水生生物調査 水辺のなかまさがし

全国水生生物調査は、川にすむ生き物を採集し、その種類を調べることで、水質(水のよごれの程度)を判定する調査です。全国約8万人が参加しています。
こどもホタレンジャーの活動の一環として、取り組んでいる団体も多い調査方法です。
詳しい調査方法や、川での観察の注意、全国調査への参加方法など、全国水生生物調査のホームページ を参照して、ぜひ、取り組んでみてください。

水生生物とは

川の中には、ヤマメ・ウグイなどの魚類、カゲロウ・トンボ・トビケラなどの水生昆虫類、サワガニの仲間、カワニナなどの貝類、ヒルやミミズの仲間などさまざまな生きものが住んでいます。これらをまとめて水生生物と呼んでいます。
水生生物の中でも、とくに、カゲロウやサワガニなど、川底に住んでいる生きものは、水のきれいさのていど(水質)を反映しています。したがって、どのような生きものが住んでいるか調べることによって、その地点の水質を知ることができます。
全国水生生物調査では、30種類の水の中にすむ生きものを選び川にどの生きものが多く見られたかを調べることで、水のよごれの程度を判定しています。判定に使う生き物を「指標生物」といいます。

水のよごれの程度と指標生物

全国水生生物調査では、下の表のとおり、水質を4つに区分し、水質階級I~IVに分け、各水質階級ごとに30種類の指標生物が決められています。 これらの指標生物の区分は、あくまで水質階級の判定のための区分であって、これらの生物がすんでいるから、その水がきれい、きたないというわけではありません。 たとえば、水質階級IIの指標生物のミズムシや水質階級IVの指標生物のセスジユスリカは、源流部のきれいな川から、都市部の汚れた川まで広くすんでいます。 また、水質階級IIの指標生物のゲンジボタルは、源流部のきれいな川から、家庭排水が流入する田園地帯の里川まで、広くすんでいます。

表 水質階級と指標生物の関係

水質階級 種類数 指標生物
水質階級 I 9種類 アミカ、ウズムシ、カワゲラ、サワガニ、ナガレトビケラ、
ヒラタカゲロウ、ブユ、ヘビトンボ、ヤマトビケラ
水質階級 II 9種類 イシマキガイ、オオシマトビケラ、カワニナ、
ゲンジボタル、コオニヤンマ、コガタシマトビケラ、
スジエビ、ヒラタドロムシ、ヤマトシジミ
水質階級 III 7種類 イソコツブムシ、タイコウチ、タニシ、ニホンドロソコエビ、
ヒル、ミズカマキリ、ミズムシ
水質階級 IV 5種類 アメリカザリガニ、エラミミズ、サカマキガイ、
セスジユスリカ、チョウバエ