環境省_環境技術実証事業
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ヒートアイランド対策技術分野(地中熱・下水等を利用したヒートポンプ空調システム)

地中熱を利用したヒートポンプ空調システム例地中熱を利用した
ヒートポンプ空調システム
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対象分野の概要

技術の概要

地中熱、下水等と外気との温度差を利用して、住宅の冷暖房を行う技術です。地中(地下水)は、冬は外気よりも暖かく、夏は外気より温度が低いという特性を有することから、空気を熱源とするよりも効率よく冷暖房を行うことができます。また、夏季においては、冷房時排熱を空気中に放出しないという特徴を有します。

対象となる技術の例

地中熱、下水等を熱源とした水冷式ヒートポンプ、地中熱交換部、及びそれらを組み合わせたシステム全体
※次に示す技術のまとまり(実証単位)で実証試験を実施。

図1 実証対象技術の全体像

本実証では、ヒートアイランドの抑制効果の実証を目的としますので、主に当該システムによる地中との熱交換量、および当該システムのエネルギー効率を測定します。そのため、図2に示す(A)~(C)の技術のまとまり(単位)で実証試験を実施します。この単位を「実証単位」と定義しています。
なお、下水熱利用システムのように地中熱交換部の構造が実証試験に適しない場合は、実証単位(A)(B)など実証可能な項目のみを実証項目とします。

(A)地中熱利用システム全体
   熱交換井から室内の設備システムまでを含めた、当システムに関わる技術全体のことを指します。
(B)地中熱 / 下水熱専用ヒートポンプ
   地中や下水の温度範囲での使用を想定した水冷式ヒートポンプを指します。
(C)地中熱交換部
   地中熱交換井からヒートポンプシステム手前までのシステムです。

図2:地中熱・下水道を利用したヒートポンプ空調システム技術の冷却運転時のイメージ

参考資料

  • 既存区分の実証要領
     各技術分野の実証試験を行う際の基本的考え方、試験条件・方法等を定めたものです。
 
利用者(事務所、学校・公共施設、病院・温浴施設・宿泊施設、住宅、農業施設、道路融雪等の施主・保有者の方)へ
地中熱・下水等を利用したヒートポンプ空調システムは、人工排熱を外気中へ放出せず、地中熱、下水等へ排熱するため、夏季のヒートアイランド抑制につながります。加えて空気を熱源とするよりも効率よく冷暖房を行うことができるため、二酸化炭素排出削減効果やランニングコスト削減効果も期待できます。

ETV事業では、これらの効果のうち「ヒートアイランド対策効果」に着目し、システムエネルギー効率、地中との熱交換性能等に関して、第三者による技術実証試験結果を公表し、技術の有効性を判断するために必要な各種情報を提供することで、利用者のニーズにあった技術選定に役立つものと考えています。
実証申請者(地中熱・下水熱等を熱源とした水冷式ヒートポンプ、地中熱交換部、及びそれらを組み合わせたシステム全体の製造業者、施工業者、販売事業者の方、又はそれらを導入している法人・個人の方)へ
環境省が実施した建物建造に携わる民間事業者や全国の自治体を対象としたアンケート調査では、地中熱・下水等を利用したヒートポンプ空調システムに関して、民間事業者や自治体はある程度認知している一方、一般の施主(顧客)における認知度が低いと考えられている状況が見られました。また、導入しようとした場合の関連事業者の探しやすさに対する不満も挙げられています。

ETV事業は、利用者に対して利用可能な環境技術の概要を紹介すると共に、第三者による技術実証試験結果を公表し、利用者の技術選定のために必要な各種情報を提供することで、利用者の潜在的なニーズを引き出し、実証申請者の有用な技術の普及拡大に役立つものと考えています。

実際に、過去の実証申請者を対象にしたアンケート調査では、「実証後、技術に対する問い合わせが増えた」、「販売促進や技術開発等の活動に関して、ある程度の効果があった」との回答、また、交付されたETVロゴマークについて、「製品のパンフレット、技術報告、外部向け冊子、自社のウェブサイトなどに掲載している」という回答が見られます。
背景・関連情報

地中熱・下水等を利用したヒートポンプ空調システムについて地下水(地熱)と外気との温度差を利用して、住宅の冷暖房を行う技術です。地下水は、冬は外気よりも暖かく、夏は外気より温度が低いという特性を有することから、空気を熱源とするよりも効率よく冷暖房を行うことができます。また、夏季においては、冷房時排熱を空気中に放出しないという特徴を有します。そして以下の2点で人工排熱低減に役立つという特徴を有します。
  1. 夏季においては、外気と熱交換する空冷式のヒートポンプ(一般的な冷房)のように室外機による排熱を空気中に放出せず、地中に排熱するため、外気への排熱が低減されます。
  2. 地中熱を利用したヒートポンプ空調システムは空気を熱源とするよりも効率よく冷暖房を行うことが出来るので、冷暖房の省エネルギー化の分、外気への排熱が低減されます。

ヒートアイランド現象とはヒートアイランド現象とは、都市の中心部の気温が郊外に比べて島状に高くなる現象で、主な要因として以下の2点があります。
  1. 空調システム、電気機器、自動車などの人間活動より排出される人工排熱の増加
  2. 緑地、水面の減少と建築物・舗装面の増大による地表面の人工化により生じる
そして現在では、ヒートアイランド現象は都市に特有の環境問題として社会的認知が広がってきました。環境省では、東京23 区における気温の上昇に影響を与える熱(空気への顕熱)のうち、人工排熱によるものが約5割を、さらに空調など建物に起因して発生する排熱はその約半分を占めると推計しています。

そして更にヒートアイランド現象や地球温暖化の進行により、都市の熱環境はますます悪化しており、都市内の熱環境改善が喫緊の課題となっています。特にオフィス、住宅等から発生する人工排熱が大都市における気温の上昇の主な要因となっています。


参考:ヒートアイランド対策大綱とは平成16年3月に策定されたヒートアイランド対策大綱とは、ヒートアイランド対策に関する国、地方公共団体、事業者、住民等の取組を適切に推進するため、基本方針を示すとともに、実施すべき具体の対策を体系的に取りまとめたものです。対策の柱として、[1]人工排熱の低減、[2]地表面被覆の改善、[3]都市形態の改善、[4]ライフスタイルの改善、の4つが位置づけられていましたが、平成25年5月にその改定が行われ、新たに、[5]人の健康への影響等を軽減する適応策の推進、が追加されました。

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