福島県精神保健福祉センターが作成した、「福島県心のケアマニュアル」では、支援者のストレス対策として注意することがいくつか挙げられています。
支援者のセルフケアとしては、活動しすぎない、ストレスに気付く等があります。支援者の置かれている状況ではなかなか難しいことかもしれませんが、活動しすぎないことが挙げられています。自分の限度をわきまえ、活動ペースを調整すること、1日に余りに多くの被災者と関わらないために、人に任せるということも大切なことです。ストレスの兆候があることは恥ずかしいことではなく、自分の体調を知る大事な手掛かりです。自己の健康を管理し、ストレスの兆候に早めに気付くことも必要です。ストレス解消のためには、リラクゼーション、身体的ケア、気分転換、仕事以外の仲間(家族、友人等)との交流を行うこと等が効果的です。孤立はストレスを受けやすい環境では極力避けることが望ましく、そのためペアやチームで活動する、定期的に、自分の体験(目撃した災害状況や自分の気持ち)を仲間と話し合ったり、先輩等からの指導を受ける機会を持ったりすることも必要になります。災害後の困難な状況では特に、一人の力で全てを変えることはできないことは普通のことですから、自分の行動をポジティブに評価し、自分はふさわしくない、あるいは能力がないというようなネガティブに考える必要は全くないのです。
また、支援者の組織内でのケアとしては、次のような対策が具体的に挙げられています。
・ 「自分だけ休んでいられない」といった罪悪感はストレスのサイン
・ 心身の反応が出ている場合は、早めに上司や同僚に相談する
・ なるべくこまめに声を掛け合い、お互いの頑張りをねぎらう
・ お互いの体調に気を付け、負担が強くなっている職員がいる場合には、本人、指揮担当者に伝える
(関連ページ:上巻P154「支援者支援:ケアの三段階」)
本資料への収録日:2016年3月31日