本事業における対象分野は以下のように整理し、各分野の有識者で構成されるCO2排出削減対策技術評価委員会及び分科会において、
審査等を行うものとします。
1.交通低炭素化技術開発分野
2.建築物等低炭素化技術開発分野
3.再生可能エネルギー低炭素化技術開発分野
4.バイオマス・循環資源低炭素化技術開発分野
5.社会システム革新低炭素化技術開発分野
運輸部門の低炭素化を図る技術開発・実証を対象とします。例えば、今後の普及が期待される電気自動車(EV)・ハイブリッド車(HV)・燃料電池車(FCV)等の普及促進・性能向上や、鉄道等の自動車以外に係る交通のエネルギー効率の向上のための技術開発・実証等を対象とします。
1-1.地域の再生可能エネルギーの活用に向け、水素の分離・回収・輸送・貯蔵等の各段階における省エネ・低炭素化を通じた燃料電池車両の利用促進に直接的に資する技術の開発・実証
1-2.電動又は燃料電池車両の航続距離向上又は省エネ化を実現する革新的技術の開発・実証
家庭部門、業務その他部門の低炭素化を図る技術開発・実証を対象とします。例えば、建物の設備機器の省エネ化や、再生可能エネルギーの導入等、住宅やオフィスにおけるエネルギー効率向上、ゼロエミッション化のための技術開発・実証等を対象とします。
2-1.建築物の断熱性能の向上、ヒートブリッジ低減により、空調負荷の軽減を実現し、人と自然に優しい技術の開発・実証
2-2.業務効率改善及びオフィスの省エネ化に資する革新的AI・IoT等技術の開発・モデル地域での実証
太陽光、風力、小水力、地熱等の再生可能エネルギーの導入促進のための技術開発・実証等を対象とします。例えば、太陽光発電の光電変換効率向上や再エネ由来水素から発電する燃料電池の高性能化のための技術開発・実証等を対象とします。
3-1.再生可能エネルギー発電・熱利用設備の年間発電・熱利用量を増加させる技術の開発・実証
3-2.地域の再生可能エネルギー由来水素から電気及び熱をより高効率に取り出す燃料電池の開発及び実証
3-3.海沿い地域のエネルギー地産地消に資する海洋エネルギー発電の技術開発及びモデル地域での実証
3-4.地域内での再生可能エネルギーの融通に向け、既存の蓄電池とは異なる場面で活用できる、新たな蓄電池・キャパシタの開発及び実証
廃棄物系等のバイオマスの利活用や資源循環により低炭素化を図る技術開発・実証を対象とします。例えば、収集方法・製造方法等を含めた廃棄物系バイオマス利用システム全体の、低炭素化・低コスト化等の技術開発・実証等を対象とします。(バイオマスについては原料の製造・採取から輸送・使用・廃棄等に至るまでのライフサイクル全体での温室効果ガス削減率がベースラインシナリオと比較し50%以上と想定されるものに限ります)。
4-1.日本の各地域の個別集落内で発生する木質バイオマスの量・質に対応した低コストで総合効率の高いコージェネレーションシステムの開発・実証
4-2.従来の木質バイオマスに加え、各地域で発生する性状の異なるバイオマスの利用が可能な、自動運転機能付きの小規模な熱利用システムの低コスト化に関する開発・実証
4-3.高効率のエネルギー回収率を実現し、かつ低コスト(同規模の単純焼却炉から2割程度低減)の、各地域へのエネルギー供給を見据えた廃棄物処理施設の開発・実証
4-4.各地域ごとに発生する排水・下水・廃棄物等を活用した高純度なバイオガスの生成・地域内利用システムの開発・実証
社会システムを低炭素型へと革新する技術開発・実証を対象とします。例えば、水素・バッテリー・蓄熱による蓄エネ技術や、 IoT・AI・ ビッグデータ解析等の技術を活用し、エネルギーインフラ・情報インフラ・物流等の CO2排出源となっている社会システムを、抜本的に低炭素化するための技術開発・実証を対象とします。
5-1.地域内の電力需給調整に用いる蓄電池の低劣化・長寿命化に資する充放電管理技術・システム等の開発及び実証
5-2.変動性再生可能エネルギーの割合が多いオフグリッドのコミュニティ内において、仮想同期発電機等により、秒オーダーの電力需給変動に対処する技術の開発及び実証
5-3.地域熱供給システムの低コスト化・低温動作化等の技術開発及びモデル地域での実証
5-4.情報通信技術等の活用により、輸送機器の運行・制御の改善や利用方法の高効率化等に資する技術開発・実証
5-5.再生可能エネルギーを主体とした自家消費される電力の需給管理システムと自動デマンド制御技術(ADR)による最適制御の開発・実証