海洋生物多様性保全戦略


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 海洋の面積は地表面の約7割に相当する3億6千万km2に及び、海水の体積は地球上の水の約97%に相当すると見積もられている。その平均水深は約3,800mであり、地表全体の55%、そして海洋の約77%は水深3,000m以上の深い海である。

 この広大な海は、地球の水や熱、有機物、無機物などの循環に大きな役割を果たしているほか、各地の気候・気象の動向にも大きく影響するなど、陸上生物か海洋生物かを問わず地球上の多様な生物の存在を支えるかけがえのないものである。世界の海洋が地球の生命を維持する上で不可欠な要素であることは、1992年の国連環境開発会議(UNCED:United Nations Conference on Environment and Development、地球サミット)で採択されたアジェンダ21や、我が国の海洋に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための「海洋基本法(2007年4月成立)」にも、明記されている。

 また、およそ40億年前に生命体が誕生したのも原始の海の中と考えられており、人類は現在の海洋の多様な生物や生態系から、様々な「海の恵み」を得て生きている。将来にわたってこのような海の恵みを得ながら、人類が生存していくために、海洋の生物多様性の保全と持続可能な利用を推進していくことが必要不可欠である。


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