第2節 循環型社会の形成に向けた国の取組

1 循環型社会の形成に向けた法制度の施行について

(1)循環型社会形成推進基本法(循環型社会基本法)

 循環型社会の形成に関する施策を総合的、計画的に推進するため、平成15年3月に循環型社会基本法第15条に基づいて循環型社会基本計画を策定しました。策定後5年目を迎え見直しを行った新たな循環型社会形成推進基本計画において示された、物質フロー指標に関する目標及び取組指標に関する目標の達成や、持続可能な社会の実現に向け循環型社会・低炭素社会や自然共生社会と統合して、循環型社会の形成を国内外問わず実現すること、地域循環圏の構築、充実させた指標のフォローアップ、国際的な循環型社会の構築へ向けた取組を総合的に進めます。


(2)廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)

 平成13年5月に環境大臣は「廃棄物の減量その他その適正な処理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な方針」(基本方針)を決定し公表しています。その中では、まず、できる限り廃棄物の排出を抑制し、次に、廃棄物となったものについては不適正処理の防止その他の環境への負荷の低減に配慮しつつ、再使用再生利用、熱回収の順にできる限り循環的な利用を行い、こうした排出抑制及び適正な循環的利用を徹底した上で、なお適正な循環的利用が行われないものについては、適正な処分を確保することを基本とすること等を定めています。これにより一般廃棄物及び産業廃棄物の最終処分量を平成22年度までに平成9年度のおおむね半分に削減することとしています。

 また、廃棄物・リサイクル行政の目的が、これまでの公衆衛生の向上や公害問題の解決から循環型社会の形成へと変遷していることを踏まえ、今後、我が国全体として、3Rに重点を置いた最適なリサイクル・処理システムを構築していくこととし、平成17年5月に廃棄物処理法に基づく基本方針を改正しています。一般廃棄物の処理については、この基本方針において、一般廃棄物の処理に関する事業のコスト分析手法や有料化の進め方並びに一般廃棄物の標準的な分別収集区分及び適正な循環的利用や適正処分の考え方を示すことなどを通じた技術的支援を国が行うべきとされています。そこで、国全体として3Rに重点を置いた最適なリサイクル・処理システムを構築していくための施策の一つとして、一般廃棄物処理事業に係るコスト分析の標準的手法を示す「一般廃棄物会計基準」、有料化の進め方を示す「一般廃棄物処理有料化の手引き」、一般廃棄物の標準的な分別収集区分やエネルギー回収、最終処分等の処理の考え方を示す「市町村における循環型社会づくりにむけた一般廃棄物処理システムの指針」を市町村に情報提供し、技術的支援を実施します。

 さらに、改定された「廃棄物処理施設整備計画」に基づき、廃棄物処理事業の3R化を進めていきます。

 廃棄物系バイオマスについては、分別手法、収集・運搬を含めた利活用のシステム全体については有効な手法をパターン化するため、有効であると考えられる利活用の手法についてモデル地域における実証を行い、廃棄物系バイオマスの大幅な利活用の促進を図ります。

 また、平成12年度から新たに創設された産業廃棄物処理施設のモデル的整備事業に対する補助制度により、廃棄物処理センターによる産業廃棄物処理施設の整備促進を図ります。

 最終処分場の確保が特に困難となっている大都市圏のうち、近畿圏においては、大阪湾広域臨海環境整備センターが行う広域処理場整備の促進及び埋立ての円滑な実施を図ります。また、首都圏においては、必要な広域処理場の確保に向けて、関係地方公共団体間に働きかけを行います。

 製品が廃棄物となった場合における処理が困難となっているものとして廃棄物処理法に基づき指定されている廃ゴムタイヤ等の一般廃棄物の処理については、消費者が新規製品を購入する際等において販売店が廃棄物を引き取り、可能な範囲で市町村以外のシステムで処理するなど、市町村の処理が適正に行われることを補完するために製品の製造事業者等が行う協力を促進するとともに、引き続き、広域認定制度を活用した製造事業者等による広域的なリサイクルを進めます。

 産業廃棄物問題の根本的な解決に向け、国の役割を強化し、産業廃棄物運搬車両への表示等による不法投棄等の不適正処理事案の発生の未然防止や電子マニフェストの普及促進等による廃棄物処理システムの透明性の向上、行政における体制整備・対処能力向上を昨年度に引き続き進めてまいります。

 PCB廃棄物については、平成28年までの処分に向け、引き続き必要な体制の整備を行い、確実かつ適正な処理を推進します。

 石綿を含む廃棄物等の円滑かつ安全な処理を促進するために、無害化処理認定制度により、石綿を含む廃棄物の無害化処理を促進します。


(3)資源の有効な利用の促進に関する法律(資源有効利用促進法)

 平成13年4月に施行された「資源の有効な利用の促進に関する法律」(資源有効利用促進法)や産業構造審議会廃棄物処理・リサイクルガイドラインにおいては、従来進めてきた取組に加え、産業構造審議会において平成20年1月に取りまとめられた報告書に基づいて、世界最高水準の省資源社会の実現を図るため、一部のレアメタル等の各種資源の投入量の更なる低減施策に取り組み、我が国産業の競争力の維持・強化等を図ります。

 具体的には、製品のサプライチェーン全体の資源投入量の低減を図るため、特に部品・最終製品の製造時に発生する工程くず等の副産物のリデュース対策を推進します。川上・川中企業(部品サプライヤー等)では、川下企業(最終製品メーカ)による設計や仕様によって副産物低減の取組の自由度が制限されるなど、個別企業の取組のみでは部分最適に陥り、省資源の効果が期待できないと考えられます。他方一部の先進的な川下企業では、川上・川中企業と連携し、副産物の正確な原価計算(見える化)を可能とするマテリアルフローコスト会計(MFCA)の活用等により、省資源、省エネ、省CO2、作業量低減を同時に達成し、いわば一石四鳥の効果を手にしています。このように、川下企業と川上・川中企業間のすりあわせを再強化し、副産物の更なるリデュースを図る省資源型ものづくりの取組を推進(「すりあわせ2.0」)します。また、国においても、モデル事業等を通じた最良事例の創出を進めます。また、再生資源を新たな製品の原材料として利用する高度リサイクルの取組も促進します。

 一方、3R配慮製品の市場拡大に資するよう、事業者による製品設計・製造の取組内容に関する消費者への情報提供を、また、携帯電話等の使用済製品の回収が促進されるよう、金やレアメタル等の有用な資源が製品に高濃度で含まれていること等に関する消費者への情報提供を進めます。さらに、パソコン等の製品の排出事業者において、使用済製品の引渡先での処理の実態を把握するための取組等を進めます。


(4)容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)

 改正後の容器包装リサイクル法に基づき、容器包装廃棄物の排出抑制を促進するため、容器包装廃棄物排出抑制推進員(愛称:3R推進マイスター)を活用した消費者への更なる普及啓発や、小売業に属する事業を行う者(指定容器包装利用事業者)に対して義務付けられた容器包装廃棄物の排出抑制促進措置を着実に実施し、レジ袋の有料化やマイバッグの利用促進等を通じた容器包装の使用合理化を図ります。また、平成20年度から施行される「事業者が市町村に資金を拠出する仕組み」等を円滑かつ着実に実施します。このほか、容器包装廃棄物の3Rを推進するため、レジ袋等の使用量削減に関する地域モデル事業や再使用容器の導入を促進するモデル事業、優れた取組等に対する表彰制度等の各種施策を実施します。


(5)特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)

 家電リサイクル法については、中央環境審議会・産業構造審議会の合同会合において平成20年2月に取りまとめられた報告書に盛り込まれた措置を実施するため、対象品目の追加と再商品化率等の設定、小売業者によるリサイクル・リユースの仕分け・引渡しに係るガイドラインの策定、再商品化等費用に係る透明性の確保、小売業者による適正な引取り・引渡しを確保するためのチェック体制の強化、不法投棄対策に関する資金面を含めた関係者間協力体制の構築、離島における収集運搬の改善等に取り組みます。


(6)使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)

 制度の円滑な施行に向けて、引き続き関係事業者や自動車所有者等に対して各種媒体を利用しつつ、制度の一層の広報・普及等を行っていきます。具体的には、新聞などのマスメディアによる広報や、各種イベントにおける活動などの幅広い手段を用いて広報を実施していく予定です。

 また、使用済自動車の引取りに支障が生じている離島市町村や、使用済自動車等の不法投棄に対して行政代執行の措置を行う都道府県等に対して、支援事業を行います。


(7)建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)

 建設リサイクル法については、社会資本整備審議会・中央環境審議会の合同会合において、引き続き制度の評価・検討を行っていきます。また、建設工事関係者間の連携強化、分別解体、再資源化の促進に向けて建設リサイクルに関する普及啓発等を図っていきます。

 さらに、社会資本整備審議会・交通政策審議会の建設リサイクル推進施策検討小委員会において平成20年3月にとりまとめられた建設リサイクル推進に係る方策についての最終報告書を受け、新たなリサイクル推進計画を作成する予定です。


(8)食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)

 食品リサイクル法及び関連する政省令等が改正されたことを踏まえ、食品廃棄物等の発生量が一定規模以上の食品関連事業者に対する定期報告の義務付け等指導監督の強化、新たな再生利用事業計画認定制度を通じた再生利用等の円滑な取組等を推進します。

 また、食品循環資源の再生利用等の推進を図るため、食品リサイクル製品に対する評価・認証の仕組みやルールを構築するとともに、新たな食品リサイクル制度の普及啓発、食品廃棄物を含むバイオマス利活用を図ろうとする地域に対する施設整備の支援等を通じた食品循環資源の再生利用の促進等を実施します。


(9)国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)

 国等の各機関では、「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」(グリーン購入法)に基づく基本方針に即して毎年度環境物品等の調達方針を作成・公表し、これに基づいて環境物品等の調達の推進を図ります。また、基本方針に定める国等が重点的に調達の推進を図る環境物品等については、その開発・普及の状況、科学的知見の充実等に応じて、適宜追加・見直しを行います。

 地方公共団体におけるグリーン購入の取組を促すため、地方公共団体を対象としたグリーン購入に関するアンケート調査や、基本方針の変更についての説明会等を行います。また、地方公共団体向けのグリーン購入取組ガイドラインの試用を開始します。

 さらに、幅広い主体による環境物品等の購入を推進するため、購入者が製品やサービスに関連する適切な環境情報を入手できる「商品環境情報提供システム」を継続して運用していくとともに、環境物品等に関する情報提供体制の在り方についてのガイドラインの普及・啓発を行います。このほか、環境ラベリングその他の手法による情報提供を推進していきます。

 廃棄物を大幅に低減するため、廃棄物の発生の少ない製品やリサイクル可能な製品など、環境への負荷の少ない製品の積極的な購入を進めるため、グリーン購入に率先して取り組む企業、行政、消費者団体等各主体が連携した組織として発足したグリーン購入ネットワークの活動を積極的に支援します。また、全国各地において開催するグリーン購入セミナーを通じて、グリーン購入の促進を図っていきます。


(10)ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(PCB特措法)

 国が策定したPCB廃棄物処理基本計画に即した、都道府県及び政令市によるPCB廃棄物処理計画の策定を推進します。また、日本環境安全事業株式会社によるPCB廃棄物の拠点的な広域処理施設の整備については、北九州事業、豊田事業、東京事業、大阪事業及び北海道事業の進捗を図ることにより、全国のPCB廃棄物を法律に定める処理期限である平成28年7月までに、一掃できるよう努力することとしています。

 さらに、国は処理費用負担能力の小さい中小企業者が保管しているPCBを使用した高圧トランス・高圧コンデンサの処理に係る負担を軽減するために設置しているPCB廃棄物処理基金を造成するための予算措置を平成19年度に引き続いて行います。

 微量PCB汚染廃電気機器等の処理については、国は引き続き、既存の廃棄物処理施設による実証試験を行い、実証試験結果の検討を行うとともに、中央環境審議会に設置された「微量PCB混入廃重電機器の処理に関する専門委員会」における今後の処理方策についての審議を踏まえ、必要な施策を推進してまいります。


(11)特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法(産廃特措法)

 特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法(産廃特措法)に基づき、平成9年の改正廃棄物処理法の施行前(平成10年6月17日前)に、廃棄物処理法に定める処理基準に違反して不適正に処分された産業廃棄物に起因する生活環境保全上の支障の除去等の計画的かつ着実な推進を都道府県等に対して呼びかけていきます。

2 循環型社会を形成する基盤整備

(1)財政措置等

 循環型社会基本法では、政府は、循環型社会の形成に関する施策を実施するために必要な財政上の措置等を講じることとしています。国の各府省の予算のうち、「循環型社会」の形成を推進するための経費は、平成20度当初予算額で約8,120億3,285万円(うち、下水道事業費補助等 約4,777億8,600万円)となっています(表4−2−1)。


表4−2−1 主な循環型社会形成推進関係予算

 金融措置として、日本政策投資銀行等において、廃棄物・リサイクル対策等に係る融資施策を引き続き講じます。

 さらに、石綿の発生及び飛散の防止、適正な処理等のために必要な設備資金等に係る低利施策を引き続き講じます。

 また、廃棄物処理施設に係る課税標準の特例措置及び石綿含有廃棄物の処理施設に係る特例措置等、廃棄物のリサイクルや適正処理の推進のための税制上の優遇措置を引き続き講じます。


(2)循環型社会ビジネスの振興

 事業者が、再生資源の利用率目標の達成及び再生資源の新規用途の開発などの、個別品目の状況に応じた再生利用能力の向上を図ることを促進します。また、再生資源やリサイクル製品は、初めて使用される資源やこれによる製品に比べて割高になりがちであることも踏まえつつ、信頼性を確保し、国、地方公共団体、事業者、国民すべての主体がリサイクル製品を積極的に利用することなどにより、リサイクル製品の利用・市場の育成等を推進します。

 また、循環型社会の形成の礎となる産業廃棄物処理業の優良化を推進するため、処理業者の優良性の判断に係る評価制度の円滑な実施を図るとともに、中小企業を含めた事業者における環境報告書や環境会計の作成・公表、地域コミュニティビジネスの育成等を図ります。


(3)経済的手法の活用

 多くの人の日常的な活動によって引き起こされている廃棄物問題については、大規模な発生源や行為の規制を中心とする従来の規制的手法による対応では限界がある面もあります。このため、その対策に当たっては、規制的手法、経済的手法、自主的取組などの多様な政策手段を組み合わせ、適切な活用を図っていくことが必要です。

 そのため、第4章第2節1の(2)に示したように、有料化に伴うさまざまな問題に関する考え方や、有料化の検討の進め方などについて取りまとめたガイドラインを通じて有料化を行う市町村を支援していきます。

 また、引き続き、ごみ(一般廃棄物)処理手数料の徴収等の状況、デポジット制度(預託払戻制度)等の経済的負担措置等の導入実態や課題についての検討を実施します。


(4)教育及び学習の振興、広報活動の充実、民間活動の支援及び人材の育成

 平成16年10月に完全施行された「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」及び同法に基づく基本方針(平成16年9月24日閣議決定)に基づき、学校、地域、家庭等様々な場における環境教育・環境学習を推進し、環境保全活動に取り組む意欲を高めていくための体験機会や情報の提供等の措置を進めます。また、環境教育等の指導者に関する情報を教育現場等に提供するため、環境省、文部科学省、農林水産省、経済産業省及び国土交通省が連携して、同法に基づく人材認定等事業の登録制度の円滑な運用を図ります。さらに、平成17年から始まった「国連持続可能な開発のための教育の10年」については、平成18年3月30日に関係省庁連絡会議で決定した我が国における実施計画に基づき、多様な主体とともに、関係府省が緊密に連携して関連施策を推進します。

 さらに、国民に対し3R推進に対する理解と協力を求めるため、関係府省(内閣府、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省)連携の下、毎年10月を「リデュース・リユース・リサイクル(3R)推進月間」と定め、引き続き、広く国民に向けて普及啓発活動を実施します。また、3R推進月間の事業の一環として、3Rの推進に貢献している個人、グループ、学校及び特に貢献の認められる事業所等を表彰する「リデュース・リユース・リサイクル推進功労者表彰」(リデュース・リユース・リサイクル推進協議会主催)の開催を引き続き後援します。

 環境省では、子どもたちの地域における環境保全活動を支援する「こどもエコクラブ事業」、家庭におけるエコライフを支援するための「我が家の環境大臣事業」、学校施設の環境配慮型の改修及びその活用を通して環境教育を推進する「学校エコ改修と環境教育事業」等を引き続き実施します。また、「地球環境パートナーシッププラザ」及び全国の「地方環境パートナーシップオフィス」を拠点として、引き続き情報提供等を行う他、環境保全についての助言等を行う人材を確保する「環境カウンセラー事業」を推進します。さらに、独立行政法人環境再生保全機構に設けられている「地球環境基金」では、引き続き国内外の民間団体が行う環境保全活動に対する助成を行います。特に循環型社会形成推進のための活動には引き続き積極的な支援を行います。

 引き続き、NGO・NPO等の民間団体、事業者等が地方公共団体等と連携して行うリデュース(発生抑制)リユース(再使用)を中心とする循環型社会に向けた取組であって、先駆的・独創的かつ他の地域に適用可能な一般性を有する事業について、アイディアを公募して、実証事業として実施し、その情報提供を図ります。

 文部科学省では、新たに新しい環境教育の在り方に関する調査研究を実施するとともに、引き続き全国環境学習フェアや環境教育担当教員講習会の開催、環境のための地球学習観測プログラム(GLOBE)モデル校の指定、総合的な学習の時間におけるNPO等の外部人材の活用推進事業を行います。

 また、文部科学省と環境省の連携・協力の下、環境教育リーダー研修基礎講座の実施などを引き続き行います。

 経済産業省では、平成19年度に引き続き、地域省エネ型リユース促進事業を実施し、地域における事業者や消費者等による、リターナル容器の導入促進に向けたモデル事業を展開します。

 内閣府では、平成19年度に引き続き「環境にやさしい買い物キャンペーン」を10月に実施します。また、民間団体による省資源・省エネルギーの促進に寄与する先駆的な実践活動のやモデル的実施その成果の普及・定着を推進していきます。


(5)調査の実施・科学技術の振興

 廃棄物に係る諸問題の解決とともに循環型社会の構築を推進するため、科学技術基本計画のもと策定された環境分野の推進戦略に基づき、競争的資金を活用し広く課題を募集し、研究事業及び技術開発事業を実施します。

 廃棄物処理等科学研究費において、研究事業については、「3R推進のための研究」、「廃棄物系バイオマス利活用推進のための研究」、「循環型社会構築を目指した社会科学的複合研究」、「アスベスト問題解決をはじめとした安全、安心のための廃棄物管理技術に関する研究」「漂着ごみ問題解決に関する研究」を重点テーマとするとともに、「バイオマス特別枠」を設け社会的・政策的必要性に応じた廃棄物処理等に係る研究を推進します。

 技術開発事業については、「アスベスト廃棄物の無害化処理技術開発」、「廃炉解体の低コスト化技術開発」、「漂着ごみ問題解決に関する技術開発」、「廃棄物系バイオマス利活用技術開発」、「3R・エネルギー回収の高度化技術開発」を重点テーマ枠とし、実用性、経済性が見込まれる次世代を担う廃棄物処理等に係る技術の開発を図ります。

 公害防止等試験研究費においては、「循環型社会に資する新たな埋立類型の構築」など5課題の試験研究を実施します。

 また、建設廃棄物、特に混合廃棄物を構成する各種資材を主対象として、建築物の解体工事等に伴う廃棄物の発生抑制から収集・集積、加工・処理、流通及び再生資材の活用までの各段階が連携し、効果的に資源循環を推進するための技術体系並びにその普及基盤の開発を行います。

 また、製品の長寿命化や易リサイクル化等製品の設計・製造段階といった上流分野における3Rに配慮した技術開発として、「元素戦略/希少金属代替材料開発プロジェクト」、「革新的構造材料を用いた新構造システム建築物研究開発」及び「希少金属等高効率回収システム開発」等の事業を推進していきます。

 このほかにも、民間事業者の有する効率的な3R技術の実用化の促進を図るため、民間企業から公募により選定されたすぐれた循環システムの実用化に向けた技術開発に対して補助をしていきます。

 国立環境研究所では、第2期中期計画(計画期間:平成18年度から22年度)に掲げられた重点研究プログラムの一つである「循環型社会研究プログラム」において、近未来に実現すべき循環型社会の具体的な姿を描き、適切な廃棄物管理と資源の循環的利用の下で、そこへ向かう社会の仕組みや技術システムを提示するための研究を進めます。


(6)施設整備

 平成17年度において、廃棄物の3Rを推進するための目標を設定し、広域的かつ総合的に廃棄物処理・リサイクル施設の整備を推進する「循環型社会形成推進交付金制度」を創設したところですが、地域における循環型社会づくりのための社会資本整備を加速させるため、交付金制度の改善、強化を図ります。

 具体的には、施設の有効利用、長寿命化を図ることを推進するため、最終処分場の再生事業(廃棄物の減容事業)において、最終処分場の新たな埋立終期まで水処理等ができるように、関連施設の改修整備を交付対象とし、また、廃棄物処理施設の地震による被害(稼働不能)を抑えるため、特に耐震化が必要と認められる施設について、耐震改修事業を推進していきます。また、計画的且つ効率的な投資による施設の機能保全・延命化をはかることを目的としたストックマネジメント導入手法調査を実施します。

 また、家畜排せつ物等について、地域における有効利用を促進し、効率的かつ環境保全上適切に循環するシステムを形成するための施設整備等を推進します。

 再資源化施設に関しては、建設廃棄物等の再資源化を促進するため、再資源化施設の稼働状況等に関する情報交換システムの運用を推し進めていくとともに、再資源化施設の立地について、その適正な立地誘導等が図られるよう必要な施策について検討を進めていきます。

 地域における資源循環型経済社会構築の実現に向けて、引き続き「エコタウン事業」を推進していきます。

 水産物の加工流通過程における排水処理の高度化及び水産加工残さ等のリサイクルの促進に必要な施設整備を推進します。

 最終処分場の確保が特に困難となっている大都市圏のうち、近畿圏においては、大阪湾広域臨海環境整備センターが行う広域処理場(廃棄物埋立護岸、廃棄物受入施設、排水処理施設等)の整備促進及び埋立ての円滑な実施を図ります。また、首都圏をはじめその他の地域において、広域処理場の確保が必要となった際に、関係地方公共団体間に適切な働きかけを講じられるよう、次期広域処理場のあり方についての検討を実施します。

 港湾における廃棄物埋立護岸について、東京湾等において整備を行います。

 このほか、資源のリサイクルを促進するため、首都圏の建設発生土を全国の港湾建設資源として広域的に有効利用するプロジェクト(いわゆるスーパーフェニックス)として、平成20年度には広島港等において建設発生土の受入を実施します。


(7)生活環境保全上の支障の防止、除去等

 産業廃棄物の不適正処分の防止と支障の除去や、廃棄物の輸出入の適正化を図るため、地方環境事務所の立入検査等の体制を強化するとともに、都道府県や税関等との情報交換等の連携強化により監視の強化に努めます。さらに、硫酸ピッチの不適正処理については、平成16年度の81件28,353本から平成17年度の29件3,895本に大幅に減少していますが、不適正処理の防止については、引き続き関係機関と関連情報の共有等の連携等を図り、防止対策を推進していきます。

 また、産業廃棄物適正処理推進センターの基金に対し、産業界の自主的な拠出に併せて国からも補助を行っていきます。

 さらに、環境省に設置した不法投棄ホットラインを活用し、都道府県等とも連携して不法投棄の早期発見、拡大防止に努めるほか、現場調査や関係法令等に精通した専門家チームを派遣し、都道府県等の不法投棄対策を支援します。また、適正な循環型社会の形成を根幹から阻害するおそれのある不法投棄等の不法行為の規制強化等を進めるとともに、監視活動や啓発活動を引き続き強化します。


(8)その他の政府の取組

 木材の循環利用を促進するためには、建設廃棄木材等の廃棄物系の木質資源のうち未利用となっている資源の再使用・再資源化が必要であり、これらの未利用となっている資源の有効活用を図るため、木質複合材料等の開発を行います。また、接着剤により接着された木質系材料は木質部と接着剤の分離が困難であることから、廃棄段階において簡易に分離・剥離する接着・分離技術を開発することにより再使用・再生利用・再資源化を促進します。

 また、循環型社会の形成等の観点を踏まえ、加工時のエネルギー消費量が少なく、再生産可能な資源としての特性を有する木材とりわけ国産材の利用を推進してまいります。

 下水道事業において発生する汚泥は、産業廃棄物の総発生量の約18%を占め、下水道の普及に伴いその発生量は年々増加している一方、下水汚泥を受け入れている最終処分場の残余年数は依然として非常に厳しい状況にあり、今後さらなる汚泥の減量化、再生利用に加え、地球温暖化対策の推進も踏まえたエネルギー利用が必要となっています。このような状況を踏まえ、下水汚泥資源化施設の整備の支援、下水道資源の循環利用に係る計画策定の推進、下水汚泥再生利用・エネルギー利用に係る技術開発の促進・普及啓発などに取り組んでいきます。

 使用済みFRP船の処理については、平成19年度から全国においてリサイクル処理が可能となったため、今後ともリサイクル処理の必要性及びFRP船リサイクルシステムの周知広報等をおこなうことにより、FRP船のリサイクル処理の普及促進に取り組んでいきます。

 日本工業標準調査会(JISC)は環境配慮製品の普及のため、平成14年4月に策定した「環境JISの策定促進のアクションプログラム」に基づき、3R・環境配慮設計・地球温暖化対策・有害物質対策・環境汚染対策に資する規格の制定・改正に取り組みます。

 また、環境負荷の低減、環境情報の提供、JISの活用等を念頭におき、消費者等利害関係者からの意見を反映し、規格の制定・改正を行い、JISに対する信頼感に答えていきます。

 さらに、平成16年6月に策定した「国際標準化活動基盤強化アクションプラン」に基づき、わが国の優れた環境技術を国際提案し、国際標準化活動に取り組みます。

 平成17年9月に設置された中部圏ゴミゼロ型都市推進協議会では、廃棄物の減量化目標の達成、3Rの推進、廃棄物処理・リサイクル施設の整備を内容とする中長期計画を策定します。首都圏ゴミゼロ型都市推進協議会では、平成14年4月に取りまとめた中長期計画の成果と課題を踏まえ、次期中長期計画の取りまとめを行います。また、京阪神圏ゴミゼロ型都市推進協議会では、平成15年3月の取りまとめを踏まえ、それらの進捗状況についてフォローアップを行います。

 地球温暖化の防止、循環型社会の形成、競争力のある新たな戦略的産業の育成、農林漁業・農山漁村の活性化の観点から、バイオマスを総合的かつ効率的に最大限利活用し、持続的に発展可能な社会「バイオマス・ニッポン」を早期に実現することが重要です。このため、平成18年3月に閣議決定された新たな「バイオマス・ニッポン総合戦略」に基づき、バイオマスの利用の加速化を図ります。

 具体的には、関係府(1府6省)で構成する、「バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議」において、平成19年2月に作成した工程表に基づき、国産バイオ燃料の生産拡大に向けた取組を推進します。また、農林漁業者とバイオ燃料製造業者が共同して原材料生産と燃料製造を行う取組及びバイオ燃料に関する研究開発の促進を図ることを目的とした「農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律案」を第169回国会に提出しました(平成20年2月)。

 また、食料自給率の低い我が国において、食料供給と競合しない稲わら等のソフトセルロースを原料として、収集・運搬からバイオ燃料を製造・利用するまでの技術実証を一体的に行い、ソフトセルロースの利活用技術を確立するとともに、バイオ燃料向け資源作物の開発や資源作物全体から高効率にエタノールを生産する技術開発等を進めます。

 さらに、平成20年度税制改正において、バイオエタノール混合ガソリンに係るガソリン税(揮発油税及び地方道路税)の軽減措置、バイオ燃料製造設備に係る固定資産税の軽減措置を創設し、バイオ燃料の生産・利用拡大を図ります。このほか、地域のバイオマスを効率的に利活用するバイオマスタウンを22年度までに300地区程度構築することを目指し、バイオマスタウン構築を推進します。このほかにも、加工時のエネルギー消費量が少ない地域材の利用等を推進するとともに、建設廃棄木材等の廃棄物系の木質資源のうち未利用となっている資源の再使用・再資源化を図るため、木質複合材料等の開発を行います。さらに、家畜排せつ物等有機性資源のたい肥化や再生可能エネルギーとしての利活用などによる循環的利用の促進等を推進します。また、農業集落排水事業において、発生する汚泥の有機肥料等へのリサイクルを推進します。

 静脈物流の拠点となる港湾を総合静脈物流拠点港リサイクルポート)に指定し、広域的なリサイクル関連施設の臨海部への立地を推進するとともに、循環資源の収集・輸送・処理の総合的な静脈物流拠点を形成し、ネットワーク化を図ります。また、国内の静脈物流システムとも連携を図りながら、循環資源の輸出入ターミナルの拠点化・大型化、品質管理の強化等による効率的な国際静脈物流システムの構築に向けた検討も推進していきます。

 地方公共団体は、循環型社会の形成に関する様々な施策を策定・実施する主体です。その施策は当該区域の自然的社会的条件を踏まえて実施されるものであることから、国は、地方公共団体が実施する施策の適切さを確保するために、法制定等により地方公共団体の役割やその実施すべき施策を明確化すること、通知等により法解釈を具体的に明らかにすること、地方公共団体が施策を実施する際によって立つべき基準を設定すること、地方公共団体が施策を実施する際の参考となる指針を設定すること等、地方公共団体の実施する施策を支援する措置を講じていきます。

 また、地方公共団体が循環型社会の形成に関する施策を講ずるために必要な費用について、国庫補助金、地方公共団体への融資等、必要な財政措置を講じることとしています。

3 循環型社会の形成と地球環境問題

(1)廃棄物と地球温暖化対策

 廃棄物の焼却や埋立てに伴う温室効果ガスについては、平成20年3月28日に改定された京都議定書目標達成計画に基づき、その発生量の抑制を図ります。

 具体的には、廃棄物等の発生抑制再使用再生利用の推進によって廃棄物焼却量や直接埋立量の抑制を図ります。また、化石系資源の使用量の抑制を図るため、廃棄物発電施設や、有機性廃棄物からのメタン回収を高い効率で行う施設に対し補助するなど、燃やさざるを得ない廃棄物の焼却に伴って生じる排熱を有効に活用する廃棄物発電・熱利用やバイオマスエネルギーの活用を推進していきます。

 平成15年度から実施している、廃棄物処理施設における温暖化対策事業については、民間事業者が行う地球温暖化対策に資する高効率の廃棄物発電、廃棄物熱供給施設や廃棄物燃料製造施設の整備を促進させるため、当該設備の整備に必要な追加費用に対して支援を行っていきます。


(2)国際的な取組

 有害廃棄物等の輸出入等の規制を適切に実施するため、バーゼル法及び廃棄物処理法の適切な施行及び運用を行います。また、アジア各国に対しては、有害廃棄物の不法輸出入防止に関するアジアネットワークによる情報交換を引き続き行うとともに、バーゼル条約事務局と連携し、アジアにおけるE-waste対策を推進します。

 2008年(平成20年)5月のG8環境大臣会合等において、議長国として3Rイニシアティブ推進に向けた国際的議論を主導するとともに、それらの成果も踏まえ、3Rに関する技術移転及び3Rに関する研究ネットワークの形成の推進や、東アジア循環型社会ビジョンの策定に向けた調査を実施します。

 開発途上国の自主的な取組を支援するため、開発途上国の要請に応じて、政府開発援助(ODA)による協力を行っていきます。また、中国との循環型都市に関する協力やグリーン・エイド・プラン(GAP)を通じた専門家派遣、研修事業の実施や、各国が相互に連携し、域内における資源有効利用と環境汚染防止の両立を図るため、二国間政策対話の推進や、二国間での適正な資源循環ネットワーク構築のための共同研究等を推進していきます。

 循環型社会基本法では、国は、循環型社会の形成に関する国際的な相互協力を推進するために必要な措置を講ずるよう努めるものとしており、この趣旨を踏まえて、施策を更に推進していきます。



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