環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書令和8年版 環境・循環型社会・生物多様性白書状況第1部第2章>第2節 循環経済を巡る我が国の状況

第2節 循環経済を巡る我が国の状況

一方、我が国では、年間で鉄スクラップ約770万トンが海外へ輸出されています。また、プラスチックについては約8割が焼却・埋立て等され、再生に回されるものについても、国内利用の約3倍が海外に流出しているとの統計があります。現状では、国内で資源を循環させる基盤が脆弱であり、新たな成長に繋げる機会を逸している状況もあるため、廃棄物等を資源として最大限活用し、付加価値を生み出す経済社会システムへの転換が必要であると言えます。

次に、資源循環を巡る日本の個々の実態について触れていきます。近年、全国において発火事故の問題が取り上げられる機会が増えたリチウムイオン電池については、我が国はその原料調達を特定の国に過度に依存している現状があります。再生可能エネルギーや電気自動車の導入拡大に伴い、使用済蓄電池の発生量は年々増加する見込みもあるため、リチウムイオン電池の中間処理から得られるブラックマスからのリチウム等の回収を進めることが重要です。また、自動車については、高品質な鉄・非鉄金属・プラスチック等の資源が多く使用されていますが、中古車の輸出台数は年々増加しており、資源流出に繋がっているとの指摘があります。

さらに、不適正スクラップヤードの問題も深刻化しています。2017年の廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)の改正により、有害使用済機器保管等届出制度が創設され、特定家庭用機器再商品化法(平成10年法律第97号)及び使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律(平成24年法律第57号)の対象機器を保管又は処分を業として行う場合に届出が義務付けられています。他方、一部地域では、本制度の対象外である金属スクラップ等の不適正な保管や処理に起因する騒音や悪臭、公共用水域や土壌の汚染、火災の発生等が報告されています。こうした不適正スクラップヤードを経由して一部の資源が海外に流出している可能性も指摘されています。