海洋生物多様性保全戦略


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 我が国の海洋生物の生態系の構造と機能を支える生物多様性を保全し、そこから得られる恵みを持続可能なかたちで利用していくことは、世界6番目と言われる広大な管轄権内の海域を有する我が国の将来にとって必要不可欠であり、世界の海洋の生物多様性の確保に対して国際的な役割を果たす意味でも重要である。

 「海洋生物多様性保全戦略専門家検討会」における議論を踏まえて策定した本戦略では、海洋の生物多様性及び生態系サービスの重要性にかんがみ、我が国周辺の海域の特性や世界に類を見ないその生物多様性の豊かさ及びその現状を明記し、人間活動の直接的影響や外来種、気候変動による影響等の影響要因と海域の特性を踏まえたとるべき施策の方向性を示した。また、保全施策の一つとして国際的にも関心の高い海洋保護区に関しては、我が国において明確に定義されていなかったため、本戦略において定義と考え方を明らかにした。その上で国際的な目標も踏まえ、科学的知見に基づき、自然公園等の既存の制度を活用した区域の拡大や管理の拡充、ネットワーク化の推進を図り、必要な場合には既存の制度の改正や新たな制度の設定の検討も重要としている。さらに、こうした施策に際して重要な科学的知見の充実や地域社会との連携等も不可欠であり、そのための取組の推進も記述している。

 本戦略を積極的に活用し、関係各界各層と連携して海洋の生物多様性の保全と持続可能な利用を推進し、次の世代へ我が国の豊かな海洋生態系を引き継ぎ、社会の持続可能な発展に貢献していく。


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