環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書令和6年版 環境・循環型社会・生物多様性白書施策>第3章 循環型社会の形成>第1節 循環型社会形成に向けた循環経済への移行による持続可能な地域と社会づくり

第3章 循環型社会の形成

第1節 循環型社会形成に向けた循環経済への移行による持続可能な地域と社会づくり

循環経済への移行は、資源確保や資源制約への対応や、国際的な産業競争力の強化に加え、経済安全保障の強化にも資するものです。これを踏まえ、バリューチェーン全体における資源効率性及び循環性の向上等に効果的な循環経済アプローチを推進することによって循環型社会の形成を促進します。循環経済への移行に当たっては、各主体にとっては短期的に経済合理的ではない取組の実施が必要となる場合もあるため、各主体の取組が円滑に進み、社会的に評価されるようになる方向で政策を進めます。

循環経済への移行を推進することは、温室効果ガスの排出削減を通じたネット・ゼロの実現や廃棄物の削減・汚染の防止、自然資本への負荷軽減等を通じたネイチャーポジティブの実現といった環境的側面のほか、経済・社会的側面を含めた持続可能な社会の実現に貢献するものです。よって、それぞれの取組間の関係性を踏まえ、最大限トレードオフを回避しつつ、相乗効果が出るような統合的な政策を進めます。

循環経済への移行を推進することにより、例えば、地域課題の解決や地場産業の振興にも貢献し得るものであり、持続可能な地域づくりや地方創生の実現にもつなげるとともに、こうした持続可能な地域を基礎として成り立つ循環共生型社会、すなわち脱炭素社会・循環型社会・自然共生社会が同時実現した持続可能な社会の実現につなげます。