MSC認証制度漁業認証とCoC認証「海のエコラベル」
[1]概要(2020年2月現在)
- 環境ラベル等の特色
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持続可能で適切に管理されている漁業であることを認証する「漁業認証」と、流通・加工過程で、認証水産物と非認証水産物が混じることを防ぐCoC(Chain of Custody)認証の2種類の認証から成る認証制度です。国際的なNPOであるMSC(Marine Stewardship Council)により運営・管理されており、FAOの「水産物エコラベルのガイドライン」をはじめとする、水産物の認証とエコラベル制度に関する国際的に合意された基準を満たしています。
- 情報の提供手法
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- マーク等表示
- 環境負荷データ表示/提供
- 環境影響の考慮の範囲
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- 様々な環境影響を全体的に考慮した環境ラベル等
- その他の環境ラベル等

[2]詳細
- 運営主体名およびその概要
- 海洋管理協議会(MSC - Marine Stewardship Council)は、世界の水産資源の維持・回復や海洋環境の保全を目指し、認証とエコラベルを通じて持続可能で適切に管理された漁業を推進している国際的なNPOです。本部はロンドンで、その他、米国、日本、オーストラリア、オランダ、中国、ドイツ、南アフリカ、デンマーク、カナダ、フランス、スペイン、スウェーデン、チリ、シンガポール、アイスランド、イタリア、ポーランドに事務所があります。
- 運営開始年
- 1997年
- 対象物品等
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- MSC認証漁業:全世界で315漁業、日本は3漁業
- 審査中の漁業:全世界で70漁業以上
- MSC認証ラベル「海のエコラベル」付き製品数:全世界で23,000品目、日本で約280品目
- 着目する環境影響
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水産資源の持続的活用に向けての管理と、海の生態系保護に着目しています。
表 着目する環境影響
環境負荷項目 ライフステージ A 資源採取 B 製造 C 流通 D 使用・消費 E 廃棄 F リユース・リサイクル 1 資源の消費 2 エネルギーの消費 3 大気・水・土壌への汚染物質の排出 4 廃棄物の排出 5 有害物質の利用 6 生態系の破壊 7 その他の環境負荷 - マークを使用するための基準
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基準概要
マークを製品等に付けるためには、漁業者および流通・加工業者等が、独立した第三者認証機関による審査を通じた以下の内容を満たすとの判断により、認証を取得する必要があります。
MSC漁業認証
- 資源の持続可能性
過剰な漁獲を行わず、資源を枯渇させないこと。枯渇した資源については回復を論証できる方法で漁業を行うこと。 - 漁業が生態系に与える影響
漁業が依存する生態系の構造、多様性、生産力等を維持できる形で漁業を行うこと。 - 漁業の管理システム
地域や国内、国際的なルールを尊重した管理システムを有すること。また、持続可能な資源利用を行うための制度や体制を有すること。
MSC CoC(Chain of Custody)認証
- 漁業認証を取得した漁業起源の水産物であることを保証し、流通・加工段階で、認証水産物が非認証水産物と混じるリスクを最大限抑えることを目的に、管理システム、入荷における確認、入荷した認証水産物と非認証水産物の分離と区分け、製品へのラベル使用に関する確実性、認証水産物の出荷時における識別、記録の保管、についてMSC CoC基準に合致しているかどうかが検証される。認証水産物の入荷量と出荷量のマス・バランスもチェックされる。
- 資源の持続可能性
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基準策定手続き
世界各国の200以上の専門家、組織の参加、協力を経て策定。
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基準の目安
MSC認証基準は、以下に挙げる水産物の認証とエコラベリングについての国際的な最良規範を満たしている。
- 責任ある漁業のための行動規範(国連食糧農業機関(FAO))
- 水産物エコラベルのためのガイドライン(FAO)
- 社会環境基準設定のための適性実施規範(国際社会環境認定表示連合(ISEAL))
- 貿易の技術的障壁に関する協定(世界貿易機構(WTO))
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- マークを使用するための手続
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- 商業的使用
MSCの「海のエコラベル」の商業的な使用については、消費者向け(MSC漁業認証を取得した水産製品のうち、一般消費者に直接販売されるもの)と、非消費者向け(バルク包装製品や食品宅配サービス業者の価格表など、MSC漁業認証を取得した水産製品のうち、一般消費者に直接販売されないもの)とがありますが、いずれも認定を受けた独立した第三者認証機関によるCoC認証が必要になります。CoC認証取得後、ロゴ使用ライセンス許諾契約を結んでいただくことで、MSCのエコラベルの使用が可能になります。 - 非営利目的使用
MSCの「海のエコラベル」の非営利目的使用には、非営利団体、教育機関、執筆家、漁業マーケティング団体、認定認証機関による使用が含まれます。各国事務所のロゴ使用許可の権限を持つ担当者がロゴ使用許可の手続きを行いますので、各事務所にお問い合わせをお願いします。 - メディアによる使用
ジャーナリストなどのメディア関係の方々による使用は、一回ごとに使用目的や掲載紙等をMSCの各事務所にご連絡いただくことで可能になります。
- 商業的使用
- 製品情報確認方法
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- 供給者の書類で確認
- 検査機関等の検査結果の添付により確認
- 運営主体から検査機関等に検査依頼
- 事業所への立入調査
- 特になし
- その他
- 適正表示の取組
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- 実施要領等における適正表示の規定
- 適正表示のための規定(罰則規定等)を含むマーク等使用契約
- 適正表示のための規定(罰則規定等)を含む同意書等での確認
- マーク使用者からの使用状況報告
- 市場サンプリング検査
- 事業所への立入調査
- 消費者等からの通報受付体制の整備
- 特になし
- その他
- 関連情報の掲載ホームページアドレス(最新情報はこちらで入手してください)
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マークの概要、実施要領等(MSC日本事務所) 取り扱い企業と商品のリスト(英語のみ)は、上記サイトのwhere to buy より検索可能
- 問い合わせ先
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団体名MSC(海洋管理協議会)日本事務所
部署名広報担当
住所〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町9-15 兜町住信ビル 3F
電話03-5623-2845
FAX03-5623-2846
電子メールMSCJapan@msc.org
URLhttp://www.msc.org