国際原子力機関(IAEA)は原子力の平和的利用を促進するとともに、原子力が平和的利用から軍事的利用に転用されることを防止することを目的に、1957年に設立されました。IAEAは日本を含む178の加盟国(2023年9月時点)からなり、その事業は原子力の平和的利用の促進と保障措置の実施に大別されます。
原子力の平和的利用の原子力安全分野において、IAEAは、健康を守るため及び生命や財産に対する危険を最小限に抑えるために国際機関として安全基準を策定する権限を与えられており、各種の国際的な安全基準・指針の作成及び普及に貢献しています。IAEAが作成する安全基準・指針の体系は、「原則(Fundamental)」-「要件(Requirement)」-「指針(Guide)」の三階層となっており、特に「要件」における国際基本安全基準(BSS)は各国で法令に取り入れるためのガイドライン及び基本的な数値基準として用いられています。BSSはICRP勧告やUNSCEARで整理された知見、IAEAの指針等の内容が反映され、その作成には、IAEA加盟国から派遣された専門家をはじめ、世界保健機関(WHO)、国際労働機関(ILO)、経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)等の関連する機関が共同で作業を行っています。
本資料への収録日:2024年3月31日