課題名

A-10 衛星データを利用したオゾン層変動の機構解明に関する研究

課題代表者名

中島英彰(独立行政法人国立環境研究所成層圏オゾン層変動研究プロジェクト 衛星観測研究チーム)

研究期間

平成13−15年度

合計予算額

282,300千円(うち15年度 92,590千円)

研究体制

(1)衛星観測スペクトルデータからの微量気体高度分布導出手法に関する研究

(環境省独立行政法人国立環境研究所、文部科学省統計数理研究所、東京大学)

(2)大気微量気体のリモートセンシングのための分光データ精密化に関する研究

 ゝ杣線パラメータの温度依存性に関する実験研究(国土交通省気象庁気象研究所)

 吸収線パラメータの実験的決定とその信頼性評価の研究

(経済産業省独立行政法人産業技術総合研究所)

(3)衛星データ検証のための極成層圏雲・地上観測データの特性評価

(総務省独立行政法人通信総合研究所、奈良女子大学、福岡大学、東北大学)

(4)衛星データ等を利用した科学的解析とデータ質評価に係る研究

(環境省独立行政法人国立環境研究所、文部科学省国立極地研究所、東京大学、京都大学)

(5)3次元化学輸送モデルを用いたオゾン破壊量の定量化に関する研究

(環境省独立行政法人国立環境研究所)

(6)光化学ラグランジアンモデルと気球観測データを用いた極域成層圏化学に関する研究

(環境省独立行政法人国立環境研究所)

研究概要

1.序(研究背景等)

 1980年代初頭の南極オゾンホールの発見に端を発する国際的なオゾン層保護の動きの中で、1985 年には「オゾン層保護のためのウィーン条約」が採択された。その後1987年にはオゾンを破壊する 物質であるフロン等の生産量・消費量を国際的に規制するための具体的な行動を定める「モントリ オール議定書」が採択され、1989年1月に発効した。わが国でもこれらの国際的な動きを受けて、 「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(オゾン層保護法)」が1988年5月に制定・ 公布されている。このような流れを受けて、環境庁(当時)では1988年わが国独自のオゾン層観測衛 星センサーの開発・運用に取り込むことを決定し、1996年8月打ち上げのADEOS衛星搭載の大気環 境観測センサー・改良型大気周縁赤外分光計(ILAS)を開発した。また、2002年12月には、ADEOS の後継機であるADEOS-II衛星も打ち上げに成功し、搭載センサーである改良型大気周縁赤外分光計 II型(ILAS-II)は2003年4月から10月まで定常観測を行なった。また、上部対流圏以上の微量気体 成分の全球的モニタリングを目指して、2007年ごろ打上げ予定のGOSAT衛星搭載のセンサー・傾斜 軌道衛星搭載太陽掩蔽法フーリエ変換分光計(SOFIS)の開発が2003年当初まで進められていた。 そこで、本研究ではこれらわが国の観測衛星センサーによって得られたデータ、及び将来得られる であろうデータを用いて、特に極域オゾン層変動の物理・化学的メカニズムの解明と、その変動が 極域オゾン層に与える影響を定量的に把握することを全体の目標とした。

2.研究目的

 前述した、極域オゾン層変動の物理・化学的メカニズムの解明と、その変動が極域オゾン層に与 える影響を定量的に把握するために,今回の推進費課題では6つのサブテーマ(うち一っはEFFによ る国際共同研究)を構成し、それぞれのサブテーマごとに3年間の研究目的を設定した。 サブテーマ1では、ILAS及びILAS-IIデータ処理解析手法の改良を行うことを目的とした。そのた め、ILAS-IIの実観測データを利用して、気体・エアロゾル同時算出手法と硝酸塩素の導出手法の改 良研究を行うこととした。また、SOFISの気体・エアロゾル同時算出手法の高度化研究を行い、更 に各種センサーの複合利用により、オゾン導出などの高精度化の研究を行うことを目的とした。
 サブテーマ2,任蓮CO2の4.3μm帯を対象に、低温下における高分解吸収スペクトルを測定す る。CO2の吸収線パラメータの温度依存性を明らかにすることを目標にした.また2△任蓮CO2 に ついて、サブテーマ2,嚢圓錣譴深存海亡陲鼎、ヘルマン・ワーリス効果から決定される赤外吸収強度の信頼性を評価すし、さらにCOの吸収線形などを精密に決定する技術を開発することとし た。

サブテーマ3では、衛星・地上観測データを用いて、極成層圏雲の組成および時空間分布を推定 するとともに、小粒径粒子まで考慮にいれた粒子分布を地上観測データと比較することを目標とし た。また、地上分光観測データから微量気体の高度分布情報を求める解析手法を開発することを目 標とした。
 サブテーマ4では、ILAS-IIのデータ品質検証のための各種検証データの整備を行い、ILAS-IIの データが利用可能となった時点から迅速なILAS-IIデータ検証作業を実施することを目標とした。ま た、検証解析が行なわれて科学的な解析のために利用可能となったILASやILAS-IIデータを用いて、オゾン層変動に関するさまざまな解析を行なうことを目標とした。
 サブテーマ5では、CTMを用いた化学輸送計算を行って、極渦生成から崩壊までの期間のオゾ ンなど化学微量成分分布の計算を行うこととした。そのため、ILASデータとモデルとの比較を行い、 化学過程と輸送過程に関するCTMの改良を行うこととした。
 サブテーマ6では、光化学ラグランジアンモデルの出力と検証実験データとの比較から、実際に 成層圏で起こっていたと考えられる極成層圏雲の生成・消滅過程を明らかにすることを目標とし た。

3.研究の内容・成果

(1)衛星観測スペクトルデータからの微量気体高度分布導出手法に関する研究
 衛星観測スペクトルデータから微量気体量を導出するための手法(アルゴリズム)を高度化する ための研究を行った。ILASの観測データの処理解析手法の改良並びに実証を実施し、これまで導出 していた微量成分のほかにN2O5とClONO2を新たに研究用導出対象気体とすることに成功した。こ れらの導出結果(オゾン等の標準導出対象気体も含む)は検証用第6.0版データとして国内外の登録 研究者に対して提供されている。また、ILAS-兇亮卒兮データに基づいて、導出手法の高精度化 を行った。ILASとILAS-IIの観測データを対象として、微量気体とエアロゾルの同時算出手法について検討し、新たな手法を開発した。更に、次世代センサーのデータ処理に必要な新たなマイクロ ウィンドウの選択、及び雲・エアロゾルの影響を考慮した導出手法の開発研究を進め、情報理論に 基づく新たなマイクロウィンドウの選定基準を提案した。また、赤外波長帯の分光観測による複数 の衛星センサデータの複合的な利用によるオゾン等微量成分の観測精度に関する研究を実施した。

(2)大気微量気体のリモートセンシングのための分光データ精密化に関する研究
 ゝ杣線パラメータの温度依存性に関する実験研究
 ILAS-IIには、赤外領域の3μmから5.7μmを観測する検知器(チャンネル2)が新たに搭載さ れている。チャンネル2のデータと6.21μmから11.76μmを観測する従来の検知器(チャンネル1)によるデータと併せた解析により、微量気体の高度分布に対して、より高精度な解析が期待されている。このためには、チャンネル2に吸収を持つ微量気体の吸収帯を形成する吸収線 の吸収特性に関する正確な知識が必要となる。ILAS-IIの測定したスペクトルの解析に用いる 吸収線の強度や線幅などの吸収線パラメータの値が、微量気体の測定精度を決定する。近年の 大気微量気体の遠隔測定において要求される吸収線パラメータの精度は、線強度、半値半幅及 びその温度依存性について、それぞれ1%、2-3%及び5-10%程度と高精度であり、その要求精度 は年々高まっている。解析には米国で作成されている吸収線データベース(HITRAN)が用い られるが.チャンネル2領域のデータの検証作業は不十分である。このため、チャンネル2で 測定対象となる気体の吸収線パラメータの妥当性を検証し、またその温度依存性を解明する目 的で、線強度や半値半幅などのパラメータを低温下において精密に測定した。本研究で得られ た結果とHITRANデータベースの値及び他研究者による高分解能実験結果との比較を行い、デ ータベースの妥当性を検証した。測定対象吸収帯はN20の3.9μm帯(2v1帯)、4.1μm帯(v1+2v2 帯)及び4.5μm帯(v3帯)、CO2の4.3μm帯(v3帯)、CH4の3.3μm帯(v3帯)である。本研究と 他サブテーマとは次の様な関連性がある。本研究は、ILAS-IIのデータ解析で用いる吸収線デ ータベースの妥当性を検証することで、サブテーマ(1)と密接に関連している。また、本研 究で検討課題となった点については、サブサブテーマ(2)△閥ζ韻埜Φ罎鮃圓辰拭
 吸収線パラメータの温度依存性を精密に測定するためには、各測定温度でのパラメータの決 定精度を充分に高める必要がある。このため、過去に取得された室温での吸収スペクトルから 決定されたパラメータの再検討を先ず行った。その結果N20とCH4の吸収帯については、従来 の解析結果に大きな問題は無かったが、CO2のv3帯については、非常に強い吸収線に重畳した 微弱な吸収線(強い吸収線との強度比は1-2%程度)の影響が、吸収帯の強度や分子の振動と回 転の相互作用の効果(Herman-Wallis因子)には無視できないことが分かった。微弱な吸収線 の考慮により、遷移双極子モーメントの決定精度が向上した。
 180Kと240Kにおいて、N20、CO2及びCH4の吸収スペクトルを測定した。N20とN2の衝突幅とN20 と02の衝突幅をそれぞれの温度に対して求めた。半値半幅の温度依存性は、温度のべき乗則で経験 的に表現される。本研究ではそのべき指数を、室温(296K),240K,180Kの3個の値から、重み付き 最小自乗法を用いて決定した。N20とN2の衝突幅とN20と02の衝突幅に対するべき指数は、実験誤 差の範囲内で一致していた。それらの値は0.65から0.85の範囲にあり、平均値は0.75付近にあった。 この平均値は半値半幅の理論から得られる値と良く一致している。べき指数はわずかな回転量子数 依存性を示したが、今後理論との比較検討が必要である。N20の2v1帯及びv3帯の低温下における遷 移双極子モーメントの大きさは、室温の値と1〜3%以内で一致する結果が得られた。CO2とN2の衝突 幅とCO2と02の衝突幅に対するべき指数は、前者の指数が後者のそれよりも0.05〜0.1大きな傾向を 示したが、回転量子数依存性はほぼ同様の傾向にあり、両者の指数は0.6から0.9の範囲にあった。 本研究の結果は、HITRANデータベースの基礎となっている理論計算の結果に非常に近い値であっ た。各温度の線強度から求めた遷移双極子モーメントの大きさは、室温で得られた値とほぼ同様の 値を示したが、分子の振動と回転の相互作用の効果を示すHerman-Wallis因子は、吸収帯の裾野の吸 収線(大きな回転量子数の吸収線)では相違が見られた。この相違について、実験温度や解析誤差 などの観点から検討中である。CH4のv3帯のスペクトルから、P枝とR枝の吸収線に対して、各温度 毎の線強度と半値半幅を求めた。1本の吸収線から構成されるR(0)やR(1)の半値半幅に対して得られ た本研究による温度依存性は、HITRANデータベースや他の高分解能実験結果よりも僅かに大きい傾向を示したが、今後測定温度の精度や誤差などを検討する必要がある。

吸収線パラメータの実験的決定とその信頼性評価の研究
  ILAS-IIなど人工衛星によるリモートセンシング観測によって得られるデータから、大気微量成分の 分布について有用なデータを抽出するためには、精密な分光データを実験室であらかじめ決定する 必要がある。われわれはこの課題に関して、サブサブテーマ2-1担当の気象研究所と共同で研究を行 った。

本サブテーマの課題は、以ドのとおりである。
・ 吸収強度の決定に関して、サブサブテーマ2-1で行われた実験と併せて、N20やCO2のヘルマン・ ワーリス効果及び赤外吸収強度の信頼性にかかわる問題点を明らかする。
・ また分子の吸収線形などを精密に決定する技術を開発し、半値半幅の吸収帯間相違を確認する。
・ 未だ確立していない不安定分子種の吸収強度の測定法を開発する。
本年度まで3年間の成果は以下のとおり。
・ N20やCO2等直線形分子の吸収線強度決定に必要な分配関数の算出方法を比較・評価した。
・ ヘルマン・ワーリス因子が見かけ上の温度依存性を示す原因を明らかにした。
・ N20、CO、HCl及びSO2の純回転遷移を用いて吸収線プロファイルの精密測定・解析手法を開発、 精度の確認を行った。
・ N20、CO、HCl及びSO2の振動基底状態の吸収線プロファイルから得られた半値半幅を赤外吸収 帯より得られたものと比較検討し吸収帯間変動が少ないことを確認した。
・ 吸収線の圧力幅係数の回転量子数依存性を表す経験式を新たに提唱した。

(3)衛星データ検証のための極成層圏雲・地上観測データの特性評価
 本サブテーマでは、分光観測データから大気微量気体高度分布の導出手法を改良・開発して微量 気体分布の変動を明らかにするとともに、衛星・気球・地上観測データを用いて極成層圏雲やその 微物理・化学過程の解明に寄与することを目標とする。得られた成果を列挙すると:。稗味腺單衛星 観測で得られた1996〜1997年南北極域微量成分データ・化学モデルから、成層圏オゾン過程で重要 な極成層圏雲(PSC)について解析した。PSC組成は1997年1月はSTS(硫酸・硝酸・水の3成分系液滴)、 同3月にはNAD、NAT(硝酸2、3水和塩)粒子である可能性が高いこと、PSC上の不均一化学反応によ るオゾン破壊率は他の解析結果より過小評価であることなどが明らかになった。▲▲薀好での地 上FTIR赤外分光器(65N)で2000〜2003年のオゾン・硝酸の観測に成功した。オゾンは他の観測値と 良く一致した。硝酸プロファイルの誤差は約20%以下であり、観測された約50%の季節変動が議論 できるデータと考えている。FTIR観測における高度分布解析手法の高精度化・装置関数(ILS)の 評価と補正効果について検討を行った。高度分布導出にはガスセル測定結果によるILS補正が重要 であること、ILS経年変化は無視できないこと、PhaseよりModulationの補正効果が大きいこと、光軸ずれは程度によってILS補正しきれないこと等がわかった。2003〜2004年のニーオルソン (79N、12E)での気球による直接観測・地上ライダー観測を通じて、26km以下の高度で半径0.056mm 以上のエアロゾルの代表的な粒径分布が詳細に測定された。PSCのない条件下でエアロゾルによる 後方散乱(532nm)半径0.056〜0.1μm粒子の寄与が数10%〜100%と大きく、く1μm帯の光学手法でエ アロゾル特性を求めるにはこの粒径領域の詳細な知見が重要である。ィ稗味腺-II検証オゾンゾンデ キャンペーン観測(2002年8月、アラスカ)を行い、上部対流圏・下部成層圏のオゾン変動を捉えた。 特に成層圏重力波によるオゾン変動の位相構造の観測が初めて捉えられた。重力波による水平移流 のオゾン変動への寄与は、鉛直移流と同等かそれ以上であることが示された。

(4)衛星データ等を利用した科学的解析とデータ質評価に係る研究
 。稗味腺咼弌璽献腑6.0のデータ質検証
最新のデータ処理アルゴリズムであるILASバージョン6.0により情報化された各種大気中混合比デ ータの質を評価するために、以下のデータ(検証データとよぶ)との比較を実施した。
・米国NASAのHALOEセンサからの03,CH4,H20
・環境省の資金的サポートによって実施された大気球観測により得られたNO2,HNO3,N20,ClONO2, CFC-12
・米国NASAのSAGEIIセンサからのエアロゾル消散係数 これらの検証データとの比較から、ILASバージョン6.0は、国際的に高い水準にあるJ.Geophys.Res. 誌上でデータ質評価がなされたバージョン5.20と同等のデータ質であることが確認できた。また、 バージョン6.0ではバージョン5.20の時点では提供されていなかったCFC-12とClONO2を新たに提供 できる体制が整った。これらは、オゾン、硝酸など既にデータ質の高さが認められている化学成分 とともに、成層圏の大気科学研究に資するデータとして、国内外の関連する研究者からも非常に高 く評価されたことは大きな成果である。
 ∨牟棒層圏の脱窒を引き起こすPSCsの形成過程
1997年1〜2月に北極の極渦内で得られたILASのHNO3データを用いて、北極の脱窒(オゾン破壊の 主要因となる極成層圏雲PSCの成長・重力落下で生じる窒素酸化物の除去過程)を引き起こすメカ ニズムを調べた。脱窒によるHNO3の除去量は、NAD(PSCの組成の1つ。硝酸二水和物)やNAT (同じくPSC組成の1つ。硝酸三水和物)からなる粒子の均一核形成を取り入れた微物理モデルを 開発し、これを用いて計算した。NATの均一核形成だけを考慮した場合、モデル計算値はILASの観 測値を過小評価した。しかしながら、NADの均一核形成が成層圏で起き、直ちに熱力学的に安定な NATに相変換されることを考慮すると、計算値と観測値の一致が大きく改善された。このことから、 NADの均一核形成が脱窒を引き起こすメカニズムの中で重要な役割を果たしていることが明らか になった。
 K牟砲砲けるオゾン破壊速度の年々変動に関する研究
1993/94年から1999/2000年に掛けての北極オゾン破壊速度とPSC出現可能性を定量的に調べた。PSC の出現可能性のパターンはオゾン破壊速度のパターンと良く一致していることが分かった。また、 PSCの増加がオゾン破壊速度に与える影響を評価した。良く知られるように温暖化気体の増加は成 層圏気温を放射的に低下させうる。成層圏気温の低下はPSCをより生成するポテンシャルがある。 観測的にPSCの出現の変化に対する北極オゾン破壊の応答の証拠が得られたことは、将来の気候変 動がオゾン層に及ぼす影響の知見を高める上で大きな貢献をした。
 に牟棒層圏最下層における窒素酸化物の挙動に関する研究
本研究では、人工衛星ILAS-気筍稗味腺-IIなどの窒素酸化物データのうち、近年注目されている極域成 層圏の最下層部の検証手法の検討と、それらの高度領域のデータを用いた解析によってどのような 情報が得られるかについての検討を行った。検討はアメリカNASAによって、1999年12月から2000 年3月にかけて北極成層圏で実施されたSOLVE航空機観測で得られた、成層圏最下層部、高度10-12.5 kmの観測データを用いて行った。この解析の結果、衛星観測・解析の指針として以下のことが明ら かとなった。
・ オゾン破壊に影響を与える窒素酸化物の再分配過程の研究においては、窒素酸化物と共に力学的 輸送の指標となるN20およびエアロゾルに関する情報(組成、粒径分布)が同時に必要である。ま た高度10km程度の低高度までのデータが必要である。また高度分解能1km以上かっ測定精度0.5 ppbv以上の時間的に密な観測が望ましい。
・ 窒素酸化物の再分配を考慮した3次元の化学輸送モデルによって、観測された成層圏最下層での 窒素酸化物の増大が再現された。ただし再現のためには、NAT生成条件(選択的なNAT粒子生成) をつけることが必要であった。この条件は過去のグローバルモデルの研究とも整合性がある一方、 実際に観測された値とは必ずしも一致していない。複数の粒径モードを扱ったモデルにより様々な 衛星観測の結果を整合的に説明できる条件を見出すことにより、オゾン破壊において重要な窒素酸 化物の脱窒・再分配過程が解明できる可能性が示された。
 ゼ命の長い大気微量成分分布を通してみた極域成層圏における下降流
ILASが観測した光化学的寿命の長い大気微量成分(N20,CH4)を用いて,1997年南半球初冬の鉛直流 を見積もった.N20によって見積もった高度約20-23kmにおける下降速度は2.1-1.7km/month(2 -6月平均)であった。4月以降,プラネタリー波動の活動性が活発になると,鉛直流は1-2週間の時 間スケールで変動する.波動活動性の指標であるE-Pフラックスの発散(DF)と温度変化について調 べたところ,鉛直流の変動はこれら力学場の変動と密接に関連していることがわかった.温度の時 間変化と高緯度下部成層圏における鉛直流変動の相関を調べると,それは10hPaと60S付近に節を持つような構造で正負の相関パターンを示した.これはちょうど突然昇温のメカニズムを説明する際 に用いられる波動にともなう温度変化と一致している、このようにILASデータにもとついて1-2 週間の短い時間スケールの鉛直流変動がはじめて明らかになり,さらにそれがプラネタリー波動の 活動性によって引き起こされていることがわかった.

 GPS掩蔽による温度データの特性と精度検証
 GPS掩蔽観測によりラジオゾンデと同等の測定精度かつ高度分解能で高度約35kmまでの温度プ ロファイルが得られる。これらはILAS-IIのデータ検証に大変有用であると同時に、対流圏・成層圏 の温度構造の解析、および温度擾乱のグローバル特性を解明する研究に活用できる。

 (5)3次元化学輸送モデルを用いたオゾン破壊量の定量化に関する研究
 極渦内外の空気の輸送量を解析するために、時間閾値解析法(TTD)という解析法を開発した。1996 年から97年にかけての冬季北半球下部成層圏において多数の仮想大気塊の軌跡をECMWFデータの 風速データを用いて計算し、TTDにより、等価緯度面を南北に通過する輸送量を調べた。南北合計 輸送量は極渦の縁と判定される等価緯度で極小となった。輸送量の時間変化を見ると、1996年末か ら徐々に極渦は孤立性を高め、1997年3月に一番孤立性が高かった。1997年4月から5月にかけて孤 立性は弱まり極渦の崩壊を説明した。
 CCSR/NIESナッジング化学輸送モデルを開発し、このモデルを用いて1997年の北極渦崩壊後の N20とオゾンの変動を計算した。この化学輸送モデルによる計算結果は、ILASによるN20やオゾン 濃度の観測データとよく一致した。すなわち、下部成層圏では、北極渦崩壊前の極渦内でN20は低 濃度、極渦外での高濃度という明瞭な濃度差を再現し、また、極渦崩壊後は、極渦起源の低濃度N20 空気塊の、まわりの高濃度N20空気との混合過程を明らかにした。さらに、下部成層圏のオゾン濃度について調べた結果、春季の極域および北半球中緯度のオゾン濃度は、冬季の北極渦内で起こる 不均一反応によるオゾン破壊のみならず、その後のNOxによるオゾン破壊過程とそれらの輸送効果 が複雑に関与していることがわかった。
 北極域でのオゾン破壊量についての化学輸送モデルを用いた推定を行った。1996年12月1日から 1997年6月1日まで、化学輸送モデルを用いたオゾン濃度分布の計算を行った。さらに、この化学輸 送モデルにおいて、オゾン濃度の化学反応による変化を全く無視したいわゆるオゾンのトレーサー 実験を行って、両者のオゾン濃度の差から、オゾンの化学破壊量を見積もった。その結果、北極渦 内に相当する等価緯度の北緯70度以北では、1997年冬季の化学オゾン破壊量は2月下旬から4月上旬 にかけて急増したことがわかった。一方では、TTD法による空気粒子の移動を追跡する解析によっ て、この時期は北極渦発達後、空気の極渦内外輸送量が極端に少なかった時期と判定された。以上 の解析結果から、1997年の2月下旬から4月上旬にかけて極渦内外の空気の交換量が非常に少なくな り、それに伴い中緯度から北極域への熱の輸送量も減り、北極域の気温が下がり、極成層圏雲が発 生し、その上で起こる不均一反応および大粒径極成層圏雲の重力落下による成層圏空気の脱窒によ って、オゾン破壊が急速に進んだものと考えられる。

 (6)光化学ラグランジアンモデルと気球観測データを用いた極域成層圏化学に関する研究
 本研究は、極地方におけるオゾン破壊メカニズムの解明を目的としている。極成層圏雲(Polar Stratospheric Clouds;PSC)は、不活性ハロゲン・リザーバー物質を、オゾンを破壊するラジカルに 変換する事から、この極域でのオゾン破壊に決定的役割を果たしていると考えられている。同時 に、PSCは硝酸を含有する雲の粒子の沈降によって、成層圏における窒素酸化物の主要なリザーバ ーであるHNO3を取り除くこと(脱硝)が判っている。現時点で、このPSCの役割がはっきりと証明 されたとしても、PSC形成過程の詳細は未だ不明な点が多い。オゾン層破壊の発生を将来的にモデ ル等で正確に予測するためには、このPSC形成過程を正確に定量的に推定することが重要である。 そこで、ここでは我々が開発したPSCの生成・消滅の微物理過程を取り込んだ光化学ラグランジアン モデルMiPLaSMOを用いた、衛星搭載分光計ILASによるHNO3観測結果との比較解析に主眼を置い た。これによって、PSCの形成と成長、さらにPSCの脱硝に対する影響についての情報も、同様に 取得することが可能になる。このため、ILASによる少なくとも2回の観測空気塊の化学的特性の変 化を、マッチ解析手法を用いて調べた。南北両半球でそれぞれ17ケースのマッチペアーについて解析を行った。その結果、PSCの形成にあたって使用した気象データから得られた温度にバイアスの あるケースが存在すること、南極域でのPSCの形成は、ほぼ現在考えられているシナリオで説明できそうなこと、北極域でのPSCの形成メカニズムには、まだ不明な点が多いことなどが判った。ま た、南極域で、大粒径の硝酸三水和物粒子からなるPSCの存在も示唆された。

4.考察

 各サブテーマの3年間の研究は、おおよそ順調に遂行することが出来た。各サブテーマにつ いて、以下に主な成果及び今後の研究に残された課題について述べる。
 サブテーマ1の研究については、当初計画になかったこととして、これまで導出していた微 量成分のほかにN205とClONO2を新たに研究用導出対象気体とすることに成功した。気体・エアロ ゾルの同時算出手法の有効性を数値シミュレーションとILASの観測データへの適用結果により示 した。また、SOFISのデータ処理に必要なマイクロウィンドウの選択等導出手法の高度化につ いては、ほぼ計画どおりに研究を遂行することが出来た。更に、鉛直分解能、水平分解能、気 体の鉛直積算量のそれぞれにおいて優れる複数センサのデータを組み合わせることは、オゾンなど の立体的な空間分布を求める上で極めて有効であることを、実際のデータ解析結果に基づいて示し た。
 サブテーマ2,亡悗靴討蓮■稗味腺-IIの解析に用いる吸収線パラメータについて、吸収線データ ベースの妥当性を検証し、その温度依存性を解明した。その結果、ILAS-IIのチャンネル2に存在す るN20の3.9μm帯、4.1μm帯、4.5μm帯、CO2の4.3μm帯,CH4の3.3μm帯に対するHITRANデータベー スの吸収線パラメータは、ほぼ妥当性であることが確認された。室温下や低温下で求められた線強 度から計算した遷移双極子モーメントの2乗は、室温下の値と低温下の値は実験誤差の範囲内で一 致したが、吸収帯の裾野領域に存在する吸収線に対して、遷移双極子モーメントの2乗に僅かに温 度依存性を示す傾向が見られた。この傾向が、解析で現れたみかけの傾向なのかを判断するために、 温度の測定誤差や解析誤差などの観点から再検討する必要がある。また吸収量が大きく試料圧力が 大きい条件下では、CO2やCH4に対して、本研究で決定したパラメータを用いた理論計算スペクトル と測定スペクトル間に差異が見られた。この差異の原因解明のために、今後吸収線形や吸収線ミキ シングに関する理論的・実験的研究が必要である。
 またサブテーマ2△亡悗靴討蓮■沖,嚢圓錣譴深存海畔擦擦董N20やCO2のヘルマン・ワー リス効果及び赤外吸収強度の信頼性にかかわる問題点を明らかにするために、分子の吸収線形など を精密に決定する技術を開発し、半値半幅の吸収帯間相違を確認することをもくろんだ。その結果、 今年度は新たに、吸収線の圧力幅係数の回転量子数依存性を表す経験式として有理式展開(Pade Approximant)を提唱し、論文発表することが出来た。また計画外ではあったが、N20、CO及びHClの純回転遷移を用いて吸収線プロファイルの精密決定手法を開発、精度の確認を行い論文発表する ことが出来た。
 サブテーマ3に関しては、地上設置の赤外分光計(FTIR)装置を用いた大気微量成分の導出 について、新たに導入した新たなインバージョン手法の処理結果の精度について検討を行っ た。その結果、装置関数の与え方が、解析結果に重要な影響を及ぼすことが判った。また、 ILAS-IIの検証を目指して、FTIR観測データの準リアルタイム処理システムの開発を行った。 さらに、こうしたオゾンや関連物質の変動に大気中で重要な役割をもつ極成層圏雲のILASデ ータと、高緯度におけるライダー・OPC観測データとの比較を行ったところ、バックグラウ ンドエアロゾルでは1μmより短い波長領域の直接観測データの蓄積が重要であることが示唆され た。
 サブテーマ4に関しては、ILAS Version 5.20の検証解析を完了させ、結果を米国地球物理 学会誌の特別セクション(Journal of Geophysica1 Research,ILAS Special Section,Vol.107,No.D24,December,2002.)に14本の論文として公表することが出来た。また、ILAS-IIデータ解析 のための様々なツールの整備を行った。具体的には、非断熱冷却・加熱を取り込んだ流跡線 解析ツール、LEO衛星データによる成層圏気温の統計的解析手法、等である。また、極渦内 の鉛直流の見積もりとその解釈も行った。その結果、1997年1〜3月に北極域で起こったオゾ ン破壊量のより精密な見積もりを行なうことに成功した。また、そのとき重要となるPSCの 出現頻度や、そのタイプ識別を行なうことに成功した。また、オゾン破壊に重要な働きをす る、脱窒量について定量的な見積もりを行なうことに成功した。さらに、光化学的寿命の長 い大気微量成分を用いて、極渦内の下降速度を定量的に見積もることに成功した。
 サブテーマ5に関しては、局所的なオゾンの化学破壊と、オゾン及びオゾン破壊をもたら す物質の輸送過程との複雑な相互作用によって生じる極域オゾン破壊メカニズムを解明する ために開発した化学輸送モデルを用い、トレーサーとみなされるN20の挙動とILASデータと の比較を行った結果、良い一致を見た。また、北極域でのオゾン破壊の様子や、極渦の孤立 性についても解析を行い、モデルと観測との間によい一致を得ることが出来た。
サブテーマ6に関しては、ILASによって複数回観測された空気塊を南北両半球それぞれ17 ケース抽出し、その空気塊について光化学ラグランジアンモデルランを行った。その結果、 南極域でのPSCの形成は、ほぼ現在考えられているシナリオで説明できそうなことが明らかとなっ た。しかし、北極域でのPSCの形成メカニズムには、まだ不明な点が多いことも同時に判った。さ らに、南極域で大粒径の硝酸三水和物粒子からなるPSC(rock-NAT)の存在も示唆された。

5.研究者略歴

課題代表者:課題代表者: 中島英彰
   1963年生まれ、東北大学大学院理学研究科博士課程修了、理学博士、現在独立行政法人
     国立環境研究所成層圏オゾン層変動研究プロジェクト衛星観測研究チーム総合研究官

   主要論文:
   1. Nakajima, H., M. Suzuki, A. Matsuzaki, T. Ishigaki, K. Waragai, Y. Mogi, N. Kimura, N.
    Araki, T. Yokota, H. Kanzawa, T. Sugita, and Y. Sasano, Characteristics and performance
    of the Improved Limb Atmospheric Spectrometer (ILAS) in orbit, J. Geophys. Res., 107,
    8213, doi: 10.1029/2001JD001439, 2002.
   2. Nakajima, H., M. Suzuki, T. Yokota, T. Sugita, Y. Itou, M. Kaji, N. Araki, K. Waragai, H.
    Yamashita, H. Kanzawa, and Y. Sasano, Tangent height registration for the solar occultation
    satellite sensor ILAS: A new technique for Version 5.20 products, J. Geophys. Res., 107,
     8215, doi: 10.1029/2001JD000607,2002.
   3. Nakajima, H., X. Liu, I. Murata, Y. Kondo, F. J. Murcray, M. Koike, Y. Zhao, and H. Nakane,
    Retrieval of vertical profiles of ozone from high-resolution infrared solar spectra at Rikubetsu,
     Japan, J. Geophys. Res., 102, 29,981-29,990, 1997.

主要参画研究者
サブテーマ代表者
(1) :横田達也
   1956年生まれ、東京大学大学院工学系研究科修了、工学博士、現在独立行政法人国立環境
    研究所社会環境システム研究領域情報解析研究室長
  主要論文:
  1. Yokota, T., H. Nakajima, T. Sugita, H. Tsubaki, Y. Itou, Y. Kaji, M. Suzuki, H. Kanzawa,
   J. H. Park, and Y. Sasano, Improved Limb Atmospheric Spectrometer (ILAS) data retrieval
   algorithm for Version 5.20 gas profile products, J. Geophys. Res., 107, 8216, doi:
   10.1029/2001JD000628,2002.
  2. T. Yokota, et al., "ILAS(Improved Limb Atmospheric Spectrometer)/ADEOS data retrieval
   algorithms", Adv. Space Res., 21, 393-396, 1998. ,

  3.横田達也・藤村貞夫・豊田弘道、「熱赤外遠隔計測データからの温度推定モデル」、
    計測自動制御学会論文集,22(10),1087-1093,1986.

(2):深堀正志
  1955年生まれ、東北大学大学院博士課程修了理学博士、現在国土交通省気象庁気象研
    究所物理気象研究部第三研究室長

  主要論文:
  1.Fukabori, M., T.Aoki, T.Watanabe, Measurements of the line strengths, N2-, and
    O2-broadened half-widths in the 2v2+ v3 band of 14N216O at room temperature,
    J. Spectrosc. Soc. Japan, 53, 80-86, 2004.
  2. Fukabori, M., T.Aoki, T.Watanabe, Line strengths, N2-, and O2-broadened half-wi
    dths in the v1+ v3 band of 14N216O at room temperature, Atmos. Oceanic Opt.,
    16, 193-198, 2003.
  3. Fukabori, M., Ta.Aoki, Te.Aoki, H.Ishida, and T.Watanabe, Line Parameter M
    easurements of Trace Gases in the Near Infrared Region, Adv. Space Res.,
    25, 985-988, 2000.
  ◆Щ嚇長粍
  1945生まれ、東京大学大学院理学系研究科卒業、ドイツ・キール大学博士研究員、ドイツ・
    ギーセン大学助手、理化学研究所嘱託研究員、ドイツ・ケルン大学助手、工業技術院
   産業技術融合領域研究所主任研究員、現在、独立法人産業技術総合研究所主任研究員、
   環境分子科学研究グループ長

  主要論文:
  1.Morino,I.andK.M.T.Yamada, Journal of Molecular Spectroscopy, Vol. 219, 282-289, 2003.
  2.Yamada,K.M.T.andH. Abe, Journal of Molecular Spectroscopy, Vol. 217, 87-92, 2003.
  3.Fabian,M.andK.M.T.
Yamada, Journal of Molecular Spectroscopy, Vol. 198, 102-109,1999.
(3):村山泰啓

  1964年生まれ、博士(工学)、京都大学大学院博士課程修了、現在独立行政法人通信総合研
   究所 電磁波計測部門 北極域国際共同研究グループ グループ長

  主要論文:
  1.Murayama, Y., T. Tsuda, R. Wilson, H. Nakane, S. A. Hayashida, N. Sugimoto,
    I. Matsui, Y. Sasano, Gravity wave activity in the upper stratosphere and lowe
    r mesosphere observed with the Rayleigh lidar at Tsukuba, Japan, Geophys. Res.
    Lett., 21, 1539-1542, 1994.
  2.Murayama, Y., T. Tsuda, and S. Fukao, Seasonal variation of gravity wave activ
    ity in the lower atmosphere, J. Geophys. Res., 99, 23,057-23,069, 1994.
  3.Mizutani, K., T. Itabe, M. Yasui, Y. Murayama, and R. Collins, Rayleigh and R
    ayleigh Doppler lidars for the observations of the arctic middle atmosphere, IEI
    CE Trans., E83-B, 2004-2009, 2000.
(4):杉田考史
  1969年生まれ、名古屋大学大学院理学研究科博士課程修了、理学博士、現在独立行政法人
    国立環境研究所成層圏オゾン変動研究プロジェクト主任研究員
  主要論文:
  1. Sugita, T., T. Yokota, H. Nakajima, H. Kanzawa, H. Nakane, H. Gernandt, V. Yushkov,
    Shibasaki, T. Deshler, Y. Kondo, S. Godin, F. Goutail, J.-P. Pommereau, C. Camy-Peyret,
    S. Payan, P. Jeseck, J-B. Renard, H. Bosch, R. Fitzenberger, K. Pfeilsticker, M. Von Konig,
    H. Bremer, H. Kullmann, H. Schlager, J. J. Margitan, B. Stachnik, G. C. Toon, K. Jucks, W.
    A. Traub, D. G. Johnson, I. Murata, H. Fukunishi, and Y. Sasano, Validation of ozone
    measurements from the Improved Limb Atmospheric Spectrometer (ILAS), J. Geophys.
    Res., 107, 8212, doi: 10.1029/2001JD000602, 2002.
  
2. Sugita, T., Y. Kondo, H. Nakajima, U. Schmidt, A. Engel, H. Oelhaf, G. Wetzel, M. Koike,
    and P.A. Newman, Denitrification observed inside the Arctic vortex in February 1995, J.
    Geophys. Res., 103, 16,221-16,233, 1998.

(5):中島英彰(課題代表者に同じ)
(6):Emmanuel Riviere(EFF)
  1973年生れ、 Laboratorie de Physique et de Chimie de l'Environnment, Orleans, France博士課程
    修了、理学博士、2001.10-2002.10までEco Frontier Fellow
  主要論文:

  1. Riviere, E. D ., Y. Terao, and H. Nakajima, A Lagrangian method to study stratospheric
    nitric acid variations in the polar regions as measured by the Improved Limb Atmospheric
    Spectrometer, J. Geophys. Res., 108, 4318, doi: 1 0. 1 029/2003JD003718, 2003.
   2. Riviere, E. D , M. Pirre, G. Berthet, J. -B. Renard, F. G. Taupin, N. Huret, M. Chartier, B.
    Knudsen, and F. Lefevre, On the interaction between nitrogen and halogen species in the
    Arctic polar vortex during THESEO and THESEO 2000, J. Geophys. Res., 108, 8311, doi:
    10.1029/2002JD002087, 2003.
   3. Riviere, E. D , N. Huret, F. G.-Taupin, J.-B. Renard, M. Pirre, S. D. Eckermann, N. Larsen,
    T. Deshler, F. Lefevre, S. Payan, and C. Camy-Peyret, Role of lee waves in the formation
    of solid polar stratospheric clouds: Case studies from February 1997, J. Geophys. Res., 105,
    6845-6853, 2000.