第4節 循環型社会を形成する基盤整備

(1)財政措置等

 循環型社会基本法では、政府は、循環型社会の形成に関する施策を実施するために必要な財政上の措置等を講じることとしています。国の各府省の予算のうち、循環型社会の形成を推進するための経費は、平成22年度当初予算額で約2,427億4,251万円となっています。

(2)循環型社会ビジネスの振興

 ア 循環型社会ビジネスの市場規模

 平成20年度における循環型社会ビジネス市場の市場規模は、目標の基準年である平成12年度の1.32倍、雇用規模は1.5倍となり、前年度(平成19年度)と比較すると、それぞれ1.6%、2.3%減少しています(表3-4-1)。


表3-4-1 日本の循環型社会ビジネス市場規模について

 なお、市場規模の推計に当たっては、環境ビジネスの推計範囲の見直しが行われたことに伴い、新たに循環ビジネスに該当する項目を追加して、過去の分まで遡り推計しています。また、推計範囲が変更された建設リフォーム・リペア市場についても、同様に過去の分まで遡り、推計しています。 

 また、雇用規模についても、市場規模と同様に、循環ビジネスの新規追加分を反映させて、過去まで遡っています。また、一般廃棄物処理事業は統計の実数で、過去の分まで遡り推計しています。

 イ 循環型社会ビジネスの振興へ向けた取組

 グリーン購入ネットワークなどとも連携しながら、グリーン購入法に基づく環境物品等の調達の促進を進めています。同法に基づく「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」に定められる特定調達品目(国等の各機関が重点的に調達を推進する調達物品等の種類)及びその判断の基準等については、適宜見直しを行っていくこととしており、平成21年には、10品目の追加、1品目の削除及び「コピー用紙」における総合評価指標方式の導入をはじめ39品目の見直しを行いました。

 また、地方公共団体のグリーン購入の取組を促進するため策定したグリーン購入取組ガイドラインについて普及を行っています。平成21年度は、市場の環境表示を引用しつつ、判断の基準を分かりやすく解説した手引きを作成することとしています。

 優良な廃棄物事業者の育成を図り、「悪貨が良貨を駆逐しない」環境整備に取り組んでいます。平成22年度は、産業廃棄物処理業の優良化を一層推進するため、産業廃棄物処理業に係る優良性評価制度の普及啓発を行い、処理業者の優良化への意識向上を目指した研修会を開催しました。

 ウ 地域循環圏の構築に向けた取組

 循環資源の性質と地域の特質に応じた最適な規模の「地域循環圏」を構築するため、実際の循環資源の賦存量やリサイクル施設などに基づく地域循環のモデルケース作成とそれに基づく課題整理や効果検証を進めました。また、地域ブロックレベルでの地域計画の策定等に向けた検討を進め、北海道、東北、関東、中部、近畿及び九州ブロックにおいて、各地方環境事務所が中心となり、各主体が連携・協働して、地域計画を策定するための調査を行いました。

 その他、いわゆる地域コミュニティ・ビジネスの育成を図るための事業の実施等を行いました。

(3)経済的手法の活用

 多くの人の日常的な活動によって引き起こされている廃棄物問題については、大規模な発生源やある行為の規制を中心とする従来の規制的手法による対応では限界がある面もあります。このため、その対策に当たっては、規制的手法、経済的手法、自主的取組などの多様な政策手段を組み合わせ、適切な活用を図っていくことが必要です。

 平成12年4月施行の地方分権一括法によって、課税自主権を尊重する観点から法定外目的税の制度が創設されたことなどを受け、廃棄物に関する税の導入を検討する動きが各地で見られます。

 環境省の調査によると、平成22年4月現在、47都道府県中27道府県(三重、鳥取、岡山、広島、青森、岩手、秋田、滋賀、奈良、山口、新潟、宮城、京都、島根、福岡、佐賀、長崎、大分、鹿児島、宮崎、熊本、福島、愛知、沖縄、北海道、山形、愛媛)及び政令市60市中1市(北九州)において、産業廃棄物に係る法定外目的税の条例が制定されています。

 また、関係者が3Rに自主的に取り組むことを促す、市場メカニズムを活用した手法について検討しています。平成22年度は、これまでの検討結果を踏まえ、事業者、NPO・NGO、行政等取組の中心となる主体に向けた、3Rエコポイントシステム促進のためのガイドラインとして取りまとめました。

(4)教育及び学習の振興、広報活動の充実、民間活動の支援及び人材の育成

 NGO・NPO等の民間団体、事業者及び地方公共団体等の各主体が連携して行う3Rを中心とする循環型社会に向けた取組であって、先駆的・独創的かつほかの領域に適用可能な一般性を有する事業について、アイデアを公募して、「循環型社会地域支援事業」を実施しました。

 インターネットを利用する若い世代に対し、恒常的に周知徹底を図るため、WEBマガジン「Re-Style」(PC版:http://www.re-style.jp/、携帯版:http://www.re-style.jp/k)を運営し、循環型社会の形成に関する最新データやレポート等の掲載、循環型社会基本計画の周知及び循環型社会に向けた多様な活動等の情報発信を行い、国民、民間団体及び事業者等における活動の促進を図りました。

 経済産業省では、生活者が自ら積極的に3Rに取り組むことを分かりやすい形で促進するため、子どもから大人まで対象にした普及啓発用DVD「レッツゴー3R」等の貸出等を実施しました。また、容器包装リサイクル教材等3R教育に資する教材の地域における学習拠点への設置や貸出を実施するとともに、企業・団体等が行っている3R教育に役立つ取組を紹介した取組事例集を広く配布しました。

 また、学校における環境教育の推進を図るため、全国環境学習フェアの開催や環境教育担当教員講習会の開催、新しい環境教育のあり方に関する調査研究の実施、環境のための地球学習観測プログラム(GLOBE)モデル校の指定等を行っています。

 さらに、文部科学省と環境省の連携・協力の下、環境教育リーダー研修基礎講座の実施、環境教育推進のためのプログラム開発や、情報提供体制の整備を進め、「環境教育・環境学習データベース」をホームページで公開しています。

 環境保全計画の策定や環境測定など地方公共団体や企業の環境保全活動等に関して、文部科学省においては、技術士法(昭和58年法律第25号)に基づき技術士試験に合格し、登録を受けた有能な技術者に「技術士(環境部門)」の名称を付与し、活用を促進しています。

 平成20年12月末日現在、技術士(環境部門)の登録者数は970人です。

(5)調査の実施・科学技術の振興

 平成18年3月に閣議決定された第3期科学技術基本計画の下、平成18年3月に総合科学技術会議において決定された「分野別推進戦略」では、環境分野で今後5年間に重点的に取り組んでいくべき研究課題の一つとして、3R技術研究が選定されました。さらに、平成22年12月、第4期科学技術基本計画の策定に向けた「科学技術に関する基本政策について」(総合科学技術会議答申)において、資源やエネルギーの「効率的、循環的な利用、さらに廃棄物の抑制や適正管理、再利用に関する研究開発を推進するとともに、成果の普及、展開を促進する」ことが盛り込まれました。また、中央環境審議会では、「環境研究及び環境技術開発を重点的に推進するための戦略は、いかにあるべきか」について審議し、「循環型社会」領域等の「重点課題」を明らかにした「環境研究・環境技術開発の推進戦略について」(中央環境審議会答申)を平成22年6月に取りまとめました。

 循環型社会形成推進科学研究費においては、競争的資金を活用し広く課題を募集し、平成22年度は101件の研究事業及び5件の技術開発事業を実施しました。

 研究事業については、資源生産性や有害物質対策の観点から、早期の技術開発が期待されている、使用済み製品等、廃棄物からのレアメタル回収技術に関する研究を行う「レアメタル特別枠」を設けるとともに、「3R推進のための研究」、「廃棄物系バイオマス利活用推進のための研究」、「循環型社会構築を目指した社会科学的複合研究」、「アスベスト問題解決をはじめとした安全、安心のための廃棄物管理技術に関する研究」、「漂着ごみ問題解決に関する研究」を重点テーマとし、廃棄物をとりまく諸問題の解決とともに循環型社会の構築に資する研究を推進しました。

 技術開発事業については、「3R・エネルギー回収の高度化技術」、「アスベスト等、有害廃棄物当の無害化処理当に関する技術開発」等を重点テーマとし、次世代を担う循環型社会形成推進に係る技術の開発を図りました。

 また、地球環境保全等試験研究費のうち公害防止等試験研究費においては、前「循環型社会形成に資する研究」等環境の保全に係る施策の立案等に寄与する研究について重点的強化を図る必要がある事項の一つに掲げ、廃棄物の処理・再利用技術の開発等、4課題の試験研究を実施しました。

 また、農林水産省においては、木質系廃棄物、家畜排せつ物等の有機性資源について、バイオマスとして利活用を促進するため、低コスト・高効率なバイオ燃料生産技術、バイオマスをマテリアル利用するための技術の開発に取り組むとともに、バイオマスの地域特性に応じて、燃料利用とマテリアル利用を総合的に行うバイオマス利用モデルの構築等の取組みを行いました。

 文部科学省と経済産業省は連携して、「元素戦略/希少金属代替材料開発プロジェクト」を推進しています。文部科学省は「元素戦略プロジェクト」の中で、物質・材料の特性・機能を決める元素の役割を解明し利用する観点から、希少元素をユビキタス元素で代替し新しい材料の創製につなげる研究開発を推進しています。一方、経済産業省は、「希少金属代替材料開発プロジェクト」で、液晶パネル等に使用される透明電極向けインジウム、希土類磁石向けディスプロシウム、及び、超硬工具向けタングステンの代替/使用量低減に向けた技術開発に着手しました。

 また、文部科学省は太陽光で水を分解して水素を得る光触媒の開発や、セルロースなど植物の非可食部位を分解し糖に変換する固体酸触媒の開発を進めています。

 さらに、経済産業省では、環境制約、資源制約克服を目指し、都市資源の大規模・高効率回収、再資源化を推進するため、廃プラスチックの総資源化システムや低炭素産業を支える製品のリサイクルシステム構築に向けた技術開発や実施可能性調査及び使用済み小型家電からのレアメタルリサイクルシステム構築事業を実施しました。

 国立環境研究所においては、第2期中期計画(計画期間:平成18年度から22年度)に掲げられた重点研究プログラムの一つである「循環型社会研究プログラム」の着実な実施を図りました。

(6)施設整備

 地域における資源循環型経済社会の構築を目的に、環境省及び経済産業省が連携して実施している「エコタウン事業」(図3-4-1)に対して、事業運営に資する情報提供や、情報交換の場の設定などの支援を行いました。


図3-4-1 エコタウン事業の承認地域マップ

 畜産業において発生する家畜排せつ物については、家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律(平成11年法律第112号)に基づき、適正な管理の徹底・有効利用を促進しました。

 こうした中、家畜排せつ物、稲わら等の循環的な利用については、畜産農家と耕種農家との連携強化による流通・利用の促進を図るため、たい肥・稲わら等流通利用計画の作成等を行うとともに、たい肥化施設等の整備等幅広い取組を推進しました。)

 さらに、下水汚泥の減量化のための施設整備の支援、新技術開発の促進等を行いました。

 近畿圏においては、「広域臨海環境整備センター法」(昭和56年法律第76号)に基づき大阪湾フェニックス計画が推進されており、尼崎沖処分場、泉大津沖処分場、神戸沖処分場に加え、平成21年10月からは大阪沖処分場において近畿2府4県内の168市町村(平成22年3月21日現在)から排出される廃棄物を受け入れています。

 港湾における廃棄物処理対策として、平成22年度は、16港において廃棄物埋立護岸の整備に対する補助を実施しました。また、資源のリサイクルの促進のため、首都圏の建設発生土を全国の港湾建設資源として広域的に有効活用するプロジェクト(いわゆるスーパーフェニックス)を平成6年度に開始し、平成22年度は広島港等において建設発生土の受入れを実施しました。

(7)不法投棄等の未然防止・拡大防止対策及び残存事案対策

 不法投棄等の未然防止・拡大防止対策として、廃棄物処理法の厳格な適用を図るとともに、平成19年度より毎年度、5月30日から6月5日までを「全国ごみ不法投棄監視ウィーク」として設定し、国と都道府県等とが連携して、不法投棄等の撲滅に向けた普及啓発活動等の取組を一斉に実施しました。また、ITを活用した不法投棄等監視体制の整備、不法投棄等に関する情報を国民から直接受け付ける不法投棄ホットラインの設置及び現地調査や関係法令等に精通した専門家を不法投棄等現場へ派遣し都道府県等による行為者等の責任追及の支援等を行いました。さらに、平成21年度からは、衛星画像を活用した未然防止・拡大防止対策のモデル事業を開始し、不法投棄等の未然防止・拡大防止対策を推進しました。

 残存事案対策としては、平成10年6月16日以前に生じた不法投棄等を対象とする産廃特措法についてはその期限が平成24年度末となっており、平成10年6月17日以降に生じた不法投棄等を対象とする廃棄物処理法に基づく支援についても産業界からの理解と協力を引き続き確保することが必要となっています。そのため、全国の残存事案についての詳細調査の結果も踏まえ、すべての残存事案への今後の対応の在り方や、産廃特措法の延長も含め、生活環境保全上支障等がある事案に対する今後の財政的支援の在り方について、検討を進めました。

(8)その他の政府の取組

 ア 都市再生プロジェクトの推進

 都市再生プロジェクトとして推進している「大都市圏におけるゴミゼロ型都市への再構築」に向けて、首都圏ゴミゼロ型都市推進協議会及び京阪神圏ゴミゼロ型都市推進協議会では、廃棄物の減量化目標の達成、廃棄物処理・リサイクル施設の整備、静脈物流システムの構築等を内容とする中長期計画を策定し、毎年、進捗状況の点検及び新たな課題の検討等のフォローアップを行っています。中部圏ゴミゼロ型都市推進協議会においては、平成18年度に策定した中長期計画に基づき、廃棄物減量化に取り組んでいます。首都圏ゴミゼロ型都市推進協議会においては、平成19年度に策定した第二期中長期計画に基づきゴミの最終処分量ゼロを目標に取り組んでいます。

 イ ゼロ・エミッション構想の推進

 地域における資源循環型経済社会構築の実現に向けて、先進的なリサイクル関連施設整備事業に対して支援を行い、平成22年3月までに全国26地域のエコタウンプランを承認しました。

 ウ 循環型社会実現のための静脈物流システムの構築

 廃棄物や再生資源・製品の輸送については、リサイクル対象品目の増加、再生利用率の向上などによって、輸送の大量化・中長距離化が進むことが予想されます。また、大都市圏における廃棄物・リサイクル施設の集中立地や拠点形成により、拠点間の相互連携によるリサイクル等の廃棄物処理に的確に対応した物流システムの整備が必要となってきます。

 平成21年7月に閣議決定された「総合物流施策大綱(2009-2013)」においても、循環型社会の形成に向けて、引き続き、適正な処理・輸送を確保した効率的な静脈物流システムの構築を推進していく必要があるとされました。

 循環型社会の実現を図るため、広域的なリサイクル施設の立地に対応した静脈物流の拠点となる港湾を「総合静脈物流拠点港リサイクルポート)」(全国22港)に指定し、官民連携の推進、港湾施設の整備など総合的な支援策を講じています。平成22年9月に「港湾における循環資源の取扱に関する指針」を作成し、循環資源の取扱に関する港湾の管理運営の方針として、リサイクルポート指定港の港湾管理者宛てに周知しました。

 また、地方公共団体等による建屋・一時保管施設等の循環資源取扱施設の整備を支援しました。

 エ 農業用使用済プラスチック等農業生産資材廃棄物の適正な処理

 農業用使用済プラスチック等農業生産資材廃棄物の適正な処理を推進するため、全国段階において、再生品の需要拡大を図るための普及啓発等を行うとともに、都道府県・市町村段階において、関係者の協力体制の確立、処理・減量化計画の策定、排出量を削減するための生分解性プラスチックフィルム等導入技術実証、普及啓発等を行いました。

 オ 使用済FRP船の再資源化の推進

 FRP(繊維強化プラスチック)船については、平成17年11月から国土交通省が確立したリサイクル技術を踏まえ、(社)日本舟艇工業会が廃棄物処理法に基づく広域認定制度を活用して「FRP船リサイクルシステム」の段階的な構築及び運用に取り組んでいるため、同システムの普及啓発及び事業評価などによる支援及び協力を実施しました。平成20年度には、全国において同システムの本格運用を開始し、平成22年度は約750隻のFRP船をリサイクル処理しました。

 カ 廃エアゾール製品等の適正処理

 消費者が使用し、ごみとして廃棄された廃エアゾール製品については、充填物が残留したまま廃棄されることが原因となって、市町村でのごみ収集時の収集車両の火災事故の発生等を招いています。このようなことから、エアゾール製品関連業界は充填物を容易に排出できる装置が装着された製品への転換を進める一方、市町村とエアゾール製品関連業界が協力して、消費者に対し、そうした装置を利用して充填物の除去を行った上でごみとして廃棄するよう周知活動等の取組を行いました。また、使い捨てライターについては、消費生活用製品安全法施行令の一部改正により、平成23年9月27日以降、安全対策を施したライター以外は販売できなくなり、今後、ガスが残存するライターが従前より多量に廃棄される事態が予想されること等から、関係省庁等が連携して、注意喚起リーフレットを作成・配布し、ライター使用の注意喚起及び家庭内で不要となった使い捨てライターの適切な廃棄を周知する取組を行いました。

 キ 標準化の推進

 わが国の標準化機関である日本工業標準調査会(JISC)は平成14年4月に策定した「環境JISの策定促進のアクションプログラム」に基づき、環境JISの整備に取り組んでいます。平成22年度は、環境関連法令等の中での環境JISの位置づけを確認しながら自治体・企業・消費者のグリーン購入における環境JIS活用状況の調査・検討を行い、さらなる環境JISの活用促進に向けた課題の抽出を行いました。

 ク 廃棄物・リサイクルガバナンスガイドラインの策定

 排出事業者における廃棄物管理を徹底し、経営的な観点から廃棄物・リサイクルに関するマネジメントを行うための自主的取組を推進するため、産業構造審議会において、平成16年9月に「排出事業者のための廃棄物・リサイクルガバナンスガイドライン」を策定しました。平成17年度は、廃棄物・リサイクルガバナンスガイドラインの普及に向け、各種事業者団体への説明や中小企業内人材の育成支援、セミナー等を通じて企業における廃棄物の適正処理及びリサイクルの推進に取り組みました。さらに、平成20年度には、社会・経済・環境の側面から企業に求められる社会的責任が変化してきたことから、廃棄物・リサイクルガバナンスガイドラインの見直しに向けた調査を実施しました。

 ケ 品目別・業種別廃棄物処理・リサイクルガイドラインの改定

 品目別・業種別廃棄物処理・リサイクルガイドラインは、事業者による3Rリデュースリユース・リサイクル)に関する自主的取組の促進を図ることを目的として、品目別・業種別に平成2年に策定されました。平成18年度の改定では、容器包装リサイクル法の改正に伴い、紙(紙製容器包装、段ボール製容器包装、飲料用容器包装)、ガラスびん、スチール缶、アルミ缶、プラスチック(ペットボトル、プラスチック製容器包装)について減量化に向けた新たな目標値を盛り込むとともに、3品目、4業種について有用金属(レアメタルを含む。)に関する取組を盛り込みました。

 コ バイオマスの利用の加速化

 平成18年3月に閣議決定された「バイオマス・ニッポン総合戦略」に基づき、情報提供や各種説明会の開催等を通じた国民的理解の醸成、バイオマスタウン構想の策定支援、新技術等を活用したバイオマス利活用施設の整備に対する支援等を実施しました。特に、バイオ燃料の利用促進については、平成20年10月に施行された農林漁業バイオ燃料法の円滑な運用を図り、農林漁業者とバイオ燃料製造業者の連携した取組を支援しました。また、食料供給と両立可能な稲わら等のソフトセルロース系原料を用いてバイオ燃料の効率的な製造技術の確立を図る事業を実施しました。

 バイオマスタウンについては、構想の策定やその実現に向けた支援を行い、平成23年3月末現在で303地区がバイオマスタウン構想を公表しています。

 このほか、水産系副産物である貝殻の再資源化により資源の循環的利用を推進しました。

 また、農業集落排水事業においては、処理過程で発生する汚泥について、コンポスト化や建設資材利用等によるリサイクルを推進するとともに、地域の実情に応じて余剰汚泥の減容化を進めました。

 サ 使用済小型家電からのレアメタルの回収及び適正処理推進事業

 経済産業省及び環境省は、適正かつ効果的なレアメタル(希少金属)のリサイクルシステムの構築を目指すべく、平成21年に引き続き「使用済小型家電からのレアメタルの回収及び適正処理に関する研究会」を開催し、全国7地域でモデル事業を行いながら、効率的・効果的な回収方法の検討を行うとともに、回収された使用済小型家電に係るレアメタルの含有実態の把握や、使用済小型家電のリサイクルに係る有害性の評価及び適正処理等についての検討等を行い、リサイクルシステムのオプションの評価を実施しました。

 シ 使用済製品等のリユース促進事業

 循環型社会基本法においてリサイクルよりも上位に位置付けられているリユースについて様々な取組の活性化を図るため、「使用済製品等のリユース促進事業研究会」を開催し、使用済製品の流通実態を把握した上で、リユース推進による環境保全効果や経済への影響、市町村収集ごみからのリユースの可能性、リユース業者の環境意識向上策等の調査を行い、今後のリユース推進に向けた課題等を検討しました。



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