第3節 国際的な循環型社会の構築

 ア 有害廃棄物の適正管理

 有害廃棄物等の不適正な輸出入を防止するため、引き続き、地方環境事務所による立入検査等の現場対応を進め、都道府県や税関等との連携を図ることにより監視の強化に努めます。

 また、「有害廃棄物の不法輸出入防止に関するアジアネットワーク」等による情報交換を引き続き行い、特にアジア各国との連携を推進します。さらに、バーゼル条約事務局やバーゼル条約地域センターとの連携も強化し、アジア太平洋地域におけるE-waste及びコンピュータ機器廃棄物の環境上適正な管理に向けた財政的・技術的支援を行います。

 イ 「アジア3R推進フォーラム」等を活用した3Rの国際的推進

 2009年(平成21年)11月に設立された「アジア3R推進フォーラム」を活用することにより、アジア各国政府、国際機関、援助機関等さまざまな主体の国際連携を促進し、各国のニーズに応じたわが国の3R技術・システムの提供をより有機的に行います。また、OECDにおける資源生産性向上に係る取組や、UNEP「持続可能な資源管理に関する国際パネル」における資源利用に伴う環境影響に関する科学的知見の取りまとめ等UNEPやOECD等の場における国際共同研究を引き続き支援していきます。

 さらに、我が国の静脈産業の海外展開を積極的に支援します。まずは海外展開を目指す先行静脈産業グループに対して事業展開の実施可能性調査等の支援を行います。

 また、次世代の静脈産業を支援するために企業の新たな循環ビジネスモデルの確立支援を行います。

 ウ し尿処理システムの国際普及の推進

 国連ミレニアム目標に掲げられた、衛生的なトイレを使用できない26億人の人口を半減させるという国際的な衛生問題の解決のために、水の安全保障研究会において示されたわが国の貢献として、浄化槽やし尿処理施設などの日本のし尿処理システムの国際普及を図ります。



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