皇居外苑ニュース
トップ長めでキメてます(カシラダカ)


今日は大寒。暦の上では一年で一番寒い頃とされています。先日(1月18日)降り積もった残雪がわずかに残る北の丸公園内で、愛らしい冬の使者達に出会いました。
遠目からはスズメのように見える小鳥の群れが、解け残りの雪の上に舞い降りてきて、草の実をついばんでいます。
慎重に近づいてみると、どの鳥もトップ長めのソフトモヒカンスタイルで髪型をばっちりキメた少年みたいに、頭の羽がツンツン立ち上がっています。
ちょっとやんちゃな髪型をしたスズメの団体さん達でしょうか?
体全体の色あいがスズメと似たような印象なので、この鳥が身近にいても気がつかないかもしれませんが、よく観察すれば顔や体の模様もスズメとは異なります。
この野鳥は、「カシラダカ(頭高)」という名前の渡り鳥で、ユーラシア大陸の亜寒帯で繁殖し、日本には積雪の少ない地方に冬鳥として渡ってきて、群れをつくって越冬します。おなかからおしりにかけて白いこともこの鳥の特徴で、見た目がよく似たホオジロという野鳥はこの部分が茶色なので、ポイントを知っていると直ぐに見分けがつくそうです。
人が近づいてくると直ぐに木の上に逃げていきますが、少し静かしているとまた元の地面に戻って来て、草の実をついばみ始めます。
カシラダカは、丘陵地の谷戸田のような、隠れ家となる林と河原や農耕地などの開けた草地が接するような環境を好む野鳥として知られています。お濠沿いの堤塘(草土手)や常緑樹と落葉樹がパッチ上に入り交じった樹林、林床の草地や芝生などで構成される北の丸公園の植生は、里山のような環境を好むこのような生き物にとって、うってつけの越冬場所なのかもしれませんね。
冬はバードウォッチングに最適な季節です。北の丸公園内では、スズメとカシラダカが混ざっている群れも見かけましたので、小さなお子さんと一緒にスズメとカシラダカを見比べてみたりして、都心の真ん中にある身近な大自然を体感してみてはいかがでしょうか。