小笠原諸島

顕著な普遍的価値

(ix) 生態系
海洋島の著しく高い固有種率と現在進行形の生物進化
※海洋島:一度も大陸と陸続きになったことがない島

固有種の宝庫

小笠原諸島は東京から約1,000km 南に位置し、「ボニンブルー」とよばれる美しい紺碧の海と切り立った断崖に囲まれた島々です。
※小笠原の英名“The Bonin Islands(ボニンアイランズ)” に由来。

これまで一度も大陸と陸続きになったことがないため、小笠原諸島の生物は鳥に運ばれたり、風に乗って運ばれたり、海流や流木に付着して流されたりして、島に偶然たどり着き、島の環境に適応して生き残ったものの子孫です。島に定着できた種は、その後隔離された環境の下で長期間独自の進化の道を歩み、その結果、小笠原において、ムニンノボタン、オガサワラトンボなど他に見られない固有の動植物が多く誕生しました。小笠原に自生する維管束植物全体の約40%、昆虫は全体の約25%、カタツムリは90%以上(約100種)が固有種です。

固有種の宝庫

現在進行形の生物進化

小笠原諸島の生物進化は現在なお進行中です。とくに、小笠原の島々に暮らすカタツムリや植物は、環境にあわせて形態を変化させ、種分化を繰り返しました。このような進化のプロセスを「適応放散」といいます。
さらに海から島に上陸した生物が進化していく仕組みを示唆する重要な例も見られます。例えば、固有種オガサワラカワニナは、生息環境を沿岸域から汽水域、純淡水域へ生活の場を広げてきたと考えられます。

動画

現在進行形の生物進化

▲ ページの先頭へ