平成24(2012)年度
日本アロマ環境協会賞
JR信濃町駅 アロマステーション化プロジェクト
平成28(2016)年度
審査委員特別賞
拡げよう香りの輪プロジェクト
企画者:東鉄工業株式会社/東日本旅客鉄道株式会社 信濃町駅/桐蔭横浜大学 飯島研究室
東鉄工業株式会社
場所:東京都新宿区
訪問日時
2020年2月28日午前
訪問先
信濃町駅 東鉄工業株式会社
東京都信濃町34番地JR信濃町ビル4階
東鉄工業株式会社 環境本部長 加藤裕明氏
東鉄工業株式会社 環境本部 ECO2推進部 岡村直利氏
企画の概要
ヒアリング内容
JR信濃町駅は、1日の平均乗降客数約26,000人、中央・総武線の駅(正式には中央本線)です。明治神宮外苑、国立競技場の最寄り駅の1つで、駅周辺には慶應義塾大学信濃町キャンパスや大学病院があります。平成24(2012)年に日本アロマ環境協会賞を受賞してから1年あまり、「信濃町駅を利用される方々に香りで癒やしを」と、継続して信濃町駅のアロマステーション化に取り組まれています。
「駅の出入り口付近は、“香りの花壇”として駅から会社へ向かう方々や大学病院を利用される方々にリラックスしていただけるような香りを集めています。今は、レモンバームやジンチョウゲですね」。東鉄工業の岡村さんは、駅を利用されるお客さまにリフレッシュ、リラックスしていただきたいという思いで、JR信濃町駅アロマステーションプロジェクトを企画しました。
「“香りの花壇”には、季節を意識してバラも追加しました。駅改札内コンコースの中の“香りのプランター”は、月替りの花を楽しみにしてくださる方がいらっしゃいます」
駅をご利用されるお客さまが、「今度は何の花かしら」と声をかけてくださるそうです。
香りのプランターは、駅構内で日もあたらないので、維持管理に気を使います。JR信濃町駅の職員さんと、東鉄工業の社員の方が日々水やりやお手入れをしながら、毎月お花を変えているとのこと。「香りの草花や木々たちも、手をかければ手をかけただけ応えてくれます」
平成28(2016)年審査委員特別賞「拡げよう香りの輪」プロジェクトも岡村さんを中心とする東鉄工業さんの企画です。
「拡げよう香りの輪」プロジェクトでは、工事現場の近隣住民の方々へ香りや癒やしを届けたいと、仮囲いに、かおりの植物を導入。植物を植える仮囲い緑化用のプランターについても、環境への配慮とともに香り効果が感じられるように木製のプランターを開発しました。さらに工事終了後は、工事へ協力していただいたことへの感謝も込めて、住民の方々に仮囲いに植えたかおり植物をお譲りします。
ガードマンの方が「きれいね」や「いい香りね。なんというお花?」と聞かれることも多く、まちの方々とのコミュニケーションのきっかけにもなっているそうです。
東鉄工業はおもに鉄道工事、駅や線路の建設を手がけています。その中で環境本部は、環境負荷の低減に向けた技術やサービスを開発、提供。以前から駅内外の壁面緑化などの技術開発もされており、2013年には、「四ツ谷駅」の屋上緑化・ホーム屋根緑化を環境配慮型の駅づくりに積極的に取り入れたことで、JR東日本、および第一園芸株式会社と共同で第12回屋上・壁面・特殊緑化技術コンクール審査委員会特別賞(主催:公益財団法人都市緑化機構)も受賞しています。
現在は、アロマステーションも仮囲いも設置コストとメンテナンスコストの低減策を検討しているとのこと。
「緑化を、緑花、緑香に。線路から駅へ、駅からまちへ。
緑と駅を核に香りの輪が広がっていけば嬉しい」
建築施工の技術者である岡村さんが、みどり香るまちづくりへの熱い想いを話してくださいました。
JR信濃町駅 アロマステーション化プロジェクト
アロマステーション化にあたっては、都心の駅とその周辺施設からなる地域景観の改善に役立つ緑化とともに、香りの効果のある植物を植え、視覚と嗅覚、触覚などを一体とした知覚環境の改善を目指す。特に信濃町駅の利用者の特徴を考慮し、それら利用者の心理的ストレスの緩和を目指した香りを演出。都心の駅の施設との相性の良い特殊緑化技術を導入し、風(香り)の流線に考慮した香りの空間的な拡がり、緑視線の向上に役立つ緑の配置に考慮する。
拡げよう香りの輪プロジェクト
環境保全活動の分野において、ヒートアイランド防止、CO2排出量の削減等に取り組んでおり、こうした取り組みの一環として、工事用仮囲いの一部に「緑化」を導入しています。工事用仮囲いは、本設構造物ではありませんが、1年から3年の設置期間があり、仮設とはいえ、比較的長期間にわたって設置されるものです。また、一工事が終了し、工事用仮囲いが撤去されたとしても次の工事現場へと順次展開していきます。したがって、常に継続的に設置され、多くの場所で広く展開されることになります。