第4節 酸性雨・黄砂に係る対策

1 酸性雨・黄砂の防止

(1)酸性雨

 東アジア地域においては、近年の経済成長等に伴い酸性雨原因物質の排出量が増加しており、近い将来、酸性雨による影響の深刻化が懸念されています。

 このため、東アジア地域において、酸性雨の現状やその影響を解明するとともに、酸性雨問題に関する地域の協力体制を確立することを目的として、日本のイニシアティブにより、平成13年から東アジア酸性雨モニタリングネットワークEANET)が本格稼働しています(図1−4−1)。2000〜2004年における降雨のpHの年平均値は、4.2〜6.1(一般に5.6以下を酸性雨と呼んでいる。)の範囲に分布しており、中国南西部で強い酸性雨が報告されています。


図1−4−1 EANET地域の降水中pH(2000−2004年の平均値)

 平成17年に開催されたEANET第7回政府間会合では、EANETの活動基盤を強化するための文書について議論を開始し、その結果を平成20年の第10回政府間会合に報告することが合意されました。また、平成18年の第8回政府間会合では、2006〜2010年にEANETが進めるべき越境大気汚染に関する調査研究等に係る活動戦略が採択されました。

 我が国では、酸性雨による影響の早期把握、酸性雨原因物質の長距離輸送や長期トレンドの把握、将来の酸性雨の影響の予測を目的として、「酸性雨長期モニタリング計画」に基づき、国内の湿性・乾性沈着モニタリング、湖沼等を対象とした陸水モニタリング、土壌・植生モニタリングを行いました。また、酸性雨による影響が疑われる岐阜県伊自良湖において、湖沼、流入河川、周辺土壌及び植生について重点的なモニタリングを実施し、酸性化のメカニズムについて調査しました。

 さらに、EANETの活動を技術面・資金面から支援し、積極的に推進しました。


(2)黄砂

 平成19年9月に第2回日中韓三カ国黄砂局長会合が東京にて開催され、黄砂対策の地域協力について検討が行われ、同年12月に開催された第9回日中韓三カ国環境大臣会合において、平成20年から黄砂共同研究を開始することが合意されました。

 我が国では、黄砂の物理的性質(黄砂の粒径)や化学的性質(黄砂の成分)を解明するため、平成14年度より黄砂実態解明調査を実施しており、平成19年4月に14年度〜17年度の調査結果を取りまとめた中間報告書を公表しました。また、我が国への黄砂の飛来状況を把握するとともに、国際的なモニタリングネットワークの構築にも資するものとして、(独)国立環境研究所と協力して、高度な黄砂観測装置(ライダー装置)によるモニタリングネットワークを整備しています。平成19年4月から5月に国内外のライダー装置による同ネットワークの観測データをリアルタイムで提供する環境省黄砂飛来情報ページの試験運用をホームページ上で行い、平成20年2月からはより分かりやすく情報を提供できるよう改善して本格運用しました。



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