環境省
VOLUME.75
2020年2月・3月号

住まいの悩みは省エネルギー住宅で解決!

「省エネルギー住宅」とは、建物の断熱性や気密性を高め、
エネルギー効率の良い設備機器を取り入れた住宅のこと。暮らしに使うエネルギーを節約できるだけでなく、
健康で快適な暮らしを実現できる「住む人にやさしい住宅」として注目されています。

Q1 住む人にやさしい住宅ってどんな住宅?/A 夏も冬も快適に過ごせて、水道光熱費が抑えられる

 住まいの悩みとして「冷暖房の効きを良くしたい」「冬、窓の結露を防ぎたい」「カビの発生を抑えたい」といった声がよく聞かれます。また、月々の光熱費や水道代も気になるところ。住まいを決めるときには、価格や立地、間取りなどが重視される傾向にありますが、住み始めてみると、室内環境の快適さや家計への影響が満足度に関わってきます。

Q2 省エネルギー住宅はなぜ住む人にやさしいの?/A 高断熱・高気密な建物と高効率な設備がポイント

一般的な住宅の熱が出入りする割合の例/出典:一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会「省エネ建材で、快適な家、健康的な家」より作成 冷暖房の効きや結露などの問題は、家の中と外の熱を伝えにくく(断熱)することによって改善されます。一般の住宅では、家の中で冷暖房を使っても、窓や壁などから熱が出入りしています。省エネルギー住宅は、建物の断熱性や気密性が高いため、少ないエネルギーでも室温が快適に保たれます。また、冷暖房や照明などはエネルギー使用量を削減できる高効率のものが導入されているため、光熱費を節約できます。

一般的な住宅の熱が出入りする割合の例/出典:一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会「省エネ建材で、快適な家、健康的な家」より作成

Q3 省エネルギー住宅はなぜ必要なの?/A 地球温暖化の原因となるCO2排出量を減らすため

省エネルギー基準別の年間冷暖房エネルギー消費量 国は、住宅の省エネルギーに関する基準を定めており、年を追うごとに強化が図られています。1980年基準の住宅を1999年基準に改築することで、冷暖房によるエネルギー消費量を35%削減することが期待できます。住まいにおけるCO2排出量の1/4は冷暖房によるもので、冷暖房の省エネルギー化は住まいのCO2排出量削減のために極めて重要です。

※ 環境省「平成29年度 家庭部門のCO2 排出実態統計調査 調査の結果(確報値)の概要」(平成31年3月)による

省エネルギー基準別の年間冷暖房エネルギー消費量

<注目>これからの省エネルギー住宅(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、通称「ゼッチ」)ZEH(ゼッチ)

 ZEHとは、住宅の高断熱化・高気密化と高効率設備の利用で、使うエネルギーを減らすだけでなく、太陽光発電などによってエネルギーをつくりだすことで、年間に消費する正味エネルギー量をおおむねゼロにする住宅のことです。政府は2020年までに新築注文戸建住宅の半数以上がZEHになることを目指しています。

Q4 省エネルギー住宅は初期費用が高そう…/A 将来の光熱費はお得に。未来の家族や家計、地球にやさしい投資

 省エネルギー住宅への買い替えや、省エネリフォームは、国や自治体による補助金や減税措置を受けられる制度があります。制度の概要や申請期間などは、各省庁(環境省、経済産業省、国土交通省など)や自治体、関連団体のホームページに掲載されます。賢く活用して、住まいの困りごとを解決し、快適で地球にやさしい生活を始めましょう。

イラスト/祖敷大輔

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