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第11回国際シンポジウム開催の報告

2008年12月14日・15日、「平成20年度化学物質の環境リスクに関する国際シンポジウム」を東京都江東区で開催しました。

14日(日)の公開シンポジウムでは、斉藤鉄夫 環境大臣からの開会挨拶に続き、石原慎太郎東京都知事からの協力者代表挨拶(代読)、加藤修一 参議院議員からの来賓挨拶を頂戴しました。

斉藤鉄夫環境大臣 桜山豊夫東京都福祉保健局技監 加藤修一参議院議員
斉藤鉄夫環境大臣 桜山豊夫東京都福祉保健局技監 加藤修一参議院議員

公開シンポジウム
「~未来に翔(はばた)く子どもたちのために~」

<<映像>>

総合司会に京都大学 内山巌雄氏を迎え、「未来に翔く子どもたちのために -子どもの環境保健-」と題して、子どもの健康問題の増加や小児環境保健の今後の取組について、ビデオを用いて紹介しました。

【子どもの健康問題の増加】

近年、子どもたちの間でぜん息などのアレルギー疾患、先天異常、小児肥満、自閉症や学習困難などの心身の異常が年々増加していることが報告されています。その原因は、遺伝的要因、生活習慣だけでは説明できず、化学物質などの環境要因が疑われています。

【小児環境保健に対する各国及び日本の取り組み】

1997年、マイアミで開催されたG8環境大臣会合において、子どもの環境保健に対して最優先に取り組む必要があることが宣言されました。これを受けて、アメリカ、ノルウェー、デンマーク等では、小児と環境をテーマにした大規模な国家プロジェクトが進められ、日本においても、子どもの健康と環境に関する全国調査の準備が進められています。

基調講演

「子どもと環境~一般市民の立場から~」を主婦 山崎理華氏、「子どもを取り巻く環境と健康」を国立成育医療センター研究所 緒方勤氏、「オランダの現状と取組~これまでの調査で分かったことと今後の課題~」をオランダ エラスムスメディカルセンター Albert Hofman氏、「・ト国の現状と取組~小児環境保健法制定からナショナルチルドレンスタディー(NCS)まで~」を米国 ユタ大学 Edward B. Clark氏、「日本における取組~小児環境保健の現状と課題~」を東北大学 佐藤洋氏より、それぞれご講演いただきました。

内山 巌雄氏 子どもと環境 山崎 理華氏 子どもを取り巻く環境と健康 緒方 勤氏
内山 巌雄氏 子どもと環境
山崎 理華氏
子どもを取り巻く環境と健康
緒方 勤氏
オランダの現状と取組 Albert Hofman氏 米国の現状と取組 Edward B. Clark氏 日本における取組 佐藤 洋氏
オランダの現状と取組
Albert Hofman氏
米国の現状と取組
Edward B. Clark氏
日本における取組
佐藤 洋氏

(*)基調講演の様子を動画でご覧いただけます。
 【WindowsMedia】 山崎氏基調講演[56MB]  緒方氏基調講演[110MB]  Albert Hofman氏基調講演[120MB]  Edward B. Clark氏基調講演[101MB]  佐藤氏基調講演[90MB]


専門家による公開セッション

15日(月)は、ノルウェー、韓国、アメリカといった国外からも幅広く研究者や行政関係者を招いて、セッションを行いました。

◆セッション1:
「化学物質等の環境因子とアレルギーに関する研究の最前線について」

セッションコーディネーター:国立成育医療センター研究所 斎藤 博久氏

◇環境が喘息病態・発症に及ぼす短期的及び長期的影響
~香港中文大学 Gary WK Wong氏~

◇アレルギー性皮膚疾患と環境因子
~大阪大学大学院 片山 一朗氏~

◇免疫・アレルギー系の制御機構
~東京大学医科学研究所 岩倉 洋一郎氏~

◇ダイオキシン受容体の機能と炎症性疾患
~東北大学大学院 本橋 ほづみ氏~

◇環境化学物質によるアレルギーの修飾
~独立行政法人国立環境研究所 高野 裕久氏~

◆セッション2:
「小児環境保健に関する疫学調査~世界各国で進められる疫学調査~」

セッションコーディネーター:東北大学 佐藤 洋氏
                 自治医科大学 香山 不二雄氏

◇米国:ナショナルチルドレンスタディの取組
~米国 ユタ大学 Edward B. Clark氏~

◇ノルウェー国内の母子を対象としたコホート調査
~ノルウェー 国立公衆衛生研究所 Wenche Nystad氏~

◇疾病の子宮決定要因:ジェネレーションR
~オランダ エラスムスメディカルセンター Albert Hofman氏~

◇韓国:小児疫学調査の取組(MOCEHプロジェクト)
~韓国 梨花女子大学 Eunhee Ha氏~

◇環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査」実施計画
~産業医科大学 川本 俊弘氏~

◇WHOの取組:発展途上国における疫学調査の可能性
~世界保健機関 Jenny Pronczuk氏~

◆セッション3:
「化学物質の内分泌かく乱作用に関する取組と今後の展望について」

セッションコーディネーター:自然科学研究機構 井口 泰泉氏

◇OECD及び米国における化学物質の内分泌かく乱作用の試験法開発と今後の展望
~米国 環境・ロ護庁 Leslie W. Touart氏~

◇環境省による野生生物を用いた試験のまとめと今後の展望
~独立行政法人国立環境研究所 鑪迫 典久氏~

◇ヒト・実験動物における化学物質の内分泌かく乱作用に関する最近の話題
~東京大学 遠山 千春氏~

◇化学物質の内分泌かく乱作用に関するリスクコミュニケーションについて
~環境ジャーナリスト・環境カウンセラー 崎田 裕子氏~


各セッションにおいては、スピーカーからの発表を基に、多様な意見交換がなされました。

セッション1 セッション2 セッション3
セッション1 セッション2 セッション3

関連展示

 シンポジウム会場では、東京都、国立成育医療センター、独立行政法人 国立環境研究所、財団法人 世界自然保護基金ジャパン、財団法人 日本食品分析センター、社団法人 環境情報科学センター、社団法人 日本化学工業会、日本内分泌撹乱化学物質学会、いであ株式会社による映像・パネル展示が行われました。

関連展示1 関連展示2 関連展示3

配布物



参加者データ:
12月14日(日):約380名
12月15日(月):約550名

なお、基調講演やセッション等で使用されたスライドは、環境省ホームページに掲載しています。
(→http://www.env.go.jp/chemi/end/sympo2008/sympo11_mats.html

 

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