地中熱・下水等を利用したヒートポンプ空調システムについて地下水(地熱)と外気との温度差を利用して、住宅の冷暖房を行う技術です。地下水は、冬は外気よりも暖かく、夏は外気より温度が低いという特性を有することから、空気を熱源とするよりも効率よく冷暖房を行うことができます。また、夏季においては、冷房時排熱を空気中に放出しないという特徴を有します。そして以下の2点で人工排熱低減に役立つという特徴を有します。
- 夏季においては、外気と熱交換する空冷式のヒートポンプ(一般的な冷房)のように室外機による排熱を空気中に放出せず、地中に排熱するため、外気への排熱が低減されます。
- 地中熱を利用したヒートポンプ空調システムは空気を熱源とするよりも効率よく冷暖房を行うことが出来るので、冷暖房の省エネルギー化の分、外気への排熱が低減されます。
ヒートアイランド現象とはヒートアイランド現象とは、都市の中心部の気温が郊外に比べて島状に高くなる現象で、主な要因として以下の2点があります。
- 空調システム、電気機器、自動車などの人間活動より排出される人工排熱の増加
- 緑地、水面の減少と建築物・舗装面の増大による地表面の人工化により生じる
そして現在では、ヒートアイランド現象は都市に特有の環境問題として社会的認知が広がってきました。環境省では、東京23 区における気温の上昇に影響を与える熱(空気への顕熱)のうち、人工排熱によるものが約5割を、さらに空調など建物に起因して発生する排熱はその約半分を占めると推計しています。
そして更にヒートアイランド現象や地球温暖化の進行により、都市の熱環境はますます悪化しており、都市内の熱環境改善が喫緊の課題となっています。特にオフィス、住宅等から発生する人工排熱が大都市における気温の上昇の主な要因となっています。
参考:ヒートアイランド対策大綱とは平成16年3月に策定されたヒートアイランド対策大綱とは、ヒートアイランド対策に関する国、地方公共団体、事業者、住民等の取組を適切に推進するため、基本方針を示すとともに、実施すべき具体の対策を体系的に取りまとめたものです。対策の柱として、[1]人工排熱の低減、[2]地表面被覆の改善、[3]都市形態の改善、[4]ライフスタイルの改善、の4つが位置づけられていましたが、平成25年5月にその改定が行われ、新たに、[5]人の健康への影響等を軽減する適応策の推進、が追加されました。
ヒートアイランド対策大綱 [PDF]