第3節 オゾン層保護対策

1 国際的な枠組みの下での取組

 オゾン層の保護のためのウィーン条約及びモントリオール議定書を的確かつ円滑に実施するため、日本では、特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(昭和63年法律第53号。以下「オゾン層保護法」という。)を制定・運用しています。また、同議定書締約国会合における決定に基づき、「国家ハロンマネジメント戦略」等を策定し、これに基づく取組を行っています。

 さらに、開発途上国によるモントリオール議定書の円滑な実施を支援するため、議定書に基づく多数国間基金への拠出、基金を活用した二国間協力事業、開発途上国のオゾン層保護対策担当者に対する研修・専門家の派遣等を実施しました。さらに、フロンの大気放出抑制を地球規模で推進する取組の一環として、インドネシアにおけるフロン破壊処理施設の整備に協力を行いました。

 なお、2007年(平成19年)に開催されたモントリオール議定書第19回締約国会合において、HCFCの規制スケジュールの前倒し・強化に関する合意形成に取り組みました。その結果、開発途上国におけるHCFCの生産量・消費量を段階的に削減し、原則として2030年(平成42年)に全廃し、先進国についても生産量を段階的に削減し、2020年(平成32年)に全廃するなどの内容が合意されました。

2 オゾン層破壊物質の排出の抑制

 日本では、オゾン層保護法等に基づき、モントリオール議定書に定められた規制対象物質の製造規制等の実施により、同議定書の規制スケジュール(図1−3−1)に基づき生産量及び消費量(=生産量+輸入量−輸出量)の段階的削減を行っています。臭化メチルのうち、適切な代替手段がないために現在も使用しているものについては、「臭化メチルの不可欠用途を全廃するための国家管理戦略」に基づき、削減を図っています。HCFCについては2020年(平成32年)をもって生産・消費が全廃されることとなっています。


図1−3−1 モントリオール議定書に基づく規制スケジュール

 オゾン層保護法では、特定物質を使用する事業者に対し、特定物質の排出の抑制及び使用の合理化に努力することを求めており、特定物質の排出抑制・使用合理化指針において具体的措置を示しています。ハロンについては、国家ハロンマネジメント戦略に基づき、ハロンの回収・再利用、不要・余剰となったハロンの破壊処理などの適正な管理を進めています。

3 フロン類の回収・破壊の促進

 主要なオゾン層破壊物質の生産は、日本では既に全廃されていますが、過去に生産され、冷蔵庫、カーエアコン等の機器の中に充てんされたCFC、HCFCが相当量残されており、オゾン層保護を推進するためには、こうしたCFC等の回収・破壊を促進することが大きな課題となっています。また、CFC等は強力な温室効果ガスであり、その代替物質であるHFC京都議定書の削減対象物質となっていることから、HFCを含めたフロン類の排出抑制対策は、地球温暖化対策の観点からも重要です。

 このため、家庭用電気冷蔵庫・冷凍庫、ルームエアコンについては特定家庭用機器再商品化法(平成10年法律第97号。以下「家電リサイクル法」という。)に、業務用冷凍空調機器についてはフロン回収・破壊法に、カーエアコンについては使用済自動車の再資源化等に関する法律(平成14年法律第87号。以下「自動車リサイクル法」という。)に基づき、これらの機器の廃棄時に機器中に冷媒等として残存しているフロン類(CFC、HCFC、HFC)の回収が義務付けられています。回収されたフロン類は、再利用される分を除き、破壊されることとなっています。平成18年度の各機器からのフロン類の回収量は表1−3−1、表1−3−2のとおりです。


表1−3−1 家電リサイクル法対象製品からのフロン類の回収量・破壊量(平成18年度)


表1−3−2 業務用冷凍空調機器・カーエアコンからのフロン類の回収・破壊量等(平成18年度)

 平成19年10月に施行された改正フロン回収・破壊法には、機器の廃棄時にフロン類の回収行程を管理する制度や整備時の回収義務等が新たに規定され、これらに基づき、フロン類の回収の一層の徹底を図っています(図1−3−2)。


図1−3−2 改正フロン回収・破壊法の仕組み



前ページ 目次 次ページ