福島県以外で一時保管がひっ迫している県(宮城県・栃木県・千葉県・茨城県・群馬県)については、各県の市町村長会議での議論等を踏まえ、放射能濃度測定等の現状把握を行いながら、各県それぞれの状況を踏まえた対応が進められています。
宮城県、栃木県及び千葉県については、有識者会議や各県の市町村長会議での議論を経て確定した選定手法に基づき、宮城県は2014年1月、栃木県は2014年7月及び千葉県は2015年4月にそれぞれ詳細調査の候補地を公表いたしました。しかしながら、その後、地元の御理解が得られず、詳細調査の実施には至っておりません。
そうした中、宮城県においては、県の主導のもと各市町が8,000Bq/kg以下の汚染廃棄物の処理に取り組むこととしたことを受け、環境省はこれを財政的・技術的に支援しています。その一環として、2018年3月から4圏域(石巻、黒川、仙南、大崎)で汚染廃棄物の試験焼却が順次開始され、2019年7月までに終了しました。2023年9月末時点で、石巻圏域及び黒川圏域では本格焼却などにより処理が終了し、仙南圏域及び大崎圏域では本格焼却を実施しています。
また、栃木県においては、長期管理施設を整備するという方針は堅持しつつ、指定廃棄物を保管する農家の負担軽減を図るため、2018年11月、国から栃木県及び農林業系指定廃棄物を保管している市町に対し、市町単位での暫定的な減容化・集約化の方針を提案し、合意が得られました。また、2020年6月には、暫定保管場所の選定の考え方を取りまとめ、可能な限り速やかに暫定保管場所の選定が行われるよう、県や市町村と連携して取り組むことを確認しました。2021年6月には、環境省から那須塩原市に、農家保管の農業系指定廃棄物に係る暫定集約及び8,000Bq/kg以下となったものについて、指定解除を経た上での処分などの協力を要請しました。環境省では、同年10月から2023年3月にかけて保管農家の敷地から暫定保管場所への指定廃棄物の搬出作業を行い、同市では搬出された指定廃棄物のうち、8,000Bq/kg以下に減衰した農業系指定廃棄物について指定解除の手続きを経て、他の一般廃棄物と混焼するなどの取組が行われました。そのほか、日光市では暫定保管場所への搬出作業が完了し、また、那須町、大田原市では暫定保管場所が決定するなど、関係市町において取組が進められています。
千葉県においても、長期管理施設の詳細調査の実施について、地元の御理解を得る努力を継続しているところです。
茨城県については2016年2月、群馬県については2016年12月に、「現地保管継続・段階的処理」の方針が決定しました。両県ではこの方針を踏まえ、必要に応じた保管場所の補修や強化等を実施しつつ、8,000Bq/kg以下になった指定廃棄物については、段階的に既存の処分場等で処理することとされています。
本資料への収録日:2016年3月31日
改訂日:2024年3月31日