環境省地球環境・国際環境協力カーボン・オフセットカーボン・オフセットのあり方に関する検討会

カーボン・オフセットのあり方に関する検討会(第3回)議事録

平成19年10月31日(水)
於・虎ノ門パストラル 新館5階 ミモザ

開会
議事
  (1)「米国(加州)におけるカーボン・オフセットの現状等について
     【資料1〜資料2、参考資料1】
  (2)我が国におけるカーボン・オフセットの論点について
     【資料3〜資料4】
閉会

開会

○高橋室長 皆様、お待たせいたしました。定刻となりましたので、ただいまから第3回カーボン・オフセットのあり方に関する検討会を開催させていただきます。
 本日は、一方井委員がちょっとおくれていらっしゃるということでございます。信時委員は御都合がつかず欠席となっております。
 それでは、今後の進行につきましては新美座長にお願い申し上げます。

○新美座長 それではまず、議事に入る前に事務局から資料について御確認をいただきたいと思います。

○事務局(平塚) それでは、お手元の資料について御確認させていただきます。
 1枚目として本日の議事次第が用意してございます。続きまして資料1「米国(加州)におけるカーボン・オフセットの現状」、続きまして資料2「VER(Verified Emission Reduction)認証機関・方法の概要」、続きまして資料3「カーボン・オフセット関連事業を実施している、又は実施を検討している我が国の事業者へのヒアリング結果概要」、続きまして資料4として「我が国におけるカーボン・オフセットのあり方について(指針)(パブリックコメント骨子案)」を用意してございます。最後に、参考資料1として「オーストラリアの連邦政府及び州政府の気候変動に関する政策動向について」、という資料を用意してございます。過不足等ございましたら御指摘いただければと思います。

○新美座長 それでは、資料の方はそろっておりますでしょうか。

議事
(1)「米国(加州)におけるカーボン・オフセットの現状等について
  【資料1〜資料2、参考資料1】

○新美座長 それでは、早速、議事に入りたいと思います。資料1に基づいて、アメリカにおける現状等について説明を事務局の方からしていただきたいと思います。それではよろしくお願いします。

○事務局(小沼) 資料1について御説明させていただきます。
 今月前半に、米国におけるカーボン・オフセットの現状を現地調査に参りまして、資料1の9社9機関にヒアリングをしてまいりました。
 まず、カリフォルニア州政府ARBという、通称CARBと呼ばれる機関、こちらは最近、気候変動担当部局を設立しまして、カリフォルニア州地球温暖化対策法(AB32)と呼ばれる法案を設定後、キャップ&トレードを2012年に導入し随時運営していくために、準備を進めている機関でございます。
 次に、California Climate Action Registry(CCAR)という機関でございまして、こちらはカリフォルニア州が設立したNGOで、現在300企業、団体等が登録しております。こちらは参加企業のGHGの測定の統一化を図ることを目的にしており、将来的には取引をする準備をしております。こちらでも方法論を現在策定しております。
 次に、Green−e認証を実施しているCenter for Resource Solutionsという機関に参りました。こちらは、これまでは再生可能エネルギーの認証を行ってきましたが、今年度から来年にかけて、オフセット商品へのスタンプ、つまり認証も行う予定でございます。
 次にBlue Sourceという会社で、こちらはオフセット・プロバイダーでございます。特に大企業のみを対象にしており、CCS:CO2地中貯蔵などを特に得意としております。
 次にプロバイダーのTerraPass、こちらはウェブサイト上で個人向けのオフセット商品を提供しているプロバイダーでございます。
 次にBeveridge&Diamondという弁護士事務所ですが、こちらが大きなプロバイダーのコーリションを立ち上げて、政府にロビーイングをしております。
 次に2ページ目に参りまして、Live Neautralという会社、こちらはCCXのメンバー会社なんですけれども、オフセット商品も提供していますが、その他、ほかの企業へのコンサルティングなども行っている会社です。
 次にEcosystem Marketplaceという会社で、こちらは調査会社で、ボランタリー市場について特に大規模な調査を行って、毎年報告をしている会社です。
 同じく、Business for Social Responsibility(BSR)という会社も調査機関ですけれども、こちらはCSRなど幅広い企業との活動を行っておりまして、海外の大企業1000社との関係を持っている会社です。
 以上がヒアリング先でございます。
 次に、2番目にVER市場について。先に述べましたEcosystem Marketplaceが実施した調査によりますと、現在、表1に示す調査を行いました。対象としているのが、主に半数以上がアメリカの企業ですが、欧州などにもヒアリングを通じた結果が、2006年のオフセット市場の規模を推計結果でございます。2006年は2370万トン程度がボランタリー市場の合計であろうと言われているんですが、ヒアリングでは、ことしはこれの倍に既に到達しているということで、規模は拡大しているということでございます。
 次に3ページに参りまして、市場拡大の背景として、市民レベルのものと企業レベルのものがございます。市民レベルでは、先ほどのプロバイダー数社による活動等々が特に目立っているんですが、特にウェブサイト上で商品を提供するのが主なものでございます。プロバイダーからいただいたんですが、こちらのような商品を、例えばこれはフライトのオフセットした場合にいただける商品とか、こういう車にオフセットしたときに張る商品など、ウェブサイト上でオフセット商品を買った方に郵送して、これを張ってもらうという活動が主です。
 次に、企業側としては、キャップ&トレードを意識したような準備の段階に入っておりまして、大規模産業である電力とか石油会社は、キャップ&トレードの導入の準備をしている段階です。特に、そういう対象にならないであろうスターバックスやGoogleといった企業はPRのためにオフセットを活用している。そのほか自動車会社にとっては、オフセットすることはエネルギー効率向上というビジネス戦略にもつながるので、そういうことに取り組んでいくという感じです。企業が顧客向けにオフセット商品を提供するというツールもございまして、例えばHSBCオンラインバンキングといったような商品提供の仕方も普及してきております。
 (3)に参ります。オフセット・プロバイダーの概要として、先ほど述べましたウェブサイト上のTerraPassやCarbon Fundといった幾つかのプロバイダーがございまして、そちらのシェアが大半と言われています。ほかに50件程度のウェブサイトがありますが、それはすごく小さな割合であろうと。
 このほかに、CDMの分野でも活躍しているMGM Internationalといった企業もオフセットに取り組んでいます。
 プロジェクトのタイプでございますが、個人向けの場合は、個人にわかりやすい商品が重要のようで、風力やバイオマスといった消費者が何となく理解できるようなものになっています。
 一方、企業にとってみれば、企業の活動と多少関連したような炭鉱メタンやCCSなどもアメリカでは普及しております。
 4ページに参ります。VERの認証についてなんですが、米国では現在方法論を策定している段階でございまして、CDMでも、同じような追加性や追跡システム(Tracking System)、あとオフセット商品を購入する消費者への保護の対策が進んでいます。
 まず連邦レベルでは、USEPA(環境保護庁)がクライメートリーダーズというプログラムを立ち上げております。こちらで方法論を今開発しておりまして、今年中には最終版が完成する予定です。
 次に、カリフォルニア州の活動としては、先に述べましたCCARというレジストリが現在、植林プロトコルのパブリックヒアリングを行っておりまして、こちらでも今年中にはクレジットが生成され、来年には取引の準備に入れるかもしれないという話がありました。
 次に、同じくCCARのGHGレジストリと、あとはERTと呼ばれるEnvironmental Resources trustが開発したGHG Registryと、先に述べましたCCARがアメリカでは主要なレジストリであると言われています。
 あと資料2で後で述べますが、IETAが開発しているVoluntary carbon Standardというものへの期待が随分と高いようでした。
 次に、カリフォルニア州政府の活動に移ります。5ページ目に参ります。米国の炭素市場に関連する政策動向として、現在10件以上のキャップ&トレードを導入しようという法案が出されております。複数の下院議員が意見書を提出しており、今ワシントンで大変活発な議論がなされているということです。このほかにもWestern Climate Initiative、RGGIといった州政府単位の活動が活発でございます。
 今回ヒアリングに参りましたカリフォルニア州について、表にまとめました。2000年ごろからCCARを設立するなど、カリフォルニア州政府では、気候変動に対して活動を行ってきましたが、特に大きなポイントになるのが、2005年のシュワルツェネッガー知事がGHG削減目標を設定したこと、翌年にAB32という法案を設定したことです。
 6ページ目に参ります。AB32という法案を設定して、それに基づいて2012年にキャップ&トレードを導入するということが決まりました。それに向けて現在、先ほど述べましたカリフォルニア州のARBという機関がこの準備を進めております。
 今年度の活動としては、表3にありますアーリーアクションのリスト化とございまして、現在44分野の削減案を公表して、今月、パブリックヒアリングを実施しております。これによって、大体目標24%が削減できるであろうと言われております。別途、2009年までにScoping Planというものを設定して、この取引のクレジットはどういうものにするかということも含めて議論していきまして、このScoping Planによって6割ぐらい削減できるのではないかという推計が出されています。
 このヒアリングの状況では、このスケジュールは着実に進んでいるようでございます。ほかの州では2〜3名しかいないところが、ARBには200名以上の職員が取り組んでいるということでございます。特にクライメート・チェンジに関しては、新しく取引の専門家を雇用しているような状態でございまして、来年からは本格的に取引導入に向けて、専門家を雇用していくようです。
 以上が資料1でございます。

○新美座長 続いて、参考資料について。

○事務局(平塚) 続きまして、参考資料1「オーストラリアの連邦政府及び州政府の気候変動に関する政策動向について」、御説明させていただきます。
 (1)オーストラリア連邦政府における排出量取引の実施に向けた政策動向ですが、ことしの7月に、オーストラリア連邦政府は、Australia’s Climate Change Policyという気候変動に関する政策を打ち出しました。この中で注目されるのは、2011年までにキャップ&トレード型の温室効果ガスの排出量取引制度、Australian Emissions Trading System(AETS)を導入するという方針を打ち出したことでございます。AETSでは、オーストラリアにおける温室効果ガス排出量の約70%に対してキャップが設けられることになる予定でございます。
 一方、第1回目の検討会でも紹介させていただきましたが、オーストラリアでは、Greenhouse Friendly Initiativeという自主的に排出量を取引してカーボン・オフセットを実施するというスキームがございまして、現在約700の組織が参加しております。
 こういった自主的に排出量を削減しようという取り組みを停滞させず、しかも2011年からAETSを導入するに当たって政府ではさまざまなアイデアを検討しておりまして、この9月に内閣府からディスカッション・ペーパーというものが公開されております。
 その中で要点が幾つかあるんですが、下の方に幾つかまとめてございます。上から4つ目の黒四角ですが、2011年までの準備期間における温室効果ガス排出削減を実施するインセンティブとして、キャップが設けられる組織を対象に早期削減クレジット、ディスカッション・ペーパーではEarly Action Creditと表記されていますが、こういったクレジットを創設し、2011年にAETSが開始されて以降に、キャップに対して削減量として使用できるということを検討しております。
 続きまして、下から2個目の黒四角ですが、カーボン・オフセットを目的としたオフセット・クレジットですが、こういったクレジットも設けまして、2011年からのAETSにおいても取引可能なものとする。また、キャップを設けられなかった企業及び個人も、こういったオフセット・クレジットを購入することが可能になるということが検討されています。
 続きまして、一番下の黒四角になりますが、オフセット・クレジットは、AETSにおいてキャップが設定された企業の排出削減量からは発生しないということで、キャップが設けられた中での排出量取引制度とカーボン・オフセットの取引というのは、一線を画すようなことが検討されております。
 続きまして、第2回検討会で御指摘いただいた点について手短に説明させていただきます。
 (2)オーストラリアにおける森林吸収源の促進政策でございますが、オーストラリア連邦政府では、1997年に林業の拡大を目的に、Plantation 2020政策という政策を打ち出しました。これによって人工林の面積がかなり増加してきております。各州政府においても、こういった連邦政府の政策とあわせまして、森林面積の拡大、林業の活性化を推進してきております。
 表1には、代表的な3つの州についてそれぞれの政策をまとめてございます。3つとも共通しているんですが、森林についてCarbon Sequestration Right、もしくはCarbon Rightという財産権を認めておりまして、森林吸収源としての価値を認めるという政策が打ち出されております。
 こういった背景から、近年、オーストラリアにおいて、森林からのVERがかなり多く取引されているのではないかと考えられます。
 また、こういった森林プロジェクトから発行されるVERの認証ですが、Australian Greenhouse Office(AGO)に登録されている第三者認証機関が、AGOにより定められたプロジェクト実施ルールにのっとり認証を担当しております。
 次に、これも第1回目の検討会で御指摘いただいた点ですが、今後に向けたオーストラリアの森林政策についてです。昨今、森林減少の抑制に対する取り組みが世界銀行などを中心に議論されておりますが、現在、世界銀行が設立を提案している森林減少の抑制を目的とした森林炭素パートナーシップ基金などについても、オーストラリア政府は多額の資金を拠出することを表明しており、かなり森林吸収源への対策について前向きな取り組みが行われていくものと考えられております。
 以上で、簡単ですが参考資料1の説明を終わらせていただきます。

○新美座長 どうもありがとうございました。
 アメリカをメインにして、あとオーストラリアの現状について補足、前々回の検討会で出た質問に対する補充をしていただきました。
 それでは、ただいまの説明に関して質疑応答に入りたいと思います。御質問のある方は遠慮なく、札を立てていただきたいと思います。
 まず、小林先生どうぞ。

○小林委員 質問というより追加で説明させて頂きたいのですが、実はニュージーランドでも最近非常に進んでまいりまして、御関心のある方は、ニュージーランド政府のホームページを見ていただければ出ておりますけれども、エミッション・トレーディング・スキームが9月から開始されております。その中に森林吸収源が入っておりまして、森林吸収源による経済的価値を森林所有者に付与するということが一番下の方に述べられております。
 それから、2番目にパーマネント・フォーレスト・シンク・イニシアティブというPFSIという制度が今年の12月1日から開始される予定で、森林吸収源による経済的価値を森林所有者に付与する。これも吸収源を価値づけする。このPFSIとETSは補完関係、相互関係にあります。
 それからもう1つは、3番目にAGSと言われるアフォーレストレーション・グラント・スキームというもので、新規植林によるクレジットを確保する。これも2007年12月から開始されます。
 それからもう1つは、4番目にイースト・コースト・フォーレストリー・プロジェクトというECFPというもので、これは特に北東の東海岸の地域を対象にしてエロージョンの防止とか、そのために森林をふやすということでクレジットを出していく。こういうことが進められております。
 オーストラリアの方が先行しておりますが、ここへ来てニュージーランドも、排出量取引及び森林に関するさまざまな取り組みが進んできていると見られます。
 以上です。

○新美座長 どうもありがとうございます。
 ニュージーランドの現状についてもあわせて御報告いただきましたが、小林さんもその質問の嵐に遭っても構いませんので、今事務局からの報告にあわせて御質問等ございましたらよろしくお願いします。
 明日香さんお願いします。

○明日香委員 幾つか質問とコメントがあるのですが、まずアメリカに関して、プロジェクトのタイプで風力発電、バイオマス発電とあるんですが、これはプロジェクトをCDMみたいに正しくやってジェネレートされたクレジットなのか、それともグリーン電力証書をある程度コンバートして、グリーン電力証書の方をリタイアしてというふうにしてつくったものなのか。もし、そのグリーン電力証書をリタイアしてCO2にコンバージしているというやつの割合等があれば、御存じでしたら教えていただきたいということが1つです。
 あともう1つは、カリフォルニアでアーリーアクションの云々とあるのですが、企業にとってのインセンティブは、何かカリフォルニア州として与えているのでしょうか。そのキャップ&トレードが入ったときに、アーリーアクションが何らかの形で考慮されるとか、そういうのをカリフォルニア政府が明言しているかどうかということです。
 あとオーストラリアの方ですが、多分大きな話ではないんですけれども、カーボン・フレンドリー・イニシアチブというのは、自主的な排出量取引というふうにあるんですが、多分これは政府がある程度主導して、参加が自主参加型ということなので、そういう意味では今我々が考えているVERに比較的近い制度なのかなと思っています。
 これも細かいことかもしれませんが、オーストラリアでのオフセット・クレジットというのは、どちらかというとボランタリーなものではなくて、オーストラリアのキャップ&トレードに使えるようなものという多分位置づけだと思うんです。いわゆるカーボン・オフセットのVERみたいなやつと、オーストラリアの場合のオフセット・クレジットというのはちょっと種類が違って、よりCERとかAAUのほうに近いものなのかなということだと思います。
 以上です。

○新美座長 どうもありがとうございます。
 コメントのほかに質問があったかと思います。それについてお答えいただければと思います。

○事務局(小沼) まずプロジェクトのタイプですが、テラパスの場合はポートフォリオを3つに限定していて、風力、バイオマス、メタンガスと。そのうちのバイオマス、リニューアブル・エナジーに関してはGreen−eが認証している。それ以外の認証ははっきりしない。プロジェクトのリストはあって、それを実施していく形です。

○明日香委員 プロジェクトを新しく作るるのか、それとも既に出回っているグリーン電力証書を使うんでしょうか。

○事務局(小沼) 新しく基本的に自分たちというか、プロバイダーがやる場合もあります。

○明日香委員 グリーン電力証書をそのままコンバージするようなクレジットというのは、どのくらい流通しているんでしょうか。

○事務局(小沼) 基本的に15社ぐらいのプロバイダーがやっているプロジェクトを買っていると言っていたので、その中に基本的には新しく実施するということを聞いています。

○事務局(竹田) プライマリーという、最初に生成したプロジェクトの証書をつけて売るので、どこかがマーケットで調達してくるのではないという理解です。

○明日香委員 またグリーン電力証書のところで議論になると思いますので。

○事務局(小沼) 次のアーリーアクションについてですが、インセンティブについても確認しましたが、まだはっきりとは決まっておらず、来年以降スコーピングプランの議論ではっきり決めていくということでした。ただ、CCARといったレジストリに参加する場合は政府が特に電力会社に働きかけて参加するよう政府が推し進めているようでした。

○新美座長 よろしいでしょうか。
 それでは、末吉さんお願いします。

○末吉委員 どうもありがとうございます。これから私が申し上げることは必ずしもこの検討会のテーマではないと思うんですけれども、この検討会を包んでいる全体環境というか、国の物の考え方とか社会の物の考え方ということが非常に重要になると思うんです。というのは、今多分検討しているのは、最終商品としてのクレジット排出枠をどう取り扱うかという話ですね。
 ところが、今御紹介いただいたとおり、カリフォルニア州を初めその他アメリカの州も、それからオーストラリアも、もとよりEUの世界も、少なくとも国全体として削減するんだと。しかもそれは法律による義務化もやるんだという、リーガルなシステムを取り込みながら、その中で社会としてこの問題の削減をどうしようかということを考える。その中においてオフセット商品の誕生があり、広がりが出てきている。かつ、それを今度は商品の規制としてどういうことをしようかという議論をしているわけですが、残念ながら日本は、そういう社会全体の枠組みがまだできないままに、最終商品たるカーボン・オフセットのクレジットをどうしようかという議論になっているわけですね。
 ですから、私はこの議論がむだだと申し上げているのではなくて、そういうバックグラウンドを持たないままにいろんな規制も含めて、ある種のバインディングも含めてこういったことを考えるということ、どういう位置づけをするのかというのは非常に重要だと思うんです。
 ある意味では、ヨーロッパとか、アメリカとか、オーストラリアとか、その他が時間をかけてやってきたプロセスの途中からジャンプインして、カーボン・オフセット商品のあり方をどうしようかという議論になっているわけで。それはそれで、ある意味で1つ非常にいい意味があると思うんです。それは先行国の先行地域で発生して、ほぼ確認されている共通の問題については、同じ誤りを繰り返さないんだという意味で、これからジャンプインする日本が前車の轍を踏まないんだという意味での議論というのは非常に重要だと思うんです。ですから、どういった位置づけで今回の商品のあり方を規制するのか、その辺も少し議論をする必要があるのかなと感じているわけです。
 そこで最後の質問なんですけれども、カリフォルニアとかオーストラリアに行かれて、そういったところはどういうぐあいにお感じになってきたのか。というとちょっと意地悪な質問かもしれませんけれども。

○事務局(竹田) 企業に関しては、排出権取引制度の準備というような、いわゆる規制に対する対応というニュアンスもあったかと思いますが、私どもヒアリングした感触で言いますと、特に個人の場合は、ゴアの映画なり、自然災害があったり、あるいはイギリスの場合は著明なテレビ番組で気候変動を認めるなど、市民の方が自分なりに何かアクションを起こさないといけないということがトリガーになって、ホームページでアクセスしやすいですから、それで買い始めたというのが大きいかなと思います。
 今回の資料1にも用意しましたけれども、末吉委員からも御指摘がありましたが、CSRというよりは、企業の中でも企業のイメージアップ、トヨタのプリウスを例に出してコメントされている企業もいましたけれども、企業イメージの向上のためにオフセットを自らする、あるいは商品を手がけたいんだという企業もいましたので、必ずしもコンプライス・マーケットへの対応、いわゆる規制的なニュアンスでボランタリーにオフセットするのではなくて、むしろ、流行と言ったらおかしいですが、今日も商品を一部お持ちしましたけれども、ステッカーをつけたり、タグをつけたり、企業の商品にそれをオフセットしましたというのが載っていること自体がPRになるというニュアンスの方が大きかったという印象です。
 当然こういう議論の場で、いろいろと政策的な背景も調べて、並べるとそういうふうに見えるのかもしれませんけれども、むしろ自主的にオフセットするんだという、それに対するサービスがどんどん立ち上がっているという印象の方が大きかったと思います。

○新美座長 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。何か追加で。

○末吉委員 そうしますと全体的には何か国の方針とかがあって、その中で非常に直接的な規制を受けているところがある。幸いにして規制を受けていない企業とか、あるいは個人のレベルで。国全体でそういうことをやって、一方では規制を受けているところがあるとしたら、受けていなくても自分たちもその中にボランティア参画していくんだと、そういったような意味合いが相当あるんでしょうか。

○事務局(竹田) 御指摘のとおりでございまして、取り扱うオフセット、クレジットの規模、もしくは今回でも大規模事業者向けのサービスを行っている企業と、それから個人向け、いわゆる小口ですね。この間の委員会でもありましたが、小口のクレジットを扱っているオフセット・プロバイダーで随分と意味合いが違いまして、大きなものを扱っているのはどちらかというとコンプライス・マーケット向けのクレジットを供給する企業、ビジネスで、もう1つの小口なりベンチャー企業が多いんですけれども、そこはどっちかというと小口の個人向けのオフセット商品。もしくは企業の中でも本社ビルのような規模の、ちょっと小さ目の取扱量を扱うようなサービスを行っている。その二極化しているような印象はありました。

○新美座長 ありがとうございます。
 よろしいですか。
 ほかに御質問、御意見ございますでしょうか。
 ちょっと私小さなことですが、カリフォルニアで、個人は税金感覚でオフセットを購入しているということなんですが、税金感覚というか私の個人的な感想ですと、アメリカとかヨーロッパは10%ルールで、自分の所得の10%は税金以外にドネーションしなさいという基本的な社会ルールがあるんですが、その中でこのカーボン・オフセットを買うというような感覚なんでしょうか。

○事務局(竹田) おっしゃるとおりで、税金という言い方はちょっときつかったかもしれませんけれども、例えば海外旅行へ行ったり何か環境負荷を与えたような行動をしたので、その分を税のような形で自分で払うんだというニュアンスです。

○新美座長 ありがとうございます。
 どうぞ。

○小林委員 オーストラリアの件について御質問したいんですが、私自身は数年前から4〜5年前にかけて、オーストラリアに2回ぐらい調査に行ったんですが、オーストラリアは御存じのとおり京都議定書に参加するという前提でいろいろな仕組みを検討して、その中で排出量取引についても非常に進んだ検討をしていた。その後、離脱したわけですね。
 そこで、そういった取り組みがどうも中央政府段階では、例えばオーストラリア・グリーンハウス・ガスオフィスから解散かもしくは縮小されて、非常に連邦レベルでは取り組みが停滞した。その中で、地方ではじっくり検討が進んでいて、ここへ来まして、連邦レベルでそういった取り組みが進んできているというふうに御報告では読めるんですけれども、その辺の変化というのはどういうことからなんでしょうか。最近、オーストラリアがある程度京都議定書の復帰を考えているような報道もありますし、選挙があるということもあるでしょうけれども、その辺はいかがなんでしょうか、アメリカと同じように市民レベルでの突き上げから、そういうふうに進んで行ったのかどうか。
 もう1点は、カリフォルニアにしてもオーストラリアにしても、今後、世界の排出量取引のマーケットの中に入って来ると思います。特にカリフォルニアは既にEUと連携するということが出ております。そういった中でこれまで進んできていることと、そういったEUのスキームとの整合性をどう図っていくように持って行くんでしょうか。

○事務局(竹田) 最後の質問は多分お答えできないのですが、連結するなという新聞の発表は私ども把握していますので、事実はそうだと思います。
 前者の方ですが、オーストラリアに関しては、第1回目の時は不勉強で申しわけなかったのですが、いろいろと調べていると、連邦政府自体もかなり政策的に動いているというのがありました。どちらが先なのかはわかりませんが、そういう市場と政策の連動しているような状況にあるのかなということです。全部連邦が仕込んで動いているのか、市場が動いたから連邦が動いたのか、事務局としてはちょっとわかりません。その辺は御存じの先生があれば御指摘いただければと思います。

○新美座長 どうぞ。

○末吉委員 たまたま僕は先週メルボルンに行っていたんですけれども、いろいろ聞きましたら、ここ数年の大干ばつですよね。まだメルボルンの周りはいっぱい残っておりますし、それから今度は雨が降り始めたんですが、集中的な局地豪雨があって、大洪水と。そういったところからオーストラリア国民のグラスルーツの考え方が、はるかにもうすっかり変わったという言い方をしております。ですから国民レベル、市民レベルの意識が本当に飛んで先に行って、来月の選挙を控えている労働党とハワード首相の方が追いついて行ってないような状況らしいですね。ですから、労働党が次の政権奪回をねらっているわけですけれども、京都議定書に入るとか、ハワード首相よりも先に行くような政策をどんどん出し始めている。それから、メルボルンはビクトリア州ですけれども、州のレベルでも非常に熱心です。これまでの歴史で言えば、むしろ連邦政府よりも州の方が先に行っているということではないでしょうか。

○新美座長 ありがとうございます。
 あと1つあったのは、EU−ETSとカリフォルニアの連携はどうなるかということですが、たまたま土曜日と月曜日にケンブリッジでEU−ETSの研究をしている学者とシンポジウムがあったんですが、そこでは確かに、連携しますという取り組みを始めたけれども、具体的にリンクできるかどうか、少し中長期的に調整していくことになるだろう。それぞれが全く違った仕組みで始めているから、連携するための調査研究を始めたというのが現状ではないかという話を研究者は言っておりました。ですから、近いとは言えないんですけれども、いずれかは連携して国際的なマーケットになるはずだということは言っていました。
 あとほかに。加藤さん。

○加藤委員 一番初めに、さっきお話が出たカリフォルニアとか北米の州とEU−ETSのつながりというのも、私は逆にEU−ETSの担当者に聞いたことがあるんですが、政治的にはそういう流れになりつつあるんだけれども、技術的にはかなりクリアしなければいけないところが多いので、次の段階の設計の話だというふうに聞いています。それが1つです。
 あと少し小さなレベルの質問になるかもしれませんが、アメリカとかオーストラリアのカーボン・マーケットの市場で、前回から出てきている海外VERの話があると思うんですが、市場のメインを占めているプロジェクトベースから出てきたクレジットというのは、主にアメリカならアメリカの中のVERなのか、それとも海外のVERも多分あると聞いているんですけど、どの程度占めているかを教えていただければ幸いです。

○事務局(小沼) アメリカの場合は、アメリカのものがほとんどのようです。言語上の問題もあるので、できれば国内でやってしまった方が楽だという話をしています。海外も多少あるのですが、割合としては大変少ないと聞いています。

○事務局(平塚) オーストラリアの場合も、海外VERを特に排除しているわけではないんですが、現状流通しているクレジットは、国内から発生しているVERがほとんどすべてであるというふうにヒアリングでは情報入手しております。

○新美座長 明日香さん。

○明日香委員 先ほどのリンクの話なんですけど、オーストラリアもニュージーランドもそうなんですが、彼らも目標達成をどうやってやるかというときに、直接規制と炭素税と排出量取引をいろいろ考えて、排出量取引に決めたという経緯はあると思います。その理由として、1つがEU−ETSというのが既にあって、そことリンクすることによって効率性が炭素税よりもよいという、厳密に議論するといろいろあると思いますが、という結論で議論しています。そのとき、リンクするときに大事なのは質ということになるので、オーストラリア政府もかなりこれから、先ほどのオフセットなりアーリーアクション・クレジットなりそういうものに対する質は十分なものを確保しなければいけないということは彼らのペーパーでも書いてあると思います。リンクのときに、まさにこれからだと思うんですが、やはり質を高めないとリンクできないし、その質のためにはいろいろなことを調整しなければいけないのが現状だと思います。

○新美座長 ありがとうございました。
 仲尾さんお願いします。

○仲尾委員 ちょっと細かい質問になるかと思いますが、カーボン・オフセットへの参加の動機がこの資料によると、1つはキャップ&トレードに備えるということ、あと企業イメージを上げるという2つがあるということだったんですけど、そのキャップ&トレードに備えるインセンティブ、準備だと思うんですよ。これは例えばモニタリングをきちんとして、検証に備えるようなノウハウを得たいというのが動機になっていると考えていいんですか。

○事務局(竹田) ヒアリングしたときの印象というか、彼らの言い方で言うと、技術的なところを勉強するのはプロバイダー自身の方であって、買う側はどちらかというと投機目的ではないのですが、クレジットは安いうちにいろいろと持っていた方がいいとか、売買そのものの勉強をするというニュアンスでおっしゃっていました。

○仲尾委員 ということは、ここに電力、石油、ガスといった大規模産業とありますが、これは買う立場としてノウハウを蓄積したいということですか。

○事務局(竹田) そのとおりでございます。

○新美座長 よろしいでしょうか。
 それでは、一方井先生。

○一方井委員 先ほど末吉委員が言われたことは大変大事なことだと思います。私も同じような感覚を持っておりますが、ただ、日本の場合は経済的措置のようなものが今まさに国としても検討の途上にあるという位置づけでありますので、カーボン・オフセットの方は若干背景が違うということもあって、これは補完的な立場のものになると思いますので、これができることによって大もとの議論の障害にならないということであれば、全く問題はないのかなと思っております。

○新美座長 最後に、明日香さんお願いします。

○明日香委員 先ほどのインセンティブの話なんですけど、オーストラリアの場合は完全に割り当てに対してアーリーアクションをやったことによる免除というか、そういうのを明示的に政府は言っていると思います。多分カリフォルニアの場合も、明示的には言ってないかもしれない――言っているかもしれないんですけど、言ってなかったとしても、企業としては何らかの現時点の行動が将来的な割り当てに対して、政府が考慮してくれるというような暗黙の思い込みかもしれませんが、そういうのはあると思います。

○新美座長 ありがとうございます。
 まだまだ御質問、御議論はあろうかと思いますが、きょうも山盛りのテーマがありますので、とりあえずアメリカ等についてはこれくらいにしまして、続いて資料2に基づいて御説明をしていただきたいと思います。

○事務局(平塚) それでは、資料2「VER認証機関・方法の概要」について説明させていただきます。
 現在、主要なVER認証機関・方法は世界で約15個ぐらいあるかと思うんですが、そういったものの一覧表を、ページめくっていただいて資料の最終ページにまとめてございます。上にそれぞれ認証基準の名前について、下の方にそれぞれの特徴にまとめてあります。認証基準によって、例えばスコープとして森林等の吸収源を含んでいるか含んでいないかなどの違いがございますし、認証する際に追加性の評価が必要であるか必要でないか。また、レジストリ制度があるかないかなどの違いがございます。こうしたかなり大きな違いのある認証制度なんですが、その中で現在シェアが大きくて認知度が高いと思われるもの、また森林等の吸収源分野を扱っているものなど、特徴的なもの6つを抽出して整理しました。
 再び1ページ目に戻っていただいて、紹介させていただきます。
 1つ目の認証基準は、Gold Standard(GS)という基準でございます。これはCDMやJIプロジェクトの「質」の高さに関する認証基準です。温室効果ガス削減につながると同時に、持続可能な開発に貢献することを支援するためのツールで、クレジットの買い手に対して、そのクレジットの「質」を保証するものでございます。
 開発・運営を行っているのは、WWFを中心とした機関です。
 その内容として、プロジェクトがGS認証を受けるためには、通常のCDMの認証・検証に加えて、プロジェクトの適格性、追加性及びベースライン、持続可能な開発への貢献などについて評価され、有効化審査を受ける必要がございます。
 対象としているスコープですが、表1にあるとおり、再生可能エネルギー、エネルギー消費の効率向上の2つだけでございまして、例えば森林等の吸収源については含んでございません。
 下の方に、CDMとGSの違いについて6点ほど挙げております。1つ目は、GSの場合は、年間5000トンCO2以下のかなり小さなプロジェクトでも対象としているということ。もう1つは、ホスト国の資格が広いということで、CDMではホスト国になり得ない地域も対象となっております。3つ目として、ODAの使用に関する条件が現状のCDMよりも緩和されている、などがございます。
 次に2つ目の認証基準、Voluntary Carbon Standard(VCS)について御説明させていただきます。
 この認証基準は、自主的炭素市場に一定の標準化をもたらし、取引されるVERへの信頼感を持たせることが目的として設立されました。対象とするプロジェクトは、スコープを特に限定しておりません。また、プロジェクトのホスト国についても、CDMとは異なり限定しておりません。このことから、アメリカやオーストラリアを含む広く世界で使用可能な認証基準となっております。
 この認証基準の開発・運営を行っているのは、International Emission Trading Associationが中心でございます。この認証基準は、2006年3月にバージョン1として公表され、広く使用されております。これがちょうど来月の19日に、バージョン2ファイナルとして最終版が公開される予定です。来月公表される最終版では、当初のバージョン1とはかなり大きく変化することが予想されております。
 例えば有効化審査・検証・認証は、CDMの要素を多く含んでおり、CDMのPDDに類似したテンプレートに基づく有効化審査・検証・認証レポートの提出が求められるようになると考えられています。
 また、プロジェクトの追加性についても、CDMのプロセスと似たような評価基準を設けて、証明していく必要がございます。
 また、繰り返しになりますが、対象のスコープとして農業、植林、土地利用に関するものも含んでおりまして、またこれもCDMに追加的なんですけれども、森林経営もしくは森林減少の抑制に対してもクレジットを発行するような認証基準になることが予想されています。
 次に、3つ目の認証基準、VER+standardについて御説明させていただきます。
 この認証基準は、VERをターゲットにした認証基準であります。自主的な温室効果ガス排出削減・吸収増大プロジェクトから発行されるVERに対して、その信頼性を高めるための評価を与えるものであります。
 開発・運営を行っているのは、世界的な検査機関であるTU( ..)V SU( ..)Dでございます。
 認証基準の内容ですが、主に京都議定書によるCDM及びJIプロジェクトの認証に必要となる条件を備えている必要がございます。追加性についても評価する必要があります。
 また、この認証基準の特徴としては、専用のレジストリ制度を設けておりまして、ブルー・レジストリというレジストリで、クレジットのダブル・カウンティング、その他問題を防止しております。
 次に、4つ目としてThe Voluntary Offset Standard(VOS)について御説明させていただきます。
 この認証基準は、2007年6月に公表された非常に新しい認証基準でありまして、基本的には京都クレジットの基準と同等の認証制度により京都議定書への批准国以外、特にアメリカやオーストラリアなどでのプロジェクトも対象としている認証基準です。
 運営を行っているのは、インターナショナル・カーボン・インベスターズ・アンド・サービスという2003年に設立された機関であります。まだ新しい認証基準で情報が限られているんですが、対象としないプロジェクトとして、原子力発電、20MW以上の水力発電、エフガス、HFC関連事業などを対象としないということがわかっております。
 問題点、課題等につきましては、まだ新しい認証基準で、報告例が余りございません。
 次に、5つ目として、CCBスタンダードについて御説明させていただきます。
 この認証基準は、地球温暖化の軽減等実現していくために適切な土地利用プロジェクトに対して、特に生物多様性、気候変動対策、地域社会への評価などを評価する基準であります。この認証基準は、クライメート・コミュニティー・アンド・バイオダイバースティー・アライアンスが開発し、運営を行っております。2004年から検討が開始され、2005年5月に完成した認証基準です。
 CCBスタンダードでは、気候変動に働きかけ、地域社会を支援し、生物多様性を保護するなどチェックを行い、認証が進められていきます。
 認証を担当する機関は、CCBスタンダードが独自で行うわけではなく、例えばCDMプロジェクトを認証している第三者機関であるDOEなどが認証を行います。認証の基準としては23個の基準がございまして、そのうち15個の必須基準をクリアすれば認証が与えられます。それにプラスアルファで幾つかの基準をクリアすることにより、ゴールドとシルバーの認証が与えられることになっております。
 続きまして、6つの目の認証基準、Green−eについて御説明させていただきます。
 この認証基準は、先ほど資料1にもございましたが、主にアメリカ国内の再生可能エネルギーにより発電された電力に対する認証としてスタートされました。一方、今年度中に新たにGreen−e Greenhouse Gas Emission Reduction Product Certification Programという温室効果ガス排出削減関連商品への認証も行っていく予定でございます。
 これまで、グリーン電力を対象に行ってきた認証では、スコープとしていたのは太陽光、風力、地熱、小規模水力、バイオマス発電等でございました。
 一方、今年度から使用することを目的に開発中のGreen−e温室効果ガス排出削減商品認証でございますが、現状、情報が限られておりまして不十分ではございますが、具体的には温室効果ガス排出削減プロジェクトのバリデーション、ダブル・カウンティング、ダブル・インシュアランスを回避するための情報開示、ベースライン、リーケージ、追加性の算定のための方法論等の基準から検証を行うものでございます。
 発生したクレジットは、特にCDM等に限っておらず、ボランタリーなプロジェクトからも発行されまして、発行されたクレジットは、オフセット商品もしくはオフセットサービスに付与されて、それを購入する方がオフセットを実施するという内容になる予定でございます。
 問題点、課題等については、まだ新しい基準ということで特に報告はございません。
 以上で、簡単でございますが資料2の説明を終わらせていただきます。

○新美座長 どうもありがとうございます。
 それでは、ただいまの御報告につきまして質疑応答に入りたいと思います。御質問のある方は名札を立てていただきたいと思います。
 明日香さんお願いします。

○明日香委員 最後の表で、追加性の評価があって丸、バツとあるんですが、丸は追加性に関する記述があるかないかで判断したのか、バツというのはそういうのがないから全然ないのかというか、そこら辺をどういうふうに判断して丸、バツをつけたかというのが1つです。
 あとGreen−eなんですけど、さっきの質問ともかかわりますが、この場合、彼らが考えているのは新しいプロジェクト、新しくこれからつくる再生可能エネルギーによるプロジェクトからのクレジットという意味合いで考えているんでしょうか。それ以外の昔から動いている再生可能な風力発電所とか、太陽光発電所からいつも出ているGreen−e電力証書を単純にコンバージするのは認めないという方向なんでしょうか。そこら辺をもし御存じでしたらということです。

○事務局(平塚) まず1つ目の御質問ですが、追加性の評価に関して丸と記したのは、評価を証明する必要があるということについて丸とさせていただいております。バツと示したのは、発表されている資料等を確認したところ、そういった項目が特に設けられてなかったということでバツにさせていただいております。評価の厳しさについては、ここでは特に判断基準とさせていただいておりません。

○事務局(竹田) 2つ目の質問ですが、恐らく電力証書をCO2換算して評価するのかということでいいですね。

○明日香委員 はい。

○事務局(竹田) ヒアリングから言うと、全く別ものだとおっしゃっていたので、電力証書の評価とオフセットのクレジットの評価は別で、電力証書でオフセットするのを認証するとはおっしゃっていませんでした。

○明日香委員 新たにプロジェクトをCDMみたいな形でつくってということですか。

○事務局(竹田) そうです。

○事務局(小沼) ただ、プロジェクトをつくるというイメージではなくて、だれかがつくっているものを消費者にオフセット商品として販売するときに、スタンプを押すということです。プロジェクトではなくて、プロダクトに認証するということらしいです。

○明日香委員 ということは、CDMとは違って、既に動いている既存の発電設備からクレジットが出るということですか。

○事務局(小沼) オフセット商品に使われるであろうすべてのものを対象にすると言っていました。ただ、先週ぐらいにウェブサイトに公開されたのがこの4つの区分です。CDMのクレジットも対象にするし、ボランタリーなものも全部対象にしていきたいと言っていましたが、それを具体的に入れるか入れないかというのは、これからの話のようです。

○明日香委員 そこら辺はごちゃごちゃにするということですね。

○事務局(竹田) 今ちょっと紛らわしい表現をしましたけど、CDM以外のものの中でGreen−e電力書証をCO2換算してオフセットのやつにするのかということですよね。そうではないんですか。

○明日香委員 アメリカだったら、たくさん電力証書が既に流通していますよね。もう既にたくさん発電所が動いていて、そのクレジットをCO2のオフセット・クレジットにするのか、それともCDMみたいに新しくアメリカで風力発電設備をつくって、アメリカの場合は国内何とかになるのかわかりませんけれども、そういうのをつくって、そこから出てきたものをクレジット、ここが認証するのか、かつそれを一緒にするのか、それを別々にするのかという話です。

○事務局(竹田) 後で事務局で確認しますけど、電力に限ってプロジェクトをやるとは彼らは言ってなくて、ここで扱っているオフセットのための、CO2を削減したプロジェクトからクレジットを使ったオフセット商品にスタンプを押すということなので。電力証書がCO2換算されて、それが妥当かどうかを認証するところまで詰めているかどうかは、わからないです。それが新規のものなのかというのも不明です。私の印象で言うと、電力証書の仕事とは別でやるんだと彼らはおっしゃっていたので、新しく風力発電所をつくって、それのクレジットで認証するというか、スタンプを押すというニュアンスではなかったです。

○新美座長 よろしいでしょうか。
 それでは、末吉さんお願いします。

○末吉委員 今のお話は非常に関心を持っておりまして、今いい言葉を遣われましたね、プロジェクトではなくてプロダクツを認証しているんだということですね。その辺はちゃんと仕分けできているんですか。例えば資料の11ページを見ますと、表3のプロジェクトの検証基準という一般共通部門を見ると、プロジェクトそのものの、当然必要なことではあるんでしょうけれども、どんなプロジェクトでもだめになる可能性はあるわけです。特に将来のものについては。
 ですから、プロジェクトそのものの認証ではなくて、それが仮にうまくいったとしたら、こういうプロダクツが出てきますよ。出てくるプロダクツについては、こういう追加性も含めて、適正ですよという言い方をどうクリアにするのかをしないと、プロジェクトそのものを認証しているんだという誤解がプロダクツ購入者に起きると、これは非常に大きな問題になると思うんです。その辺の仕分けは何か工夫がなされているんですか。

○事務局(小沼) Green−eの新しいものに関しては、イメージとしてはゴールド・スタンダードや、そういう既存の認証機関が既に認証したものを対象にする。彼らをパートナーにして今それを公募しているんですが、勝手にオフセット商品が出て行って、パチッと認証してしまうと反感を買うので、そうではなくてパートナーとなっていただいて、例えばゴールド・スタンダードが出している認証したものをまず検証して、それが大丈夫ですよと消費者に渡るところで、Green−e電力認証とは別の形のスタンプを今イメージで考えているそうなんですが、それをパチッと押すようなイメージなので。認証は別機関が行って、認証がちゃんとしているかをGreen−eがチェックするというイメージです。

○末吉委員 だから問題は、ゴールド・スタンダードが何を認証しているのか。

○事務局(小沼) 先週出されたチェック項目みたいなものがございまして、それに沿っているかどうか、そのチェック方法が正しいのかどうかをパブリックコメントで募集していて。一応バージョン1ドラフト型はできていますが、そのやり方もまだ考え中という段階です。

○末吉委員 これはいずれにしても、我々が何か議論するときに、プロジェクトかプロダクツかのあれは非常に大きいですね。

○新美座長 関連して。小林さん。

○小林委員 こういった議論は、誤解というかわかりにくさが出てくるのは、この15ページの表で、苦労して1つの表にまとめられたから若干そういうのが。これはこれでまとめられた御苦労は評価するんですけれども、これ全然違うものが1つの表に、私はあるのではないかと思います。
 例えば典型的なのは、ゴールド・スタンダードとCCBスタンダードとISOの14064とは全く違う次元のものですよね。例えばISO14064というのは、モニタリングとかそういったもののやり方の問題ですね。だから、より具体的なことが示されていると思うんです。それに比べてCCBスタンダードとかゴールド・スタンダードは、資料に述べられているように質を問うものですよね。質を問うものと量を問うものとさまざまである。それから、末吉委員がおっしゃったように現状がどうかという、商品ですね。それと今後どうかという、例えば排出量なんかのことがそうですね。今後、吸収源の排出量でも将来どうかという、その辺は違うと思いますので。この表をまとめられたら、多分今後日本で検証方法、それから検証機関をどうするかというときの参考として、私たちがこれを読むものだと思うんです。ですから、読むときにそういう行間のニュアンスをわかる必要があると思います。
 それから、追加でもう1件ですけど、ISO14064は既に規格として発行されていますよね。ここには「方法論を公開」と書いていますけれども、既にこれは投票も終わって発行されておるはずです。確認していただきたいと思います。いや、確認しなくても、これは間違いなく発行しています。

○事務局(平塚) 御指摘、ありがとうございます。認証基準についてそれぞれ目的が異なるということですので、そういった点も1つ項目を挙げて、よりわかりやすい表に改良していければなと考えております。ありがとうございます。

○新美座長 よろしいですか。
 ほかに御質問、御意見ございましたらどうぞ。よろしいでしょうか。
 認証機関は何を認証するかというので、いろいろな視点があるので、いろんなフェーズというか局面を見ますので、なかなか一次元的なというか、こういった平面図では表にできないかもしれません。三次元、四次元の世界になるかもしれませんので。その辺工夫していただいて、我々もどこかで注意しながら読むということは必要だろうと思います。

(2)我が国におけるカーボン・オフセットの論点について
  【資料3〜資料4】

○新美座長 それでは、この問題についてはこのくらいにさせていただきまして、次のテーマに移りたいと思います。次に、「我が国におけるカーボン・オフセットの論点について」ということで、事務局から資料3について御説明をいただきたいと思います。

○事務局(竹田) 時間も押していますので、資料を簡単に御説明させていただきます。
 この資料は、あり方に関してはパブリックコメントをかけるんですが、きょうの議論に先立って、カーボン・オフセットの事業をやっていらっしゃる方、もしくはそれを計画されている方を中心に複数社、意見を事前に聞いてきました。その結果を第1回検討会で審議された論点別にまとめたものでございます。
 まず1点目が、前回もいろいろと議論されましたけれども、オフセットに用いられるクレジットはどういうものを入れるべきかということで、ここでCERに限定すべきという意見とVERを含め広く使ったらどうかという意見に分かれておりましたので、それぞれ簡単に整理しました。
 限定すべきという意見では、先ほどの認証基準もそうですけれども、国内外のVERはいろいろと課題が多いので、短期的にはCERに限定すべきではないかということ。もう1つは、CERを使うというのは、国連の認証というわかりやすさがあるということでございます。
 それから、VERを広く含めるべきだということの方ですが、市場に既に出回っているグリーン電力証書をきちんと対象に入れるべきではないかというのが1点です。それから、グリーン電力証書と関連するんですが、本質的にはVERできちんと削減できるんならそれがいいだろうということで、再生可能エネルギーの発展につながるものも考えていくべきだろうということ。
 その他としては、顧客向けのわかりやすさということで、チーム−6%に貢献するというのはわかりやすいんじゃないかとか、VERについては法的根拠がないので、消費者への説明責任が不十分じゃないのかという懸念も意見としてありました。
 次のページ、2つ目、オフセットの実施手続。主にこれは購入してから実際、クレジットとかレジストリ上償却されるまでのタイミングのようなものについてお聞きしました。
 上2つが、短くすべきだという意見なんですが、1つが、購入される方は、オフセット商品を買った段階でもうCO2が減ったというふうに理解されることが多いので、遅くとも1〜2カ月でクレジットが償却口座に入るようなタイミングがいいんじゃないかというのが1つです。
 それから、先物取引でCERを買うということが、一般の方に理解が難しいのではないかということで、短めに設定したらという意見が2つです。
 下の残り3つは、1つ黒丸が消えていますけれども、長めにすべきかという意見の1つが、発行済みの京都メカニズムクレジットはまだ世界的に見て流通量が少ないので、先物取引を含めて1年ぐらいの猶予期間が必要ではないかということ。
 それから、実際にオフセット商品を考える場合に、そのオフセット価格を商品につけて売るんですが、それを積算して最後にまとめてクレジットを事業者の方が買うので、1年ぐらい償却までの猶予期間が必要ではないかという意見。
 それから、環境に対して意識の高い消費者の中では、CDMの欠陥を補てんするような削減プロジェクトを支援する投資を行いたいという方もいらっしゃいますので、そうするとそのプロジェクトを立案しているときに投資することになるので、そのプロジェクト期間の長いもの、もしくは発行するまでの期間が長いものがあるので、もう少し数年の猶予が要るのではないかという意見でございます。
 3つ目が、オフセット商品の透明性の確保の問題でございますけれども、このペーパーの上3つぐらいが公開すべきだという意見で、買った商品の価格なりのクレジットがどれぐらい乗っているのかというのを、きちんとわかりやすく公開すべきだということ。もう1つは、オフセット商品ですね、その商品の価格とクレジットの価格の内訳をきちんと示さないといけないのではないかということ。
 それから、下から2つ目になりますが、実際に売る側も、その商品にクレジット価格を乗せるものですから、そのプロジェクトの内容とか価格とか開示報告の義務があるのではないか。消費者に不信感を持たれるのが一番怖いので、そういう情報は積極的に開示していきたいということです。
 最後の意見は、プロジェクトのCER売買。最終的にオフセット商品に乗っているクレジットの、そこに至るまでのすべての事業者のマージンといいますか、中間的な料金をすべて出すのは難しいだろうということでございました。
 3ページ目、品質認証の仕組み、先ほどの議論ですけれども、これはおおむね賛成の意見が多かったんですが、事業者に対する多大な費用負担が来るようなものにはしないでほしいとか、あるいは付与する機関が公共、民間を問わないんだけれども、初期の費用負担とか運用時の会計の透明性とか、その立ち上がりの仕組みについて工夫が必要だろうということでございます。
 それから、5番目は排出量の算定方法、技術的な話になりますが、これについては、政府がガイドラインのようなものを出す必要があるという御意見が多くありました。例えば、企業ごとに1人当たりの排出量が異なるサービスを厳密にやっていくと難しくなってくるので、同じような業種、同じようなサービスについては、同じような排出量でやるという妥協も必要ではないかという意見。
 あと電力の排出係数もそうですが、地域特性、地域別の特色も反映できるようなものにしてはどうかという御意見がありました。
 6番目が、個人や企業に対してどのような支援が提供されるべきかということでございます。かなり多くの意見が出たのが、「カーボン・オフセット」の定義とその必要性・効果のようなものを広く普及させること。それから、その前提となるクレジットだとか京都議定書そのものについても広く国民に認知されるような、普及啓発活動をもっとやってほしいという御意見が多かったです。
 それから、「CO2排出量の見える化」と最近は言いますけれども、商品の製造にかかわるCO2量を表示するとか、そういうわかりやすさも必要だろうということでございます。
 最終ページになりますが、実際こういう商品を企画する段階でいろいろとわからないこと、国と協議すべきことも多いので、「カーボン・オフセット協議会」のような、いろいろなステークホルダーの方が集まって議論するような場が要るのではないかという御意見もありました。
 それから、下から2つ目になりますが、頑張っているプロバイダーの大臣表彰制度みたいなものがあってもいいのではないか。あるいは技術的になりますが、会計上のクレジット、オフセットの場合のクレジットの取り扱いとか、税制上の扱いなども明らかにしてほしいという御意見がありました。
 その他は、全量オフセットだけだと商品企画がしづらいので、一部をオフセットするとか、そういうオプションもあってほしい。あるいは、わかりやすさのために、もう少し言葉を選んでほしい。あとVERマーケットについては供給力が十分ではないので、デリバリーリスクがあるんじゃないか。あるいは京都議定書達成に資するという意味で、6%達成とそうでないものは峻別して評価した方がいいんじゃないかという御意見もありました。
 以上でございます。

○新美座長 ありがとうございます。
 ただいま御説明いただきましたのは、この後御議論していただくパブコメの準備作業として、企業からいろんな意見を聴取したときの資料でございます。したがいまして、中身というか、パブコメにかけるような内容についての御議論は後でいただくとして、ここではとりあえず、今いただいた資料のみを対象にして御質問等があれば出していただきたいと思います。
 それでは、加藤さんどうぞ。

○加藤委員 ありがとうございます。まず、その議論の中身に入る前なんですが、このヒアリングに行っていただいた事業者の方々なんですが、主にプロバイダーの方というふうに理解してもよろしいのでしょうか。なぜかというと、プロバイダーの方というのは、恐らくクレジットを売る部分と、それからクレジットを調達してくる部分と、それからレジストリ等で管理する部分等の責任を主に持つという意味合いがあると思うので。恐らくそういう方々がほとんどだと思うんですけど、それプラス出口の部分だけに関与する、例えばこの前年賀状の葉書の議論があったかと思いますが、ああいうキャンペーンに使う団体も含んでいるのか、教えていただければと思います。

○事務局(竹田) 一応企業名は公表しないということで聞きましたのであれですけれども、御指摘のとおりプロバイダーといいますか、クレジットを調達している側の方が多いです。それとそのクレジットを自社の商品、サービスに付加して、オフセット商品を検討されている方、もしくはやっている方に意見を聞きました。

○加藤委員 ありがとうございました。

○新美座長 ほかにいかがでしょうか。
 後で中身の議論でまた再び質問が出るかもしれませんが、よろしいでしょうか。
 それでは、ここに時間をかけるよりもパブコメの骨子案について御議論いただいた方がいいかと思います。必要があれば随時こちらに言及するということで。
 それでは、資料4に基づいてパブコメの骨子案について説明していただきたいと思います。よろしくお願いします。

○高橋室長 それでは、私の方から資料4を説明させていただきます。
 この資料4は、「骨子案」と書いてございますけれども、次回の検討会でパブコメの案を御審議いただくということで、それに向けた準備作業ということで、まだまだ項目を列挙しただけの部分が相当ございますので、いろいろと御意見をいただいた上でパブコメへの作成を次回に向けてやっていきたい、そのためのたたき台のたたき台というものというふうに御理解いただきたいと思います。
 簡単に御説明いたしますが、まず1として、指針の背景ということでございます。ここは、オフセットの意義、現状、課題等について簡単に整理したいと思っております。意義としては2つに整理しておりまして、1つは、オフセットされる市民、企業の方がみずからの温室効果ガスの排出量を把握することができる。また、そのガスの排出がコストであることを認識することができる。そういうことで自主的削減の取り組みを促進する意義があるのではないか。
 それから、温暖化問題に関心を持って、何とか自分でもやりたい市民とか企業の方がたくさんふえているわけですが、そういう方々がみずから貢献する手段をこのオフセットで提供することができるのではないか、そういう意義があるのではないかということでございます。
 次に、現状ということで、これまでいろいろな資料をヒアリング等で御紹介した海外の動き、あるいは国内の動きを簡単に御紹介したいと思っております。
 それから、課題として、これも最初の検討会でもいろいろとございましたが、これまでの先行事例で問題になっているような課題は、こういうものがあるということを簡単に整理してはどうかと考えております。
 次に、指針策定の目的ということで、今回の検討会で議論していただく指針をなぜつくるのかということですが、1番目は一般的な共通的なことで、まずはカーボン・オフセットの意義を含めて正しく理解していただくということ。それから、オフセットの信頼性を確保する。また、取り組みを普及させることを促進したい。そういうことによりまして、市民、企業等の自主的な取り組みを促すということがございます。
 その次に2つポツがありますが、2つ目のポツは、カーボン・オフセットについて、企業、自治体、NPO、いろんな主体の方がいろんなレベルでいろんな取り組みをされつつある。今資料3で御紹介があったのは主として商品、プロバイダーとか商品を開発しようという方が多いわけですが、それだけではなくて、まさにボランティアという範疇に入るかと思いますが、いろんな取り組みがございますので、それらについて、そういうものを排除するということではなくて、さまざまなレベルの取り組みを位置づけて、それらを適切に促進することがまずあるのではないか。
 その上で、3つ目のポツは、先ほど資料3にもございましたように、実際の商品・サービスの提供をいろいろ進められつつあるということで、それらについては特に信頼性の確保が重要になるので、カーボン・オフセットの規範の確立であるとか排出量の算定方法、第三者認証、レジストリ等のインフラ整備の必要性が重要ではないかと考えております。
 次のページですが、ここからが指針の中身になりますが、まずはカーボン・オフセットの定義を最初に書いております。これも前回の検討会で御指摘があったものを踏まえております。
 定義として、まず削減努力を行った上で、削減が困難な排出量について、別途、クレジットを取得することにより埋め合わせをすることが原則であろう。その際のクレジットは確実性・永続性が確保されているということでございます。
 カーボン・オフセットの主な類型と関係する主体ということで、これは第1回目の検討会の資料に書いてございますが、カーボン・オフセットという概念自体はかなり広い概念でございまして、きょうアメリカの事例にもございましたが、京都メカニズムの活用自体も大きく言えばカーボン・オフセットになりますし、企業の活動に伴う温室効果ガスの排出抑制対策、ヨーロッパではEU−ETSという形で規制もあるわけです。そういうものに対応するため、排出抑制対策の一環としてカーボン・オフセットというものもあります。
 この指針においては、前のページで意義と目的のところに書いてございますように、個人、企業の自主的な取り組みを促進する観点で――規制に対応したということではなくて、自主的な取り組みを促進するという観点で議論してございますので、そういう観点でここにあるような類型例を使ってはどうかということでございます。
 1つはサービス利用・商品使用に伴うオフセット、2番目として自社ビルの排出量のオフセットという自己活動のオフセット、それから会議・イベントの開催に伴うオフセット、こういう類型があるのではないか。
 これらの類型について、それに関係する主体のオフセットのプロバイダーであるとか、商品を開発する人、実際にそういう活動をするNPOの方、いろいろあると思いますが、関係する主体の役割を整理するということで、ここで扱っているカーボン・オフセットは具体的にどういうものなのかということがわかりやすいように書く必要があるのではないかと思っております。
 それから、(2)としてオフセットの具体的な手続に入るわけでございますが、まずは前提として削減努力を行うということでございます。削減努力を促進するための手法の明示ということで、例えば削減努力のメニューの情報を提供するということがあるかと思っております。
 次に、(3)としてカーボン・オフセットの対象となる活動からの排出量の算定方法。オフセットの対象となる排出量をどう算定するかということで、まずはバウンダリというものをある程度整理する必要があるのではないか。例えばイベントを想定してもかなりいろんな範囲が考えられますので、この辺はある程度オフセットを行う方の主体性を尊重できるように、最低限対象とすべきエリアというものと、それよりさらに広く対象とすることが望ましいもの、という整理が必要ではないかと考えております。
 それから、対象となる排出量の算定方法については、先ほどのヒアリング結果にもございましたが、政府が排出量の算定ツールを提供することも含めて、最近は「排出量の見える化」という言葉をよく遣っておりますが、そういうものを進めることによって、排出量の算定が効率的に行われるのではないかという観点も必要かと思っております。
 それから、(4)としてカーボン・オフセットで用いられる排出削減・吸収量のクレジット。これについては、この検討会でも既に議論されております。きょうも具体的な基準の資料説明がございました。まず原則としては、確実に削減がある。これは吸収も含める必要があるかもしれませんが、あるということ。その永続性は確保されていること、あるいはダブルカウントがないこと等一定の基準が確保される必要があるだろう。それが第三者検証によって確認されていることが必要ではないかということでございます。
 そういう原則を踏まえて、どういうクレジットが使われるかということですが、現状においては、1つは京都議定書に規定する京都クレジット、CER等があるだろう。それから、この検討会でも例として出ておりましたけれども、環境省が実施している自主参加型の排出量取引制度において使われているクレジット、JPAと称していますが、そういうもの。それ以外にも、上に書いた一定の原則を満たすようなクレジットはいろいろあるだろう。今後そういう基準についても必要があれば検討する必要があるかもしれませんが、そういうものがあるだろうということでございます。
 次に、埋め合わせの手続、オフセットの手続ということでございますけれども、実際のオフセットをやる段階においては、(4)で書いたようなクレジットを排出量に応じて、全部あるいはその一部の量を無効化する。そのクレジットが何度も使われないように無効化する手続が必要だろう。その中で京都メカニズムクレジットを使う場合には、それを償却するという手続がありますので、そういうことが行われれば、京都議定書の目標、6%の達成にも貢献することが可能、そういうオプションもあるだろうということでございます。
 それから、オフセットを行うことを決定してから実際にオフセットを行うまでの期間と書いてございますが、先ほどの資料3にも、この期間についていろいろな意見があるということがございましたが、実際のオフセットを行うと決定してから一定期間内に、実際にクレジット、この埋め合わせの手続、無効化を行う必要があるということで、その一定期間というものをどう扱うかということでございます。
 それから、(6)としてカーボン・オフセットの実施に際しての透明性の確保ということで、これについても資料3にいろいろございましたが、オフセットの信頼性を確保するために、クレジットを提供するオフセット・プロバイダーの方、あるいは第三者にオフセットの商品・サービスを提供する事業者の方々は説明責任、必要な情報の提供が必要になってくるだろう。どういう情報を公開、提供するかということでございますが、例えば排出削減・吸収プロジェクトの内容や結果、あるいはオフセット事業の収支があるのではないかということでございます。
 それから、(7)としてカーボン・オフセットに関する第三者認証というのを書いております。先ほどの御議論の中でも、何を検証しているのか明確にしなければいけないということで、そういう意味では前のページの(4)はクレジットそのものの検証ですが、(7)はそのクレジットを使って実際にオフセットをする商品であるとかサービス、あるいは会議をオフセットする、イベントをオフセットする、そのオフセットの行為というか、そのもの自体が適切かどうかという観点の検証、認証も必要ではないかという意見があるということで、そういうことについて記述してはどうかということでございます。
 最後のページですが、オフセットの取り組みを適切に進めるための支援のあり方ということで、資料3でも少し指摘されていましたが、オフセットが非常に幅広い主体が市民、企業を含めて、あるいは自治体ということで参加されるということで、そういう主体間での情報交換、マッチングを促進するためのプラットフォームの創設という話もございます。
 また、これからいろいろなオフセット事業モデルが提案されてくると思われますので、そういうものを募集して、効果のあるものを表彰することも1つの支援の仕方としてあるのではないかということです。ほかにもいろいろな取り組みがあり得るかと思いますが、1例として書いてございます。
 そういうことでまだ目次にちょっと毛が生えた程度のものですが、次回までの作業を進めるに当たって、今回いろいろと御意見を賜れればと思っております。

○新美座長 どうもありがとうございます。
 それでは、パブコメの骨子案、指針の骨子案ですけれども、幾つかの論点があるので、順番を区切っていきたいと思います。その方が議論しやすいと思います。まず、1ページ目の指針の背景と指針策定の目的を1つのグループとして御議論いただきたいと思います。続きまして、2ページ目の3のところで、(1)ないし(3)を1グループにさせてください。もう1つは(4)を1つのグループ、それから、その後(5)から(7)を1グループにして、最後の支援のあり方については、最後のグループと言うか、最終的にテーマとして御議論いただきたいと思います。あれこれ絡むところもあるかと思いますが、とりあえずそういうグルーピングをした上で御議論いただきたいと思います。
 では、最初に、指針の背景と策定の目的について御意見、御質問がございましたらよろしくお願いします。
 一方井さんお願いします。

○一方井委員 ありがとうございます。大変よくまとめていただいたと思うんですけど、一番最初の、指針の背景のカーボン・オフセットの意義のところなんですが、1つ目のポツは、専門家の方が読むと、ははあこういうことを言おうとしているんだなというのはわかるんですが、その排出量をみずから把握して、コストであることを認識することにより、自主的削減の取り組みを促進すること。これちょっと、カーボン・オフセットと余りよくわからない方がパッと読んだときにわかりにくいと思うんです。
 私の理解ですけれども、カーボン・オフセットの意義というのは2つあって、これは削減を促進する手段であるということと、それから、こういう幅広い手段を提供することによって、まさに自主的削減の取り組みが促進されることという2つだろうと思うんです。
 そういう意味では1つ目のポツ、これは私の提案ですけれども、こういうふうに書くと割とわかりやすいんじゃないかと思います。市民、企業等が温室効果ガスの削減に取り組むに当たり、みずからの削減活動では削減し切れない削減分を、他者の削減活動を支える削減クレジットの費用を負担することにより埋め合わせ、全体としての温室効果ガスの削減を可能とするものであること、というのがまず1つ目です。
 2つ目の方は、現在書いてあるのを途中まで使って、みずから貢献する方途を提供することにより、その自主的削減の取り組みを促進すること、というふうに書くと2つのポイントが入るのではないかと思います。
 これは私の御提案ですので、あとは判断していただければと思います。

○新美座長 ありがとうございます。非常に建設的な御提案ですけれども、いかがでしょうか、今の御意見については。
 それでは、そういう御提案があったということで、作成するときに。
 小林さんお願いします。

○小林委員 今の御意見に関連して、2ページのところに「カーボン・オフセットの定義」というのがありますね。定義というのをどこかで。これが定義なのか。私はむしろ(1)の「カーボン・オフセットの定義」と書いているのは、そこの定義というところ、これは基本原則のような感じがするんです。そもそもカーボン・オフセットは何かということを、今おっしゃったように、この意義とかこの辺を合わせてやった方がいいんじゃないかと思うんです。

○新美座長 私も一方井さんの、指針の背景に書くことは大賛成ですけれども、今のような表現では、むしろ定義のところできちんと書いた方がぴったりくるかなという気もしたし。そうすると小林先生がおっしゃったような諸原則をどこかで一応確認しておくということもあっていいんじゃないかと思います。ですから、中身は多分同じようなところになるかと思いますが、どこでどういう書きぶりをするのかというのを少し御配慮いただくといいんじゃないかと思います。中身自体というか、一方井先生のおっしゃったようなところは、どこかで定義なり何なりのところではパチッと出していただく、そういうことで御検討いただけたらと思いますが、そういうまとめ方でよろしいでしょうか。
 次に末吉さんお願いします。

○末吉委員 どうもありがとうございます。目的とか意義とか背景に関することなんですが、そもそも今、日本におけるオフセットの状況がどういう状況にあるのかという認識をどう持つかだろうと思うんです。既にマーケットに商品がたくさん流通しておりまして、そこで明らかにいろいろな問題点も確定しているとか、あるいはいい点もいっぱい出ている。いろいろなことが既にマーケットで起きていて、このまま放っておくとマーケットが壊れる。だから何かしようという立場で物を考えるのか、今はまだまだ星雲状態で、これからいろいろなものが出てくる。将来にわたって、しかも先行しているヨーロッパであれ、アメリカであれ、オーストラリアであれ、極めて流動的なんだと思うんです。その先々もいろいろな形があり得ると思います。
 とすると、今のような状況の中で、日本におけるオフセット商品のあり方を本当に厳しく規制していくんですかという話ですね。それは本当に規制できるというか、そういう手段があるんですかという話も含めてです。それから、規制する意味があるんですか。逆に言うと、本来の目的は、日本にカーボン・オフセットみたいなことをして、温暖化対応に一国民として一消費者として何か貢献したいんだと。そういう人たちに何か個人でも小さなお金でも、いつでも貢献できるような手段を提供して、それを少しでも広げていきたいんだと。それから、ある意味では国民の精神作興運動としてでも、こういったのをツールとして広く国民に温暖化対応を、言葉ではなくて行動を促していくたんだと。例えばそういう目的を持っているんだとか、この商品のあり方をどうしようかということも重要なんですけれども、そういう商品を生み育てていくことによって、社会の中にどういうプロダクツ、エフェクト、ベネフィットをもたらしていくんだと。そういうところを僕はしっかりと議論して決めることがまず重要だと思うんです。そういうことがはっきりすると、非常に極論すると、余りはしの上げおろしまで言う必要もないんじゃないかという気がするんです。
 それからもう1つは、もちろん排除されるべきものは当然あるんだろうと思いますが、それは極力排除されるべきは小さく最小限にすべきということでもありますし、それから、何も今回だけですべて決めるわけではありませんので、恐らく将来にわたってある種の目標を立てて、そこへのロードマップというのをつくる必要があると思うんです。今回の時点だけですべてが決まるという話でもないと思うんです。世界の状況を見ても。いろんなものが出てくる可能性があるとしたら、そういう意味でのフレキシビリティーをどう考えるのか、時間の経過とともに将来的にどういうものにしていきたいのか、そういう意図がどういうぐあいに反映されるのか、あるいはそういう意図を持つ必要がないのかとか、そういうところをしっかりと議論しておくと、この例えば今回決めることが多少現実にそぐわないものが出てきても、いや、もともとそういう位置づけなんですということであれば、例えば社会全般も、今回決めることについての安心感といいますか、許容度が増すんだと思うんです。
 ですから、そういう意味で本当に最初からガチッと厳しめで、だめなものを排除するというだけで取り組んでいくのか。いや、できるだけ多くのものを育てていきたいと、促進していきたいんだと。でも、その全体を殺すようなことは排除しますよ。それはある種の時間をかけて、将来的には日本の中にもっともっと大きなマーケットになるようにしていきたいんだと。そういう大きな目標をもっとクリアに書いていくとか、そういうのは最初のところの議論というか、みんなの考え方のある種の収斂も必要なんじゃないかということを感じております。ですから、いきなりネガティブ・スクリーニングをかけるのか、それともポジティブ・スクリーニングでいくのかとか。それらの入る前に、どちらがこの政策目標にとってはポジティブな結果をもたらすんだろうかというのが先にあってもいいような気もするんです。

○新美座長 まさに流動的というか、先行き確実なものではありませんので、不確実の中でどういうルールをつくっていくか、ルール策定ということもこの中での目的に入っていると思いますので。今末吉さんがおっしゃったように、指針の目的のところでカチッと決め切るつもりは骨子案にはないと思いますので、その辺がちょっと出るように表現していただくといいんじゃないかと思います。非常に重要なポイントだと思います。
 あと中身になりますが、どういうものをクレジットにするかというときでも、多種多様なものも入り得るような仕組みにすることが必要だと思いますので、そういったことを少し。後ほどの議論も含めた上で、ここはカチッとしたものではなくて、やや動いていくものだという感じで書いていただくといいかと思います。
 明日香さんお願いします。

○明日香委員 私の考える意義という、ちょっと今のお話で思ったことを申し上げさせていただきたいんですが、目的はマーケットを大きくするということもありますし、温暖化対策につながる、貢献につながる、その2つあると思います。それは言葉の問題かもしれませんが、多分規制というのをここで考えているわけではなくて、情報提供だと思うんです。消費者にとっての情報、消費者が何を求めているかということにもよりますが、それをここでどういう情報が必要で、それが消費者にとってベネフィットがあるかという視点もあった方がいいんじゃないかと思います。なので、規制ではないし、これはあくまでもマンデートリーではないという認識なので、例えば政府がもしラベルをつけるとしても、例えばラベルがついていないものを市場から追い出すことは多分ないと思うんです。そういうことは多分しないと思うんですが、私もそれはしなくてもいいと思います。ですが、少なくとも消費者にとって情報を与えるというスタンスが必要であって、それは多分規制とはニュアンスが違うのかなという気はします。

○新美座長 まさにオフセットするものが何なのかをきちんとわかってもらうということだと思います。それは中で認証の何をクレジットにするのか、どういう認証にするのかとも絡みますので、それは意義のところでも少し触れておいた方がいいかもしれません。
 では、小林さんお願いします。

○小林委員 印象は、先ほど委員長がおっしゃった意見に賛成です。フレキシブルで、できるだけ幅広くするということだと思います。この背景と目的に書かれているところに幾つかの大事なキーワードがあると思うんですが、市民、企業、特に市民の参加ということですね。あと自主的ということですね。市民参加と自主的ということは非常に大事だと思うんですけれども、それに対して対極的に出てくるのが、規制ということになってくると思うんです。
 ですから、これは先ほど末吉委員もおっしゃったように、スクリーニングにかけるときに、ネガティブないし、むしろポジティブにかけて行うことが必要だと思います。あくまで自主的であっても信頼性の確保、要するに消費者に対してどう提供するか、信頼性をどう確保するかということが2番目のポイントになろうかと思います。その辺はここの目的等に書かれている書きぶりは、これはこれでいいと思いますが、恐らくこれは各論になってくると、じゃあ一体どうやって信頼性を確保するのか、規範の確立をどうするのか、第三者認証をどうするのか、そういったことが各論でのポイントになるのではないかと思います。
 そのために、いろいろと排除すべきものは当然排除していくべきなんですが、自主性を重んじて、それでできるだけ幅広くすると当然玉石混交になりますので、その排除すべきものをどうするか。そこでポジティブスクリーニングということも大事になってくるのではないかと思います。
 以上です。

○新美座長 ありがとうございます。
 それでは、仲尾さんお願いします。

○仲尾委員 背景あるいは目的でも結構なんですが、せっかくですから、日本政府としてどうしたいのか。その政策の中でこのカーボン・オフセットをどう位置づけるのかを入れないと、せっかく出す指針が、日本政府のものなのかどこか別の国のものなのか、顔が見えなくなるような気がするんです。せっかくCOP/MOPのサイドイベントでも発表されたいということですので、何らかの形で日本政府の意思ですか、どういう表現なのかわかりませんが、それをぜひ、背景あるいは目的の中に入れてほしいと思います。

○新美座長 非常に重要なポイントになると思いますので、それは策定の目的あたりですか、日本の政府としてなぜこれをつくろうとするのかということは、どこかに入れておいた方がいいのかなという気もしますが、ほかの方々、その辺はいかがですか。
 加藤さん。

○加藤委員 今仲尾委員がおっしゃられたところはすごく重要だと思いますし、外向けにこれをアピールしていくことと同時に、日本国民の皆さんにアピールしていくことが必要だと思いますので、そこは運営側のサイドでも考えていただきたいと思います。まさにそこはパブリックコメントでどうしたらいいか、広くお伺いするのがいいのかなと私は御提案申し上げたいと思っています。

○新美座長 それでは、小林さんお願いします。

○小林委員 もう1点、私はカーボン・オフセットの取り組み、温暖化の取り組み全般なんですが、自治体の取り組みというのが私は大事な点の1つだろうと思います。目的のところの2ポツに、企業、自治体、NPO等によるさまざまなレベルということがありますが、その他のところでも自治体の取り組みをどうこの中に入れていくか、検討していきたいと思います。
 以上です。

○新美座長 ありがとうございます。
 それでは、末吉さんお願いします。

○末吉委員 どうもありがとうございます。2点ありまして、日本政府の政策の中における位置づけで1点だけお願いしたいんですけれども、社会の中において、さまざまなアクターがこの削減に取り組む必要があるわけですが、例えば産業界が自主行動計画をやっているから民間は個人は何もしていないじゃないかと、だからこういうことでもやれと、といったような話になるんでしょうか。ということでいいんでしょうかという問題があると思うんです。あくまで自主的にボランティアに、市民がみずからの意思でやるというところをどう確保するかですね。ですから、日本政府としての大きな政策の中に位置づけることはもちろんいいことだと思いますが、他とのかかわりの中で、どういう位置づけをするかよく議論していただきたいと思います。
 それから、目的とか意義の定義のところであれなんですが、私自分もオフセットはどういうことかというと、まず自分で削減努力するんだと。その上で、削減できないものをと申し上げるんですけれども、本当にまず削減努力を行った上でなければオフセットに認めないのかというのは、これ、本気にこうなんですか。あるいは最初に削減努力ありきなんでしょうか。あるいは削減努力をしないまま、オフセット商品を買う人はノーなんでしょうか。あるいは先に買っておいて、後でどうしても、計算してみたらそれ以上出しているから、削減をみずからやるということ。ですから、みずからの削減努力とお金で枠を買ってくることの位置づけを、余りがんじがらめにしていいんでしょうか。というようなことをずっと考えているんです。これはまず削減努力ありきなんでしょうか。それをどうやって確認するんですか。

○新美座長 どうぞ、高橋さん。

○高橋室長 恐らくがんじがらめにはそもそもできないと思うんですが、原則というのは一応うたう必要があるのではないか。免罪符というものもありますので。ただ、寄附的な意味でやられるのもあると思います。まさに年賀状なんかはそういうところがあると思います。がんじがらめにはとてもできないし、ただ、原則を書いておかないといけないんじゃないか、そういう考えなんですけれども。

○新美座長 だから書き方としては、免罪符としてとらえてはいけませんよという程度だと思うんです。ですから、削減努力とオフセットというのを両輪にみたいな形でやることはいいと、それくらいの書きぶりの方がいいかもしれないですね。免罪符として使うというと、これはまさに金持ちであればそれですべてよしということになりますので、そうではないということは少し押さえておいた方がいいのかなと思います。末吉さんがおっしゃるように、これは経済的意味と一緒じゃないかということになると思いますので、それはちょっと精神論的な問題はあると思います。

○末吉委員 今の点で1点だけ、ちゃんと議論しておいた方がいいと思いますので。私は免罪符であっても、今まで何も考えないでお金も使わないでがんがん出していた人が、せめて金で自分で何かやりたいと思うことは、僕はきのうから比べると大きな前進だと思うんです。ですから、あんまりそういうのをしゃくし定規に言っていいんでしょうか。もうちょっとポジティブに、こういうことを進めるような雰囲気を持った方がいいんじゃないですか。まず削減ありきですよ、それをしないままやるのはだめだとか、あなたすべてをお金で解決しようとしているの、という雰囲気ではどうなんでしょうか。もうちょっとこうね。

○新美座長 末吉さんのおっしゃるように、例えばソーラーシステムを買うことだって一緒じゃないか、削減努力に入るんだったらオフセットだって一緒じゃないかということになるわけですね。サッシも二重三重にして暖房にすれば、これは金をかけて削減努力ですよね。それをほかの人にやってもらって金払うのとどこが違うかということ。経済的には私は全く一緒だと思います。先ほど精神論と言ったのは、免罪符でもいいと言うのかどうかもあるんですけど、末吉さんのおっしゃることは私は理があると思っております。
 加藤さんどうぞ。

○加藤委員 まず排出削減ありきかどうかというところですが、恐らく高橋室長がおっしゃったように、全体のこれは指針なんだと思うんです。具体的な活動のレベルにおいては、私だって多分自分で例えば排出を減らすよりも、出したからこっちを先に買いましょうというのは多分あると思うんです。ただ、恐らく我々のやろうとしていることは全体の、かつ中立なことをやろうとしているわけではないんだと思うんです。大きな指針は示したいということだと思うんです。それが多分さっき言った全体の絵なのかもしれない。ただ、個別にやるところについては十分にフレキシビリティーを確保していないと市場が広がらないですし、いろいろなやり方が生まれないという、そういう総論と各論の整理なのかなと私は考えています。
 あとは、もう1つの全体の指針なり日本政府の見方をどうするかということですけれども、確かにあった方がいいと思うんですが、逆にここの場だけで全部、ここの議論だけで全体を書こうとするのもやめた方がいいと思っております。なぜかというと、これが全体の中の一部だとするならば、全体の絵が描けないのはそっちの方にも理由はあるわけなので、ある程度そこは。余りそこについて少なくとも我々もがんじがらめにならなくてもいいのかなと思っています。

○新美座長 どうぞ。

○末吉委員 私は日本のことで気にしていることがありまして、このルールの作成に参画していない人はルールを文字でしか解釈しないんです。それは会場におられる皆様方も全くそうだと思うんです。ルールの作成に、こういうプロセスに参画している人は、いや、初めに削減ありきだというのは、ああいう雰囲気の中でああいうトーンで議論されて、言葉ではこうなっていますよというのはわかるんですけれども、この会議に参加していない人は、書かれた文字で判断するというのが日本人の非常に特性だと思うんです。ですから、このガイドラインを出すのであれば、文字どおり文字を読んで解釈できるところに、今のような緩やかな感じが入るような工夫を是非していただかないと、もういろんな人が、あそこにこう書いてあるから、君それだめなんだよなんて言い出しかねないというのが残念ながら、僕は日本人の強みであり弱みだと思うんです。そこだけはちょっと1点よろしくお願いいたします。

○新美座長 それは少し考慮に入れて表現ぶりを考えていただくということでお願いしたいと思います。
 それでは、明日香さんお願いします。

○明日香委員 ちょっと前の免罪符云々の議論で、私はっきり言ってよくわからないんですけど、私が1つ懸念するのは、冒頭の会議でも申し上げたんですが、絶対いろいろ批判は出てくるんですね。例えばゴアが、1人当たりのアメリカ人の平均の20倍も電気を使っているのは日本云々というのはおかしいとか、お金持ちが免罪符で云々とか。僕自身も多分そういうことを結構ネットで言われていて、あいつはペテン師だとか。
 だから、多分そういうリアクションをする人はいるんですね。感情的なものだと思うんです。偉そうなことを言っていて、自分は大きな車に乗っているのはおかしいんじゃないかと、それでクレジットを買っているからいいんじゃないかというやつはけしからんと、そういう人は結構多いと思うんです。僕も多分そう思うんです。だから、そういうことを配慮して文章を書いた方がいいのかなというのが僕の老婆心というか、自分でいろいろ言われていますので、そんなことを思いました。

○新美座長 ありがとうございます。
 まだまだいろいろありますけれども、時間のタイトなところであります。皆さんお許しいただけるならば時間を少し10分か15分ぐらい延長するということで、次のテーマの方に入りたいと思います。
 それでは先ほど申しましたように、2ページ目の3の(1)から(3)までに関連して御意見がございましたらよろしくお願いします。
 定義の点については、先ほど一方井さんの方から出ましたので、それも含めて御検討いただくということでよろしいかと思います。それから、(2)の削減努力の実施というところも、表現ぶりをあれこれ工夫してほしいという意見が出たかと思いますが、それ以外に何かございましたらお願いします。
 一方井さんお願いします。

○一方井委員 ものすごく細かいところなんですが、「カーボン・オフセットの主な類型と関係する主体」のところの書き方で、京都メカニズムの活用や企業の通常の事業活動に伴う排出抑制対策も含み得るが、当面この中では対象としませんよというふうに書いてあります。ですからパッと読んだときに、京都メカニズムは当面関係ないんだなとまず思うわけです。ところが、ちょっと場所がはみ出すんですけど、(4)のところではCERを使うという話がありますね。ですから、ここで京都メカニズムのこのクレジットは使えるとなっていて混乱します。ここは書き方の問題なので、整理しておいていただければと思います。

○新美座長 ですから、やるとしたら「含み得る」でまず丸にしておいて、ただし、ここの指針においては、ターゲットはここに絞るくらいにしておいて、やってもいいんじゃないですか。ここではむしろ対象行為を、こういうものに当面念頭に置いて議論を進めるというくらいの表現でとどめた方がいいかもしれませんが、後ろでCERを使っていることとどういうふうに考えるかというのは、非常に悩ましいところですので。
 どうぞ、小林さんお願いします。

○小林委員 これは先ほど末吉委員がおっしゃったとおりで、議論に参加していない人はこの文面から判断することになるので、この辺のことを明確にする必要があると思います。企業の通常の事業活動に伴う温室効果ガスの排出抑制対策も含み得るがということですけど、実際には、企業の通常の事業活動に伴う排出抑制対策をオフセットの対象とは当面しないということなんですね。

○新美座長 これはオフセットでは考えないということですね。

○小林委員 ですから、その辺これだけですと、ちょっとこの文からは非常にあいまいだと思うので、もし対象としないならしないというふうにしておいた方がいいんじゃないかと思うんです。当面以下を対象とするということなんですけど、将来はそういった企業の活動抑制対策も入るのかどうかですね。

○新美座長 それは入れる必要があるかどうかという議論もあるわけですね。
 その辺はいかがでしょうか。

○高橋室長 ちょっと補足いたしますが、この表現は短い文章にしてしまっておりますので、次回に向けて文章化する中で、十分きょうの御意見は配慮して、文字だけで誤解がないようにしたいと思っております。ここの趣旨は、将来日本でキャップ&トレードが入るようなことがあれば、その時点においてオフセットの位置づけというのは、一方井さんもおっしゃられたように、そういう役割、位置づけをきちんと整理しなければいけないと思います。現時点では、あくまでもそういう規制がかかっていない主体が自主的にやるものについて想定しているということ、そういう趣旨を書いているということです。

○新美座長 明確にしていただくということですね。わかりました。
 どうぞ、末吉さん。

○末吉委員 先ほど一方井委員がおっしゃった、読まれた文章の中に入っていたかどうかなんですが、自分で削減困難な排出量分について別途クレジットというこの文言でいきますと、あたかもカーボン・ニュートラルを求めているように読めるんです。ですから、これは全部自分が削減できないので、全部を対象にするんでしょうか、それとも一部でもいいんでしょうか。そうすると、そのあれが出るような一部ないし全部とか何か、そういう表現が入った方がいいんじゃないかと思いました。

○新美座長 どうぞ、一方井先生。

○一方井委員 今末吉委員が言われたことは私も非常に気になっていまして、ただ、2つ考え方があると思うんです。カーボン・ニュートラルまで持って行くのがこのカーボン・オフセットという考え方の肝であると考えるか、それこそ1%でも2%でも入っていればいいと。いわゆる薄いカーボン・オフセットですね。そうなりだすとちょっと恐いのは、非常に質の悪いカーボン・オフセットの考え方が蔓延してしまって、何となく言葉の上では何でもかんでもカーボン・オフセットと、実際は何も削減されないということになったら困るなと思って。私は個人的にはカーボン・ニュートラルに近い方の理解の方が本当はいいのかなと思ったんですが、ちょっとこの辺はまだ。

○新美座長 今の議論は非常に難しくて、消費者にそういった商品を売るときに、カーボン・ニュートラルにすると非常に高いものになるんじゃないかという懸念もあるんですね。ですから、その辺はどうするかというのは少しにらみながら、最終的な落ち着きどころを見るしかないんじゃないかという気が私はしますが、いかがですか。カーボン・ニュートラルまで言い切るかどうかはちょっと問題がありますね。

○末吉委員 その延長線上には、これまで出した分も消せという意見だって出てくるでしょうね。

○新美座長 そうですね。ちょっと極端になり過ぎるので、その辺は見据えながら議論していく必要があるだろうと思います。ここでどういう結論の方向を出すかというのは少し早いかもしれません。また次回でも議題として出てくれば、そのときに議論したいと思います。
 それでは、明日香さんお願いします。

○明日香委員 今のことに関する話なのですが、多分こんがらがっていて、出す方、削減したクレジットが1トンかどうかというのはちゃんとしなければいけないと思うんです。買う方が自分の活動量、排出量の全部を買うか一部を買うかという話がちょっとこんがらがっている。前者が質の話になると思いますが、後者は逆に自分のこれまで排出した排出量は多分わからないですし、実際かなり誤差もあると思いますので、ちょっと違う議論なのかなと。先ほどの主体の話も企業云々というのも、多分[1]、[2]、[3]のサービス利用というのは、どちらかというと買う方ではなくて、出す方の種類の云々の議論なのかなと思いました。

○新美座長 今の議論は、もう1つはクレジットそのものがきちんと削減しているかどうかという問題と、商品、クレジットにオンしてスタンプを押すとき、それが当該活動の例えばコンサートならコンサートの活動の排出量を全部クレジットでカバーしていなければいけないのかどうかという議論もあると思うんです。その辺を一方井さんは問題にして、全部クレジットで押さえておる必要があるのか、一部でいいのか。それが1〜2%でもいいのかという議論もあるということで。それは少し将来問題というか、次の機会に議論する必要はあるだろうと思います。
 ほかに(1)から(3)について何か御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、次に(4)のオフセットに用いるクレジットについてということで、これは前回以来大議論になっておりましたが、(4)について御意見がございましたらよろしくお願いします。ここでは、3ページにありますように幾つかのものが並列的に挙げられておりますが、これをどういうふうに考えるかということです。
 どうぞ、小林さん。

○小林委員 多分ここで一番大きなポイントになると思うのは、第三者検証をどうするかということで、その検証する場合に、3ページのところにもありますし、3番目のポツのところの「上記原則を具体化した一定の基準」、この一定の基準というのを一体どうつくっていくか、その辺が非常にポイントだと思うんです。

○新美座長 いろいろなものをクレジットとして認めるにしても、これを認証するときにはどこかでスタンダードを設けなければいけないということで。これは常に自由に取引をできるようにして何でもいいと言いながらも、レジストリをつくって認証して、これで安心してCO2の削減量を捕捉できますよということを言うためには、ある程度タイプを分けていく、スタンダードをつくらざるを得ないという、ある意味で相反するものになってくるだろうと思います。これは小林先生が今おっしゃったとおりですが。
 ここではとりあえず、そういった基準ができるならば、多様なものというようなとらえ方でいいのかどうかということです。ここでは京都メカニズムのものとか、あるいはJPAのもの、それ以外ということで。今、上2つはとりあえず基準も何もかもありますから、これは入れるということでいいのかどうか。それ以外にVERとしてどんなものを考えるかということを少し御議論いただければと思います。
 これまでの御議論だと、とりあえずは間口を広くという御意見が多かったと思いますが、そういうような形でパブコメにかけるということでよろしいでしょうか。ただし、手放しではないと。5ないし7の問題が常に影を落としていきますよということだと思います。
 どうぞ。

○高橋室長 資料4で十分書いていない部分があるので補足したいと思いますが、1ページ目の指針策定の目的のところで御説明したわけですが、この目的の2番目のポツと3番目のポツを分けて書いておりまして、一番下のポツは、まさに商品・サービスとして第三者も巻き込んで市場に流通させていくような話がいろいろ動いているという話があるんですが、それだけではなくて、2番目のポツは、ボランティア的に自治体とかNPOとかいろんな動きがあるということで、そういうものについても、いいものは位置づけて促進していくということを一応考えております。そういう意味では第三者認証とか一定の基準とか書いてございますが、この辺はかなりバリエーションがあるということで、きょう御議論があるように将来のいろいろな動きもあるでしょうから、何か排除するようなものにならないような、その辺は書き方は難しいかと思います。
 ただ、これから商品ということになると、今はきちんと基準ができているCERとかJPAというものがメインになるかと思いますが、今後いろんなものが出てくるということも想定して、なおかつ市場に出回らなくても、ある意味自己完結的なものもあり得ると思いますので、その辺はいろいろなレンジのものを位置づけられるようにした方がいいのではないかと事務局では考えております。

○新美座長 それでは、小林委員お願いします。

○小林委員 今の御意見でいいと思うんですが、その場合いろいろなレンジということになると、多分ここの書きっぷりから言うと、CERと京都クレジットですね、これとJPAですか、この2つが既に商品になると理解できるんですが、それと今後いろいろと生まれてくるものをどうするか、それを1つのレンジ。もう1つその間にあるのは、既に自治体が取り組んでいるもので、例えば高知県がやっているCO2吸収認証証書とか、これから出てくるであろう排出削減認証証書とか、そういうものは多分今後出てくる間の中間だと思いますし、自治体が取り組んでいるものについてかなり信頼性も高いと思うので、これは高知に限らず和歌山、大阪、京都等でも、今後極めて近いうちに出てくると思いますので、そういったものの位置づけ等も検討しておいた方がいいのではないかと私は思います。

○新美座長 ありがとうございます。
 基本的には、ここではいろいろなものが入り得るような仕組みをつくったらどうか。ただ、その場合も一定の基準、それに応じたものが用意されることを前提にするという意見だと思います。
 明日香さん。

○明日香委員 ちょっと先走った議論になるかもしれませんし、問題提起ということでお許しいただきたいんですが、多分賢い消費者だと、私は違うんですが、もし賢い消費者なりいろいろ知りたい消費者だとすると、日本の場合クレジットの種類は、今数えて9つぐらいあるのかなと。一番上がCERでかつ京都議定書、日本政府の目標達成に貢献する。2番目は無効化するので、CERだけど日本の目標達成には貢献しない。3番目がJPA、4番目がグリーン電力証書、5番目がVERの。5番目からは順序はあれなんですが、国内の削減、7番目が国内の吸収、8番目が海外の削減、9番目が海外の吸収、かつそういうものに関して何らかの政府が認証を与えるんだったら、その認証なしという、多分数えて9つだと思うんですが、ぐらいが多分買う方としては。そこまで考えて買う人はいないかもしれませんが、なのかなと思います。
 そのときに、これから議論なり、そんなにすぐ決まらないと思いますが、何らかの政府が品質ラベルみたいなものをつくるときに、幾つつくるのか、それこそ色を変えるのかとか、そういう議論が出て来ると思います。とりあえずは上の3つか4つか5つぐらいだけを考えて、あとはいろいろな状況なり、いろいろなプロトコルができるのを考えつつ順次判断していくとか、そういうような多分議論になっていくのかなという気がします。

○新美座長 いかがですか、今の御議論。大体の方向、ほぼ同じ方向を向いた御議論になっていると思います。
 どうぞ、小林委員。

○小林委員 今の明日香さんの話の中でラベルという話がありましたね。それは政府がやるのか、民間が自主的にラベルをやるのかということもあると思います。もう1つは、完全にマーケットに任すかどうかですね。その辺はこれからの議論だと思いますが、そのラベルを張る場合には、今後いろいろな面でかなり議論する必要があるのではないかと思います。

○新美座長 ラベルがとりあえず頭に浮かんでいるというのは、だれを買い手と考えるかによって違ってくるので。マーケットに任せるというと、これは事業者ならばいいんですが、消費者の場合にはなかなかそうはいかないので、何らかのラベルが必要かなという気もします。それをこのオフセットの中で、今のところ二本立てみたいなことを考えていますけど、何でも入ってもいいということを考えていますが、制度設計のときにはどういうものにするか非常に難しい問題だと思います。その辺は、当然全部ラベルになるかどうか、それはちょっと考える必要があると思います。ただ、消費者相手のときには必要だろうという気はします。
 どうぞ、末吉さん。

○末吉委員 ありがとうございます。この原則になるのかなと思うんですけれども、その原則の役割を考えたときに、今既にある、あるいはつくられてきつつあるクレジットに対してこの原則を適用して、オッケイよ、ノーよという役割と、その原則が示されることによって、それをクリアすればクレジットになるんだという目標感というか、誘導の要因もあると思うんです。私はもちろんだめなものを排除するという役割も、さっきのあれではネガティブ・スクリーニングの役割を果たすと同時に、ポジティブ・スクリーニングの役割も果たす原則であってほしいと思っております。基本的にはそれは一緒なんですけれども。ですから、これさえ満たせば、自他ともに認めるCO2の削減なんだというようなものが原則なんだと思うんです。ですから、そういう意味では国の方もこの原則のところについては相当しっかりした議論をしていただいて、これだったら堂々たるCO2削減なんだという原則にできればいいなと思っております。

○新美座長 ほぼその方向としてはということで、注意すべき点は今末吉さんがおっしゃったとおりだと思います。この点については、具体的にどうするかはもう少し今後の議論になると思いますので。この4については、以上のような議論にさせていただいて。
 もう1点ありますか。小林さんお願いします。

○小林委員 この問題はどこの項目で議論するのか私はわからない点があるんですが、第三者認証をする審査機関、認証機関をどういうふうに制度設計するのか、それから、審査員というのは一体だれがやるのか、この辺のこともどこかで議論する必要があるのではないかと思います。

○新美座長 ありがとうございます。
 今のはクレジットについての審査ということですか。

○小林委員 両方。さっきありましたね、行為の対象というのが。

○新美座長 オフセットについての認証と。

○小林委員 両方ありますね。

○新美座長 それは両方について配慮が必要だと。だれがやるか。

○小林委員 どういう機関で、どういう制度とか。

○新美座長 わかりました。
 話は次にも入りましたので、(5)から(7)のところも含めて御議論いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。具体的にはオフセットの手続とか、オフセットをやるについてどういう透明性、認証をやるかということについての論点ですが、この点について御意見ございますでしょうか。
 まず埋め合わせはどうするかということで、京都メカニズムに乗るようなものは償却して国のお役に立てるということでどうか、それ以外については別の方法というのが一応ここでは念頭のように、まあそうなるだろうということで書いてありますが、この点についてはいかがでしょうか。大体こういう方向でオフセットの仕方を考えていいというのでよろしいでしょうか。
 どうぞ、仲尾さん。

○仲尾委員 もしも市場メカニズムを利用するということであれば、透明性の確保は当然一番重要な課題になるわけですけど、今エコマークでも比較できるようにということが進んでいますが、ここにおいても、例えば共通のフォーマットを準備して、この商品にはこういう情報を最低限入れてくださいよ、商品の比較ができるようにする、そういう工夫もある程度念頭に入れておいた方がいいのかなという気がします。

○新美座長 あるいは、それと同時に、場合によってはレジストリがちゃんと見られるようにするとか、そういうことが必要になってくるかもしれませんね。透明性の確保をどこまでやるのかというのは大事なことだし、消費者の立場から言うと、一見性ということで購入した商品にどういうマークがついているか、色分けなり何なり、そしてそこにどんな情報が乗るかということも、一応スペックを用意しておく必要があるだろうということはおっしゃるとおりだと思います。
 ほかにカーボン・オフセットに対する第三者認証について、だれがどうするか。お願いします。

○小林委員 透明性の確保、信頼性の確保の上から、認証制度、第三者認証は大事なことは私も認めることでありますけれども、このカーボン・オフセット制度を考える場合、どういうふうな認証をするかは非常に大事だと思います。これは非常に厳しい制度というか、やりますと、実質上市民団体の人がプロジェクトをやるとき非常に大きな課題になると思います。これは当然認証費用の問題もあるし、技術的な問題もあろうかと思います。ですから、先ほども言いましたように第三者認証制度を考える場合には、この制度設計はよく検討する必要があると思います。
 それから、私たちがこういった認証制度を考える場合には、どうしても既にあるDOE、それからISO14001の認証機関とか、そういうことを考えがちなんですが、もう少し幅を広げて、例えば自治体が手がけるプロジェクトであれば、それぞれの自治体でできる審査制度があると思うので、自治体が持っているいろいろな研究機関その他がやる手もあると思うので、ぜひこれは屋上屋を重ねないように、できやすい方法、やりやすい方法を考える必要があると思います。繰り返しますが、信頼性を損なわない範囲で、できるだけ柔軟に対応できる方法が必要だと思います。

○新美座長 ありがとうございます。
 ですから、クレジットの認証とオフセットの認証をリンクさせるのかどうか。同じ機関にやらせるのか、あるいは全く別のものを考えるのかによって全然制度設計が違ってくると思います。その辺は課題として次の機会に、もう少し議論を深めていったらと思います。
 明日香さんどうぞ。

○明日香委員 今の点に関してなんですが、多分大事なのは、質をどの程度というのは基準を考えるかなので、高いお金をかければ高い厳しいのができると思うんですが、当然トレードオフだと。それも大事なんですが、多分もう1つ大事なのは共通化だと思うんです。例えば高知県はすばらしいものをやっていても、それが埼玉県のやつと違ったら、消費者はよくわからないと思うんです。なるべく質とは別に共通化も考えていただくことが必要と思っております。

○新美座長 そういう意味では流通ということを考えると、共通のルールが必要になってくるし、つくり方によっては、悪貨が良貨を駆逐するということも避けなければいけないので、その辺の配慮は必要だという気はします。
 小林さん。

○小林委員 そういう面では、オーストラリアでやったことが参考になるのではないかと思うんです。オーストラリアは先ほど出たように、連邦政府ですから各州が独自にやっているわけですが、独自にいろいろな制度を立ち上げていって、もう3〜4年前から出ていたと思いますが、各州の制度をどういうふうに共通性を持って、州の中だけではなく州の間の取引ができるようにするか。そういう点はかなり苦労して、既に全体の整合性をつくったのかどうか知りませんが、多分いろいろな検討をしたと思いますので、そういう点も参考になるのではないかと思います。

○新美座長 多分それが将来海外とのリンクを張るときに、その経験が生きてくるんだろうと思います。どういうふうに共通化して、どういう取引ルールをつくるのか、そういう議論になっていくと思います。この辺は認証の問題と同時に重要な問題だと思いますので、課題として見据えておくということで、指針にも書いておいた方がいいんじゃないかと思います。
 末吉さんお願いします。

○末吉委員 ありがとうございます。確認なんですけれども、これはルールとか、原則とか、制度とかそういう話であるわけですが、最終的にこれを全部パスしてきた商品に相当価格差が出る可能性がありますね。ですから、この価格については触れないんだと、あるいは価格には関与しないんだということは、何らかの形でこのガイドラインには当然出るんですよね。

○新美座長 それはマーケットに任せるということになるんですね。

○末吉委員 それはマーケットに任せるんだということですね。むしろ、そのマーケットでフェアな競争が行われるための土台づくりを、このガイドラインが役割を果たすんだという認識でよろしいわけですね。

○新美座長 そのつもりで皆さん御議論いただいてきたと思います。
 加藤さんお願いします。

○加藤委員 非常に瑣末な点で恐縮なんですが、さっき末吉先生が、この文字を読んだ人は、その文字から読み取るんだというメッセージを発せられて、私もなるほどなと思って。それでこれをずっと見ていたんですが、例えば(5)の埋め合わせの手法、クレジットを無効化するというふうに書いていますよね。多分ここの中でいろいろな、恐らく専門的なターミノロジーはすごくたくさん出ていると思うんです。恐らく私はここの無効化というのは、ここの議論でやったレジストリを前提にするかとか、もしくはレジストリがない場合にも、無効化するかみたいな議論があったかと思うんですけれども、多分これだけ出すと、わからない言葉というのはすごくこの中にたくさんあると思うんです。事務局サイドの宿題をふやして非常に恐縮なんですが、最終的にこれを出すときは、例えばCDMとかでもグローサリー・オブ・タームというのがありますよね。用語集みたいな形。それに事細かなデフィニションがまた、書いている必要はないかもしれませんが、ある程度それは最終的なアウトプットとして整理しておいた方がいいかなと提案します。

○新美座長 いろいろな専門分野の人もいますから、簡単なものでいいから、グローサリーはぜひつけていただいて。特に省略されている記号は、ピンと来る人とピンと来ない人がいる。CERと言われても、何でしょうということもありますので、少しその辺は注意して、御面倒でもお願いしたいと思います。
 それでは、仲尾さん。

○仲尾委員 (7)番の第三者認証のところで、商品にする場合の入り口のことが主に書いてあるんですが、出た後ですね、例えば償却しましたよとか、そのモニタリングもそうですし、あとマークを付与した場合は期限をどうするかとかそういうことも、出した後のフォローもどこかがやると。やる必要があるのかどうかも含めて。そういうのもどこかに載せておいた方がいいんじゃないかと思います。

○新美座長 (7)はそれを考えているんじゃないですか。むしろクレジットの認証は別のところで考えているんじゃないかと私は理解したんですが、その辺はいかがですか、このガイドラインとしては。

○高橋室長 恐らくクレジットのタイプとか商品のタイプによってモニタリングが重要になってくる。恐らく森林なんかを使った場合にはモニタリングが出てくると思いますし、そういうものも含めて検討していきたいと思います。

○新美座長 それでは、小林さんお願いします。

○小林委員 どういうプロジェクトを対象にするかということで、議論をこの場では余りしていないんですが、大きく分けると、マトリックスを書くと排出源と吸収源に分かれると思うんです。それから国内プロジェクトと海外プロジェクトの両方あると思うんですが、それを大きく分けると4つになりますね。排出源でも国内、海外、それから吸収源でも国内の森林、海外の森林、両方でつくるわけです。今までの議論からいきますと、いずれのプロジェクトも排除しないということで理解していいのかどうか。
 もう1つは、先ほど明日香さんから気になる表現があったんですけれども、分類してランクづけした場合、上位の方に国内の排出源が行って、下の方に海外の吸収源が行く、こんな感じを受け取るんですけれども、そういったことをどういうふうに。私は別に森林に肩入れするわけではないんですが、このカーボン・オフセットのニーズを考えた場合、多くのNGOの方々は、海外おける植林活動もしくは森林保全活動等々、この制度を活用してより推進していきたいというニーズもあるのではないかと思うので、その辺のことをどう位置づけるか。

○新美座長 まだプライオリティーをつけるところまでは行かないと思いますので、とりあえずは間口を広げておいて、候補として入り得る。プライオリティーをつけるのは、もう少し先の作業というふうにしておいた方がよろしいかと思います。それでよろしいでしょうか。
 明日香さん。

○明日香委員 まず今のお話ですが、普通は市場がつけていくんだと思うんです。普通のマーケットだったら格付みたいなものが出てきて、ムーディーズが出てきて、最初はいろいろ反対はあったそうですけど、だんだん浸透してきた。今回は普通の市場とちょっと違う市場なので、そのときに政府がどの程度積極的に関与するかという、大きな話なんですけれども、問題だと思います。
 もう1つは、具体的に逆に消費者ではなくて私はプロバイダーの方だと、プライオリティーしたときにいろいろ気になるのは、何か悪いことをしたらどういう罰則を受けるのかとか、刑事罰を受けるのかとか、例えば1トン削減した商品を10トンと言って売ったときにどうなるのか。オーストラリアで問題になったらしいんですが、いわゆる売り手責任であって、買い手はその10トンでキャンセルしたときにそれはいいのかとか、そこら辺はきっと、CDMと一緒ですし、プロバイダーの方は本当は気にするところなのかなと思います。

○新美座長 それは実務的には非常に大事なところだと思います。

○小林委員 これは大事なことなので一言つけ加えて申し上げておきたいと思いますが、これはカーボン・オフセットですから、あくまでカーボンで1トンは1トンなんですけれども、しかしながら、裏にはプロジェクトの意義をどう評価するかということが大事だと思います。その地域の持続可能な発展に寄与するかどうかとか、例えば我が国の国内であれば、国内の地域にそのプロジェクトはどう貢献するかとか、そういうことはどこかで評価できることも考えておく必要があるのではないかと思います。
 そういった中で、例えば先ほどの15ページの表、御苦労してつくられたものですが、その中にいろいろなことが入っている中で、プロジェクトの質の問題を判断する幾つかの、例えばCCBAなんかそうなんですけれども、こういうものを何らかの形でクレジットの評価の中に入れていくことも、カーボン・オフセットで私は非常に難しいことだと思いますが、考えていきたいなと思います。これがまた現在のCDMで若干欠けているところではないかと思いますので、それをぜひカーボン・オフセットのところで補えればと思います。

○新美座長 どういうふうに質を考慮していくかは、この仕組みをどこまで大きくするかということとも絡んできます。特に認証機関は、どこまで大きいものを想定するのかにも絡みますので、その辺はこういうことも視野に入れるべきだというものを踏まえた上で、パブコメにかけるかどうか、そういうものを入れるかどうかということも含めてパブコメにかけて、1つの視点として出していただいてもいいんじゃないかと思います。ただ、これを当然入れるということになるかどうかは少し検討しておく必要があると思います。要するに最初の転がりをどうするかということを考える。余り最初から大きな仕組みを用意するとにっちもさっちもいかなくなるおそれがありますので、ちょっとにらみながら、柔軟性を持って将来の発展性を考えた上でのガイドラインを意識して、今の点も出していただけたらいいんじゃないかと思います。
 あとほかになければ、時間を相当オーバーして司会の不手際ですが、最後の1点ですね、支援のあり方についてということで、ある意味でこれが一番、国としてどうするかという問題に絡んでくると思いますので、この辺について御意見がございましたらよろしくお願いしたいと思います。
 あるいは、これは次回への宿題にとっておきますか。かなりいろいろなことがありそうな気もしますので。余り短い時間でこれで終わりというのはちょっともったいない気がしますので、予定時間を30分近く過ぎていますので、これは少し宿題として送るということで、よろしいでしょうか高橋さん。

○高橋室長 もしよろしければ、後日また追加でコメントいただければ、次回までの作業に反映していきたいと思います。

○新美座長 そうですね、またメールか何かでも結構ですので。

○高橋室長 随時いただければと思います。

○新美座長 それでは、一応与えられたテーマについて議論は終わらせていただきました。本日30分延長して御議論いただき、非常に密度の濃い議論ができたと思います。
 最後に、環境省から連絡事項等ございましたらお願いします。

○高橋室長 長時間、有益な御議論をいただきましてありがとうございました。今日の御意見、またさらに追加のコメントもいただきまして、次回までにパブコメにかけられる案の素案を作成して、次回御議論いただければと思っております。
 次回は、11月20日火曜日でございます。時間は3時から5時、場所は青山のホテルフロラシオン青山で行いますので、よろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。

○新美座長 どうもありがとうございます。
 きょうは本当にお忙しいところ、遅くまでありがとうございました。これにて散会したいと思います。どうもありがとうございました。

閉会