2016年06月21日

夏至(げし)の夜に

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本日(6月21日)は、二十四節気の一つ「夏至(げし)」です。夏至の頃は、一年のうち日の出から日没までの昼間の時間が最も長く、日没から穂出までの夜の時間が最も短くなる期間です。俳句の季語などでは、日暮れが早い秋の"夜長(よなが)"に対して、夜明けが早い夏の夜のことを"短夜(みじかよ)"と言い表します。

日照時間が短い北欧や東欧の国々では、太陽がもたらす恩恵への感謝や夏の到来を祝うお祭りとして、それぞれの地域に根ざした伝統行事として、"夏至祭(げしまつり)"が盛大に行われるそうです。

6月21日(夏至の日)から7月7日(クールアース・デー)にかけては、私たちひとりひとりが実行できる地球温暖化防止・CO2削減の取り組みを広く普及するための取り組みとして、「ライトダウンキャンペーン」を展開し、不必要な照明を消灯することで各施設や各家庭においてCO2削減を実行いただけるよう呼びかけを行っております。

とりわけ、夏至の日(今年は6月21日)とクールアース・デー/七夕(7月7日)については、全国のライトアップ施設や各家庭において夜8時から10時までの2時間のライトダウン(一斉消灯)を呼びかけ、また全国各地で催される関連行事に参加していただくことで、地球温暖化防止のための活動をより広く、より多くの皆さんに知っていただくための取り組みが、さまざまな方々の参画により行われています。

夏至の日とクールアース・デー/七夕のライトダウンを中心とした温暖化防止の運動は、"キャンドル・ナイト"などのエコイベントとして全国各地で催され、夏至祭や七夕などの伝統行事とエコ運動が混じり合った、日本ならではの「夏のエコ活」として広く定着しつつあるようです。

昨日の夜は満月でした。今夜も、運良く晴れた地域では、大きなお月さまが夜空をぽっかり照らしてくれることでしょう。

田安門の見える牛ヶ淵の写真

牛ヶ淵のハスの花の写真

ハスの花(皇居牛ヶ渕)

皇居のまわりを取り囲むお濠のひとつ牛ヶ淵では、ぽつりぽつりとハスの花が咲きはじめ、ロウソクの先にぽっかりと灯ったあかりのように、お濠の水面を照らしています。

皇居外苑では、お濠をとりまく自然環境や歴史的景観を保全する取り組みの一環として、お濠に生息するヘイケボタルの保護事業を行っています。光を放つことで求愛行動を行うホタル類の生息を阻む要因のひとつとして、人の営みが生みだした明るすぎる夜や懐中電灯、フラッシュなどのいわゆる光害による繁殖の阻害が挙げられます。お濠の水辺環境は、ヘイケボタルに代表される都会に残された貴重ないきものたちを育む大切なゆりかごの一つです。みんなでそっと見守ってくださいますようお願いします。

都心の水辺にホタルが舞う日がきますよう、夏至の夜に灯るあかりに思いを込めて。