放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和4年度版、 HTML形式)

MENU

第1章 放射線の基礎知識
1.3 放射線

放射線の体内での透過力

閉じる

放射線はその種類によって、空気中や人体中の通りやすさが違います。そのため、外部被ばく内部被ばくでは、問題となる放射線(α(アルファ)線β(ベータ)線、γ(ガンマ)線)や放射性物質(核種)が異なります。
α線は空気中を数cm程度しか飛ぶことができず、紙一枚で止めることができます。外部被ばくでは、皮膚表面の死んだ細胞の層(角質層)より深く到達しないので、影響が現れることはありません。しかし、体内に入った場合には、近傍にある細胞に集中的にエネルギーを与えます。
β線が空気中で飛ぶ距離は数mなので、線源が体から離れた所にある場合には、β線はほとんど被ばくに寄与しません。体表面に付いた場合は皮膚と皮下組織に、体内に入った場合は、周囲数mmの範囲にエネルギーを与えます。
γ線・X(エックス)線は透過力が強く、空気中を数十mから数百mまで飛びます。体に当たった場合は、体の奥深くまで到達し、通り抜けてしまうこともあります。この通り道にエネルギーを与えます。X線検査では、X線が通り抜けやすい部分(肺等)は黒く映り、通り抜けにくい部分(骨等)は白く映ります。
(関連ページ:上巻P22「透過力と人体での影響範囲」

本資料への収録日:2013年3月31日

改訂日:2019年3月31日

ページ先頭へ