3項の規定により輸出の承認を受ける義務が課せられるところ、当該貨物の輸出に当たって当該承認を受けていなかったことは、国内においてはバーゼル法違反となる。さらに、国際的にもバーゼル条約違反として我が国のバーゼル条約遵守に係る信頼を損ねるおそれがある行為でもあり、よって本書面により厳重に注意する。

また、今後このような事態が発生しないよう、次の措置を求める。

  1. 今般の未承認輸出に至った原因を明らかにし、今後同様の事態が発生しないための再発防止策を策定すること。また、策定された再発防止策(今般の原因究明を含む)及び当該貨物の処分方法を記載した顛末書(経緯書)を令和3年 12月15日までに経済産業省及び環境省に提出すること。
  2. 国内へ引き取った貨物について国内で処分する場合は、環境上適正に処分し、処分完了した旨を後日報告すること。
  3. 今後、輸出を行う場合は、貴社の責任において輸出貨物の由来、性状等の把握及び十分な品質管理の確保に努めるとともに、特定有害廃棄物等を所定の手続きを経ることなく輸出することのないようにすること。