白神山地

保護管理

白神山地世界遺産地域の原生的なブナ林は、関係者のパトロール、各種法令・ルールに基づく管理等によって保全されており、世界遺産としての価値が損なわれるような大きな問題は今現在は顕在化していません。しかし、将来的に気候変動の影響等の課題が生じる可能性が指摘されているため、継続的な自然環境のモニタリングが必要です。白神山地では、行政関係者、専門家、地元関係者が協力してこれらの保全のための取り組みを進めています。

世界遺産登録区域内の保護地域の面積
白神山地自然環境保全地域: 14,043 ha
(環境省所管の保護地域)

取り組み事例

パトロール

パトロール

遺産地域が適切に保全されるように環境省のレンジャーなど行政機関の職員や、各機関が雇用した巡視員やボランティア巡視員が定期的にパトロールを行っています。パトロールでは、立ち入りが制限されている核心地域への入山、樹木の伐採・損傷、植物の盗掘、禁漁区での密漁、ゴミの投棄、たき火の防止等を図るとともに、入山者に対するマナーの啓発や入山手続き等の指導も行っています。白神山地世界遺産地域連絡会議が主催して、関係者が一堂に会して行う合同パトロールも年に数回実施しています。

エコツーリズムの推進

エコツーリズムの推進

「環白神エコツーリズム推進協議会」が平成23 年に発足しました。この協議会は、遺産地域とその周辺地域において、地域住民や地域関係者等が一体となって、エコツーリズムに取り組むことを目的に、地元の方に白神山地での過去からの自然との関わり方を聞いたり、「じまんできる・大切にしたい・誇りに思う」歴史文化、食材、自然に関するアンケートを行うなど、地域資源を掘り起こす活動を行っています。エコツーリズムを推進することにより、地域ぐるみで地域固有の魅力を観光客に伝え、その価値や大切さを理解してもらい、保全につなげていくことを期待しています。

モニタリング調査

モニタリング調査

将来、地球温暖化や大気汚染等によって白神山地世界遺産地域にとって重要なブナ林にどのような影響が出るのかを早期に見つけ出す事は、とても重要なことです。そのため、継続的にモニタリング活動が行われており、気象や植生などの自然科学的な内容ばかりでなく、入山者数などの社会科学的な内容も含めて白神山地の変化状況を見守っています。調査の継続には多くの人材が必要なことから、一般の方々や学生、研究者、行政機関が協働で行っています。

自然体験プログラム

遺産地域では、子どもたちに自然体験を通して、自然の素晴らしさや人と自然とのつながりを学んでもらうためのさまざまな自然体験プログラムを開催しています。
実際に白神山地の自然の恵みを受けながら暮らしてきた川や山の達人たちと一緒に自然の中に入り、マタギに昔ながらの食文化や狩猟についての話を聞いたり、川漁師に漁の知恵を教わったりしています。また、環境省レンジャーと一緒に、森のパトロールや生き物調査を通して自然の素晴らしさを学ぶプログラムも実施し、白神山地を生きた教材とした環境教育を進めています。

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