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第2節 

3 まとめ


 わが国の環境基本計画では、「国境を越え、あるいは地球規模にまで至る環境問題もその原因をたどれば、いずれも地域における人間活動に還元されます」また、「地球全体の持続可能な発展を目指す取組は、地域の持続的発展を目指す取組によって、はじめて成り立つものもあります」と足元からの取組の重要性を述べています。また、「社会を構成するあらゆる主体が環境に対する自らの責任を自覚するとともに、環境保全に関して担うべき役割と環境保全に参加する意義を理解し、それぞれの立場に応じた公平な役割分担の下で、自主的積極的に環境負荷を可能な限り低減していくことを目指すことが必要です」と、あらゆる主体のあらゆる段階での具体的な取組の重要性について述べています。
 ヨハネスブルグ宣言においても、同じような趣旨で、「我々は、持続可能な開発の、互いに関連し、相互補完的な支柱である経済開発、社会開発及び環境保護を、地方、国、地域及び世界レベルでさらに推進し強化するとの共同の責任を負うものである」、また、「我々は、持続可能な開発にとって、長期的展望及びすべてのレベルにおける政策形成と意思決定及び実施について広範な参加が必要であることを認識する」旨がうたわれています。このように、持続可能な社会づくりの主役は私たちなのです。今後、国の内外でそれぞれの主体がどれだけ取組を具体的に進めていくことができるのかということが、大きな課題となっています。
 わが国の国内でも、持続可能な社会の構築に向けた具体的な行動は、例えば、フリーマーケット、中古・リース・レンタル市場の拡大、エコバッグ・リユースカップの利用、エコマネーを通じた地域での環境保全活動への取組等、身近なところで、徐々に広がりを見せています。
 こうした状況を踏まえ、今年の白書では、「地域社会から始まる持続可能な社会への変革」をテーマとして、第1章では、「持続可能な社会の構築に向けた一人ひとりの取組」ということで個人の取組、第2章では、「地域行動から持続可能な社会を目指して」ということで地域社会の取組を紹介しつつ、日常生活や地域等からの足元からの取組が持続可能な社会への変革の確実な第一歩となり得ることを見ていくこととします。

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