放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和5年度版、 HTML形式)

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第4章 防護の考え方
4.3 線量低減

内部被ばくの低減

内部被ばくの低減
内部被ばくの低減
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内部被ばくについては、呼吸を介した吸入摂取と飲食物を介した経口摂取の両方を考える必要があります。原子力災害後、地表面に残留した放射性物質が問題となりますが、その再浮遊は事故直後においても僅かであり、時間が経過するとともにさらに少なくなっていきます1,2,3。そのため、放射性物質の再浮遊による吸入摂取は僅か4です。また、日頃の身の回りの衛生管理(手洗い、入浴など)をしっかり行うことも内部被ばくの低減に効果があります。
一方、野生の食材のように、放射性セシウムの検出レベルの高い食品には注意することが必要です。特に、山菜類とキノコ類はセシウムの濃度が高くなる傾向にあることから注意が必要です。原子力災害後、食品中の放射性物質の検査は、国が対象品目、検査制度を示し、各都道府県が検査計画を策定し、検査を実施します。検査の結果は、厚生労働省、農林水産省、及び地方公共団体のウェブサイトなどを通じて公表されています(下巻P54「食品中の放射性物質に関する検査結果の公表」)。
なお、放射性セシウムによる内部被ばくに関して、住民の方は野生の山菜類やキノコ類、自家栽培の野菜等の簡易測定サービス及びホールボディ・カウンタ測定を利用することができます。

1. IAEA-TECDOC-1162「Generic procedures for assessment and response during a radiological emergency」(2000年)

2. K. Akimoto: Jpn. J. Health Phys., 49(1): 17-28, 2014.

3. K. Akimoto: Health Phys., 108(1): 32-38, 2015.

4. UNSCEAR2020年/2021年報告書

本資料への収録日:2013年3月31日

改訂日:2024年3月31日

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