皇居外苑ニュース
2015年06月24日
職人たちが支えます


皇居のお濠や石垣をはじめとする江戸城跡は、文化財保護法により「史跡のうち学術上の価値が特に高く、わが国文化の象徴たるもの」として、国の特別史跡に指定されています。
皇居外苑管理事務所では、特別史跡江戸城跡に指定されているこれらの文化遺産や、歴史的風景を保全するため、さまざまな取り組みを行っており、お濠の周りで行っている石垣や堤塘の草刈りや低木の刈り込み作業などといった日常的な管理作業もその一つです。
石垣の低い位置等、手の届く範囲はボートの上から草刈りを行います。
切り立った石垣の草刈り作業は、ロープで石垣を伝わり歩きながら作業します。遠くからみている以上に高くそびえ立つ石垣の管理作業は、高所で安全に作業を行うため訓練された特別な技能が必要です。
水面に落ちた刈草は、きれいにすくいあげて、ボートで運び出します。
現在では、これらの定期管理は民間造園会社との請負契約で行っていますが、特別史跡江戸城跡の歴史的・象徴的風景は、大切な史跡をキズ付けることなく後世に伝えようとする思いや、隅々まできれいに保つための繊細さをあわせもつ職人たちの技が支えています。