環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書平成28年版 環境・循環型社会・生物多様性白書>平成27年度 環境の状況  平成27年度 循環型社会の形成の状況  平成27年度 生物の多様性の状況>第1部 総合的な施策等に関する報告>はじめに

平成27年度 環境の状況
平成27年度 循環型社会の形成の状況
平成27年度 生物の多様性の状況
第1部 総合的な施策等に関する報告

はじめに

 平成27年(2015年)は、持続可能な社会の実現に向けた様々な世界共通の目標について、それまでの取組と長い議論の上に立って、一段と深化した包括的なものとしてまとめあげ、各国がその目標に向かって共に進むことを確認したことにより、世界的に大きな意味を持つ「節目の年」となりました。

 具体的には、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)が開催され、新たな気候変動対策に関する法的文書として、全ての国が参加し、長期目標を位置付け、また、全ての国が温室効果ガス排出削減目標を5年ごとに提出・更新することを義務付けることが定められた画期的なパリ協定が採択されました。そして、国連総会では、ミレニアム開発目標(MDGs)の達成を踏まえ、2030年(平成42年)に向けたより包括的で新たな世界共通の目標として、持続可能な開発目標(SDGs)を中核とする「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。

 我が国は、これら二つの画期的な国際合意に関して、国内外の取組を進めるとともに、国際的な検討にも積極的に貢献してきました。また、我が国の温室効果ガス排出削減目標について、2030年度(平成42年度)に向けた野心的な中期削減目標を定め、その実施に取り掛かろうとしています。

 地球温暖化対策を始めとする持続可能な社会を求める一連の取組が、世界各国と共に、一段と前進した、新たなステージに入ったことをしっかり認識することが重要です。その認識の下で、中期的目標の着実な達成のため、更に長期的な目標も見据えつつ、我が国政府を始め、あらゆる主体が持続可能な社会の実現のための取組に積極的に取り組んでいくことが必要です。

 また、東日本大震災により発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故によって大量の放射性物質が環境中に放出されたことは、今なお最大の環境問題となっており、東日本大震災からの復興は我が国の最重要課題として、引き続きしっかりと取り組んでいくことが重要です。

 以上を踏まえ、本白書の第1部パート1「地球温暖化対策の新たなステージ」では、地球温暖化対策について、パリ協定とその採択に至る動向を振り返りつつ、我が国の2030年度(平成42年度)の中期削減目標の設定等の取組の進捗状況に焦点を当てます。また、パート2「被災地の復興と環境回復の取組」では、東日本大震災からの環境回復の状況や復興に関する取組等を取り上げます。さらに、パート3「主な課題に関する取組の進展」では、持続可能な開発のための2030アジェンダを始めとする新たな目標や国際的な枠組みと、関連する我が国の国際的・地域的取組に焦点を当てます。