第二 環境保全分野における新規産業の創出のための環境整備

1.成長が期待される産業の将来像

 地球温暖化の問題を一典型に、今日の環境問題は、地球規模の空間的な広がりと将来世代にわたる時間的な広がりを持つに至っている。我々の今日の繁栄は、海外の人々、物言わぬ他の生物や自然、さらには将来世代に対し、不利益を転嫁することによって賄われていると見ることもできる。このため、今日の環境問題を解決するためには、単に日本国内において、差し迫った被害を発生させないようにするとの観点から必要な限度で対策を行うのでは不十分であって、海外の人々、世界の生態系、さらには将来の世代が、豊かな環境のもたらす恵みを享受できるように、広い視野の下で、かつ被害が生じる前に先取り的に対策に取り組む必要がある。また、地球温暖化問題を始め今日の環境問題では、通常の事業活動や日常の生活行動が累積して原因を生じさせている面が強く、その解決に当たっては、社会を構成する全ての主体の参加の下で、経済システム自体を、循環を基調とし、自然と共生できるような、環境への負荷が少ない長続きする形のものへと改革していくことが不可欠である。

 経済の姿や仕組みを変えるとなると痛みが生じる。それは、将来世代などに費用の一部を先送りすることによりこれまで得てきた利益が失われることに伴うものである。しかしながら、既得の利益を失うことは、企業活動の停滞を意味するものでは全くない。様々な財貨を交換し、組み合わせ、加工して、需要に応じた製品やサービスを効率良く提供することは、いつの時代にあっても企業に期待される役割である。この役割を果たせない企業は衰退し、新しいニーズによく応え得る企業は繁栄する。21世紀の世界市場を展望すれば、環境保全は、企業に応えてもらいたい、新たな、そしてますます成長が期待される需要のうちで最も重要なものの一つである。産業がこの新しい需要を満たすことに向けた挑戦を避けていては、人類に明るい未来はないとも言えよう。このような大きな意義を持つことに鑑み、環境への負荷の少ない持続可能な経済への改革を、農業革命、産業革命に比べ得る「エコ産業革命」と称する向きもある。

 国内外での環境保全の必要性の高まりに応じて、具体的には、{1}断熱材、二重ガラス、高周波蛍光灯、低公害車、コージェネ装置、燃料電池など、使用の際の環境への負荷が少ない、あるいは使用により環境負荷の発生自体を少なくする素材や製品・装置等の製造業(低環境負荷型製品製造業)、{2}太陽光発電・太陽熱温水器、風力発電など、再生可能で環境負荷の少ない自然エネルギーの利用装置の製造業(新エネ産業)、{3}廃棄物を処理し、あるいは廃棄物中の有用物を回収して再生資源としての活用の道筋をつける廃棄物処理・リサイクル業や、廃熱などの未利用エネルギーを回収して有効利用するヒートポンプなどの創エネ機器の製造業、{4}重油脱硫装置、ばい煙処理などのための公害防止装置や環境汚染の測定分析機器等を製造する環境装置産業、{5}汚染された土壌や地下水等を浄化する環境回復産業、{6}緑化・造園、多自然型工法による土木工事などを行う環境創造産業、及び{7}環境保全に係わる調査研究、環境影響評価、情報処理・提供、専門的な助言などを担う環境コンサルタント業などが急成長することが期待される。

 以上に掲げた産業が供給する素材・機器・製品、サービス等は、環境保全以外の効用の有無大小とは別に、環境保全が、購入者にとっての効用と認識されて初めて購入費に引き合うものと評価され、購入されるものであり、環境保全の需要が顕在化しないと市場が拡大しないことが共通の特色である。これら産業は、本来の意味での環境産業と言えよう。他方、環境保全に係わる一定の効用に加え、購入のための出費に見合う程に十分に他の効用をも生み得る素材や製品などを供給する産業がある。これらの環境保全に資する産業(広い意味の「環境保全関連産業」)については、後述の第三に整理した上で振興のための施策などを提案しているが、その市場も、環境保全の必要性が高まるにつれ拡大していこ
う。

2.雇用規模・市場規模予測

 環境保全に関連する産業には、本来の環境産業に加え、環境保全に資する産業があり、その範囲は極めて広い。

 「経済構造の改革と創造に関するプログラム」においては、環境関連分野及び新エネ・省エネ分野の合計で、現状の国内市場規模がおよそ17兆円であるのが、2010年には約43兆円へと急成長するものと試算された。環境庁が、平成6年版環境白書のために実施した調査では、本来の環境産業を中心に積み上げ計算が可能ないくつかの業種に絞り、市場規模の予測を行っているが、これによれば、1990年に売上高6兆円であったのが、2000年には13兆円、2010年には26兆円と、年率約8%の割合で成長するものと予測された。我が国の環境産業の急速な成長は、他の調査でも同様に予測されており、OECDでは、2000年にかけて年率約7%での売上増加を予測している。また、OECDほかの調査では、環境産業の世界市場は、1990年には2000億ドルであったのが、2010年には、3000億ドルから5000億ドル以上まで急成長を遂げると予測されている。

 また、雇用規模については、環境庁が行った産業連関分析によっても、環境産業は労働集約的、知識集約的であることが示されており、その拡大に伴う雇用の増加の誘発効果は、景気対策として活用されることの多い公共事業に劣らない大きさであった。「経済構造の改革と創造に関するプログラム」においては、環境関連分野及び新エネ・省エネ分野の合計で、2010年までに約85万人の雇用増加を見込んでおり、成長が期待される15の分野の中で第5番目の大きな雇用増が予測されている。

3.総合的な施策パッケージ

 環境関連産業は、環境への負荷の低減に資する製品やサービス等の供給を通じて、環境への負荷の少ない持続可能な形のものへ経済社会を改革していく上で重要な役割を果たす。既に、多くの企業や産業団体が「エコ・ビジネス」などの名称を与えて意欲的な取組を始めている。しかし、環境関連産業が今後発展していく上では様々な支障や障害があるものと考えられる。例えば、環境利用のルールがないと環境保全の需要が顕在化しないことなどがあり、既述の第一に掲げたとおり、環境利用ルールの設定や環境に係わる投資決定手法の改善など、環境関連産業の健全な発展のための基盤整備を行う必要がある。これらの基盤整備施策のうち、環境分野全般に共通するものは既述の第一の2の(1)及び(2)に掲げたとおりであるが、主な個別の環境問題毎の施策は以下のとおりである。
(1) 地球温暖化対策
 地球温暖化に関しては、内外の対策が現状のままでは、二酸化炭素等の温室効果ガスが急速に大気中に蓄積されていき、21世紀中には甚大な影響が生じるものと予想される。さらに、被害が明確になった時点では大気への温室効果ガスの蓄積が進んでしまっているので、実効ある発生源対策は極めて困難となる。このため、早い段階から排出量の抑制や大幅な削減を行い、将来に予想される温室効果ガスの大気中濃度を低減する必要がある。この第一歩となる21世紀初頭からの対策強化に国際合意するため、その機会となる地球温暖化防止京都会議(COP3)に向けて、各国間の交渉が進んでいる。

 我が国は、二酸化炭素の排出量では、旧西側先進国のうち第2位であり、アフリカ大陸全体または南米大陸全体の排出量を超える量を排出している。先進国の中には、我が国の排出量の数%にしか満たない排出量の国も見られる。今後には開発途上国の経済発展も見込む必要があり、世界全体での排出量を中長期的には現状以下に削減していく上では、我が国での排出削減は遅かれ早かれ避けて通れない。

 したがって、我が国にとっては、平成2年に関係閣僚会議で決定した地球温暖化防止行動計画に基づき対策を講じ、現行の国連気候変動枠組み条約の趣旨に沿って、二酸化炭素等の排出量を2000年時点で1990年のレベルに戻すとの、いわゆる2000年目標を達成することが喫緊の課題となっている。さらに、2000年以降の排出量の削減に向けて一層厳しい対策の準備をしていくことも大きな課題である。

 我が国としては、国際社会に占めるその主導的な地位に鑑み、また、地球温暖化防止京都会議の開催国、議長国として、国内の対策に責任を果たすのみならず、他の先進国の対策を含め世界全体の対策の在り方を検討し、国際合意づくりにリーダーシップを発揮する必要がある。

 このほか、地球温暖化問題の抜本的な解決のためには、100年単位の長期にわたり、開発途上国も含めた世界全体で二酸化炭素等の大幅な排出削減を進める必要がある。このためには、現在レベルの技術に基づく対策のみでは不十分であり、技術の抜本的な向上と優れた技術の内外への普及に道筋をつけていくことが課題となっている。

 以上のようなことを踏まえ、2000年目標の達成とその後に想定される一層厳しい対策の準備のため、当面は、地球温暖化防止行動計画に沿って、生産、流通、消費、廃棄の各段階での対策の一層の強化を総合的に進めるとともに、これら活動の基礎となる都市インフラストラクチャーや国土利用の改善をも着実に進めていく。また、21世紀を見通して、我が国等の先進国はもちろん途上国をも含めた、世界全体での抜本的な対策の進め方を検討し、その具体化のための手段を構想していく。これらの際には、特に、環境保全関連産業活動の活発化を通じて経済構造改革が促進されるよう留意しつつ、以下のとおり施策を進める。

○直ちに実現に着手すべき施策

・地球温暖化防止行動計画に盛られた各施策の実施
 同行動計画に盛られた広範な施策につき、それぞれの効果を極力明かにしつつ、可能な限り効果的な推進を図る。特に、太陽光発電、低公害車などの環境負荷の少ない新エネルギー供給設備、新エネルギー利用機器を各種事業者等が積極的に導入することを促すため、政府が国会に提出した「新エネルギー利用促進法案」の制定を受けて、環境庁としてもその円滑な施行に参画するとともに、環境庁自らも、太陽光発電装置付き清涼飲料自動販売機の実証のための大規模フィールドテストの実施、低公害車の集中的な導入の財政支援、閣議決定された率先実行計画の厳格な進行管理を通じた、官公庁庁舎の新エネルギー導入や省エネ化などを進める。このほか、地球温暖化防止京都会議の成果を受けて同行動計画の見直しを行うこととし、産業界を始め各方面の対策努力を円滑に引き出し、全体としての対策効果を確実に見込めるよう、その仕組みの在り方も含め、検討作業を早急に進める。また、地球温暖化対策技術への需要の顕在化に効果的なルールづくりについても、規制的措置、経済的措置、自主的取組の促進などの最適なポリシーミックスを求めて積極的に検討を進め、その成果を得て政策に活用する。

・地方公共団体のモデル的な対策事業等の支援
 地方公共団体による対策実施には大きな効果が期待されるところであり、早急に、対策強化の呼掛けを行う。また、公害防止計画や地域の独自の環境計画などを通じ、地域におけるごみ発電等を促進し、電源入札制度や託送などに関する規制の緩和を活用して余剰電力を極力有効に利用するなどの先進的な取組の具体化を側面支援するとともに、都市における環境にやさしいインフラストラクチャーの計画的な整備を促す。また、地域独自の対策計画の策定への支援に加え、対策効果が高く他の模範となるような各種の公共的事業や地域の事業者と一体となった対策技術開発などに関する財政的支援も開始する。

・HFC等の代替フロンの放出抑制、その他の温室効果ガスの対策
 HFC等の、温室効果の極めて大きな人工化学物質について、代替物質がない用途にその使用を限定し、さらに、使用する場合は、排出抑制や回収・再利用または回収・破壊がなされることとなるよう、当面は、事業者において自主的措置を講じることを政府一体となって求めていく。また、メタン等のその他の温室効果ガスには、既存の公害対策の運用強化を通じて排出削減を果たせるものがあり、環境庁の既に担当している施策について、対策の当面の強化に早急に着手する。

・国民各界各層に対する普及啓発、国民による自主的対策の促進
 地球温暖化問題の緊要性、対策の必要性等につき、地方公共団体や事業者団体、市民団体と連携しつつ、国民各界各層に対する普及啓発を進める。また、環境家計簿、アイドリングストップなど、実際に地球温暖化防止に効果があり、取り組んだ人に手応えが感じられるような国民参加の対策を進める。さらに、エコマーク制度やグリーン購入などを通じ、消費者のイニシアチブの下で、環境保全関連産業活動の需要の拡充を図る。産業界における自主的な行動計画については、その内容について必要な助言を行うとともに、計画の具体化が円滑に進むような方策について検討作業を早急に進める。

・共同実施活動等、海外での対策への協力に関する支援
 共同実施活動は、現時点で、事業者やその団体、地方公共団体などが直接に参加できる国際的な地球温暖化対策として極めて重要なものである。このアイディアについて国内における一層の普及を図るとともに、その円滑な実施に資する制度等の検討を早急に進める。また、国際協力事業団(JICA)による研修等の技術協力の拡充を働きかけ、その実施に積極的に協力する。さらに、環境庁自体としても、途上国での対策戦略づくりの支援、海外派遣専門家の研修、途上国の地球温暖化対策担当行政官の声の集約と国際社会への伝達などの事業を行う。

・地球再生計画の再構築及び革新的な技術、システムの開発、普及
 21世紀末の地球では、世界人口一人当たりの二酸化炭素排出量を現状の我が国の一人当たり排出量の数分の一以下に抑えなければならないことに鑑みれば、国外はもちろん国内においても革新的な技術や社会システムを開発し、実地に普及していくことが必要であり、産業部門に期待される役割は大きい。このため、政府として国際的に提唱した「地球再生計画」の構想につき、さらに、内容を精密なものとし、実行のための肉付けを図ることとし、環境庁としては、産官学の幅広い参画を得て、21世紀中葉以降の温室効果ガスの排出が極めて少ない社会の在り方を望ましい目標として描くとともに、アジア・太平洋地域において持続可能な開発を促進するためのファイナンスの在り方について検討し、可能なものから政策に活かす。また、幅広い対策技術の評価を継続的に実施し、技術開発の加速化を図り、その成果をマニュアルとして公表するなどにより優れた技術の普及を促す。
(2) 循環型の社会システムの整備
 環境への負荷の少ない持続可能な経済社会の構築のため、リサイクル施設・廃棄物処理施設等の社会インフラの整備促進や他の地域に支障を及ぼさないような廃棄物の適正かつ円滑な広域処理の促進といった循環型の社会システムの構築を官民の適切な役割分担のもとに進める。

 また、廃棄物処理・リサイクル対策は地域の取組が鍵であり、こうした観点から、再生資源の利用等により廃棄物をゼロにすることを目指した地域ぐるみの取組や町づくりに対して支援を行う。

 さらに、製品の使用・廃棄・リサイクル段階を考慮した生産・流通システムの見直しを行う。また、有害物質を含む使用済製品の引き取りの義務化など、適正処理やリユース・リサイクルを推進するため、事業者、国民、地方公共団体といった各主体の努力が活かされる社会システムの整備を進める。

○直ちに実現に着手すべき施策

ゼロ・エミッション構想(ある産業から出るすべての廃棄物を他の分野の原料として活用し、あらゆる廃棄物をゼロにすることを目指す構想)の推進のための支援
リターナブルシステム(中身の詰め替えによる繰り返し利用)等による使用済製品の再使用(リユース)の促進
容器包装リサイクルシステムの構築
フロンの回収・破壊システムの構築
リサイクル施設・廃棄物処理施設の整備促進と廃棄物の適正な広域処理の促進
下水道資源の有効利用、都市廃棄物収集・処理の新たなシステムの整備
低公害車の普及を支える社会システムの構築
(3) 技術開発及び調査・研究の推進
 環境技術は中長期的には、産業界にとって競争力の源泉となり得るものであるが、その開発段階では、現状の経済原則に照らしてコスト負担増となりがちであり、民間における開発インセンティブが働きにくい側面がある。

 したがって、国自らが将来の環境関連産業の発展のためのシーズとなる環境技術の開発やその初期需要の創出等を通じた普及及び技術開発の基盤となる科学的知見の充実に全力を挙げて取り組み、また、コスト低減化等に資する技術開発、技術の普及施策についても検討を行い、逐次実施する。

○直ちに実現に着手すべき施策

地球変動予測の実現化に向けた研究開発の推進
生態系の観測・監視に必要な技術・手法の開発及びその解明と生態系保全のための技術
の開発
環境計測技術の研究開発
高度な廃棄物処理・リサイクル技術の開発
低公害車の開発及び普及
自動車の低排出ガス化、低騒音化、燃費の向上等の低公害化技術の開発及び普及
ダイオキシン等の難分解物質の処理技術の開発
革新的技術開発のみでなく、コスト低減化技術等の開発、技術普及にも重点
土壌、地下水、大気等の環境浄化技術の開発及び普及
エネルギー・水の循環等により環境負荷ゼロを目指した住宅や事務所ビルの開発と普及
社会資本整備における環境関連技術の導入、開発研究基盤の整備
ライフサイクルアセスメント(LCA)の開発・標準化・普及
有害化学物質の環境モニタリングの強化や測定データ等の提供システムの整備
(4) 人材育成
 今後の環境関連産業の展開においては、環境保全に対する国民各層の意識改革がその駆動力となる。したがって、環境への負荷の少ない持続可能な経済社会の構築の必要性への理解を促進するための消費者等国民各界各層の啓発、これをリードし得る人材の育成、環境教育・学習の一層の推進を図る。

○直ちに実現に着手すべき施策

地球環境パートナーシッププラザ等多様な媒体を活用した消費者・事業者等への普及啓発
ISO14001外部認証制度の普及の促進
こどもエコクラブ、情報ネットワークの活用等による実践的な環境教育施策の一層の推進
環境カウンセラー事業、地球市民大学校等による人材の育成・確保
(5) 産業活動において、環境配慮が最大限に促されるような制度等の構築・改善
 環境に関する規制や制度の導入により、環境への負荷を低減させ、これらの実行面を支える環境関連産業の発展を促すとともに、環境に配慮した商品や企業活動に対する評価手法の標準化とその社会的な促進制度を確立する。

○直ちに実現に着手すべき施策

廃棄物等のリサイクルの過程における環境保全の確保
リサイクル品に関する標準化・規格化の推進(リサイクルJIS等)
低公害車の普及を促す環境整備
環境悪化に伴う社会費用を経済活動に反映させるルールの幅広い検討と採用
(6) 市場創造
 環境関連産業の育成を図っていくためには、その創業利益水準を確保するに足る市場規模の確保が不可欠であるが、当初の市場の立ち上がりは、市場メカニズムの機能のみでは、困難である。

 したがって、生活環境の保全に留意しつつ、リサイクル製品の用途の拡大によるリサイクル製品の新規需要開拓など、環境への負荷の少ない製品を導入促進する施策の検討を図り、逐次実施する。

○直ちに実現に着手すべき施策

リサイクル製品の新規需要開拓
「国の事業者・消費者としての環境保全に向けた取組の率先実行のための行動計画」の推進
低公害車の集中的な導入促進
(7) 途上国への環境協力の促進
 環境問題の克服は世界共通の課題であり、とりわけアセアン、中国等の開発途上国において、工業化の進展に伴う環境問題が今後一層深刻化していくことが懸念されている。

 したがって、我が国が有する環境技術の移転促進などが強く求められており、積極的に国際的役割を発揮する。

○直ちに実現に着手すべき施策

開発途上国におけるモニタリング等の環境保全に関する対処能力向上に対する支援
環境分野(産業公害対策、地球温暖化対策、廃棄物処理・リサイクル対策、自然保護対策等)における海外への協力の充実
開発途上国における持続可能な森林管理への協力
(8) ネットワークの形成
 環境関連産業に関する情報の流通の円滑化を国、自治体、民間が一体となって進める。

○直ちに実現に着手すべき施策

環境庁、学界、企業、地方公共団体が参加する「低環境負荷型経済研究会」の活動の拡充とその成果の普及
国連大学と環境庁とが共催する「地球環境パートナーシップ・プラザ」における環境関連産業からの発信、情報交換の支援