TEMM21 開催報告

第21回日中韓三ヵ国環境大臣会合(TEMM21)が、11月23~24日、日本・福岡県北九州市にて開催されました。我が国からは、小泉進次郎環境大臣が出席しました。

会合では、これまでの三カ国の環境協力を振り返り、三カ国の環境協力における最近の進展を確認するとともに、次期共同行動計画(2020-2024)に向けた新たな優先分野の設定に合意し、共同コミュニケを採択しました。また、日中及び日韓の環境大臣によるバイ会談を開催し、環境協力の一層の促進に向けた議論を行いました。

開催概要

開催日程/開催地

令和元年11月23日(土)~24日(日)、日本・福岡県北九州市

主な出席者

日本:小泉 進次郎 環境大臣
中国:李 幹傑(リ・カンケツ) 生態環境部長
韓国:趙 明來(チョ・ミョンレ) 環境部長官
(写真:左から順に趙長官(韓)、小泉大臣(日)、李部長(中))


今回のTEMMのポイント

日本の小泉進次郎環境大臣が議長を務め、三カ国の環境協力及び各国の環境政策の進展を確認するとともに、海洋プラスチックごみ対策や大気汚染対策等、三カ国に共通する環境問題についてTEMMの下での今後の協力の方向性を議論し、次期日中韓三カ国共同行動計画(2020-2024)の優先分野を盛り込んだ共同コミュニケを採択しました。

共同コミュニケの主な内容は以下のとおり。

(1)三カ国共同行動計画(2015-2019)の実施に係る最近の進展
・三大臣は、近年の日中韓三カ国の大気環境管理政策と成果を含む「大気汚染対策に係る日中韓政策レポート」が大気汚染に関する三カ国政策対話(TPDAP)より発行されたこと及び北東アジアにおける大気汚染物質長距離輸送プロジェクト(LTP)に関する政策決定者向けサマリーレポートが専門家により発行されたことを歓迎しました。
・三大臣は、第6回日中韓生物多様性政策対話(TPDBD)において、ヒアリを含む侵略的外来種に関するさらなる情報交換及び協力の必要性が改めて言及されたことを歓迎し、ポスト2020生物多様性世界枠組の構築と実施に向けた意見交換を継続する重要性を確認しました。
・三大臣は、脱炭素都市構築に向けた日中韓共同研究の進展を歓迎しました。三大臣はまた、都市レベルで脱炭素化を促進することの重要性を認識しました。
・三大臣は、第13回化学物質管理に関する政策対話(TPDCM)及び第13回化学物質管理に関する三カ国専門家セミナー(TESCM)が開催され、日中韓三カ国の最新の政策や研究に関する情報交換が行われたことを歓迎し、日中韓三カ国における化学物質管理の改善に向け取組が継続していることを評価しました。
・三大臣は、TEMM-北西太平洋地域海行動(NOWPAP)合同ワークショップ及び海洋ごみフォーカルポイント会合における議論を評価し、マイクロプラスチックを含む海洋ごみ問題に対し、各国が共同して行動することの重要性を強調しました。

(2)次期共同行動計画(2020-2024)のための新たな優先分野
・三大臣は、日中韓三カ国の次期共同行動計画(2020-2024)の基本的な3つの原則を、「優先分野間のシナジー最大化」、「三カ国以外への貢献を目指す「3+x」協力の追求」、「三カ国の相互尊重と互恵及び効率的・効果的な実施」と定め、次期共同行動計画における次の8つの優先分野を提案し、決定しました。
1. 大気汚染の改善
2. 3R/循環経済/ゼロ廃棄物都市
3. 海洋・水環境管理
4. 気候変動
5. 生物多様性
6. 化学物質管理及び緊急時対応
7. グリーン経済への移行
8. 環境教育・市民啓発及び市民関与
また、上述の原則の一つである「優先分野間のシナジー最大化」が特に期待できる一例として、G20海洋プラスチックごみ対策実施枠組や国連環境総会決議における三カ国の取組への貢献を図るため、「3R/循環経済/ゼロ廃棄物都市」の分野と「海洋・水環境管理の分野」の連携や、環境問題に対する人々の意識向上を図るため、「環境教育・市民啓発」の分野と「気候変動」等の他分野の連携が確認されました。

(3)TEMM22
・三大臣は、TEMM22を2020年に韓国で開催することを決定しました。

(4)その他
・日中韓の環境協力に係る功労者の表彰が行われ、日本からは東京海洋大学大学院 准教授・内田圭一氏が受賞しました。このほか、サイドイベントとして、「三カ国環境ビジネス円卓会議」、「ユースフォーラム」、「脱炭素化と持続可能な開発に向けた都市に関する共同研究」が開催されました。

報道発表・配布資料

TEMMに関する報道発表・配布資料は、こちらからダウンロードして頂けます。また、今までに開催した TEMMに関する資料やTEMMプロジェクトに関する資料は、関連資料でご紹介しています。