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第2章 地域行動から持続可能な社会を目指して

 環境には国境線はなく、一地域の環境負荷は地球大に広がっていく一方で、どの地域も地球生態系の一部であるため、地球環境が悪化すればその影響はなんらかの形で地域の環境にも変化を及ぼします。また、地域の環境が無数につながり、相互に依存、影響しあって地球環境が構成されていることを考えると、地域段階における取組は地球環境問題への対応の基礎となります。このように、地域の環境と地球環境とは密接な関係を有しており、「地球規模で考え、地域で行動する(Think globally, Act locally.)」、あるいは、「地域で考え、地球規模で行動する(Think locally, Act globally.)」という言葉に表されるように、両方を一連の問題としてとらえ、取り組んでいくことが重要となっています。
 また、第1章で見たとおり、一人ひとりの日常生活の中での積極的な取組が重要となっている今日、私たちが自らの生活と環境との関わり合いについて認識を深めつつ、足元から取組を進める上で、身近な地域は環境保全への取組の絶好の場と考えられています。
 このため、私たち一人ひとりが、環境について、まず生活の場である地域社会の中で考え、具体的な行動を起こしていくこと、すなわち地域の視点に立って環境問題に取り組んでいくことが大切です。本章では、こうした観点から、地域レベルの取組の現状と推進の方策について見ていくこととします。

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