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平成17年度第3回議事要旨

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第3回環境省政策評価委員会 意見要旨

1.日時: 平成18年3月7日(火)15:00〜17:00

2.場所: 合同庁舎5号館 22階 環境省 第一会議室

3.出席者

−委員−

(委員長)

須藤 隆一

埼玉県環境科学国際センター総長

 

大塚 直

早稲田大学法学部教授

 

河野 正男

中央大学経済学部教授

 

佐野 角夫

ソニー株式会社顧問

 

細田 衛士

慶應義塾大学経済学部長

 

山本 良一

東京大学生産技術研究所教授

 

鷲谷 いづみ

東京大学大学院農学生命科学研究科教授

(オブザーバー)

井村 秀文

名古屋大学大学院教授〔政策評価手法検討部会長〕

 

 

[欠席]

 

岡島 成行

日本環境教育フォーラム理事長

 

小林 珠江

株式会社西友 執行役 人財部担当

 

崎田 裕子

ジャーナリスト・環境カウンセラー


−事務局(大臣官房)−

   西尾大臣官房長、寺田大臣官房審議官、小林秘書課長、
伊藤会計課長、鷺坂総務課長、谷津政策評価広報課長、
吉野政策評価広報課長補佐、村上政策評価広報課長補佐、他


−環境省各部局−

廃棄物・リサイクル対策部、総合環境政策局、環境保健部、
地球環境局、水・大気環境局、水環境課、自然環境局

   

4.議題:

(1)環境省政策評価基本計画(案)について
(2)平成18年度環境省政策評価実施計画(案)について
(3)その他

5.議事概要  

議事概要

〔議事概要〕

(西尾大臣官房長挨拶)
(事務局より資料1、2、3の説明)

須藤委員長
 原案について、事前に政策評価手法検討部会で検討頂いているので、井村部会長からコメント願いたい。

井村部会長
 政策評価手法検討部会で検討したことにつき、かいつまんで申し上げる。
 環境省政策評価基本計画(案)の「5.政策効果の把握に関する事項」において、できるだけ定量的な評価が望ましいと書いてある。昨年までに実施された評価を見ると、具体的に書かれているものと、やや一般的に書かれているものがある。こうしたものをどうすべきか、定量化が望ましいが難しいといった点を議論した。
 また、環境政策は非常に範囲が広く、環境省によるものだけを区切ったとしても、例えば経済などの問題が出てくる。個別の施策を見ると、包括的な政策目標との関係が掴みにくくなるとの問題があるので、個別にきちっとやると同時に、全体の中でどのように関与しているかを出すことが必要であるとの議論もあった。
 また、特に政策評価の観点である必要性、有効性、効率性についても議論があり、以前の記述と比較して、定義や順序などについて部会で提案し、修正をした。

佐野委員
 政策評価の観点について、必要性、有効性、それから効率性とあるが、この有効性の評価は具体的にはどういうことになるのか。企業の立場からすると、必要性、効率性は分かりやすいが、有効性についてはなかなか評価しにくいという懸念を持っているので、説明頂きたい。

谷津政評課長
 期待値に対して得られた効果で評価する。評価実施主体の側からすると、期待値が十分達成できればこの政策は有効であるとの説明をするが、その中でもなるべく客観的な分析評価ができるように取り組む必要があるということである。

井村部会長
 そこが一番難しいと認識している。目標設定の仕方、達成目標、どういう視点で目標をおくかなど、中には首をかしげるものもある。環境改善の目標を設定すればよいが、実際には手段を目標としているような目標設定もあるので、個別に議論をする必要があると考えている。

須藤委員長
 47あった前年度の施策について、整理の仕方について議論はしたが、一つ一つの内容についてはあまり触れていないので、何かご意見があれば出して頂きたい。

河野委員
 全般的にこの通り実施されれば好ましいと思う。
 7ページ、4)の「省内各部局の連携」は、新たに付け加えられたものか。必要に応じてヒアリング等を実施するとあるが、これは省内のある特定部局が、他の部局に対してヒアリングするのか。それとも、社会一般に向けてのヒアリングということか。

谷津政評課長
 政策評価広報課として、関係部局から聞かせてもらうという内部的なヒアリングである。

河野委員
 改めてここに入れて表に出すことに意義があるのか。

谷津政評課長
 省内でも政策評価が完全に定着したとは言い難く、基本計画に明記をして、政策評価担当と各部局とのコミュニケーションを改めて取るという意味も含めての明示である。

須藤委員長
 以前から指摘をしているが、政策評価が各部局へ浸透していない印象をもっており、明記することは意識啓発にもつながるだろう。環境省はしっかり政策評価をやっているが、トップランナーではない気もするので、その辺の意識が大切かと思う。

山本委員
 全体として大変結構である。
 気になっているのは目標の立て方の問題で、達成しやすい目標を掲げれば、容易に達成されるわけである。例えば、温暖化の問題にしてみても、チームマイナス6%でなく、私はチームマイナス6億トンをやらなくてはならないと思う。しかし、実際に6億トンを目標に立てるかというと、危険すぎて立てるわけがない。その辺をどのように考えるのか。

井村部会長
 個別の項目ごとの検討をやったわけではなく、総括的に検討したのみである。山本先生と同様の感想は、それぞれ持っている。来年以降、個別にもう少し精査する必要があると思っている。

地球環境局
 政府全体として6%という目標が掲げられているので、それを達成することを環境省の目標としながら実施している。政府全体の目標なので、各省と連携しなければならないという意味において、環境省の企画調整機能を発揮していくことが求められる目標だと感じている。

山本委員
 時代はどんどん時間的に推移していくので、バックグランドデータをどこかで示しておかないと、自己目的化した話になってしまう懸念がある。グリーンランドの氷や西南極大陸の氷床の融解などで、海面水位が90センチ上がると言われている。最新の研究データによれば、もっと上がるかもしれない。国民の側からすると、チームマイナス6%というのは現実性があるのか。
 もっとダイナミックに動かなければならない、ということが言いたい。

鷲谷委員
 評価の視点の有効性の部分で、期待される効果と見込まれる効果の関係が、数値目標の場合はしっかりと把握できると思うが、それ以外の質的な目標の場合にはどう捉えるのか。
 科学研究の中では、数値がなくても仮説というものを立てる。その仮説は反証可能な形にしておき、反証できなかったら、その仮説は検証できたことにする。政策評価において、期待される効果と見込まれる効果の関係について、どのように有効であったと判断するのかを伺いたい。
 効率性については、投入された予算と効果のようなものを天秤にかけるという意味か。「関係」という言葉をどのように考えたらよいか、という質問である。

谷津政評課長
 定性的なものについてどう評価するのか、という議論だと思う。こういう手法を導入すれば評価ができるというのは、必ずしも確立していないと思っている。基本的に、定性的な目標の場合には、ケース・バイ・ケースで知恵を出しながら、有効性を評価していくことになる。1つの視点としてきっちりと数字では表せないが、全体の取組の方向性として期待している方向にトレンドが向いているか、という観点からの分析・評価になるかと思う。
 効率性については、実際のその施策のアウトプット、アウトカムと、投入したコストとの関係が基本になる。

鷲谷委員
 そうすると評価は一義的に決まらず、有効であったと評価する人と、有効でないと評価する人の意見の違いが出てきても仕方ない。仮説検証の場合、どういう結果の範囲だったら検証されたと考えられるかが、ある程度明らかである。結果が出てから、合理的な知恵を出すということになるのか。

谷津政評課長
 科学評価的な意味での厳密な仮説検証ということは、これまで環境省として手がけたことはない。もう少し前の段階で呻吟しているのが実態である。そういった手法についても、研究、勉強させて頂きたい。

佐野委員
 5ページの「(2)規制に関する評価」で、新たな規制を行う場合には評価を行うとあるが、既存の規制をするかについては一切触れていない。一方、2ページの資料1の「見直しのポイント」には、「規制の評価・見直しの推進」とはっきり出ている。この辺との整合性が、環境省の計画は沿っていないと思うが如何か。

谷津政評課長
 2ページをご覧頂くと、規制影響分析の試行を積極的に行うとある。環境省としても試行を実施中で、結果も公表している。総務省と連絡調整を図りながら、環境省としても必要な措置を講じていきたい。

須藤委員長
 それでは、事務局より議題(2)の「平成18年度環境省政策評価実施計画(案)について」を説明頂きたい。

(事務局より資料4の説明)

須藤委員長
 実施計画(案)についても、政策評価手法検討部会で事前に議論頂いているので、井村部会長からコメントを願いたい。

井村部会長
 第一には項目整理で、現在47あるものを42に、最終的には15くらいの柱に整理するとともに、柱ごとの階層関係を整備して、少しコンパクトにしていく。
 問題は目標の設定で、どれくらい定量的な目標が出せて、どれくらいが定性的な目標になるのかを議論した。また、手段を目標にした場合に、それによってどういう環境目標が達成されたかとの関係が大事になる。有効性などの評価で両者の関係が定性的にでも書いてもらえるように、環境省内で十分チェックして欲しい。
 個別項目の評価が多いので、包括的な政策目標との関係で、全体的な複合効果をどのように表現するかが大きな課題と思っている。

須藤委員長
 政策体系はスリム化するが、従前からやっていたものが埋もれて分からなくなってしまうようなことはしないで、継続性を持たせるようにしていると思うが。

井村部会長
 基本的には環境省がやっている全ての政策を落としてはいけない。但し、あまり細かいものを並べると国民からは見にくいので、いかに体系的に分かりやすく整理するかで検討している。大きく2つに分かれている施策の柱のうち、環境教育とか環境パートナーシップといった横断的な施策の柱については、どのように整理したらよいかという議論は残っている。

大塚委員
 一般の政策とは異なるところが環境政策の場合はある。定量化を進めていくことは方向として良いと思うが、他方で、特に効果に関しては、20年、50年、100年先のことまで効果だとすると、すぐに分かることではないので非常に定量化しにくいものもある。
 効率性における効果というのは環境効果だと思うので、そうした環境政策上の性質にも注意しながら施策を進めて頂きたい。

河野委員
 「アカウンタビリティーの向上」とあるが、報告のタイミング、内容、媒体など、今やっていることよりも、さらに何か付け加えるということか。
 10ページの土壌環境の保全では、目標として「対策を実施する」とあるが、汚染源別の面積や面積別の土壌汚染分類等のデータベースが既に存在して、それに基づいて下位目標を実施するのか。
 また、8ページ「地球規模の環境保全」の地球温暖化対策で、国際的な公約を守るための目標となっているが、仮に現行の地球温暖化対策が進んでもマイルドな気候変動があるのではと思っている。ここは温暖化対策というより気候変動対策などの名前で、気候変動を起こさない対策と、起こった時の対策を、今後考えておく必要があるのではないか。

谷津政評課長
 今回のアカウンタビリティー向上の具体的な手段としては、1つは目標体系の見直しを行い、できるだけ今まで定性的であった下位目標を定量的なものに改めたというのが1点。
 2つ目は、事後評価シートの見直しの中で、評価結果に対する今後の取組や予算への反映について具体的に書き込んでもらうような工夫をし、国民に分かりやすい政策評価を心がけている。

水・大気環境局
 水・大気のようなサンプリングが一般的にできるものについては、全国の状況を把握している。土壌に関しては、土地の売買が行われる機会などを捕まえながら、状況を把握しているのが実態である。全国的に網羅したデータベースは性格的につくりにくいが、問題意識は持っているので、今後いろいろ検討していきたい。

地球環境局
 話は戻るが、チームマイナス6%では、50万トン程度の削減目標となっている。政府全体の京都議定書目標達成計画では、だいたい12%ぐらいの削減になり、1億5,000万トンぐらいの削減を2008〜12年に達成しようとしている。山本先生がおっしゃったのは、日本の排出量を6億トンに半減していかなくてはいけないということだと理解している。地球温暖化の目標のところで、2013年度以降についても定性的にではあるが、今後さらなる大幅削減が必要であるとの認識のもとで「温室効果ガスの更なる長期的・継続的な排出削減へと導く」との目標を掲げている。
 また、この政策目標では、2012年までの短期的な目標しか定めていないが、長期的な対応を考えた場合には、やむを得ない気候変動に対する適応策と言われる分野の対策についても考えねばならないとの問題意識はある。2013年以降の議論が深まってきた段階で、政策目標として考えていくべきと考えている。

佐野委員
 事後評価シート(案)で、年度ごとに当初予算動向が記載されている。企業サイドからすると、予算に対して結果の数値(決算)がここにあるべきだと思う。予算と決算の連携が図られるべきだと思うが、このシートには反映されていないのでは。
 16ページに「U-9-(4)石綿健康被害救済対策」があり、これは非常に重要な緊急課題だと思うが、下位目標は具体的に示されていない。評価する方としては、これだけで評価しろと言われても非常に難しい気がする。
 10ページの「T-5 廃棄物・リサイクル対策」については、末端のリサイクル業界の個々の企業の対応が非常に厳しくなるので、他の所管官庁との連携強化をして頂きたい。
 化学物質対策については、今年7月にはヨーロッパでRoHS規制も発効する。日本での法制化を要求したが、製品に対する情報開示を、JIS規格にも引き上げてきちんとしてもらうことを始めると伺っている。今後、化学物質についての規制はもっと強化すべきだと思う。化学物質に対して、環境省としての基本スタンスを強く持って頂きたい。

谷津政評課長
 国の予算は、通常は当初予算ということで進めているので、当初予算額を記述している。

佐野委員
 予算との整合性を取るというのは、結果を見て、次年度に反映させるという意味に解釈したが違うのか。

谷津政評課長
 おっしゃる通りで、予算の結果、今後の施策の方向性、次の予算要求へどのように反映させていくのかを明確に記述してもらう。

佐野委員
 この事項は最も定量化に適した項目だと思う。抽象的なことではなくて、数値で概算でもいいから出した方がいいと思うが、それは無理か。

谷津政評課長
 予算編成と、この政策評価のプロセスをどう連動させていくか、少し勉強してみたい。

寺田審議官
 アスベストの件は、中皮腫や肺がんを罹患された方のデータの収集はしばらく困難であり、そういうものに対して何パーセント救済できたかというようなことは恐らくできない。環境省として念頭に置くべきは、救済を求めている方々に、どのくらい迅速に救済が図られたかである。こうした標準処理期間の短縮を行政課題として認識しており、この目標のもとで取り組んでいきたい。
 化学物質対策については、アスベストへの対応の遅れなどに対する反省から、内閣に化学物質対策連絡会議を設置し、いろいろな製品や食物に含まれる化学物質や、海外の化学物質規制に関する情報など、様々な情報を共有しようとしているところである。

廃棄物・リサイクル対策部
 リサイクル対策において、関係省との緊密な連携が極めて大事であると認識している。例えば、容リ法の見直しでは、経済産業省と1年半にわたって共同で審議会を開催し、法案も一緒に提出した。議論が始まっている家電や食品などのリサイクル法の見直しについても、共管の省庁としっかり議論しながらやっていきたい。

環境保健部
 有害化学物質対策については、廃リ部においてRoHS規制に関する検討会を開催し、製品における情報開示を行っていくこととなった。来年度の予算として、国際的な動きに対応した重金属対策を計上しており、本当に問題のある点を勉強し、その対策を練っていきたい。

細田委員
 8ページ以降の環境省の施策体系について、評価の定義としてよくできていると思う。
 ただ、ダイオキシンを例に取ってみると、大気や土壌、化学物質対策など、それぞれの政策を通る横串の問題をどうクリアするのかが気になる。土壌汚染について学校などでの事故汚染が問題になっているが、速やかに処理したいにもかかわらず、能力のある産業廃棄物処理事業者は許可の問題で処理ができないため、汚染土壌の取扱いを巡って処理できないままになっている。本当にいいことをやろうとすると横串の問題が出てくるので、そこをお考え頂きたい。
 目標を定量評価に落とし込む方向は支持する。ただし、評価のフィールド、定義域に気をつける必要がある。評価の範囲を広げると、コストもベネフィットも広がる。特に環境の場合は、評価を間接評価まで入れて広げてしまうと、ものすごく広くなってしまう。
 また、評価のパラメーターをどう取るかにより結果が異なってくる。同じ数値でも解釈の問題で評価が変わってくる。定量評価はやって頂きたいが、どういうことにより、どういう結果が出てきたかを、評価の限界も示して分かりやすくプレゼンテーションして欲しい。
 RoHS規制は、リスクアセスメントをどこまでやったかが気になる。鉛をやめることは、もちろんリスクを削減する。しかし、他の物質に換えた時に誤作動のリスクが生じる。それが火災報知器であった場合はどうなるのか。そういったリスクは誰がはかり、誰が責任を取るかという問題があると思う。今は無理だと思うが、遠い将来は考えるべき問題だと思う。

谷津政評課長
 横串の評価について、環境政策は、化学物質でもクロスメディアへの暴露の問題があり、理想はこれら総合的な評価であるが、現実には技術的手法として難しいという限界がある。志は持ちつつ、なるべく期待値に沿うような形で進めていきたい。
 次に、それぞれ評価の限界を認識の上で、定量的評価をすべしということだと思う。今日のご指摘を、個別の評価シート作成者に伝えて、可能な範囲で評価に反映させたい。

寺田審議官
 リスクアセスメントをした上で、リスクコミュニケーションをし、リスクマネジメントをする必要がある。しかし、これは環境行政の中だけで完結する問題ではなく、政府全体で他の様々なリスクを勘案の上で、特定物質をマネジメントしていくことになるだろう。今後とも、そうした研究を続けていきたい。

西尾官房長
 環境庁の時代は、エンド・オブ・パイプでしか見ていなかった。物質に着目をすると、各省全部が関わってくる問題になってくる。そのような評価は非常に正しいが、できるかという問題はある。
 環境ホルモンやダイオキシン、アスベスト問題など、国民的な関心の高いもの、「それは心配だ」というものについては、すぐに対応していくべき必要もある。バランスが大事で難しい問題である。

山本委員
 実際は、行政府でなく立法府が自己点検するのが最もよいと思う。
 一国民としてみると、現実の問題と政策目標とのギャップが激しい。どこかの下位目標に掲げられているかもしれないが、環境省が蓄積している情報をインターネットでなるべく公開し、国民に提供して頂きたい。

谷津政評課長
 17ページで環境情報の整備・提供を掲げている。

山本委員
 京都議定書を遵守してどれくらい環境改善につながるかという質問をよく受けるが、オフィシャルな予測値はない。私が調べた限り、英国上院が引用しているレポートでは、京都議定書対策をとっても、気温の上昇が0.1℃、水位の上昇が1.5cmぐらいの抑制にしかならない。ポツダム研究所の論文では、0.2℃の気温上昇を抑制するためには100ギガトンカーボン、3,700億トンCO2を削減する必要があるとしている。こういう科学的知見を見ると、国民にとっては、京都議定書対策は焼け石に水なのではないかという懸念が生じる。政策評価がいくらよくても、生物が死滅していくということがあり得る。地球温暖化対策については、科学的目標とのギャップがあるというのが個人的見解である。

地球環境局
 今、京都議定書の次の枠組みを交渉していく段階に来ている。目標は目標として着実にやっていくが、先を見通して科学的な話も含めていろいろとやっていかなければならない。

西尾官房長
 温室効果ガスの濃度を長期に安定化させることが本来の目標である。しかし、それには経済・社会を変えることが必要である。全体で5%という目標は、経済社会を変える始まりである。そこがなければ、次の5%、20%はない。この目標の問題自体は、地球温暖化問題にそもそも内在する問題だと思う。

山本委員
 世界全体の十数年分の排出量を削減しないと0.2℃さえも下げられない、という情報がほとんど行き渡っていないと思う。情報提供をきっちりやって頂きたい。

須藤委員長
 6%削減目標は、手始め、きっかけである。今のような話は外に出ていないような気がする。政策評価は国民のためのものである。

谷津政評課長
 政策評価自体が国民に分かりやすい政策のプレゼンテーションということなので、それを踏まえて、今後のやり方を検討させて頂きたい。

鷲谷委員
 施策体系に関する疑問であるが、12ページの「T-7-(2) 自然環境の保全」と「T-7-(3) 自然環境の再生」というのが別々に立ててあるが、適正なマネジメントとしては、一体として取り扱うべきである。それぞれを独立させていることには何か意図はあるのか。
 国立公園等の保全について、他省庁が何をしているのかが関わってくる。実際に、国土交通省は湿地や干潟などについて2-3割を回復するという数値目標を掲げていると思う。環境省の目標は、こうした国交省の目標達成を促すという目標なのか、それとも国立公園の領域自体を広げていくという目標なのか。

自然環境局
 「自然環境の保全」と「自然環境の再生」とを一体的に進めるべきというというのはご指摘の通りである。「自然環境の再生」を個別に項目立てしているのは、自然再生推進法というボトムアップの制度ができており、その仕組みに基づいて1つ目標を立てているからである。自然の再生というものは、何もその仕組みに沿ったものばかりでないことはおっしゃる通りである。

井村部会長
 特に目標設定について厳しいご意見を頂いているところであるが、原課が作業する段階で今日のご指摘を反映させるよう、環境省内でも考えて頂きたい。

須藤委員長
 本日は各部局の幹部に出席頂いているが、この政策評価委員会での話し合いを、平成18年度の政策評価の実施に反映させて頂きたい。

(事務局より参考資料2、参考資料3の説明)



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