環境省
VOLUME.72
2019年8・9月号

エコジンインタビュー/ファッション界も、エコを意識することがトレンドのひとつになっています。/押切もえ

押切もえ

ファッションモデルとして大活躍。
多くの女性たちの憧れの存在となっている押切もえさん。
長年ファッション業界に身を置く中で感じるのは、
時代感覚に優れたファッション業界の人たちが最近、エコを意識しているということ。
そして昨年母となった押切さんも、未来のために、エコを実践中です。

 10代からファッションモデルとして活躍し、ファッションアイコンとして注目されてきた押切もえさんも、今や、一児の母。子どもと一緒に出かけることも増えて、外に出ると「空気が気になるようになった」のだと言います。
「公園に出かけても『ここは自動車の排気ガスの臭いが強いな』と思うことも。緑が多い場所に出かけた時は空気がおいしくて、緑を大切に残しているまちの人たちに感謝の気持ちが湧いてきます」

 小さい頃から外で遊ぶのが大好きだったという押切さん。弟と一緒にザリガニ釣りやクワガタ捕りをし、祖母がいる山形に行けば、アユが釣れる川で泳いだり、自然と触れ合って育ってきた経験から、緑がある景色を目にするとホッとするようです。
「ロンドンに行った時は、至る所に公園があって、ロンドンっ子たちが週末になると公園に出かけてくつろぐ習慣があることを知り素敵だなと思いました。飛行機で空からまちを眺めても緑がとても多いですよね。東京も都市の規模の割には緑が多いのかもしれませんが、気軽に行ける公園がもっとたくさんあるといいなと思います」

最近は『エコフレンドリー』や『サスティナブル』というキーワードをよく耳にするようになりました。

 ロンドンは、押切さんも愛用品が多いという、エコロジストとして名高いデザイナーのブランドが拠点としている場所。本物のファーを使わずエコファーを使うことはもちろん、レザーも人工的に環境に優しい素材でつくられたエコレザーを使うなど徹底し、それを「持続可能な社会の実現のため」とはっきり訴える製品を世に送り出し支持されています。

 これまで美しさや斬新さなどが重要視されてきたファッション業界においても、最近はエコがキーワードのひとつとなっているようだと、押切さんは捉えています。
「今、私が着ている黄色のワンピースは日本のブランドのものですが、そのブランドでも廃材や余った生地を利用してファッショングッズをつくっています。最近はファッション業界でも『エコフレンドリー』や『サスティナブル』であることが注目されていて、この春に開催された東京コレクションでも、その流れが顕著に表れているように感じました。スタイリッシュで着ていて心地良い素材が環境にも優しい素材だったなど、エコであることとファッションを楽しむことが両立できるものが増えているように思います」

「素敵だ」と思って選んだものが、エコであるなら申し分のないこと。またそれがきっかけとなって、自分の身の回りのものが世界や未来の環境にどう影響を与えるのかを知り、知ったうえでさらに環境に良いものを選ぶことができるようになれば、未来は明るいかもしれません。
「まずは興味を持てることや、暮らしの中で気軽にできることからエコをはじめれば、自然と関心を寄せていくようになるのではないでしょうか。私も『環境に優しいことをしなくては』と気負うのではなく、好きなところから実践しています」

 そんな押切さんの最近のお気に入りは、蜜蝋を使ったラップ。岐阜県で採取した蜜蝋をオーガニックコットンに染み込ませてつくられており、食材や器に何度でもくっついて、鮮度も保ってくれる優れモノです。
「天然の色付けがされているのでかわいらしくて、使うたびに愛着が湧いてきますし、これがあればラップを使い捨てる申し訳なさからも解放されます!」

 素敵だと感じたものがエコ製品だったり、エコなものを選ぶことがカッコイイことにつながっていたり。我慢するエコから、楽しむエコへ、時代が変化してきていることを押切さんは教えてくれました。

profile

押切もえ

千葉県出身。10代からファッション誌でモデルを始め、その後『CanCam』の専属モデルに。モデル業のほか、2013年には『浅き夢見し』で小説家としてデビュー。2作目となる『永遠とは違う一日』は山本周五郎賞にノミネートされた。二科展絵画部門にも入選するなど、現在は芸術分野も含め多彩に活躍中。

PRESENT

押切もえさんのサイン入り写真を、エコジン・アンケートにご協力いただいた方の中から抽選で1名にプレゼントします。

押切もえさんのサイン入り写真

写真/千倉志野

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