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平成20年度第2回議事録要旨

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第2回環境省政策評価委員会 議事録要旨

1.日時: 平成20年8月7日(木)10:00〜12:00

2.場所: 霞ヶ関ビル33階 東海大学校友会館阿蘇の間

3.出席者

−委員−

(委員長)

須藤 隆一

埼玉県環境科学国際センター総長

 

井村 秀文

名古屋大学大学院環境学研究科教授

 

大塚 直

早稲田大学法学部教授

 

河野 正男

中央大学経済学部教授

 

崎田 裕子

ジャーナリスト・環境カウンセラー

 

堤 惠美子

株式会社タケエイ 上席顧問

 

藤井 絢子

滋賀県環境生活協同組合理事長

 

細田 衛士

慶應義塾大学経済学部教授

 

三橋 規宏

千葉商科大学政策情報学部教授

 

山本 良一

東京大学生産技術研究所教授

   

 

[欠席]

 

河野 正男

中央大学経済学部教授

 

鷲谷いづみ

東京大学大学院農学生命科学研究科教授


−事務局(大臣官房)−

南川大臣官房長、 森本総務課長、 後藤会計課長、
三好秘書課長、紀村政策評価広報課長、 他


−環境省各局部−

金丸企画課長(廃棄物・リサイクル対策部)、長島総務課長補佐(総合環境政策局)、
弥元企画課長(環境保健部)、木村総務課長(地球環境局)、
小森総務課長補佐(水・大気環境局)、奥主総務課長(自然環境局)

   

4.議題:

(1)平成19年度環境省政策評価書(事後評価)(案)について
(2)その他

5.議事録要旨  

議事録要旨

〔議事録要旨〕

(各委員紹介)
(須藤委員長挨拶)
(事務局より資料説明)
(大臣官房長挨拶)
 

【須藤委員長】
 委員の先生方から、先ほどの紀村課長のご説明を伺ってご意見なりを承りたい。

【山本委員】
 大変立派な評価報告書である。評価している。前回欠席したが、出来上がり具合は大変結構である。
 環境省でもっと調査、戦略を策定することに力点を置いたらいかがか。 例えば、前回私は各国の温暖化に対する取組の比較研究について触れたが、我が国においても、こうした調査をしておかないと、枠組み、手法を持っていないと言われっぱなしになってしまう。 こういう国際的な地球環境問題への取組を分析する手法を持ったらよいと思う。もう一つ、温暖化対策について国内の地方自治体の取組が活発になってきている。 環境政策について、国の取組と地方自治体の取組を位置付け、比較分析する研究・調査があってもよいのではないか。
 第2点は、評価書において、温暖化対策に政府からは約5,000億円、環境省分は約300億円とのことだが、このくらいのお金で本当に温暖化対策が出来るのかが気になる。 スターン報告書などは世界のGDPの1%、年間0.48兆ドル、約50兆円を投入しろと書いてある。2050年まで、あと40年間だと2,000兆円かかる。 IEA(国際エネルギー機関)は、全世界で温室効果ガスを半減するということで計算すると、2050年までに4,800兆円という試算を発表している。 ゴア氏は10年間でアメリカの電源を再生可能エネルギーに転換すると言っているが、少なくとも3兆ドル、約300兆円かかると言っている。 サミットのときに国連大学に招かれたジェームズ・ハンセン氏は、火力発電所を全部やめろと言っている。彼は今、大気中の二酸化炭素濃度350ppmを提唱している。 それを達成するためには、日本円に換算して約1,000兆円のお金がかかる。このように考えると、日本の温暖化対策予算が5,000億円とか、環境省分が300億円などというレベルでは足りないのではないか。 世界が考えているのは、マーシャルプラン、アポロ計画並みの壮大なスケールの資金投入であり、そのようにしなければ、温暖化との闘いには勝てないという認識が世界には広がっている。 試算については、その根拠がよくわからないが、環境省には戦略的にこのような問題を常日頃分析し、データを保持することが大切なのではないか。
 先々週だと思うが、オーストラリアもスターン・レビューに触発されて、Garnaut Climate Change Reviewのドラフトを発表した。ここでは大気中の二酸化炭素濃度450ppm、550ppmのシナリオで分析をしている。 世界的にどういうレベルで気候の安定化を図るか、科学的、経済的、社会的な分析をしておかないと、議論で負けてしまう。
 また、九州経済同友会のセミナーで、温暖化対策に関して産業界、経済界から要望があり、その一つとして温泉法を見直してほしいという要望があった。 温泉法の縛りが厳しくて、地熱発電の開発が進められないとのこと。日本には4,000か所位あり、開発ポテンシャルがあるのに、なかなか開発が進まないとのことであった。

【須藤委員長】
 個々にお答えしていると時間がかかってしまうので、まとめて担当局の方に後でお答えをいただく、あるいは総括的には官房長もしくは政策評価広報課長にお答えをいただきたいと思う。

【三橋委員】
 評価書は前回の委員会も踏まえて非常に内容の濃いものになったと思う。
 これからの環境省の問題提起の仕方として、(もちろん経済産業省との関係で環境省ができるかという問題もあるが、)是非環境省にやっていただきたいことがある。 原油価格の高騰が、産業行動や消費行動にいろいろな変化と与えていると思う。むしろ環境省としては、この原油高騰は、ある意味で環境税を実施したのと同じような効果があるわけである。 これに対して、従来型の対策として漁業への補助を検討しているが、環境省としては、新たなビジネスチャンス、低炭素社会への好機として受け止めることをしたらどうか。 例えば、漁業の一斉休漁についても、燃料電池で動く船などを作るような形での支援を考えてはどうか。
 環境税を実施するのだったら、こういう変化が起こってくる。それはむしろ当然で、ある程度の痛みも出てくるが、これを乗り越えることなくして低炭素社会はできない。 低炭素社会への好機であるという分析を、環境省のどこかの部署でする、研究会を設けてまとめるなどの体制をとったらどうか。 その方が国民にも理解しやすい。地下鉄に乗ったり、カーシェアリングをしたり、いろいろな変化が起こってきている。 ライフスタイルにも大きな変化を与えて、好ましい現象だと思う。上記のような取組を環境省がやってもよいのではないか。

【細田委員】
 評価書については、かなり充実したものとなり、これはこれで素晴らしいと思う。
 化学物質についてEUのREACH規制があって、日本はその細目を詰めて慌てるという対応ではなく、日本において、化学物質の制御の在り方を概念的にどう整理するか、 有害物質・化学物質をもう少し広範な経済メカニズムの中で、概念的に整理してもよいのではないかというのが第1点。
 第2点は廃棄物リサイクルについて。最近の資源の高騰を受けて、資源相場は高止まりしている。 これを受けて、廃棄物、すなわち使用済みの製品、部品、素材の流れが急速に変わって、中国やその他の国々に行っている。 その在り方は望ましくない。潜在的に汚染能力の高いものが堆積している。環境省もバーゼル法の見直しをするとは思うが、東アジアの資源循環、3Rの推進には少しパワー不足なのではないか。 ここでもコンセプチュアルな政策・戦略があるのかを整理してもよいのではないか。
 これに加えて、経済産業省などとの関係を考えながら、たとえば、DfE(環境適合設計)をどのように進めるか考えるなど、日本はどういうコンセプチュアルな形で製品戦略を考えるかということも考えた方がいいのではないかと思う。

【藤井委員】
 地域では、サステイナブルというよりサバイバル、どう生き延びるかというふうになっている。 エネルギーと食糧の地産地消ということで、菜の花プロジェクトを進めている。環境省によるさまざまな取組があるようだが、地域ではそれが実感できない。 地域の活性化にどのように活かされているのか。現場とのギャップが大きいと思う。 研究者レベルでも、地球温暖化を含めてさまざまな研究開発が行われているが、行われているものが、地域に実用的に活かされているかというと、そうでもない。 石油特会などから大きなお金が動いていながら、なぜなのだろうかと思う。 国は、実践されている都市の課題をつぶさに見て、国の政策のどこに間違いがあったのか、まず地元を学ぶというところがないと、お金を投じても効果が見えないのではないか。
 特に森林の吸収源の3.8%に関して、私自身は森林については全くの素人だったので、この3.8%というのはどういう計算をしているのだろうと思ったところ、家計簿ならぬ森林簿がある。 ところが、山持ちの人など、森林簿の内容をほとんど知らない。人工林と雑木林を調べていく中で、森林簿の内容と実態にギャップがある。 森林簿に登録されている吸収量が多いものを査定して、利用したい人は多くいるが、その仕組みがない。 森林の分野にお金が入ることで、地産地消とか、CO2削減とか、森林吸収ということは解決できるのに、実際は今まで投入されているものが細部のところには来ていないということをつくづく思う。
 また、省庁の連携が悪い。農水省、経産省、環境省、国土交通省のそれぞれの交渉事をわれわれがやらなければならない。 環境省は全省庁のインテグレーターになるくらいの強い意気込みでやっていただきたい。

【堤委員】
 地球温暖化対策と廃棄物リサイクル対策の統合に関することをお話ししたい。
 リサイクルを進めるということは、循環資源の多品目・多頻度の少量輸送形態を生み、輸送コストとCO2増大に繋がる事は避けられない。 一般廃棄物も産業廃棄物も共通である。一般廃棄物を例にすると、環境省指針※に、循環型社会形成・地球温暖化・公共サービス満足度・経済性、 この4つを評価する視点から自治体で計画を立てることが示されているが、この中で、廃棄物輸送に係るCO2低減の位置付けは小さい。 CO2の大きな排出分野であることを鑑みれば、収集・運搬の計画に地球温暖化対策が反映されるような施策の統合と深堀がほしいところである。
 例えば、ビン、カン、ペットボトルなどは瞬時の機械選別が可能な物質同士であるため、地域の特性によっては混合収集を選ぶことで輸送頻度を下げ、一方で選別やロジスティクス機能を持つ施設を組み合わせる等、ベストミックスの検討をすることにより、資源循環と、CO2低減の双方の目的実現が可能になるのではないか。
 次に、廃棄物リサイクル対策の推進に関する各リサイクル法の今後の展開について。 食品や建設など各リサイクル法の中には、目標値を上回る高リサイクルがある一方で、困難度が高い為に極めて比率が低いモノが取り残されていたりする。 次のステップとしては、容易にリサイクルできる優等生の品目を守ることで高リサイクル率を維持するだけにとどまらず、課題・問題の多い品目や分野の道筋をつけることによって、広い意味で3Rや最終処分場の逼迫問題・適正処理・資源循環等の改善に繋げていく方向を考えることも大事な視点ではないか。
  ※(市町村における循環型社会づくりに向けた一般廃棄物処理システムの指針)

【崎田委員】
 生活者として環境分野に取り組んでいる。いろいろな活動をしていると、今、大きく環境政策が国の中で変わっていることを感じる。大変素晴らしい傾向だと思う。今度の評価書もそういう今後の展開をきちんと書いていて、流れとしてはしっかり見据えていると思う。ただ、こういう勢いがまだ地域に届いていない。持続可能な地域づくりに向けた取組をしている中で、今までの規制の仕組みにぶつかったときに、省庁間ではなくて、地域の中で、意欲的に取り組めば解決できる道−例えば規制緩和とか特区とかの道−が開かれているという勇気づけを与えてほしい。総合的に政策が動いているという勢いを、早く地域に伝えていただきたい。
 洞爺湖サミットの直後に、地域環境活動をしている人々を集めて十勝でローカルサミットを開いた。地域のエネルギーを作りながら地域を活性化させる、また、食資源を循環させながら地産地消を取り入れた地域を市民参加で作る、地域と都市が連携して間伐をしてカーボンオフセットをするなどのような取組が出始めているが、これらのような取組がぶつかる規制について、全て一度洗い出すことも必要なのではないか。そこをみんなで直して行こうということを明確に発信することで、地域の人々も見えてくるのではないか。
 総合的な国の方針である、低炭素社会づくり行動計画の今後のフォローアップについて、どの省庁がどれくらいの予算規模で、どのような政策として取り組んでいるのかが見えるようにすることで、国全体の動きが「見える化」するのではないか。省庁連携が形で見えるように情報を発信してもらえればありがたい。
 また、人づくり、地域づくりが基本になって持続可能な社会を作っていくという動きがある。地方自治体側で環境学習センターを作っていくという動きも強くなっており、地域が連携・共同とか、参画型で運営するなど、いろいろな事例も増えている。地域の学びの場の情報を集約して発信することにも取り組んでほしい。
 最後に、評価書について、例えば5ページの真ん中に、施策の方向性が書いてあるが、これら@〜Dの方向性の順番が国民にはわかりにくいのではないか。例えばBの施策の廃止などを@にもっていけば、わかりやすくなるのかもしれない。他の省庁がどういう評価の数字を使っているかにもよるかと思うので、内部で検討して頂ければと思う。

【大塚委員】
 全体として、今回修文していただいて大分よくなったと思う。 それから、今回のように、パブリック・コメントを受けて少しでも評価書に反映するということしていけば、 パブリック・コメントをした結果、それが反映されると国民の方に思われると、パブリック・コメントが増えるかもしれない。
 評価書P.102の主な取組に関係するが、生物多様性条約のCOP10が名古屋で開かれる。ここではABS(Access and Benefit-Sharing)、遺伝子から生ずる利益財産の分配が最大の議論の要素になると思うが、先進国と途上国の対立が激しくなるのではないか。 日本としてリーダーシップをどのように発揮するかというのは極めて重要な問題だが、日本はこれに関してはかなり消極的な態度を今まで取っている。 法的に考えた場合に、このような権利がどこまで認められるかとういことはきっちり考えるべきところであるので、国際交渉はもちろん大事であるが、 火中の栗を拾うぐらいの大問題かと思うので、前向きに取り組んで頂ければと思う。
 また、これは私の印象で恐縮であるが、個別法について何年かに一回、法改正・見直しがなされているが、最近ここ数年、規制緩和などで、必要な法改正も控えているのではないか。 例えば家電リサイクル法なども、見直しはされても法改正はされなかった。 リユースとリサイクルの区別についても、小売業者に何らかの規制を設けるか議論はあったがガイドラインにとどまった。 ガイドラインを作っても強制力がないので、どういう結果になるか心配である。
 他にも、大気汚染防止、水質汚濁防止法についても、報告の義務などについて罰則が必要になるのではないか。 規制緩和は一般的な傾向としては大事なことだが、環境規制には必要なものもある。環境省の方には環境関係で必要な規制については、粛々と進めて頂ければと思う。

【井村委員】
 今回の評価書はかなり見やすくなったと思う。その点は評価したい。
 今回の評価書はかなりアジアを意識したものになっている。 P.14の「アジア低炭素・循環型社会構築力向上プログラム」やP.62のクリーンアジア・イニシアティブなど、大気や水などの伝統的分野でもアジアとの協力と言うことが書かれたのは非常に良いと思う。 最近は、地球温暖化は国際問題として重要ではあるが、大気、廃棄物、水などについては弱かったかなと思っていた。
 こういう「イニシアティブ」という言葉が出てきて少し気になるのが、政府の役人が会議をやってレポートを作って、それを公表して、 それでやったということではなく、具体的な活動をやっていく必要があるのではないか。 現地の事情に合った対策を考えたり、アジアのいろいろな国と日本とが協働して、アジア的アプローチを作っていくところに、日本の経験や技術を生かしてリーダーシップを発揮することが大事なことだと思う。 明確なストラテジーとして強化して頂いてはどうか。
 また、国際協力については、環境省の役人だけが取り組んでも駄目である。自治体、NGOなど、下のファクター、活動が大事である。 環境省の場合、他の予算に比べて研究予算が結構多いので、国際的な研究にもっと力を入れてはどうか。
 三橋委員の環境税の話のフォローアップだが、石油の値上がりについては、値上がり分は産油国にお金が動く。 一方で、環境税は国内にお金が動く。もっと全然違うやり方ができるのではないか。 代替エネルギーの開発などはコストがかかっても、そのコストは産油国に行くわけではないので、そのような視点で考えていただきたい。
 パブリック・コメントについては、6件ということで明らかに少ないので、多数のコメントを受け入れて、それにシステマティックに対応するという戦略を考えないといけない。 大量のコメントをシステマティックに受け止めて、かつ、それにどう対応していくか。ネットを利用するなど、まじめに考えないと、情報化の時代に対応したパブリック・コメントにならないのではないかという気がする。

【須藤委員長】
 評価書については、全体としては前回より大変進歩した、評価できるというご意見が圧倒的であった。私自身もこの評価書は大変結構であると思う。  私も今後の問題として2つ3つ挙げさせていただく。1つは、山本委員も言われていたが、地方自治体で温暖化対策など進んでいるところもあれば、遅れているところもある。 このような状況で、情報をまとめて連携をとる仕組みをとらないと、全体の底上げが出来ないのではないか。 進んでいるところの情報をどんどん取り入れることも必要だが、その辺のところの仕組み、やり方を考えていただきたい。例えば、ある町では、車の通勤はやめて、ほとんど自転車通勤をしているところもある。
 2つ目は、化学物質の管理に関して、水質基準について、WTOの飲料水の水質基準が変更されると、日本で厚生労働省が水道の水質基準を変え、環境省が環境基準を合わせて変えるという流れになっている。 従来からそういうふうな流れになっているので、もう少し化学物質管理の在り方のようなところから始まって、水質基準に波及できるような考え方を取り上げる方向性を示していただきたい。
 3つ目は、最近南極の環境保全に関わりを持っているが、南極はかなり汚れているようである。特に、昭和基地の流入水が入るところは、夏場と冬場で200人いるというのが50年続いている。 平たく言うと、昭和基地では、浄化槽の流入水と流出水の水質が同じ、すなわち浄化ができていないという状況が結構ある。 よその国がいい加減でも日本がいい加減だとよくない。モニタリングするだけではなく、もはや施策を打たないといけない。 文部省と環境省のどちらがお金を出すのかわからないが、この辺で適切な対策をとらないとまずいのではないか。大きな意味で地球環境問題である。 水質で言うと、東京湾の水質に近いそうで、南極が汚れているという現実を認識して頂き、評価書にはモニタリングするとは書かれているが、具体的に施策をちゃんと打ってほしい。 あまりこういうことを言う人がいないと思うので、あえて発言した。

【大臣官房長】
 難しい課題が多く、環境省としても一所懸命やっているが、どうしても抜けてしまうところがある。
 低炭素化の課題については、環境行政と経済分析はかなり遅れている。油関係の税金の暫定税率についても議論があった。 25円税金を下げた場合に、どれだけCO2が増えるのかについて、議論になった。 計量学の専門家の力も借りて分析をして、税率を下げた場合の当面の影響と長期に続いた場合について、数字を出した。 しかし、これ自身、もともと蓄積がないところでそういう作業をしているため、なかなか難しかった。 イギリスのようなスターン・レビューというものも日本ではやっていない。 今少しずつ体制整備をしているが、来年度からは環境と経済の分析ができるようにしたい。予算も是非考えたい。
 山本委員から言及のあった温泉については、実はなかなか難しい。しかし、全体として、温泉の熱利用、風力、小水力などのように、再生可能エネルギーを活用することは大事である。 環境省としては、再生可能エネルギーについては、困難性の除去も考えたビジョンを作りたい。 油の値段が上がったが、環境省としては、従来と同じような補助金のばら撒きでは意味がないと考えている。 政府が低炭素社会の実現に向けて踏み出していることが分かるようなものにしていかなければならないと考えている。
 化学物質については、環境省がしっかりと取り組むようになったのは、ここ3、4年である。 それまでは化審法も所管していなかったが、ようやくここ3、4年で中に入って、自ら生態系の問題を中心にしっかり分析し、環境化学物質のリスクというものも管理するようになった。 ようやく動き出したところであり、なかなかEUのように自ら主導権をとって動くところまではいかない。 特にEUは、ルールを作って、それを標準化して自らの利益を守るというように考えている。日本はそこまで行っていないが、EUに追いつきたいとは考えている。 このような観点から今、化審法などの法改正の準備をしているところである。
 廃棄物については、アジア地域のリサイクルは汚染につながる可能性があり、実際に中国では汚染につながっているのではなかと危惧している。 バーゼル法のもと、廃棄物の許認可もしているので、このような許認可を通じて、また、中国と協力しながら、本当の資源の有効活用になり、公害の拡散にならないような施策を講じたい。 また、アジア地域におけるリーダーシップの中で重点的に取り上げていきたい。
 地域に温暖化対策の話がうまくつながっていないことについて、森林吸収源については林野庁で取り組んでいるが、3.8%という数字についてだけの議論をすると、今の方式で十分達成できると考えている。 そのような計算になっている。バイオマスを使った国内CDMの拡大やカーボンオフセットに取り組む中で、地域の活動がお金になるようにしないと、うまく動かないと考えている。 3.8%の議論に期待するわけではなく、むしろそこから離れて個々の事業をどう立ち上げていくかという議論に持っていかないとうまく動かないと考えており、このような視点で取り組むべきだと考えている。 地域については、廃棄物、公共交通の利用の活性化、都市計画など、いろいろ問題がある。 温対法を改正して、都道府県と人口20万以上の市については実行計画を作っていただき、地域すべての排出量も出していただいている。 こういう中で、収集・運搬に必要なCO2をどう減らすかについても見ていきたいし、またマニュアルを検討して行く中で、考えていきたい。
 様々な物質のリサイクルを拡大することについては、なかなか難しい。 例えば都市鉱山と言われる小型家電製品からのレアメタルの回収については新たな話として具体的に仕上げたいと思っているが、 全体としてどこまで国が絡んでリサイクルをまわすかということも考えなければならない。
 今注目を浴びている中では温暖化対策の中での経済的手法の問題がある。排出量取引について5月に分厚い報告書をまとめた。 専門家の意見もいただき、商法、会計基準から勉強した。これについては、記者発表してもうまく伝わらないので、全国6、7か所に出向いて説明会を開催した。 各地域において、人が結構集まった。説明会の後も企業やNGOから意見を聞いた。このように、あちこちに出向いて意見を聞くことで、いろいろな地域にあった方策を考えたい。 去年の秋には、一村一品運動ということで募集をしたところ、非常に沢山の応募があった。そういった運動をさらにニーズを把握した上で広げていきたい。
 2010年に名古屋で開かれる生物多様性条約のCOP10については、COP10だけで2週間、カタルヘナ議定書で1週間、全部で3週間あり、延べ7,000人程度の方が集まる、日本で行う今世紀初の最大会議となる。 是非成功させようと思っている。サブとロジも大変で、そのサブの中でも、特に大事なのは、ABSについてである。 大変な課題であり、各国の経済的利害が大きく絡むので、十分考えたい。自然局が中心になるが、各省と連携して積極的な対応をしたい。
 全体的に、最近規制の歩みが遅いということだが、いろいろな縛りがあり、自由度がない。環境省はその中で比較的なんとか動いている。 このような姿勢はなくさないでいきたい。規制の中でも、必要なものは当然ながら見直したい。
 クリーンアジア・イニシアティブの話については、東アジアサミットの一環として、東アジア環境大臣会議もできた。 これは、従来はエネルギー大臣会合があっただけだったのが、ASEAN諸国や中国、韓国、日本、オーストラリア、ニュージーランドも含めて環境問題は共通の大きな課題になってきたということだと思う。 その中でも公害問題については、コベネフィット(co-benefit)の観点から進めていきたい。 従来は、CO2問題について、世界的に対策が望まれていたが、途上国についていうと、なかなかCO2問題に対応している余裕がない。 公害問題は実際に大変な問題が起きており、自分の地域の被害もある。したがって、公害対策と温暖化対策を兼ねるという観点から、できることは多いので、具体的な成果を上げていきたい。
 地域の対策を進めることについては、まずは温暖化対策を進めたい。太陽光の普及など、再生可能エネルギーの普及といったことも含め、多くの地域が乗りやすい施策を打っていきたい。
 水の基準と南極については、変えることはなかなか難しい。水質基準については、環境庁の前身の公害対策本部の頃から同じことをやっている。 考えてみたいが、容易ではないという印象である。南極については、文部科学省との相談もある。時間をいただいて考えたい。

【須藤委員長】
 パブリック・コメントの部分、表記の仕方などについて、全体にかんがみて政策評価広報課長からお答え頂きたい。

【政策評価広報課長】
 崎田委員から指摘のあった「施策の方向性」の表記については、総務省がフォーマットを決めているので、総務省サイドに働きかけはするが、なかなかすぐに変えられない。今後のものとして考えさせていただきたい。
 パブリック・コメントについては、前々から問題意識を持っていた。 環境省内でもっと相談したい。政策の施策立案の過程の流れと、環境月間などのPR、広報にある節目を、システマティックにうまく入れ込むようなメカニズムがあればよいと考えている。

【須藤委員長】
 まだいくつか抜けているところがあるかもしれないが、時間になってしまったので、あとは議事録をお読みいただき、各担当の方、それぞれの先生に不十分な部分はお答えを頂ければありがたい。
 その他の議題について事務局どうぞ。

(その他の議題について、参考資料3「成果重視事業(モデル事業)の事後評価について」の資料説明)  

【須藤委員長】
 今の成果重視事業について、ご意見はあるか。成果重視事業については、特に御質問がないということで、お認めいただいたことにさせていただく。
 それでは、本日の第2回「環境省政策評価委員会」は、これにて終了させていただく。

以上



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