第3節 循環型社会の形成に向けた国の取組

1 循環型社会の形成に向けた法制度の施行状況

(1)循環型社会形成推進基本法(循環型社会基本法)

 大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会の在り方や国民のライフスタイルを見直し、社会における物質循環を確保することにより、天然資源の消費が抑制され、環境への負荷の低減が図られた「循環型社会」を形成するため、平成12年6月に「循環型社会形成推進基本法」(循環型社会基本法)が公布され、平成13年1月に施行されました。

 同法では、対象物を有価・無価を問わず「廃棄物等」として一体的にとらえ、製品等が廃棄物等となることの抑制を図るべきこと、発生した廃棄物等についてはその有用性に着目して「循環資源」としてとらえ直し、その適正な循環的利用(再使用再生利用熱回収)を図るべきこと、循環的な利用が行われないものは適正に処分することを規定し、これにより「天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会」である「循環型社会」を実現することとしています(図4−3−1)。


図4−3−1 循環型社会の姿

 循環型社会基本法では施策の基本理念として排出者責任拡大生産者責任という2つの考え方を定めています。

 ア 排出者責任

 廃棄物の処理に伴う環境への負荷の低減に関しては、その一義的な責任を排出者が負わなければなりません。排出者責任とは、廃棄物を排出する者が、その適正処理に関する責任を負うべきであるとの考え方であり、廃棄物・リサイクル対策の基本的な原則の一つです。具体的には、廃棄物を排出する際に分別すること、事業者がその廃棄物の処理を自ら行うこと等が挙げられます。

 廃棄物の処理に伴う環境への負荷の原因者はその廃棄物の排出者であることから、排出者が廃棄物の処理に伴う環境負荷低減の責任を負うという考え方は合理的であると考えられます。この考え方の根本は、いわゆる汚染者負担の原則にあります。

 この排出者責任の考え方については、今後とも、その徹底を図らなければなりません。また、国民も排出者としての責務を免れるものではなく、その役割を積極的に果たしていく必要があります。


リ・スタイル


 環境省では、平成14年版の循環型社会白書で提唱されたリ・スタイルを広く周知するため、WEBマガジン「Re-Style」(http://www.re-style.jp/)の発行をしています。

 ごみを減らし、資源をできるだけ有効に活用するためにはどうしたら良いのか、日常生活においてできることや環境にやさしいライフスタイルについて分かりやすく情報提供するため、環境省では、WEBマガジン「Re-Style」を平成14年6月に開設しています。

 「Re-Style」では、

1)特定のテーマに関する特集

2)著名人や芸術家等の日常生活における環境にやさしい取組やライフスタイルなどのインタビュー形式での紹介

3)環境保全をテーマとするイベント等における取組や時事問題、2)で取り上げられない緊急インタビュー等のレポート

4)循環型社会をつくるための地域作りをテーマに日本全国の先進事例を集めて情報発信することを目的にNPOが表彰した優良事例をシリーズで紹介するコラム

 をメインコンテンツとし、その他にも身近な情報や取組を検索するためのデータベース等を掲載してライフスタイルのリ・スタイル化に関する情報を提供しています。また、今後は、循環型社会基本計画についての解説等政府の施策に関する取組を分かりやすい形で情報提供していきます。


 イ 拡大生産者責任

 拡大生産者責任(EPR:Extended Producer Responsibility)とは、生産者が、その生産した製品が使用され、廃棄された後においても、当該製品の適切なリユースリサイクルや処分に一定の責任(物理的又は財政的責任)を負うという考え方です。そうすることで、生産者に対して、廃棄されにくい、又はリユースやリサイクルがしやすい製品を開発・生産するようにインセンティブを与えようというものです。廃棄物等の量が多く、しかも、それらのリユースやリサイクルが難しいことが問題になっている今日、拡大生産者責任はそれらを克服するために重要な考え方の一つとなっています(表4−3−1)。


表4−3−1 OECD 「拡大生産者責任ガイダンス・マニュアル」における拡大生産者責任

 ウ 循環型社会形成推進基本計画(循環型社会基本計画)

 循環型社会の形成に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な計画である循環型社会形成推進基本計画(平成15年3月閣議決定)に基づき、最終処分場ひっ迫問題への対応や3Rの技術とシステムの強化等の対策を行い、最終処分量の大幅な削減等一定の成果をあげてきました。

 この間、環境基本計画の見直しが行われ、平成18年4月には第三次となる環境基本計画が閣議決定されました。

 また、21世紀環境立国戦略(平成19年6月閣議決定)において、循環型社会と低炭素社会、自然共生社会の構築に向けた統合的な取組の展開や東アジアでの循環型社会の構築を目指すことが示されました。

 さらに、過去3回の循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の点検結果や資源価格の高騰・需要増大への対応の必要性等、これまでの知見の活用及び国内外の社会経済の変化に柔軟かつ適切に対応するため、おおむね5年ごとの見直しを規定している循環型社会形成推進基本法第15条第7項に基づき、循環型社会形成推進基本計画を変更しました。

 循環型社会基本計画の見直しにあたっては、環境基本計画を基本として策定すると規定する同法第16条第1項を踏まえつつ、中央環境審議会循環型社会計画部会(部会長:武内和彦 東京大学大学院農学生命科学研究科教授)を中心に、平成19年7月より13回にわたる審議を行いました。また、関係者の意見を反映させていくことが重要であることから、ヒアリングにおいては、学識経験者、経済界、NGO/NPO、地方公共団体、関係各省など各種関係者を交え、シンポジウムや学会と共催するなど幅広く意見を取り入れる工夫を行いました。さらに、パブリックコメントを実施し、3Rに関するイベントや学術交流会など同部会の委員の協力を得つつ、7地域(平成20年2月〜3月:札幌・仙台・東京・名古屋・彦根・高松・北九州)においても、ヒアリング、説明会等を行いました。

 この間、平成19年8月24日に中央環境審議会より「新たな循環型社会形成推進基本計画の策定のための具体的な指針について」が示され、さらに、環境大臣より中央環境審議会へ平成20年1月29日に「循環型社会形成推進基本計画について」を諮問し、平成20年3月17日に最終的な答申がとりまとめられ、中央環境審議会から環境大臣へ示されました。

 国は、この答申を踏まえ、関係大臣(資源の有効な利用の確保に係る事務を所掌する大臣:財務大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、経済産業大臣及び国土交通大臣)と協議の上、平成20年3月25日に閣議決定・国会報告しました(図4−3−2)。


図4−3−2 循環型社会の形成の推進のための施策体系


(2)廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)

 平成13年5月に環境大臣は「廃棄物の減量その他その適正な処理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な方針」(基本方針)を決定し公表しています。その中では、まず、できる限り廃棄物の排出を抑制し、次に、廃棄物となったものについては不適正処理の防止その他の環境への負荷の低減に配慮しつつ、再使用再生利用熱回収の順にできる限り循環的な利用を行い、こうした排出抑制及び適正な循環的利用を徹底した上で、なお適正な循環的利用が行われないものについては、適正な処分を確保することを基本とすること等を定めています。これにより一般廃棄物及び産業廃棄物の最終処分量を平成22年度までに平成9年度のおおむね半分に削減することとしており、平成17年度においてもその達成に向けた取組を着実に推進しました。

 平成17年2月の中央環境審議会の意見具申「循環型社会の形成に向けた市町村による一般廃棄物処理の在り方について」を受けて、環境省では、廃棄物・リサイクル行政の目的が、これまでの生活環境の保全、公衆衛生の向上や公害問題の解決に加えて、循環型社会の形成へと変遷していることを踏まえ、今後、我が国全体として、3Rに重点を置いた最適なリサイクル・処理システムを構築していくこととし、廃棄物処理法第5条の2第1項の規定に基づき定めた基本方針を平成17年5月に改正しました。

 この基本方針において、循環型社会の形成に向けた一般廃棄物処理システムの最適化について、市町村が行うこととして、

1)一般廃棄物の処理に関する事業に係るコストの分析及び情報提供を行い、分析の結果を様々な角度から検討するほか、必要に応じてPFIの活用を行うことにより、社会経済的に効率的な事業となるよう努めること。

2)経済的インセンティブを活用した一般廃棄物の排出抑制や再生利用の推進、排出量に応じた負担の公平化及び住民の意識改革を進めるため、一般廃棄物処理の有料化の推進を図るべき。

3)分別収集区分や処理方法といった一般廃棄物処理システムの変更や新規導入を図る際には、変更や新規導入の必要性と環境負荷面、経済面等に係る利点を、住民や事業者に対して明確に説明するよう努めること。

と明記しています。

 また、これを受け、環境省では、平成19年6月一般廃棄物処理事業に係るコスト分析の標準的手法を示す「一般廃棄物会計基準」、有料化の進め方を示す「一般廃棄物処理有料化の手引き」、一般廃棄物の標準的な分別収集区分や再資源化・処理方法の考え方を示す「市町村における循環型社会づくりに向けた一般廃棄物処理システムの指針」を作成するとともに、地方公共団体を対象にこれらのガイドラインの説明会を行い、市町村の3R化改革に対する技術的支援を実施しました。

 平成9年に改正された廃棄物処理法に基づき、一定の廃棄物の再生利用について、その内容が生活環境の保全上支障がない等の一定の基準に適合していることを環境大臣が認定し、認定を受けた者については業及び施設設置の許可を不要とする制度(再生利用認定制度)が設けられました。平成19年には、中央環境審議会に設置された「廃棄物の区分等に関する専門委員会」」での検討結果を踏まえ、天然資源の循環利用の観点から、再生利用認定制度における対象品目に金属を含む廃棄物(当該金属を原材料として使用することができる程度に含むものが廃棄物となったものに限る。)を追加しました。平成19年度末までに、一般廃棄物では、64件の認定を、産業廃棄物では46件の認定を行いました。

 また、平成15年に改正された廃棄物処理法に基づき、広域的に行うことによって、廃棄物の減量その他適正な処理の確保に資するとして環境大臣の認定を受けた者について、業の許可を不要とする制度(広域認定制度)が設けられました。平成19年度末までに、製造事業者等による自主回収及び再生利用を促進するため、一般廃棄物では69件、産業廃棄物では139件の認定を行いました。

 廃棄物の3Rを推進するための目標を設定し、広域的かつ総合的に廃棄物処理・リサイクル施設の整備を推進する「循環型社会形成推進交付金制度」を平成17年度に創設し、廃棄物の発生抑制・循環的利用・適正処理を促進するため、熱回収施設、高効率原燃料回収施設、汚泥再生処理センター、最終処分場、リサイクルセンター等の一般廃棄物処理施設の整備を図っています。平成19年度においては、この交付金を活用するための地域計画が70件策定されました(図4−3−3)。


図4−3−3 ペットボトルの未確認量(※生産量・販売量と分別収集量の差)の推移

 その他、一般廃棄物処理施設に係る民間資金活用型社会資本整備事業(PFI事業)に対して補助を行いました。さらに、都道府県において、ダイオキシン類対策、余熱の有効利用、公共工事のコスト縮減等の観点から策定された、ごみ処理の広域化計画に基づいた廃棄物処理施設の整備を推進しました。

 またソフト面の施策として、市町村が実施する分別収集等ごみの減量化・再生利用に資する施策への支援を実施しました。

 平成12年6月の廃棄物処理法の改正において、廃棄物処理センター制度の一層の活用を図ることを目的に、廃棄物処理センターの指定要件の緩和を行い、さらに民間を含め優良な処理施設の整備を支援するため、「産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律」に基づく特定施設の認定を行っています。

 また、平成12年度に創設された産業廃棄物処理施設のモデル的整備事業に対する補助制度により、公共が関与して行う産業廃棄物処理施設の一層の整備促進を図りました。

 最終処分場の確保が特に困難となっている大都市圏のうち、近畿圏においては、大阪湾広域臨海環境整備センターが行う広域処理場整備の促進及び埋立ての円滑な実施を図りました。

 平成4年に改正された廃棄物処理法が平成5年12月から施行され、国内処理の原則の下、廃棄物の輸出の場合の環境大臣の確認、廃棄物の輸入の場合の環境大臣の許可等、廃棄物の輸出入についても必要な規制が行われています。平成19年に廃棄物処理法に基づき行われた輸出確認は36件、輸入許可は6件でした(有害廃棄物の越境移動については第4章第2節4の(8)を参照)。

 また、平成15年6月の廃棄物処理法の改正により、廃棄物の疑いのある者に対する地方公共団体の調査権限の拡充や不法投棄の未遂罪の創設など不法投棄対策の更なる強化、廃棄物処理業の許可や廃棄物処理施設の設置許可の特例制度の創設などリサイクル促進のための規制の合理化の措置が講じられました。さらにこの改正では、廃棄物処理施設整備計画の策定に関する条文が追加され、これに伴い廃棄物処理施設整備緊急措置法は廃止されました。なお、改正された廃棄物処理法に基づく新たな計画は、政府における社会資本整備の在り方の見直しの議論を踏まえ、計画の内容を「事業の量」から「達成される成果」に変更して、平成15年10月に閣議決定しました。本計画は昨年度に計画終了年度を迎えていたことから、地球温暖化対策との連携等の観点を盛り込んだ新たな廃棄物処理施設整備計画を平成20年3月に閣議決定しました。

 その後も、RDF施設などにおける事故の発生や硫酸ピッチ等の悪質な不法投棄が依然として全国的な問題となっていることから、これらの課題に対処するため、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律」が第159回国会で可決され、平成16年4月28日に公布されました。改正の概要は以下のとおりです。

1)国の役割の強化による不適正処理事案の解決

 ○産業廃棄物の不適正処理事案が深刻化した場合など、緊急時における環境大臣の都道府県知事に対する指示規定の創設

2)廃棄物処理施設をめぐる問題の解決

 ○廃棄物の最終処分場の跡地等における土地の形質変更の届出の義務付け

 ○廃棄物の処理施設において事故が発生した場合の応急措置及び届出の義務付け

 ○構造上は適正な廃棄物処理施設において、管理者不在の場合における、当該施設の設置許可に関する手続の一部省略

3)罰則の強化などによる不法投棄の撲滅

 ○硫酸ピッチのような特に危険な廃棄物の基準に適合しない処理の禁止

 ○不法投棄の罪を犯す目的で廃棄物の運搬をした者の処罰

 また、石綿含有廃棄物の円滑かつ安全な処理を促進するため、溶融などの高度な技術により無害化処理を行う者について環境大臣が認定した場合、都道府県知事等による業や施設設置の許可を不要とする制度(無害化処理認定制度)を新設することを内容とする廃棄物処理法の一部改正法が平成18年2月に成立しました。

 産業廃棄物の処理は排出事業者責任の下で行うことが原則であり、排出事業者責任の徹底を図っています。これと同時に排出事業者が優良な処理業者を選択できる条件を整備するため、産業廃棄物処理業の優良化を推進するための事業を行っており、都道府県等が許可更新等の際に一定の基準を満たすことを確認する「優良性評価制度」を創設し、平成19年11月末現在、適合件数705件、適合事業者数で185事業者が都道府県等より評価基準適合の確認を受けています。さらに一部の自治体では、許可更新等の時期によらず随時評価基準の適合確認を受け付ける制度を実施しており、こちらも適合件数447件、適合事業者数86事業者と順調に増えています。

 また、電子マニフェストについては、事務処理の効率化、コンプライアンスの向上、偽造の防止など、その導入においては多くのメリットがありますが、普及率は平成18年度末で約5%と未だ低い状態にあります。IT戦略本部で取りまとめられた「IT新改革戦略」(平成18年1月19日)における電子マニフェストの普及率を50%にするとの目標を達成するため、普及・促進を計画的・総合的に取り組んでいます。


(3)資源の有効な利用の促進に関する法律(資源有効利用促進法)

 平成13年4月に施行された資源有効利用促進法では、1)副産物の発生抑制や再資源化を行うべき業種(特定省資源業種:鉄鋼業、紙・パルプ製造業等)、2)再生資源・再生部品を利用すべき業種(特定再利用業種:紙製造業、ガラス容器製造業等)、3)原材料等の合理化等を行うべき製品(指定省資源化製品:自動車、家電製品等)、4)再生資源又は再生部品の利用の促進を行うべき製品(指定再利用促進製品:自動車、家電製品等)、5)分別回収を促進するための表示を行うべき製品(指定表示製品:プラスチック製容器包装、紙製容器包装等)、6)自主回収・再資源化を行うべき製品(指定再資源化製品:パソコン、小形二次電池)、7)再生資源として利用することを促進すべき副産物(指定副産物:電気業の石炭灰等)を指定し、それぞれに係る事業者に一定の義務付けを行い、事業者の自主的な取組の促進を図りました。

 特に、指定表示製品については、ポリエチレンテレフタレート製容器(いわゆる「ペットボトル」)の再生資源としての利用を促進するため、指定されている対象範囲の見直しを行いました。

 さらに、資源有効利用促進法は、その見直し条項において、平成20年3月までに施行状況を検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとされていることを踏まえ、平成19年1月より、産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会基本政策ワーキンググループにで同法の評価・検討及び、昨今の状況の変化を踏まえた新たな3R政策のビジョンについて検討を行い、平成20年1月に報告書をとりまとめました。


(4)容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)

 ア 施行状況

 平成18年度における施行状況をみると、各品目の分別収集量等は、特にペットボトル、プラスチック製容器及び紙製容器包装については、増加がみられます。他方、スチール製容器、アルミ製容器及び白色トレイにおいて前年度に比べ減少しています。

 ペットボトルについては、分別収集量は前年度比約1.06倍の26.8万トンと年々着実な伸びを見せておりペットボトル販売量に対する回収率は49.3%(事業系回収量を含めると66.3%)となっています。

 平成12年4月から新たに対象品目に追加されたペットボトル以外のプラスチック製容器包装及び紙製容器包装については、分別収集量は順調に伸びており、平成18年度における分別収集の実施率はそれぞれ67.5%及び32.2%となっています。しかしながら、他の品目と比べるとまだ低く、今後更に実施市町村数の増加を図ることが課題となっています(図4−3−3、図4−3−4、表4−3−2)。


図4−3−4 特定事業者が指定法人に支払う再商品化委託費の推移


表4−3−2 指定法人による分別基準適合物の引取実績

 イ 改正容器包装リサイクル法の施行

 容器包装リサイクル法は、施行後10年を経過したことを受け、一部規定の施行状況について中央環境審議会及び産業構造審議会の合同会合等において見直しを行い、平成18年6月に、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律の一部を改正する法律(平成18年法律第76号)」(以下「改正法」という。)が成立・公布されました。

 改正法のうち、平成19年4月に施行された排出抑制促進措置により小売事業者に容器包装の削減対象の実施が義務付けられました。これを受けて全国各地でレジ袋等の削減に向けた取組が進んでいます。また、平成20年4月に施行された「事業者が市町村に資金を拠出する仕組み」や「ペットボトル区分の変更」について、中央環境審議会及び産業構造審議会の合同会合において審議を行い、必要な省令等を平成19年9月に公布しました。

 また、プラスチック製容器包装に係る再商品化手法について、中央環境審議会及び産業構造審議会の合同会合で検討を行い、今後の再商品化の在り方について平成19年6月に取りまとめを行いました。さらに環境省では、容器包装廃棄物の3Rを推進するため、改正後の容器包装リサイクル法に基づき委嘱した容器包装廃棄物排出抑制推進員(愛称:3R推進マイスター)による消費者等への普及啓発、容器包装廃棄物の3Rに資する優れた製品・取組や消費者自ら製作したマイバッグへの環境大臣賞の授与や、レジ袋有料化導入促進のためのモデル事業を実施したほか、ペットボトルを始めとした容器包装のリユース・デポジット等の循環的な利用に関する研究会を設置しました。


(5)特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)

 ア 施行状況

 家電リサイクル法は、平成13年4月に本格施行されました。現在、法の対象となる廃家電4品目(家庭用エアコン、ブラウン管式テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機)を製造業者等が引き取る指定引取場所は380か所で設置されており、引き取った廃家電4品目のリサイクルプラントは全国48か所で稼働しています(図4−3−5)。これらのリサイクルプラントにおいては、鉄、アルミニウム、銅、ガラス、プリント基板の貴金属等が回収されるほか、家庭用エアコン及び冷蔵庫・冷凍庫に冷媒として使用されているフロン類と冷蔵庫・冷凍庫の断熱材に含まれているフロン類も回収されています。


図4−3−5 主な家電リサイクルプラントの整備状況

 廃家電4品目の指定引取場所における引取台数やリサイクルプラントにおける再商品化率等は第4章第2節1(3)エのとおりであり、製造業者等による再商品化率は4品目とも法定の基準を上回っています。

 イ 家電リサイクル制度の見直し

 同法は、平成18年4月に施行後5年が経過し、附則に定められた検討の時期を迎えたことから、同年6月より中央環境審議会・産業構造審議会の合同会合において、制度の評価・検討が進められた結果、平成20年2月に「家電リサイクル制度の施行状況の評価・検討について」という報告書が取りまとめられました。

 その中では、

・年間約1160万台もの排出家電を製造業者等が再商品化していること

・再商品化率も法定の義務率を大幅に超えた高水準を達成しつつ推移していること

などにより、同法の仕組みは十分に機能し、着実に成果を上げていると評価された一方、

・再商品化費用の透明性が確保されておらず、また、製造業者等が定める料金が一律で高止まりしていること

・家電リサイクル法に基づく小売業者の引渡義務違反(横流し)が存在すること

・家電不法投棄は、近年減少傾向にありつつも、悪質化しているとの指摘があること

など、家電リサイクル制度の課題も指摘されました。

 これを踏まえ、家電リサイクル制度に係る個別課題への対策として、

・再商品化費用の透明化、再商品化料金の低減化等を通じた適正排出の促進

・小売業者の排出家電の引取り・引渡しに係るチェック体制の強化やリユースリサイクル仕分けガイドラインの策定

・市町村の不法投棄対策や離島の収集運搬費用に対するメーカー等の資金面も含めた協力

・液晶テレビ・プラズマテレビ及び衣類乾燥機の対象品目への追加

などを講ずるべきこととされています。


(6)建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)

 ア 施行状況

 建設リサイクル法は、コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊及び建設発生木材を対象に、平成14年5月に施行されました。対象であるコンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊の再資源化率は、平成17年度実績でそれぞれ98.1%、98.6%と高い値を示し、建設発生木材についても、再資源化率は68.2%、縮減を含めた再資源化等率は90.7%となっており、順調に推移しています。

 イ 建設リサイクル制度の見直し

 新たな建設リサイクル推進計画の策定を視野に入れ、社会資本整備審議会・交通政策審議会の建設リサイクル推進施策検討小委員会において建設リサイクル推進に係る方策について検討を行い、平成20年3月に最終報告書が取りまとめられました。また、建設リサイクル法は、平成14年5月の完全施行から5年が経過したことから、平成19年11月より、社会資本整備審議会・中央環境審議会の合同会合において、制度の評価・検討を行っています。


(7)食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)

 ア 施行状況

 平成18年度における食品循環資源の再生利用等の実施率は、食品産業全体では53%となっていますが、業態別では、食品製造業が81%、食品卸売業が62%、食品小売業が35%、外食産業が22%と格差が見られます。

 イ 改正食品リサイクル法の概要

 再生利用等の実施率に見られるように、食品小売業、外食産業の取組が進んでいないことから、これらの業種に対する指導監督の強化と再生利用の取組の円滑化措置を中心とする改正食品リサイクル法が平成19年6月に成立・公布、12月に施行されました。

 指導監督の強化の内容としては、食品廃棄物等の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者は、毎年度、主務大臣に食品廃棄物等の発生量及び再生利用等の状況を報告する義務が創設されたことです。

 また、個々の食品関連事業者は毎年度再生利用等実施率の目標値を計算してその達成を目指すこととなりました。

 さらに、取組の円滑化措置として再生利用事業計画の見直しが行われ、廃棄物をリサイクルして肥飼料を製造し、その肥飼料を利用して農畜産物を生産し、再び廃棄物を排出した食品関連事業者の店舗で販売するという、いわゆるリサイクルループの環が完結した計画が主務大臣に認定された場合は、廃棄物処理法に基づく一般廃棄物収集運搬業の許可を不要とすることとしました。これにより、リサイクルループの形成が促進されると期待されます。


(8)使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)

 平成17年1月より自動車リサイクル法が本格施行され、関連事業者については引取業が約8万9,000社、フロン類回収業が約2万3,000社、解体業が約6,500社、破砕業が約1,300社それぞれ都道府県等の登録又は許可を取得しています。

 国は、都道府県等の関係行政機関と協力し、同法の適正な運用を目指し、最終ユーザーから関連事業者、輸出者を対象とした不適正処理対策に取り組みました。

 また、同法の円滑な実施を確保するため、関係事業者や自動車所有者等に対して、各種説明会やパンフレットの作成、TV・ラジオ・新聞等を活用した広報活動を実施しました。

 フロン類、エアバッグ類及びシュレッダーダストのリサイクル(フロン類においては破壊)にかかる料金は自動車製造業者等が設定し、公表しています。また、リサイクル料金の管理に要する費用(資金管理料金)と廃車の情報管理に要する費用(情報管理料金)として(財)自動車リサイクル促進センターが経済産業大臣及び環境大臣の認可を受け、公表しています。

 平成18年度で、引取業者による使用済自動車の引取報告(電子マニフェスト報告)件数は約357万件となっています。また、リサイクル料金が預託された車両は平成17年1月から平成19年3月間の施行後累計で約7,801万台、預託金額は7,548億円となっています。

 また、使用済自動車の引渡しに支障が生じている離島市町村に対して、特定再資源化預託金を用いた支援事業を開始しました。平成18年度では119市町村において0.6万台分について資金出えんされています。


(9)国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)

 ア 施行状況

 「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」(基本方針)に基づき、国等の各機関は、平成19年度の調達方針の公表等を行い、これに従って調達を実施しました。

 基本方針に定められる特定調達品目等については、物品等の開発・普及の状況、科学的知見の充実等に応じて適宜見直しをすることとしており、平成20年2月に15品目の追加等の基本方針の変更を閣議決定しました。この中には、「防災備蓄用品」や「旅客輸送」といった役務を積極的に追加したこと等が含まれています。

 また、地方公共団体におけるグリーン購入の取組を促すため、地方公共団体を対象としたグリーン購入に関するアンケート調査や、前記の基本方針の変更について、全国10か所での説明会等を行いました。さらに、地方公共団体向けのグリーン購入取組ガイドラインを作成しました。

 なお、大手製紙メーカーが生産した年賀葉書の古紙パルプ配合率が公称よりも低いという2008年1月の報道を発端に、その他のコピー用紙等の紙類についても古紙パルプ配合率の偽装が発覚しました。環境省は、この事態に対し、直ちに各製紙会社に対し古紙配合率の実態調査を実施したところ、17社において、実際の配合率と乖離のある表示のなされた製品を供給していたことが判明しました。また、1980年代から古紙配合率の乖離が発生していた会社が複数社存在したこと、コピー用紙等のみならず印刷用紙や包装用紙等多品種の紙製品において乖離があったなど、長期間にわたり、広範囲の製品において、古紙配合率に乖離が生じていたことが明らかになりました。

 このため、2月に環境大臣から各製紙会社に対し、国民の納得のいくような「けじめ」をつけることを求めたところであり、これを受け製紙各社では、再発防止策や環境保全への貢献等を自主的に取りまとめ、公表しました。さらに、環境省においては、紙類に係るグリーン購入の在り方についての有識者検討会を1月から開催し、グリーン購入の信頼回復と適正化に向けた今後の対応について検討を進めています。また、4月には、公正取引委員会が、再生コピー用紙を直接消費者に販売する製紙会社8社に対して、景品表示法(優良誤認)の規定に違反する事実が認められたことから、排除命令を行っています。

 イ 環境物品等の購入の推進

 グリーン購入に率先して取り組む企業、行政、消費者団体等各主体が連携した組織として発足したグリーン購入ネットワークの活動を積極的に支援するとともに、全国4か所で開催したグリーン購入セミナーなどを通して、廃棄物の発生の少ない製品やリサイクル可能な製品など、環境への負荷の少ない製品の優先的な購入の普及啓発を行いました。また、購入者が製品等に関連する環境情報を入手できる「商品環境情報提供システム」について、事業者から提供された商品情報を掲載するとともに、環境物品等に関する情報の提供体制の在り方について検討を行い、ガイドラインを作成しました。また、環境ラベリングその他の手法による情報提供を推進しました。そのほか、平成17年4月に設立された国際グリーン購入ネットワーク(IGPN)と連携して、世界的レベルでのグリーン購入の取組と環境配慮型製品やサービスの普及を推進しました。


(10)ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(PCB特措法)

 PCB廃棄物の確実かつ適正な処理を総合的かつ計画的に推進するため、平成15年4月にPCB特措法に定める「ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画」の策定を行いました。平成19年10月には新たに事業の整備を行ったため、基本計画の改定を行いました。


(11)特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法(産廃特措法)

 我が国においては、過去に不法投棄等の不適正な処分が行われた産業廃棄物により、生活環境保全上の支障が生じるとともに、これらの産業廃棄物が長期間放置されることにより、産業廃棄物処理に対する国民の不信感が生じ、循環型社会の形成の阻害要因ともなっている状況にかんがみ、これらの産業廃棄物に起因する支障の除去又は発生の防止を計画的かつ着実に推進することが喫緊の課題となっています。こうした課題を踏まえ、平成9年の改正廃棄物処理法の施行(平成10年6月17日)前に、同法に定める処理基準に違反して不適正に処分された産業廃棄物(特定産業廃棄物)に起因する生活環境の保全上の支障の除去又は発生の防止(支障の除去等)を自ら行う都道府県等に対し、国が財政支援を行うため、平成24年度までの時限法として、平成15年6月に産廃特措法が制定され、施行されました。

 同法では、1)環境大臣は、「特定産業廃棄物に起因する支障の除去等を平成24年度までの間に計画的かつ着実に推進するための基本的な方針」(基本方針)を定める、2)都道府県等は、基本方針に即して、その区域内における特定産業廃棄物に起因する支障の除去等の実施に関する計画(実施計画)を定めることができる、3)国は、産業廃棄物適正処理推進センターが、特定産業廃棄物に起因する支障の除去等を行う都道府県等に対し資金の出えんを行う場合には、予算の範囲内において、その業務に係る基金に充てる資金を補助することができる、4)特定産業廃棄物に起因する支障の除去等を行うに当たり都道府県等が必要とする経費について、地方債をもってその財源とすることができることを定めています。

 平成19年3月末までに、香川県豊島、青森・岩手県境、山梨県須玉町(現北杜市)、秋田県能代市、三重県桑名市、新潟県三和村(現上越市)、福井県敦賀市及び宮城県村田町の8事案において県が実施計画を策定し、環境大臣が同意をしました。これらの県に対し、国は適正処理推進センターを通じて財政支援を行っています。

2 循環型社会を形成する基盤整備

(1)財政措置等

 循環型社会基本法では、政府は、循環型社会の形成に関する施策を実施するために必要な財政上の措置等を講じることとしています。国の各府省の予算のうち、循環型社会の形成を推進するための経費は、平成19年度当初予算額で8,559億7,235万円(うち、下水道事業費補助等 約5,107億2,100万円)となっています。


(2)循環型社会ビジネスの振興

 ア 循環型社会ビジネスの市場規模

 循環型社会の形成が進み成長が見込まれる環境ビジネスのうち廃棄物・リサイクル分野(循環型社会ビジネス)の市場・雇用規模は、環境省が行った調査では、平成17年で約28兆円、約70万人と推計されました。平成17年における市場規模や雇用規模の主な内訳としてはプラスチック・鉄・古紙など再生素材及び機械・家具等修理、住宅リフォーム・修繕などいわゆるリペア(修理)産業に関する分野が約25兆円、雇用規模で約49万人、次いで廃棄物処理、資源回収、リサイクルなどのサービスの提供に関する分野が市場規模で約3兆円、雇用規模で約21万人と推計されます(表4−3−3)。第2次循環型社会基本計画では、こうした循環ビジネスの市場規模及び雇用規模の目標を平成12年度比で約2倍としました。


表4−3−3 日本の循環型社会ビジネス市場規模について

 イ 循環型社会ビジネスの振興へ向けた取組

 事業者が、再生資源の利用率目標の達成及び再生資源の新規用途の開発などの個別品目の状況に応じた再生利用能力の向上を図ることを促進するとともに、再生資源やリサイクル製品が初めて使用される資源やこれによる製品に比べて割高になりがちであることも踏まえつつ、国、地方公共団体、事業者、国民すべての主体がリサイクル製品を積極的に利用することなどにより、リサイクル製品の利用・市場の育成等を推進しました。平成17年度における国等の機関の特定調達品目(国等の機関が重点的に調達を推進すべき環境物品等の種類)の調達実績については、平成17年度に新たに追加された品目を含め、大半の品目において判断の基準を満たす物品等が95%以上の高い割合で調達されました。

 また、循環型社会の形成の礎となる産業廃棄物処理業の優良化を推進するための事業を実施しました。

 その他、いわゆる地域コミュニティ・ビジネスの育成を図るための事業の実施等を行いました。


(3)経済的手法の活用

 多くの人の日常的な活動によって引き起こされている廃棄物問題については、大規模な発生源やある行為の規制を中心とする従来の規制的手法による対応では限界がある面もあります。このため、その対策に当たっては、規制的手法、経済的手法、自主的取組などの多様な政策手段を組み合わせ、適切な活用を図っていくことが必要です。

 平成12年4月施行の地方分権一括法によって、課税自主権を尊重する観点から法定外目的税の制度が創設されたことなどを受け、廃棄物に関する税の導入を検討する動きが各地で見られます。

 環境省の調査によると、平成20年1月現在、47都道府県中27道府県(三重、鳥取、岡山、広島、青森、岩手、秋田、滋賀、奈良、山口、新潟、宮城、京都、島根、福岡、佐賀、長崎、大分、鹿児島、宮崎、熊本、福島、愛知、沖縄、北海道、山形、愛媛)及び政令で定める市57市中1市(北九州)において、産業廃棄物に係る法定外目的税の条例が制定されています。


(4)教育及び学習の振興、広報活動の充実、民間活動の支援及び人材の育成

 環境教育の推進の重要性にかんがみ、国民の環境保全について理解を深め、環境保全活動に取り組む意欲を高めていくため、環境教育の推進、体験機会の提供等の措置を盛り込んだ「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」が平成15年7月に成立し、その後同法に基づく基本方針の閣議決定、人材認定等事業に係る登録に関する省令の公布を経て、平成16年10月1日に完全施行されました。

 環境省では、環境教育の一層の推進を図るため、子どもたちの環境保全活動を支援する「こどもエコクラブ事業」、家庭におけるエコライフを支援するための「我が家の環境大臣事業」、学校施設の環境配慮型の改修及びその活用による環境教育を推進する「学校エコ改修と環境教育事業」のほか、持続可能な地域づくりを支援する「国連持続可能な開発のための教育の10年促進事業」を実施しました。また、NGO等による環境保全活動を活性化するために、地球環境パートナーシッププラザにおいて情報提供等様々な支援を行うとともに、この取組を全国に拡大するため、その拠点となる「地方環境パートナーシップオフィス」を全国7箇所に設置しました。さらに、独立行政法人環境再生保全機構に設置されている「地球環境基金」では、国内外の民間団体が行う環境保全活動に対する助成を行いました。

 さらに、NGO・NPO等の民間団体、事業者及び地方公共団体等の各主体が連携して行う3Rを中心とする循環型社会に向けた取組であって、先駆的・独創的かつ他の領域に適用可能な一般性を有する事業について、アイデアを公募して、「エコ・コミュニティ事業」を実施しました。

 経済産業省では、生活者が自ら積極的に3Rに取り組むことを分かりやすい形で促進するため、子供から大人まで対象にした普及啓発用DVD「3Rキッズのレッツゴー3R」等の作成・配布等を実施しています。容器包装リサイクル教材等必要な教材の地域における学習拠点への設置や貸出を行うとともに、地域での事業者や消費者の協力の下、地域省エネ型リユース促進事業を実施しています。

 内閣府では、国民生活における省資源・省エネルギー政策を推進し、循環型社会の形成を促進するために、日常的な消費行動である「買い物」に着目した、「環境にやさしい買い物キャンペーン」を10月に経済産業省、環境省及び47都道府県と連携し、流通事業者の協力を得ながら実施しました。

 また、平成18年度に引き続き、民間団体による省資源・省エネルギーの促進に寄与する先駆的な実践活動等をモデル的に実施しました。

 文部科学省では、環境保全などを始めとする現代的課題について、社会教育施設等が中核となり、様々な機関と連携するなどにより様々な事業を実施し、地域における社会教育の活性化を図りました。

 また、学校における環境教育の推進を図るため、全国環境学習フェアの開催や環境教育担当教員講習会の開催、環境教育実践モデル地域の指定、環境のための地球学習観測プログラム(GLOBE)モデル校の指定や環境教育推進のための教材開発等を行っています。

 平成18年度からは、新たに総合的な学習の時間におけるNPO等の外部人材開発推進事業を行っています。

 さらに、文部科学省と環境省の連携・協力のもと、環境教育リーダー研修基礎講座の実施、環境教育推進のためのプログラム開発や、情報提供体制の整備を進め、「環境教育・環境学習データベース」をホームページで公開しています。

 環境保全計画の策定や環境測定など地方公共団体や企業の環境保全活動に関して、文部科学省においては、有能な技術者を「技術士(環境部門)」と認定し、活用を促進しています。


エコ・コミュニティ事業


 平成15年3月に策定された循環型社会形成推進基本法では、国の取組として、地域におけるNPO・NGOなどの様々な主体による協働の取組で、先駆的な取組について国が支援していくこととされています。

 これを受けて環境省では、NPO・NGOや事業者が地方公共団体と連携して行う循環型社会の形成に向けた取組で、他の地域のモデルとなるような事業を公募してエコ・コミュニティ事業として行うことにより、地域からの取組の展開を促すこととしました。

 平成19年度は、全国から39件の応募があり、5件の事業を採択しました。採択事業の概要は以下のとおりです。

○地域のお祭りを若者がエコにします事業(環境NGO ezorock)

 札幌市近郊で実施されているお祭りを最大限に活かし、その地域の家庭ごみの分別基準に近づけたごみ分別をナビゲートすることによる普及啓発の実施や、移動食器洗浄車(アラエール号)を使用し、使い捨てを無くし、リユース食器を導入しお祭りの環境負荷の低減を図りました。また、お祭りにエコ・ブースを出展し、行政が発信している伝わりづらかった環境情報を来場者に伝えました。


【ごみ分別の呼びかけ】


【環境情報の発信風景】


○首都圏近郊政令指定都市における720ml・900mlガラスびん統一リユースシステム構築モデル事業((社)環境文化生活機構)

 神奈川県川崎市の商店街において、900ml焼酎びんや720ml清酒びんのリユースシステムを構築するために、事業評価委員会を立ち上げ、学識経験者・酒造メーカー・ガラスびん製造メーカー・川崎市・商店街・地元店舗・びん商の協力を得た他、JR南武線武蔵新城駅前においてリユースびん普及キャンペーンやパンフレット配布などを行いました。これにより、生産地と消費地を結ぶびんの充填・流通・販売・回収・洗浄・再使用という一連のリユースシステムを構築しました。


【普及キャンペーン】


【広告用チラシ】


○ファストフード、コーヒーショップと自治体の自主協定によるリユース推進事業(特定非営利活動法人 FoE Japan)

 武蔵野市において、行政と自主協定によるファストフードやコーヒーショップでのリユース容器の利用促進を図りました。本社や直接店舗への呼びかけを行い、宣言したショップには、ミニポスターの設置・実施状況のモニタリングとヒアリングを行った他、参加店舗を一覧にしたリユース推進マップを作成し事業の普及を図りました。これにより、リユース容器を積極的に使用していなかった店舗でもリユース容器の使用が促進されました。


【リユース推進宣言書】


【マグカップでの商品提供】


○食品工業残渣を活用した家畜飼料給与実証事業((社)長野県農協地域開発機構)

 長野県の地場産業である食品産業からでる大量の食品加工残渣を共生発酵させて飼料を生産し、飼料を豚に給与し安全で良質な豚肉の生産から流通からまでのシステムを構築しました。この飼料は飼育時の悪臭の軽減があったことや、飼育された豚は通常飼料で飼育された豚に比べても食味が劣ることはありませんでした。


【共生発酵された食品残渣】


【豚への給与】


○未活用資源を用いた大山川浄化プロジェクト((株)日立製作所)

 愛知県小牧市において、未活用資源であった竹を用いた大山川の河川浄化を通じた地域コミュニティの構築を図りました。小中学校区で活動する市民団体や教員、保護者を中心とした月1回の定例会議の開催や大山川への竹炭の設置、環境教育の一環として水質調査方法の学習などを行い、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使い情報の発信を行いました。


【竹炭による河川浄化】


【子供達の水質調査方法に関する学習】



(5)調査の実施・科学技術の振興

 平成18年3月に閣議決定された第3期科学技術基本計画のもと、平成18年3月に総合科学技術会議において決定された「分野別推進戦略」では、環境分野で今後5年間に重点的に取り組んで行くべき研究課題の一つとして、3R技術研究が選定されました。また、平成19年6月に閣議決定された「21世紀環境立国戦略」では低炭素社会、循環型社会、自然共生社会づくりの取組を統合的に進めていくことにより地球環境の危機を克服する持続可能な社会を目指し、「3Rを通じた持続可能な循環資源」等の8戦略をとりまとめました。さらに中央環境審議会では、「環境研究及び環境技術開発を重点的に推進するための戦略は、いかにあるべきか」について審議し、「循環型社会の構築」領域等の「重点領域」を明らかにした中央環境審議会答申を取りまとめ、平成19年3月に「環境研究・環境技術開発の推進戦略の実施方針」を策定し、平成19年7月には最新の技術動向等を踏まえたフォローアップを行いました。

 廃棄物処理等科学研究費においては、競争的資金を活用し広く課題を募集し、平成19年度は62件の研究事業及び5件の技術開発事業を実施しました。

 研究事業については、アジア地域等国際的な3Rに関する研究・技術開発を推進し、国際的な3Rの構築への貢献を目指すため、「3Rイニシアティブ特別枠」を引き続き設けるとともに、「3R推進のための研究」、「廃棄物系バイオマス利活用推進のための研究」、「循環型社会構築を目指した社会科学的複合研究」、「アスベスト問題解決をはじめとした安全、安心のための廃棄物管理技術に関する研究」、「漂着ごみ問題解決に関する研究」を重点テーマとし、廃棄物をとりまく諸問題の解決とともに循環型社会の構築に資する研究を推進しました。

 技術開発事業については、「廃棄物系バイオマス利活用技術開発」、「アスベスト廃棄物の無害化処理に関する技術開発」、を重点テーマとし、次世代を担う廃棄物処理等に係る技術の開発を図りました。

 また、地球環境保全等試験研究費のうち公害防止等試験研究費においては、前年度に引き続き「循環型社会形成に資する研究」を重点的強化を図る必要がある事項の一つに掲げ、廃棄物の処理・再利用技術の開発等、5課題の試験研究を実施しました。

 地球環境の保全と人間社会の持続的発展を同時に実現するため、有効利用可能な資源分子を有用な物質・材料に変換する新しい科学技術及び窒素酸化物(NOx)・硫黄酸化物(SOx)等の大気汚染分子や、ダイオキシン類等を分解して、環境低負荷型分子に変換する革新的な環境修復技術の開発を推進しています。

 また、家畜排せつ物、木質系廃棄物等の有機性資源のバイオマス変換等革新的リサイクル技術(メタン化、メタノール化、有用成分抽出、炭化等)の開発を実規模実証研究により実施しています。

 文部科学省と経済産業省は連携して、「元素戦略/希少金属代替材料開発プロジェクト」を推進しています。文部科学省は「元素戦略プロジェクト」の中で、物質・材料の特性・機能を決める元素の役割を解明し利用する観点から、希少元素をユビキタス元素で代替し新しい材料の創製につなげる研究開発を推進しています。一方、経済産業省は、「希少金属代替材料開発プロジェクト」で、液晶パネル等に使用される透明電極向けインジウム、希工類磁石向けディスプロシウム、及び、超硬工具向けタングステンの代替/使用量低減に向けた技術開発に着手しました。また、文部科学省は太陽光で水を分解して水素を得る光触媒の開発や、セルロースなど植物の非可食部位を分解し糖に変換する固体酸触媒の開発を進めています。

 さらに、経済産業省では、技術開発戦略として複数の技術開発や実用化に向けた関連施策をパッケージ化した「3Rプログラム」を策定し、3Rの推進に資する研究開発や実用化技術開発を実施しており、平成19年度は、製品の設計・製造段階でのリサイクル阻害物質の使用排除を可能とする技術、建築用部材の高強度化技術、希少金属のリサイクル及び省資源化技術の開発等を行いました。

 国立環境研究所においては、第2期中期計画(計画期間:平成18年度から22年度)に掲げられた重点研究プログラムの一つである「循環型社会研究プログラム」の着実な実施を図りました。


(6)施設整備

 地域における資源循環型経済社会の構築を目的に、環境省及び経済産業省が連携して実施している「エコタウン事業」(図4−3−6)において、先進的なリサイクル関連施設整備事業に対して、支援を行いました。


図4−3−6 エコタウン事業の承認地域マップ

 家畜排せつ物、稲わら等の循環的な利用については、畜産農家と耕種農家との連携強化による流通・利用の促進を図るため、たい肥・稲わら等流通利用計画の作成等を行うとともに、たい肥化施設等の整備等幅広い取組を推進しました。

 さらに、下水汚泥の減量化のための施設整備の支援、新技術開発の促進等を行いました。

 近畿圏においては、「広域臨海環境整備センター法」(昭和56年法律第76号)に基づき大阪湾フェニックス計画が推進されており、神戸沖処分場などにおいて近畿2府4県内の175市町村から排出される廃棄物を受け入れています。

 港湾における廃棄物処理対策として、平成19年度は、22港において廃棄物埋立護岸の整備に対する補助を実施しました。また、平成19年度に廃棄物埋立護岸の補助率を引き上げる港湾法の改正等を行いました。その他、資源のリサイクルの促進のため、首都圏の建設発生土を全国の港湾建設資源として広域的に有効活用するプロジェクト(いわゆるスーパーフェニックス)を6年度に開始し、19年度は広島港等において建設発生土の受入れを実施しました。


(7)生活環境保全上の支障の防止、除去等

 産業廃棄物の不適正処分の防止と支障の除去等を図るため、平成17年10月、全国7ブロックの地方環境事務所の設立により立入検査等の体制を強化するとともに、都道府県等と情報交換等の連携強化により監視の強化に努めました。さらに、硫酸ピッチ等の不適正処分の防止については、関係機関と関連情報の共有等の連携を図り、防止対策を推進しました。

 また、産業廃棄物適正処理推進センターの基金に対し、産業界の自主的な拠出に併せて国からも補助を行うとともに、産廃特措法に基づく補助も行いました。

 さらに、環境省に設置した不法投棄ホットラインにより不法投棄に関する情報を国民から直接受け付けたほか、現場調査や関係法令等に精通した専門家チームを派遣し、都道府県等の不法投棄対策を支援しました。


(8)その他の政府の取組

 ア 都市再生プロジェクトの推進

 都市再生プロジェクトとして推進している「大都市圏におけるゴミゼロ型都市への再構築」に向けて、首都圏ゴミゼロ型都市推進協議会及び京阪神圏ゴミゼロ型都市推進協議会では、廃棄物の減量化目標の達成、廃棄物処理・リサイクル施設の整備、静脈物流システムの構築等を内容とする中長期計画を策定し、この中長期計画に基づき、毎年、その進捗状況の点検及び新たな課題の検討等のフォローアップを行っています。平成18年度においては、中部圏ゴミゼロ型都市推進協議会において、中長期計画の取りまとめを行いました。

 首都圏ゴミゼロ型都市推進協議会においては、中長期計画の見直しのための検討を行いました。

 イ 循環型社会実現のための静脈物流システムの構築

 廃棄物や再生資源・製品の輸送については、リサイクル対象品目の増加、再生利用率の向上などによって、輸送の大量化・中長距離化が進むことが予想されます。また、大都市圏における廃棄物・リサイクル施設の集中立地や拠点形成により、拠点間の相互連携によるリサイクル等の廃棄物処理に的確に対応した物流システムの整備が必要となってきます。

 平成17年11月に閣議決定された「総合物流施策大綱(2005−2009)」においても、循環型社会の形成に向けて、適正な処理・輸送を確保した効率的な静脈物流システムの構築を推進していく必要があるとされました。そのためグリーン物流パートナーシップ会議に提案のあった静脈物流案件2件について、支援を行いました。

 循環型社会の実現を図るため、港湾においては、広域的なリサイクル施設の立地に対応した静脈物流の拠点となる港湾を「総合静脈物流拠点港リサイクルポート)」(全国21港)に指定し、官民連携の推進、港湾施設の整備など総合的な支援策を講じています。平成18年度にはリサイクルポート相互の連携に加え、エコタウンとの連携強化を図るとともに、信頼性と効率性の高い国際循環資源物流の形成に向け、経済産業省及び環境省と連携して取り組みました。

 また、第3セクター等が整備する建屋・一時保管施設等の循環資源取扱支援施設の整備を推進しました。

 ウ 農業用使用済プラスチック等農業生産資材廃棄物の適正な処理

 農業用使用済プラスチック等農業生産資材廃棄物の適正な処理を推進するため、全国段階において、再生品の需要拡大を図るための普及啓発等を行うとともに、都道府県・市町村段階において、関係者の協力体制の確立、処理・減量化計画の策定、排出量を削減するための生分解性プラスチックフィルム等導入技術実証、普及啓発等を行いました。

 エ 使用済FRP船の再資源化の推進

 FRP(繊維強化プラスチック)船については、廃船処理システムの早期確立が求められていました。

 このため、「FRP廃船高度リサイクルシステム構築プロジェクト」を立ち上げ、平成12年度から4年間かけてFRP船のリサイクルシステムに関する検討を行い、適正かつ効率的なリサイクル技術を確立しました。

 これら検討結果を踏まえ、平成17年11月から地域を限定して運用を開始した「FRP船リサイクルシステム」は、平成19年度には対象運用地域を全国展開で実施しました。

 オ 廃エアゾール製品等の適正処理及びリサイクルの促進

 消費者が使用し、ごみとして排出された廃エアゾール製品等については、充填物が残留したまま排出されることが原因となって、自治体でのごみ収集時の収集車両の火災事故の発生、破砕処理施設での処理作業時の爆発事故やリサイクルのための煩雑な作業の発生等を招いてきました。このエアゾール製品等の適正処理とリサイクルを促進するため、製品業界は充填物を容易に排出できる装置が装着された製品への転換を進める一方、市町村と製品業界が協力して、消費者に対し、そうした装置を利用して充填物の除去を行った上でごみとして排出するよう周知活動等の取組を行いました。

 カ 標準化の推進

 我が国の標準化機関である日本工業標準調査会(JISC)は平成14年4月に策定した「環境JISの策定促進のアクションプログラム」の中の「環境JIS策定中期計画」について毎年度改訂し、環境JISの整備に取り組んでいます。

 平成17年度は、「建材製品中のアスベスト含有率測定方法」、「電気・電子機器の特定の化学物質の含有表示方法」等62件の環境JISの制定・改正及びTS(標準仕様書)の公表を実施し、累計で185件となりました。

 キ 廃棄物・リサイクルガバナンスガイドラインの策定

 排出事業者における廃棄物管理を徹底し、経営的な観点から廃棄物・リサイクルに関するマネジメントを行うための自主的取組を推進するため、産業構造審議会において、平成16年9月に「排出事業者のための廃棄物・リサイクルガバナンスガイドライン」を策定しました。平成17年度は、廃棄物・リサイクルガバナンスガイドラインの普及に向け、各種事業者団体への説明や中小企業内人材の育成支援、セミナー等を通じて企業における廃棄物の適正処理及びリサイクルの推進に取り組みました。

 ク 品目別・業種別廃棄物処理・リサイクルガイドラインの改定

 品目別・業種別廃棄物処理・リサイクルガイドラインは、事業者による3R(リデュースリユースリサイクル)に関する自主的取組の促進を図ることを目的として、品目別・業種別に平成2年に策定されました。本ガイドラインは、原則2年に一度改定し、毎年フォローアップを行っており、平成18年度の改定では、容器包装リサイクル法の改正に伴い、紙(紙製容器包装、段ボール製容器包装、飲料用容器包装)、ガラスびん、スチール缶、アルミ缶、プラスチック(ペットボトル、プラスチック製容器包装)について減量化に向けた新たな目標値を盛り込むとともに、3品目、4業種について有用金属(レアメタルを含む。)に関する取組を盛り込みました。

 ケ バイオマスの利用の加速化

 地球温暖化の防止、循環型社会の形成、競争力のある新たな戦略的産業の育成、農林漁業・農山漁村の活性化の観点から、バイオマスを総合的かつ効率的に最大限利活用することが重要です。このため、平成18年3月に閣議決定された新たな「バイオマス・ニッポン総合戦略」や平成19年2月に策定された「国産バイオ燃料の大幅な生産拡大」(バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議)に基づき、持続的に発展可能な社会の早期実現に向け着実に実施しました。

 具体的には、政府広報の展開やシンポジウムの開催等を通じた国民的理解の醸成を図ったほか、地域のバイオマスを効率的に利活用するバイオマスタウン構築を推進するとともに、関係府省の連携のためのバイオマス・ニッポン総合戦略推進会議の開催等を実施しました。平成19年2月には、関係府省(1府6省)で構成する「バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議」において、国産バイオ燃料の大幅な生産拡大にむけた大規模実証事業を開始するとともに、バイオ燃料向け資源作物の育成と低コスト栽培技術の開発、木質バイオマスや稲わら等の非食用資源や資源作物全体から高効率にエタノールを生産する技術開発を進めました。

3 循環型社会の形成と地球環境問題

(1)廃棄物と地球温暖化対策

 ア 廃棄物と地球温暖化

 地球温暖化の原因となる温室効果ガスは、私たちの日常生活や様々な事業活動に伴って排出されます。製品の製造にかかわる産業部門、流通にかかわる運輸部門、製品を使用する業務その他・家庭部門、焼却等を行う廃棄物部門等において二酸化炭素等の温室効果ガスが排出されます。

 廃棄物分野においては、廃プラスチックや廃油といった化石系資源に由来する廃棄物の焼却に伴う二酸化炭素の排出が大きな割合を占めていますが、その他にも、食品廃棄物、紙類等のバイオマス系廃棄物を新エネルギーとして利活用したり焼却処理したりすることなく直接埋め立てた場合、二酸化炭素よりも地球温暖化係数の大きなメタンが発生します。また、燃焼温度の低い焼却炉からは一酸化二窒素が発生します。

 平成17年度の廃棄物分野における温室効果ガス排出量は4,480万トン(二酸化炭素換算)で、日本の温室効果ガス総排出量(同13.4億トン)の3.3%を占めています。

 イ 廃棄物等に起因する温室効果ガスの排出削減

 温室効果ガスの排出量を削減するためには、各部門間の関係を踏まえて、効果的な対策を立案していく必要があります。廃棄物の発生抑制再使用再生利用及び熱回収といった循環資源の利用を促進することは、一般に化石系資源の消費量の減少及び廃棄物の発生量の減少をもたらすものと言えます(図4−3−7)。


図4−3−7 廃棄物の排出量削減と温室効果ガスの排出量の関係

 最も効果が大きいのは、発生抑制です。廃棄物発生量の減少は、焼却・埋立てに伴う温室効果ガスの発生量を減少させることに寄与します。再使用は、製品として使用される期間が延長するので、やはり、大きな効果が期待できます。

 再生利用の推進は、焼却される廃棄物や直接埋め立てられる廃棄物の量を減らすとともに、化石系資源の新たな利用が再生資源に置き換えられることによって地球温暖化対策に貢献します。特に再生利用に伴って新たな化石系資源の節約が見込まれる場合や、廃アルミニウムの再精錬のようにエネルギー消費量が減少する場合に大きな効果が見込まれます。また、高炉スラグをセメント原料として再生利用する場合は資源が節約され、石灰の分解による二酸化炭素発生を抑制すると共に、セメント製造時のエネルギー消費量が減少され、大きな効果が得られます。ほかには廃プラスチックをコークスの代替として製鉄用の高炉の還元剤として利用することも、一般的には効果があるものと考えられます。家畜排せつ物等のたい肥化や新エネルギーとしての利活用は、焼却量を削減することから、廃棄物部門の地球温暖化対策としても有効ですが、こうしたバイオマス系廃棄物をたい肥化して肥料として使用し、農地に有機物として蓄積する炭素量を増加させることによって、農地土壌から発生する二酸化炭素排出量を削減する効果も期待されています。

 焼却時に発電等を行う熱回収は、燃やさざるを得ない廃棄物の排熱を有効利用する限りにおいては、その推進により、発電等に必要な重油、石炭等の化石燃料の消費量の削減に寄与します。

 このように、資源が廃棄物となることを抑制し、廃棄物になったものは、再使用・再生利用により、余すことなく利用し、それでもなお、焼却処理や埋立処分をせざるを得ない可燃性の廃棄物については、その廃棄物が持っているエネルギーを有効に利用することが地球温暖化対策の面でも重要です。

 ウ 地球温暖化対策における廃棄物の取扱い

 地球温暖化対策のための国際枠組である京都議定書が平成17年2月16日に発効したことを受け、平成17年4月28日、「京都議定書目標達成計画」が閣議決定され、平成20年3月28日に「改定京都議定書目標達成計画」が閣議決定されました。同計画では、廃棄物分野の排出削減対策の目標を設定し、平成22年には約780万t(二酸化炭素換算)削減することを目標とします。このほか、同計画では新エネルギー対策として、廃棄物熱利用の促進や廃棄物発電の導入促進等の措置を講じることとしているほか、「バイオマス・ニッポン総合戦略」と連携し、バイオマス・廃棄物の熱利用を促進する措置を講じることとしています。

 具体的には、廃棄物に係る発電・熱利用設備は今後とも着実に整備していく必要がありますが、循環型社会基本法の基本原則である廃棄物等の発生抑制再使用再生利用の進展が阻害されないように施設の設置及び利用を行う必要があります。

 平成15年度からは、民間事業者等が行う地球温暖化対策に資する高効率な廃棄物のエネルギー利用施設の整備を促進させるため、当該施設の整備に対して経済的支援を行っています。また、輸送用燃料などバイオマスエネルギーの利用促進、地域のバイオマスを総合的に利活用するバイオマスタウン構想を加速化する観点等から、「バイオマス・ニッポン総合戦略」を見直し、平成18年3月31日に新たに閣議決定しました。

 また、産業廃棄物処理業界では、社団法人全国産業廃棄物連合会が、産業廃棄物の処理に伴い排出される温室効果ガスを削減するため、平成19年11月に環境自主行動計画を策定し、自ら達成すべき目標や目標の達成に向けた方策を示しました。


(2)国際的な取組

 2007年(平成19年)10月には第2回3Rイニシアティブ高級事務レベル会合がドイツで開催され、G8をはじめとする各国で3Rに関連する取組が進展していることが確認されました。また、G8としての今後の取組について、2008年の日本でのG8環境大臣会合で合意することを念頭に、検討を進めていくこととされました。2008年(平成20年)3月には東京で第2回アジア3R推進会議を開催し、アジアでの3R推進に向けたさらなる国際協力の方向性等について意見交換を行いました。

 また、アジアでの3Rの推進としては、ベトナム、インドネシア等の国において国別の状況に応じた3R計画・戦略の策定を支援するとともに、3Rの制度・技術・経験の情報の共有を通じ、アジア各国の取組を支援するため、アジア開発銀行(ADB)や国連環境計画アジア太平洋地域事務所(UNEP/ROAP)等により構築・運営されている情報拠点「3Rナレッジ・ハブ」へコンテンツを提供しています。

 有害廃棄物等の輸出入等の規制を適切に実施するため、「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」(バーゼル条約)の国内対応法である「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律」(バーゼル法)の的確かつ円滑な施行を推進しています。そのほか廃棄物処理法の適切な施行及び運用により、廃棄物の輸出入の適正な管理を行っています。

 また、有害廃棄物の不法輸出入防止に関するアジアネットワークを活用し、参加国間で各国の関係制度や不適正事案等に関する活発な情報交換を行っています。さらに、アジア太平洋地域のE-wasteを環境上適正に管理するため、バーゼル条約締約国会合が進めるプロジェクトについて、支援を行っています。

 また、国際的な資源循環の在り方について、産業構造審議会等において検討が行われている他、開発途上国の持続可能な発展を支援するために、中国との循環型都市に関する協力や政府開発援助(ODA)による廃棄物管理に係るマスタープランの作成やごみの分別収集、最終処分場の安全閉鎖など、循環型社会の形成に資する様々な技術協力等を実施しています。

 さらに、OECDで行われている物質フローについての検討に積極的に参画するなど、国際機関との連携も進めています。

 なお、OECDが取りまとめた各国の廃棄物の発生量の1998年以降最新のデータは表4−3−4のとおりです。


表4−3−4 各国の部門別廃棄物発生量


3R活動推進フォーラム


 平成17年4月、G8環境イニシアティブである「3Rイニシアティブ閣僚会合」が東京で開催され、我が国はこの会合で「ゴミゼロ国際化行動計画」を発表しました。この計画によって、我が国は国内での循環型社会づくりを基礎として3Rの国際的な推進に主導的な役割を果たしていくことを世界に宣言しました。

 翻って我が国では、大量生産、大量消費、大量廃棄という20世紀型の社会から社会経済のあり方やライフスタイルを見直し、循環型社会への転換を図っていくため、法制度も含め様々な取組を進めてきました。こうした循環型社会形成への取組には、国のみならず地方公共団体との協働による取組の推進、民間企業の真摯な努力、NGOやNPOの積極的な参加等が相まって実現してきたものです。

 これらの取組をさらに加速し、アジア諸国を中心に世界へ日本の経験や技術を発信していくためのプラットホームとして、18年1月、「3R活動推進フォーラム」が発足しました。このフォーラムは循環型社会形成のための施策に関連の深い省庁の連携のもと、地方公共団体、企業、業界団体、研究機関、NGO・NPO等が一堂に会し、3R活動を中心とした循環型社会形成のための取組をより一層進めていこうとするものです。会長には小宮山宏東京大学総長が就任し、様々な立場、分野の方々が集う場(フォーラム)として活動を開始しました。19年10月の「第2回3R推進全国大会」では環境省や地元福岡県、北九州市と共催し、小宮山会長の特別講演が行われました。

 今後、循環型社会形成の「旗頭」としての活躍が期待されます。




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