環境省地球環境・国際環境協力カーボン・オフセットカーボン・オフセットのあり方に関する検討会

カーボン・オフセットのあり方に関する検討会(第2回)議事録

平成19年10月5日(金)
於・ホテルフロラシオン青山 はごろも

(1) 開会
(2) 英国におけるカーボン・オフセットの検討状況について
(3) 我が国におけるカーボン・オフセットの論点について

(1) 開会

○高橋室長 どうもお待たせいたしました。定刻となりましたので、ただいまから第2回カーボン・オフセットのあり方に関する検討会を開催いたします。
本日は、末吉委員がどうしても御都合がつかず、御欠席という御連絡をいただいております。
それでは、議事の進行を新美座長にお願い申し上げます。

○新美座長 それでは、皆さんこんにちは。お忙しい中、ありがとうございます。また、暑さがぶり返してちょっと暑いですので、遠慮なく上着をとられる方はとっていただいて。もう私はとっくにとっていますけれども。
それでは、議事に入る前に資料の確認ということで、事務局からお願いしたいと思います。

○事務局(竹田) それでは、事務局から資料の確認をさせていただきます。
お手元の議事次第をめくっていただきますと、資料1が「英国におけるカーボン・オフセットの自主規則(案)に関する概要とヒアリング結果」の資料でございます。資料2が「英国カーボン・オフセット市場及び自主規則(案)に関するヒアリング結果」、資料3が「英国下院環境監査委員会報告書の概要」、資料4が「第1回検討会における委員の御意見の論点別整理」、最後が、参考資料1として「英国において指摘されているカーボン・オフセットの主な問題点」でございます。資料の過不足があれば事務局までお願いいたします。

(2) 英国におけるカーボン・オフセットの検討状況について
   【資料1〜資料3】

○新美座長 どうもありがとうございました。
それでは、早速、議事に入りたいと思います。まず、資料1に基づいて事務局から御説明をお願いします。

○高橋室長 資料の説明に入る前に一言だけ御報告でございますけれども、先般9月24日にニューヨークで開催された、国連の気候変動に関するハイレベル会合におきまして、日本の代表として出席されました森元総理の演説の中で、来年の「G8洞爺湖サミット」をカーボン・ニュートラルで行うということが表明されました。こういう国際的な舞台で公式に初めて表明されたということでございまして、今後ますますこのカーボン・オフセットの話が具体化してくることかと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
では、資料の説明をお願いします。

○事務局(竹田) それでは、お手元の資料1と参考資料1について御説明させていただきたいと思います。
まず資料1が、前回検討会でも御説明しました自主規則(案)に関するヒアリング結果とその中身について、もう一度御説明させていただきます。
英国環境・食料・地域省へのヒアリング結果、私どもこの省の名前を「DEFRA」と頭文字で略しておりますけれども、こちらの方で幾つかカーボン・オフセットに関してヒアリングしてきました。
1つ目が、カーボン・オフセット市場への影響ということで、この自主規則自身、カーボン・オフセット市場の成長、その参入する企業の活動、あるいは購入者の取り組みを阻害するような規制にはしないということで、規則は義務的なものではなく、自主的なものだということでございます。
それから、カーボン・オフセットを実施する企業、個人には、まず減らしてもらって、それから相殺するというカーボン・オフセットの考え方について、深く認識してもらいたいということでした。
これは前回、検討会でも末吉委員から、このオフセットの形成の経緯について確認するようにということでしたけれども、後で資料2で詳しく御説明しますが、もともとは寄附行為のようなところから始まりまして、必ずしも自分の排出量を削減しようというところから始まってはいないと聞いております。
そういうオフセットの概念を、きちんと理解してもらいたいというのを強調されておりました。
それから、2つ目の品質マークでございますけれども、これについては、カーボン・オフセット市場における自主的な取り組みにおいて、オフセット商品に付与する品質マークの使い方は、将来的には制度化することも考えられるということ。これは前回も、マンデートリーの意味についてということでしたけれども、これは品質マークを無断で使用した場合には規制が要るんじゃないかとか、2つ目の箇条書きにも書いていますけれども、品質マークを企業のロゴとあわせて使用する際には、混乱する表示方法にならないような規制を設けたいということであって、オフセットを義務づけるようなものではないということでございます。これについては後でもう少し、資料の間違いもございましたので、説明させていただきます。
それから、2ページ目、前回の検討会でも委員からかなり議論していただいたVERを除外した理由のところでございますが、これは現状、すべてのVERに信頼性(追加性等)があるわけではなくて、世界的にそのVERを承認する、スタンダードと言っていますけれども、統一されたものがないということ。
2つ目が、VERというのをきちんとオフセットに使ったかどうかを確認するためのレジストリというものがないということで、ダブルカウンティングの問題などが発生することから、対象には入れていない。
それから、あとはテクニカルな問題になりますが、英国では議定書対応とEU法にのっとったレジストリを構築してきていましたけれども、このレジストリの対象にVERを入れるのはかなり費用がかかるということと、そのソフトウェアの変更がかなり困難な状況ということでございます。
そういうことから、CDMによるCERと、EU−ETSのEUAというものであれば、ダブルカウンティングの心配もないし、国際的なレジストリがあることから、問題ないだろうということでございます。
4番目が、温室効果ガス排出量の算定ツールということで、この自主規則の内容を充実するためには、オフセットをやるときの算出ツールもあわせて充実する必要があるだろうということで、これについては排出係数の充実、今もあるんですけれども、その内容についても排出係数を充実させたり、精度を高めていったりしていきたいと考えております。ただ、このツール自身は使用を強制するものではなく、ボランタリーに使っていただくものを考えていらっしゃるということでございます。
それから、前回の検討会の質問にもございましたけれども、認定機関に関しては、カーボン・オフセット市場を円滑に運営していくために、認定機関は大きな役割があるだろうということで、基本的には自己採算性を基本とした独立した組織を考えていますが、その年次報告書等で透明性の高い組織にしていきたいということでございました。
3ページ以降は、前回と同じ内容なんですが、若干事務局の不手際もあり間違いもございましたので、内容をかなり精査してつくり直しております。特に強調して御説明したいのが5ページ目でございます。前回、明日香先生からも御指摘があったんですが、2つの問いの中身を一緒につくってしまって、この検討会の議論をミスリーディングしたところがございます。
まず問1、英国政府は、自主規則を適用すべきかということについて、賛成したのが92%であって、問3のところに、この自主規則に強制力を持たせるべきかということに関しては、75%が反対しているということで、ボランタリーにこれを使っていただくということと、先ほどのマンデートリーというのは、品質マークの使用についてのところでございますので、このオフセットというものを強制するようなものは政府としても考えておりませんし、業界というかパブリックコメントの中でも、反対しているという状況でございます。
あと中身は一緒ですので、割愛させていただきます。
続いて、お手元の参考資料1の説明をさせていただきます。これは前回も、一方井委員の方から問題点を調べてほしいということで、後で御説明します英国下院の環境監査委員会の報告書を参考に、現地のヒアリング結果、それから幾つか新聞記事等検索して、問題点を整理しました。細かく言うと9つございますけれども、大きく分けると前回も御説明しましたが、4つぐらいです。順番にポイントだけ御説明します。
1つ目が、オフセットが排出削減につながっていないのではないか。これはかなり強調されて、いろんな報告書もありました。例えば香港上海銀行のオフセットは、オフセットしたと言っているんですが、実際には2004年から2006年に排出量が増加しているので、オフセットしたと言っても、必ずしも自分の排出量が削減できていないのではないかという指摘がございます。
これについては脚注にも書かせていただきましたが、自社努力の削減がかなり高価な場合は、費用対効果の観点から、全量をクレジットで相殺するというのも合理的な考え方でありまして、むしろ相殺したクレジットがきちんとした排出削減量なのかというところが問題になるかということでございます。
2つ目が、前回も御紹介しました、同じところを計算させると排出量の結果が違うという問題でございます。
それから、ダブルカウンティングは、同じクレジットを何回も相殺に使われたりするということと、今回の自主行動の中にもありますが、透明性ということで、オフセット商品の価格がどういうものに使われているのかよくわからないというところで、問題ではないかということで指摘されております。
それから、クレジットに関連するものでございますが、1つが森林のプロジェクトに代表される永続性の問題で、これは前回も御紹介しました。それから、追加性ということで、ここでは資金的な追加性の問題について紹介しております。
続いて、裏のページでございますけれども、これは「将来価値の計算」と書いてございますが、これはオフセット商品のタイムスケールの問題と似たようなものですが、表の下に、将来価値の計算(例)ということで、エネルギー効率の向上と、再生可能エネルギーと、植林プロジェクトのポートフォリオを組んだ、あるオフセット商品の表を示してございます。
この中で、プロジェクトごとに、炭素を削減したり吸収するのに年数がかかるということで、エネルギー効率向上については6年、再生可能エネルギーが12年、植林が100年というふうに整理されています。例えば航空機の排出量をオフセットしたと言っても、植林の場合にはオフセットにかかる年数が100年かかるんだから、そこまでしないとオフセットしたとは言えないのではないかという指摘でございます。これはクレジットのアカウンティングの問題にも係るかと思いますが、こういった指摘もあるということでございます。
その下が、プロジェクトの適格性ないしはリーケージ。排出を抑制したと言っても、隣の地域で森林が減っていたりすると、実際には減っていないという問題を指摘している例もございます。実際にはこれらのベリフィケーションという問題点もありましたが、この資料の中では割愛させていただいております。
以上が、資料1と参考資料1の御説明でございます。

○新美座長 どうもありがとうございます。
それでは、ただいまの説明について質問、あるいは御意見がございましたらお願いします。発言される方は名札を立ててお示しください。
一方井さんお願いします。

○一方井委員 また単純な質問からで恐縮なんですが、2ページ目のVERを除外した理由のところで、英国はレジストリを早めに構築して、それを変えるのに非常に高額の費用がかかるということを言われているんですけど、日本の場合にはこういうことはあると思っていいんでしょうか。それとも、あり得ないと思っていいんでしょうか。

○二宮課長補佐 お答えいたします。我が国の場合は、国別登録簿と呼ばれる京都クレジットの排出枠を管理するレジストリがありますが、それとは別に環境省で行っている自主参加型排出量取引制度の中でレジストリというものが既にございまして、そちらで、このようなVERクレジットの排出枠の管理を行うことは可能でございます。

○一方井委員 余り費用的には問題ないということですか。

○新美座長 イギリスとはちょっと違った状況だということですね。

○二宮課長補佐 費用的にはそれほど問題ないと考えております。

○新美座長 ほかにございますでしょうか。
明日香さんお願いします。

○明日香委員 まず確認なんですが、これは最近のヒアリングということですよね。

○事務局(竹田) そうです。

○明日香委員 ということは、DEFRAはVERを除外することに関しては、いまだにそのつもりというか、いろいろパブリックコメントでは意見があったと思うんですけれど、このCERだけを扱うということに関しては、立場を崩していないということなんでしょうか。

○事務局(竹田) それについてはこの資料には書いてないんですが、後で御説明します下院の環境監査委員会のレポートも踏まえて、政府の中でもかなりトップレベルといいますか、上の方でVERを入れるべきかというのを検討されているということで、結論はその場では聞けませんでしたが、入れないという一方的な検討ではなさそうでございます。

○明日香委員 じゃあ、入れるかもしれないということですか。

○事務局(竹田) そういうことです。

○明日香委員 それは入れる可能性があるというのは、どういう形で入れるんでしょうか。VERのマークとCERのマークを別にするとか、そういうようなものなんでしょうか。

○事務局(竹田) 後で御説明するんですが、環境監査委員会の提案の中には、VERの中で品質のいいものについては、品質マークを別途つけたらどうかという提案もございます。あと民間の中でも、次の資料2でも御説明しますが、自主的にレジストリを統一的にして、透明性を高めたり自社努力もするので問題はなくなるのではないかということなので、いいかげんなVERはともかく、きちんと検証されたものについては使えるというか、品質マークを与えるような方向で議論したらどうかというふうに考えられます。

○明日香委員 ということは、DEFRAはVERを除外しないということですね。DEFRAの管轄の品質マークに関しては。

○事務局(竹田) DEFRAが言っているのではなくて、その監査委員会の提案でございますので、必ずしもDEFRAがそれをやると言ったわけではないんですけれども。

○明日香委員 インタビューの結果、まだそこら辺はよくわからなかったということですか。

○事務局(竹田) 資料1、資料2、資料3を横並びで見ていただくとわかるんですが、一応監査委員会の提案が出て、再度DEFRAの方で検討しているということなので、必ずしも入れないというままでこのまま行くのではなく、入れる方向で検討されているのではないかと事務局としては思っております。

○明日香委員 わかりました。

○新美座長 よろしいでしょうか。流動的だということで理解していいですね。
それでは、加藤さん。

○加藤委員 議長、ありがとうございます。少し細かい点になるかもしれないですけれども、VERと言った場合に、ちょうど前回の議論のときに隣の一方井先生と、このVのボランタリーなのか、ベリファイドなのかというので、多分そこはかなり本質な議論につながっているのかなと思っているんですけれども、ここで言っているのは、あくまでボランタリー・エミッション・リダクションを今の時点で入れないというお話であるというふうに私は理解しています。それが何を意味するかというと、いずれにせよCER以外のものは入れないということではあるかと思うんですが、ボランタリー・エミッションズ・リダクションと言った場合に、ボランタリーなものとしては、ベリファイドされているものとされていないものとが恐らくあって、いずれにせよ両方とも入れないということだと思うんですけれども、少し後々の議論のために、そういう理解で正しいのかということを御確認いただければと思います。もしかしたら資料2の方にかかわる議論なのかもしれませんが、その整理を教えていただければと思います。

○事務局(竹田) おっしゃるとおり、VERの中にベリファイドされているものとされていないものがあって、例えば参考資料1で指摘されているものの中では、ベリファイドされていないものの問題点がかなり挙げられているんだと思っております。先ほど明日香委員の質問に対する答えの中で言いますと、きちんとベリファイドされているクレジットについては信用できるので、後でその活用の利点も御説明しますが、そのクレジットをオフセットに使えるような方向で検討したらいいのではないかというのが監査委員会の提案の内容でございます。

○新美座長 よろしいですか。
では、信時先生お願いします。

○信時委員 非常に簡単な質問で恐縮です。イギリスの問題点の中の一番最後のところなんですが、日本は森林の吸収源で3.8とか3.9と言われていますが、それを排出権としているということです。これはここに書いています、100年オフセットにかかるということがベースで日本は吸収源をはじいているのですか。そこに対してはどういった考え方ですか。

○事務局(竹田) 日本の場合の3.8、3.9というものは、RMUにクレジットで言うと区分されるんですが、ここで言っているクレジットは、京都議定書で言うとtCER、lCERというのがありますけど、それのことを指しておりまして、この100年かかるというのはCDMの、これはIPCCの報告書の中でもいろいろと記載があるんですが、クレジットをどういうふうに発行するかで、この100年になったり1年になったりするのがありまして、実はこれはテクニカルな問題でございます。
森林というのは、最初に植えると成長が早く成長するんですけれども、年次がたってくると成長がとまってきて平衡状態になってくる。ここで言っている100年かかるというのは、森林から出されるクレジットが100あったとすると、100は並行状態にあったところまで全部含めて発行されるものであろう。それを順番に全量、変化量をそのままクレジットで発行してしまうと、100年かからないと全量を吸収したことにならないので、ここで100年かかるということで。これは発行の仕方を変えれば、こういう100年という問題がないやり方もある。小林先生は御存じだと思いますけれども。

○新美座長 では、小林先生お願いします。

○小林委員 今の御説明でいいかと思うんですが、tCER、lCERの場合には、今御指摘があったように最長でも60年だったかな、短い場合は20年からtCERの場合ありますけれども、これを100年と見るのは、ちょっと私この理論の名前を忘れたんですが、そういうのも1つの理論としてあるんです。今おっしゃる平衡状態のやつは、吸収してそれが排出されてその炭素がまた戻るという、そういう理論があるんです。

○事務局(竹田) トン・イヤー法についてだと思います。

○小林委員 3つありまして、そのうちの1つの考えで、我が国の場合には、国内森林を考える場合この考えをとっているとは限らないと思うんです。これはあくまで1つの考えで。私はちょっと質問しようと思っていたんですけど、評価価値の計算例として、これはオフセットに要する年数をそれぞれこう書いていると、いかにも森林がかかるように思われてしまうんですけれども、これはどういうことに使うために、どこがこういう将来価値の計算例を出しているんでしょうか。

○事務局(竹田) これはカーボン・トレード・ウォッチという多分NGOだと思いますけれども、それが環境監査委員会の公聴会の中で出しているポジション・ペーパーというか意見書でございまして、そのボランタリー・カーボン・オフセット・マーケットと報告書の中に記載もございます。グラフを見ている限り、ストックチェンジそのままの量を発行した場合のグラフで計算していますので、それでわざと、100年かかるよと強調しているような感じがします。

○小林委員 ですから、あくまでこれは1つの例として挙がっている。しかも、1つのNGOが出している考えであって、DEFRAがこれを認めているとか、英国でこれが広く使われているわけではないわけですね。

○事務局(竹田) そういうわけではございません。

○新美座長 仲尾さんどうぞ。

○仲尾委員 話をもとに戻して大変恐縮なんですけど、先ほど環境省の二宮さんから御説明のあった、VERのレジストリで日本で問題がないということなんですが、それは自主参加型で既にレジストリがあるからということでしたけど、自主参加型のレジストリというのは、あくまで自主参加型の中のルールに沿って、きちんとベリフィケーションしたクレジットに対するレジストリであって、ここで言っているVER、いわゆるボランタリーなエミッション・リダクションと違うので。今環境省さんがつくられている、いわゆるJPAというジャパン・アローワンスに対するレジストリを応用できるかどうかというのは、ちょっと議論の余地があるんじゃないでしょうか。

○二宮課長補佐 先ほど私がお答えした内容は、自主参加型国内排出量取引制度で使っているところのレジストリで排出枠の管理が可能であるということをお話し申し上げただけで、必ずしもそこで現在流通しているJPAと、ここで議論されているVERが同価値のものとしてレジストリ内で相互にやりとりできるということまでは、申し上げておりません。それをできるようにするかどうかは制度設計次第でございます。

○新美座長 今の議論は、VERのVをどう解するかということで相当議論が錯綜していると思いますが、これは法律的な観点から、レジストリに載せると言ったら、必ずベリファイは必要なわけですね。一応そういったアイデントフィケーションというか、一応のスペックをつくってそれをレジストリに載せることは必ず必要になりますので、全く自由にボランタリーでレジストリに載せることは考えられない。問題は、ベリファイするときにどの程度きついものを要求するかということになろうかと思います。
明日香さん、どうぞ。

○明日香委員 また間違っていたら訂正していただきたいんですが、VERをボランタリー・エミッション・リダクションというふうにおっしゃっていますが、多分そういう言い方はなくて基本的にはベリファイド・エミッション・リダクションで、ベリファイド・エミッション・リダクションの中に京都クレジット、いわゆるボランタリー・クレジット、ボランタリー・カーボン・ユニットとかいうのと、コンパルソリー、コンプライアンス・カーボン・ユニットというのがあると思いますので、VERをボランタリー・エミッション・リダクションというふうに呼ぶのは多分間違いかなと思います。間違っているかもしれないんですが、もともとVERというのは、ベリファイド・エミッション・リダクションから来たものなので、ベリファイドの中に京都のコンプライアンスに使えるものと、京都に使えないボランタリーのものがあるという位置づけなのかなと思います。
ついでですが、話は先ほどの植林のクレジットなんですけれども、今私の手元にペーパーがあるんですが、一応100年というのは、カーボン・ニュートラルとかメジャーなカーボン・オフセットの会社が使っている計算方法で計算すると。問題は、今植林でのオフセットというのは非常に安くチャージされているんです。その値段でやると100年分かかる。例えば1年でオフセットするという選択肢なりバイヤーが選択肢をとれば、今の植林のオフセットの値段の100倍なり、もっと高い値段を払わなければいけないというので、値段が違う。NGOとかは非常に安く売っていて、100年後のものを安く売っているという批判があるので、テクニカルなものではなくて、その値段とかかわる重要な問題だと思います。

○事務局(竹田) まず前者の方ですけれども、この資料の中では、「Verified Emission Reduction」ということで統一して使わせていただいております。ただ、VERの問題というか、オフセットの問題点で出ている問題事例は、本当にベリファイドされたのかというものが使われているので、今ちょっと加藤委員の方からお話が出たかと思うんですけれども、ここでVERは、そういうふうなことで統一させていただいております。

○明日香委員 2ページの[3]のVERで、「Voluntary Emission Reduction」と書いてあるので、多分これが間違いだと思います。

○事務局(竹田) 多分、今手元に配付している資料は、全部「Verified」に直していると思います。

○新美座長 バージョンが古いんじゃないかな。

○明日香委員 ごめんなさい、失礼しました。

○新美座長 明日香さん、それはよろしいでしょうか。
それでは、一方井さんお願いします。

○一方井委員 資料1の8ページのクエスチョンの10なんですけれども、これ私は何度読んでもよく意味がわからなくて、内容を説明していただけるとありがたいんですが。

○新美座長 これは多分読み方で、抱き合わせ販売を許すか許さないかということだと思います。要するにセットで必ず買えということにするのか、私はこの商品を買うときに参加しないからその分差し引いて買いたいということを許すか、ということだと思います。だから、抱き合わせ販売で行けということになるかならないか、そういうことだと思います。

○一方井委員 了解しました。2つの価格があるということですね。

○新美座長 そうですね。

○一方井委員 ありがとうございました。

○新美座長 ほかにございますでしょうか。
よろしいですか。またこの問題は後の方にも絡みますので、とりあえず資料1についての議論はこれくらいにしていただきたいと思います。
続きまして、資料2について事務局から御説明をお願いしたいと思います。

○事務局(竹田) それでは、資料2の御説明をいたします。
1ページ目は、ヒアリング対象先ということで、主にオフセットプロバイダーの企業5社についてヒアリングさせていただいております。ここは説明を割愛します。
2ページ目を見ていただきたいと思います。このオフセット市場のところは、ヒアリング結果というより、ヒアリングで紹介していただいた資料とか、私どもの方でも幾つか調べてまとめたものでございます。VERの市場の規模ですが、表1を見ていただきたいと思いますが、2005年から6年にかけて4倍ぐらいに成長しておりまして、Climate Groupによると、2010年には4億トンの取引量になるのではないかということで、表1に示している右の京都メカニズムクレジット市場、2005年度の市場を超えるような規模になると言われております。
前回の委員会の質問にも関係するんですが、どういうふうにこれが大きくなったかということで、ここには書いてございませんが、もともと先ほども言いましたとおり寄附に近い形、温室効果ガスがふえているから、植林してオフセットしませんかということをアピールしたり、アフリカの貧困層に対する問題を解決するために、寄附してくれというところから始まったと聞いております。
このオフセット市場が急拡大したのは、ゴア副大統領の「不都合な真実」のテレビもあるんですけれども、BBC放送の中で、デビット・アランボロー氏という有名な人がいるらしいんですが、この方がBBC放送の中で、気候変動が起きているのは事実だというふうに認めたとか、みんなで解決しようとかなりPRされたらしくて、それがかなりトリガーになってふえてきたというふうに聞いております。
3ページ目に、個人・企業がカーボン・オフセットを実施する理由を示しておりますが、寄附行為から始まったものでございまして、個人レベルで言うと、例えば飛行機に乗って海外旅行へ行ったり、ぜいたくな消費者社会のオフセットにVERのクレジットを購入してオフセットしているケースが多くて、必ずしも日常生活の排出量をオフセットしているものではないそうです。このあたりがDEFRAが定義をきちんとPRしているところでございます。
それから、企業の取り組みでございますが、1つが航空業界、特に国際便の飛行機の排出量というのは、今この条約の中の排出量の対象外にされている部分でございますが、そういう対象外にされていることと、その排出量自身将来的にかなり大きな排出源になってくるということで、EUの中でも、第2期に航空業界にCapが設けられる予定だということで、それを先行して取り組むようなものになっているということでございます。
これ以外に、民間企業の取り組みが大きくなっているのは、CSR的観点もあると聞いております。
カーボン・オフセットに使用されるクレジットのタイプですが、これは最近消費者の方、オフセットする側の理解もかなり進んできて、先ほども議論がありましたが、第三者に認証されたVERのクレジットの需要が高くなっていて、価格が高くてもGold Standardとか、そういう信用のできるものを買う割合が大きくなっていると聞いております。
プロバイダーの概要ということで、その市場規模の拡大に応じて企業の方も急増しておりまして、現在、英国では60社程度と言われておりまして、中でもThe Carbon Neutral CompanyとClimate Careという2社がかなり大きくて、取扱量の半分ぐらいがこの2社でやっているという状況でございます。その従業員規模も大きくなっているということで、かなり海外的にも店舗を展開している状況だと聞いております。
4ページ目でございますが、先ほど森林のプロジェクトのクレジットの扱いというのもありましたけれども、大きなところ、The Carbon Neutral Companyさんでも植林のクレジットを扱っていたんですが、最近かなりバッシングもあったこともありまして、取扱量を減らしていると聞いております。
それから、後での議論にも関連しますけれども、[5]番は、カーボン・オフセットするためのクレジットの認証方法ということで、現在VERの中のメジャーな認証方法は、Gold StandardとVoluntary Carbon Standard(VCS)のものと、VER+のこの3つが普及しているということで、特にイギリスでは、VCSの認証を受けたクレジットが多く取引されていると聞いております。
このオフセットプロバイダーが、先ほどの自主規則(案)をどういうふうに考えているかということでございますが、5ページ以降に4つほど整理させていただきました。
1つが、VERが除外されている点ということで、これは先ほど明日香委員からもありましたけれども、VERはCERに比べてかなり価格が低いということで、消費者にとっては購入しやすいものだということでございます。
2つ目が、あとの資料3にも書いてございますけれども、VERは現行CDMの欠点である最貧国、アフリカなんかでやるプロジェクトを増加させたり、途上国の持続可能な開発に寄与するプロジェクト、いわゆるクレジットがたくさん出るようなプロジェクトではなくて、持続可能な開発になるようなものに投資を促進する可能性があるということで、このVERを除外することは、気候変動への多様な取り組みを阻害するおそれがあると指摘してございます。これはひとえに先ほども議論になっています、きちんとVERを認証したものにすれば大丈夫だというふうに企業の方は申しておりまして、その認証方法とレジストリ制度の構築に向けた動きがあるというふうに聞いております。
それから、2つ目が国内プロジェクトと森林等の吸収源分野のプロジェクトが除外されているところでございます。これは先ほどDEFRAの資料でも御説明しましたが、EUAとのダブルカウンティングを防止するために国内で実施するプロジェクト、日本で言うと省エネをしたプロジェクトであったり、森林を植林したりするプロジェクトですけれども、そういったものとのダブルカウンティングを防止するために、オフセットの対象外となっているということでございます。
それから、省エネ型ではなくて、吸収源分野で言いますと、英国内でも土壌(主に泥炭地)からの温室効果ガスの排出がかなりふえているそうで、これを削減するプロジェクトだとか、あるいは今国連の方でも議論されているし、世銀でも注目している、途上国の持続可能な発展に大きく寄与すると考えられる森林プロジェクト、特に森林減少抑制とかそういったものの吸収源分野が対象に入っていないので、これを対象にすべきではないかと指摘しております。
アメリカでは、森林とか農地管理によるクレジットもかなり取引されていると聞いておりまして、こういう事例を参考にすれば信頼度が高められるのではないかという御意見を聞いております。これについては、この検討会で予定しております米国ヒアリングで確認していきたいと考えております。
それから、3つ目がクレジット売買のタイムスケールということで、契約が6カ月以内にクレジット取得を定めているところが問題だとおっしゃっておりまして、これがオフセット商品を販売するときに、販売から6カ月以内にクレジットを確保しなければいけなくなるので、次のページになりますが、需要がふえたときにクレジットがないとその商品が売れないという、需給バランスが崩れるというので、消費者のオフセットの機会を逃すことになるんじゃないか、あるいは長期の投資のプロジェクトがやりにくくなるということで、この市場の拡大を阻害するというふうに主張しております。
そのプロバイダーの中では、こういったクレジットの信頼を高めるために、クレジット発行状況を監視する専門組織を提案しておりまして、こういったもので改善できるのではないかと言っております。
4つ目がクレジットの透明性ということで、これは商品に対する考え方ですが、電力やガスなどは料金の内訳が開示されていないのに、なぜこのオフセット商品だけ開示しなければならないのかというところを指摘しております。
(3)番目が今後の取り組みということで、1つが、レジストリが普通存在していて、その認証方法ごと、あるいはプロバイダーごとにレジストリを管理している状況が現状だということで、これを国際間で取引すると、それが本当に1回だけカウントされているのかどうかわからないので、このレジストリ間を統括・管理するようなレジストリの連結というものの検討が進められていると聞いています。
2つ目が、統一されたVERの認証方法の開発ということで、先ほど3つほど御紹介しましたけれども、それらをなるべく統一できないかということで、その意見交換も始まっているのが現状だそうです。
以上です。

○新美座長 どうもありがとうございます。
それでは、今の点について御質問、御意見がございましたらお願いします。また、いつものように名札を立てていただければと思います。
仲尾さんお願いします。

○仲尾委員 わかる範囲で教えていただきたいんですが、今の4番目に挙げられたクレジットの透明性で、商品の内訳を開示するとビジネスとしての市場拡大を阻害するという御意見があったということなんですが、現状、イギリスではどの程度まで開示されているんでしょうか。

○事務局(竹田) ヒアリングで聞いて、現物を見たわけではないんですが、ほとんど開示されてないと聞いています。

○仲尾委員 恐らくカーボン・オフセットの性格によると思うんですけど、カーボン・オフセットというのは、お金を出してクレジットを購入して、クレジットは確実に排出削減に寄与するプロジェクトという前提があるはずですので、やはりある程度開示して、そのプロジェクトは確実に排出削減になるんだよというのを示さない限りは、カーボン・オフセットとしての意義が問われるようになると感じるんですけど。

○事務局(竹田) ちょっと御説明が不足していましたけれども、そのプロバイダーがどういうプロジェクトに投資しているかというのは説明しています。ただ、その投資するプロジェクトとオフセット商品、証書みたいなものかもわかりませんけれども、それとのリンクがどこまできちんとリンクしているかがわからないというのが問題だということだと理解しております。きちんとプロバイダーは、どういう意義とか、アフリカに投資するのはどういう意義があるのかとか、そういうのは必ず説明していると聞いております。

○新美座長 それでは、小林さんどうぞ。

○小林委員 今のこの一連の資料2の説明をお聞きしていますと、英国におけるカーボン・オフセットというのは、京都メカニズムで行うものの補完というか、京都メカニズムそのものではないんですけれども、EU−ETSとか、それからCDM。これでフレキシビリティーとか柔軟性の欠ける面を何とか補う面でカーボン・オフセットが利用されているように感じるんですけど、一方、カーボン・オフセットのルールを厳しくしてしまうと限りなく京都メカニズムのルールに近づいてしまう。本来、おっしゃった寄附行為から出発しているような非常にボランタリー的な要素をどう絡めていくか、これから日本で制度設計するとき非常に大事なポイントだと思うんです。
例えば、5ページの[1]のところに出ていますとおり、結局CDMでは、非常に欠点というか問題点で指摘されている、本来のCDMの目的が十分果たされていない。アフリカ等の最貧国のプロジェクトとか、地域の開発に資するプロジェクトが非常に少ないという問題。そういうものをVERで本当に個人の意思とか企業の意思で、こういうプロジェクトに参加したいということでVERをやろうと思っても、それが現実には制度的にはDEFRAの自主規制には組み入れられないとか、そういう問題が出てきているような気がこのところに端的にあらわれていると思うんです。その中で透明性とか信頼性を高めるために、第三者機関でどういうふうに認証していくか。これをまた厳しくしていくとCDMと同じになるので、その辺が今後日本で検討する場合、大事なポイントであるとこれを見て感じたんですけど、いかがですか。

○事務局(竹田) 事務局としては、プロバイダーの方がおっしゃるのも確かにそうですし、後で監査委員会の資料でも御説明しますが、逆にCDMの方も、こういう問題を早くなくすようにしないと。もしVERを対象としないのであれば、CDMの方のルールを改定するように政府として国際的に働きかけろというふうにコメントしている部分もあります。おっしゃるとおり、このCDMの欠陥をどういうふうに直すかというのは、これから非常に重要だと事務局としても思っております。

○仲尾委員 どうもありがとうございます。

○新美座長 それでは、明日香さんお願いします。

○明日香委員 これを読んでいて、規制側と規制される側のせめぎ合いみたいなものでおもしろいんですけれども、その規制される側の当たっている話もあるし、当たっていないような話もあって、今アフリカの話が出たんですが、多分VER超過もたくさん出るでしょうから、そう単純ではないのかなと思います。
認証方法というかスタンダードに関してお伺いしたいんですが、Gold Standardと、Voluntary Carbon Standard(VCS)と、VER+Standardの3つがあるとおっしゃっていたんですが、大体どの程度の割合で使われているのかというのが1つと、あとVCSが比較的よく使われているとおっしゃったんですが、その理由はどこにあるのか。どちらかというとVCSは、最低ここまではというようなものということなので、多分一番楽だからという理由かなと推測されるんですが、そこら辺はどうなのか。
3番目は、最初のDEFRAがどう考えているかにもよることに関係するんですが、DEFRAは品質マークをつけるときに、例えばこの3つか1つか選ぶかわからないんですが、そこで認証されたものだったら、品質マークをつけるというふうに考える方向なんでしょうか。そこら辺もしおわかりになれば教えていただければと思います。

○事務局(竹田) 1つ目の割合は、具体に何%何%とまで聞いておりませんので、それはちょっと不明です。VCSが多いということだけで。その理由も、そこまで深く聞かなかったのでわかりません。3つ目のDEFRAの考え方については、入れるかどうかもまだわからない状況なので、どれを支持しているかというところまではわからない状況でございます。

○明日香委員 DEFRAが何らかのスタンダードをつくるというのか、それとも既存のスタンダードを使うということなんでしょうか。

○事務局(竹田) 結論としては、どっちかわからないんですけれども、自前でつくることはなさそうだと思います。これは感触でしかないんですけれども。

○新美座長 イギリスのこういう問題のやり方のアプローチとしては、例えばDEFRAはコミットはするけれども、自主規制は業界で統一するならするということをやってほしいというアプローチをするのが通例です。ですから、DEFRAがみずから、これがスタンダードだということはまず考えてないんじゃないかと思います。それでいいか悪いかということは常にコミットはします。よろしいでしょうか。
それでは、一方井委員お願いします。

○一方井委員 5ページ目の[3]のクレジット売買のタイムスケールのところを教えていただきたいんですが、これから解釈すると、消費者はその商品を買ったときに、まだ買ってないけれども、こういうクレジットを買う予定であるという情報を持っていると考えればいいんでしょうか。ただ、6カ月たって実際買おうと思ったら、買えなかったということがあるかもしれませんね。そのときには、ただもう消費者はそれはどこからも情報が入ってこないということになるんでしょうか。

○事務局(竹田) 消費者は、その商品を買った時点で、自分はオフセットしたと思っていらっしゃいます。ただ、本当に削減できたクレジットで自分がオフセットされたのかはプロバイダーしか知らない状況なので、今おっしゃる、どうなったかというのがわからないのが現状だと思います。それがDEFRAでも問題だというふうに指摘していまして、それを知らせるかどうか。もう一方の意見では、余り知らせても消費者は難しくてわからないというような指摘もあったかと思います。

○一方井委員 そういうことは余りないんでしょうけれども、たまたま6カ月たって買えなかったと、まあしょうがないかと言ってその料金だけもらうということがあると、どうやって排除できるのだろうかという気がするんですけれども。

○二宮課長補佐 ここで言っている問題は、消費者がオフセットプロバイダーにお金を払った時点で、消費者はもうオフセットが完了したと思っているんですが、レジストリ上でオフセットが完了するのはオフセットするVERのクレジットがキャンセルされて初めてオフセットが完了する、その時間差のことを言っているんです。ですから、消費者はその時点でもう買ったわけです。買ったのに、実際のオフセット行為が6カ月以内に起きるかどうかが定かではないという問題をここで言っているんだと思います。つまりレジストリ上でキャンセリングすべきクレジットが6カ月以内に手に入っていないと、そういう問題が起きるということをここで言っているんだと思います。

○新美座長 永久に手に入らないということは考えてないということですか。

○二宮課長補佐 永久に手に入らなかった場合が問題です。6カ月以内にオフセットプロバイダーは必ずクレジットを入手し、レジストリ上でキャンセルをするべきであるということを言っているんです。それが6カ月以内に手に入らない場合に問題が発生するという議論になると思います。

○新美座長 それは一方井さんがおっしゃったとおりですね。それをどう防止するか。
今のことでよろしいでしょうか。
それでは、加藤さんどうぞ。

○加藤委員 ページ6の(3)の[1]に統一されたVERレジストリの構築、先ほどから議論に上っているところですが、これは本点としては多分2つあると私は理解していて、質問としてはイギリスのプロバイダーさんがどう考えているか、知っていたら教えていただきたいということです。2つある論点のうち、まず1つ目は透明性の議論だと思っています。透明性の議論というと、社会的にどこのプロバイダーさんで買っても、1トン減らせば必ず物理上1トンは減っていることがあるべしということが、統一されたVERレジストリを構築するための1つのつくる理由だということで挙がっていますけれども、もしかしたらこれは統一されていなくても、ベリフィケーション・プロトコルがきちんと統一されていれば、少なくとも入り口のところではクレジットの質は確保されている。あとは別に統一されているレジストリが仮になかったとしても、プロバイダーさんが外に見える形でキャンセレーション・アカウントをちゃんと用意していて、そこにVERが放り込まれれば、別に統一されていなくても可能であるかもしれないということが1つありました。ただ、統一されていれば、だれかがそれを中央的に管理するので、プロバイダーさんがずるいことをするというのはやりにくいかもしれません。これが多分論点の1つ目だと思います。
2つ目の論点なんですが、さっきVERの等価性、要は等価でやりとりできるかという話があったと思うんですが、私はもともとイメージとして持っているオフセットの考え方というのは、プロジェクトからVERというクレジットが生成されます。それが消費者さんなり企業さんなりに売られて、要はプロジェクトから出てきたものを、だれかプロバイダーさんが買い取ったら、それはプライマリーマーケットのクレジットの価格がつきます。今度それを第1消費者、もしくは企業さんが買うとする。それがセカンダリー・マーケットに流れるわけです。大体その時点で、その後オフセットされればそのクレジットは消えてしまうと思うんですが、統一されたVERレジストリが出てくると、セカンダリー以降のマーケットが存在することができると思うんです。マーケットがふくらんでくると多分、ターシャリーなマーケットと言えるかどうかわかりませんが、もしかしたら、そういうことをイギリスのプロバイダーさんたちはねらっているのかなと。
アメリカのCCXのVERについては、言ってみればターシャリー・マーケットというのが存在していて、そういうねらいが1つ統一されたVERレジストリを構築すべしという人たちはあるのかなと思ったんです。もし御存じであれば教えてください。

○事務局(竹田) 私どもヒアリングしたときは、前者の方の問題解決にはどうしたらいいかというふうに聞いて、これをホワイトボードに書いて、こういうことを考えているんだというふうに説明を受けたので、ここで書いた趣旨は前者です。後者の方は、CCXの絡みの話は余り、いつもおっしゃってくれないので。だから、そこまで考慮してやっているかどうかはよくわかりませんでした。

○新美座長 よろしいでしょうか。
それでは、信時さんお願いします。

○信時委員 1つは質問とあと感想みたいなものなんですけれども、これは行く行くこの会議の目的は日本なりの行動規制というか、オフセットに対してどうベリフィケーションにしていくかも含めて、そういうシステムをつくっていくことが目的だと思うんですが、今はイギリスの例だけ検討している。今後はアメリカという話もありましたけれども、もっとほかの国々のも比較検討して、あと2回か3回しかないんですけど、そういう方向はあるんですか。いいとこ取りと言ったら悪いんですけど、もっとほかのものも検討した上で決めていくということが良いのではないかと思いますが。

○事務局(竹田) そうです。次にアメリカのやつも比較しますけれども、事務局としては、日本の規則といいますか、ガイドラインのようなものの考え方の骨子案を次に出して、この場で議論していただきたいと思っております。

○信時委員 イギリスのやつを見ていて、ちょっと細部にこだわるようですけど、排出権というのは単なる金融商品ではないと思うんです。前回、私は不動産のリートのようだなんて言いましたけど、不動産の小口化商品を買っている人は、自分の投資した不動産がどんな状態になっているかということをまず買う前に確認してから買って、その後どういうふうに管理されているかもう逐一それを確認するわけなんですが、そういう意味で環境を守るといいますか、地球環境を守っていくというのが本来の命題であるのであれば、特に森というところは、我々が住む地球という意味での本当の意味の環境だと思うんです。それを忘れて、そういう現場と離れた形でのそういう設計というのは、少しどうかなという感じがしております。
いろいろ問題があったから、英国で森林が消失しているのにその権利を売っていたということがあったかもしれませんけれども、本当の具体論のところとの、いわゆる単なる金融の今は少し曖昧なところとのつなぎを常に見ていくような制度設計というものが必要なんじゃないかと思うんです。山の森もありますがCO2吸収のことだけを考えると海の森だってあるわけです。日本なりの環境をどうしていくかという視点での排出権取引のあり方というのを、英国なんかに欠けている部分をぜひ盛り込んだ形で、一挙には行かないかもしれませんけれども、盛り込んでいっていただきたいと思います。見ていてそう思いました。

○新美座長 多分今の信時さんのお話ですと、ベリフィケーションをどうするかというところに焦点が当たると思います。その後、レジストリに乗せてどう処理していくかというのは手段の部分ですので、ここを詳細にやればやるほど金融商品化していくという仕組みだろうと思うんです。ですから、ここでは全体を含めてカーボン・オフセットの問題があるけれども、環境問題からいくと、ベリフィケーションはどうするかというところに少し焦点を合わせていくことが必要だと思います。
ただ、そうかといってVERが全然流通しない、あるいはオフセットできないというのではどうしようもないので、そういった究極の目的である環境、あるいはCO2の削減を踏まえながら、より効率的にそれをシステムとして削減できるようにしていくということだったら、金融商品化というのは余り毛嫌いすることもよくないだろうという気はします。これは私の意見ではありませんが、今はそれこそ世界中がカーボン・マーケットなんて言い出していますので、いずれはそういうところの流れは出てくるだろうと思います。ただ、そのときに我々検討するときに忘れてはいけないのは、今言った炭素の削減ということです。今の信時さんの話は非常に重要な点でありますが、ひとり歩きしていくこともあり得るということは覚悟しておかなければいけないだろう。それがベリフィケーションのところでどこまで抑えられるかということだと思います。
ほかに御意見、御質問がございましたら。
どうぞ、明日香委員。

○明日香委員 ちょっと細かい話なんですが、大事だと思うのは、多分これから各論に入って行くと思いますが、スタンダードをどれを選ぶかとか、具体的な選択肢でDEFRAも日本政府も決めなければいけないと思うんです。そういうときにGold Standardみたいなものにするか、ボランタリー・カーボンスタンダードみたいにするか、CCXのようなものにするか。例えばCCXの植林からのVERは、追加性に対する義務はないんですね。だから細かく見て、どれがどうでここはおかしいとかそういう議論を多分、この場でできるかどうかわかりませんが、そういう議論をしないと深まらない。ベリフィケーションが大事ではなくて、どういうベリフィケーションでそこを細かく議論しないと。ここでやるのか、どこかほかのところでやるのか、イギリスがやってたやつをもうそのまま認めるのか、そこら辺は判断する。もちろん時間との関係もあると思うんですけれども。

○新美座長 それは大事なことですね。わかりました。ありがとうございます。
恐らく今のことも含めて、次の資料3のところで御議論がまた出てくるかと思いますので、特に資料2に関連して御意見がないようでしたら、次に移りたいと思いますが、よろしいでしょうか。
それでは、事務局の方から御説明をいただきたいと思います。

○事務局(竹田) それでは、資料3の御説明をさせていただきます。
まず、この経緯といいますか、英国下院環境監査委員会報告書の位置づけというか、出たタイミングでございますが、資料1のDEFRAの自主規則(案)というのが2007年1月に発表されまして、その後パブリックコメントにかかったということで、パブリックコメントが公表される前後になりますが、この報告書が、45の企業、組織を集めて5回ぐらい、委員会での質疑を踏まえてまとめられたものでございます。残念ながらここに関してヒアリングはできませんでしたので、報告書の概要を紹介させていただきます。
時間も押しておりますのでポイントだけ御説明しますけれども、オフセットの役割と目的のところでは、これまでのオフセットの経緯もあり、自分で努力して減らすということとか、あるいはオフセットと言っても、どこまでの活動をオフセットして初めてカーボン・ニュートラルになったのかという定義がはっきりしていないのは、きちんと提示すべきだろうということが示されております。
特に2ページ目の前半部分になりますが、もしこのボランタリー・オフセット市場というか、そのオフセットというのが排出削減につながる手段として有効になるのであれば、この参加者がふえるような対策を政府として進めるべきではないかということで、例えば消費者の方が、どういうオフセットの活動がそういう排出削減に結びつくのかというのを調査したり、その企業のボランタリーなオフセット市場を活用する要因、CSRの推進なのか、消費者にアピールしたいからオフセットしているのか、そういったところを調査して、きちんと分析すべきだろう。そういう分析結果を踏まえた上で、カーボン・ニュートラルなりカーボン・オフセットの定義をきちんと明確にして、逆に言うとそういうカーボン・ニュートラルなりカーボン・オフセットをしている人を正当に評価していくことが重要ではないかというふうに提言しております。
2つ目のボランタリー市場の現場と[3]のところは、資料1の説明が書いてありますので省略させていただきまして、3ページ目の下の[4]、説明自体は4ページ目になりますが、このコンプライアンス市場とボランタリー市場のクレジットの基準というところでは、主に先ほどのVERをどう扱うかということについて提言しております。
ここでは、小規模プロジェクトなりCDMのプロジェクトの欠点を補うVERの有用性、そういう視点が落ちているということで、もしVERといったものを活用しないのであれば、CDMのプロジェクトの多様化、改革に力を入れるべきだということで、真ん中ぐらいの箇条書きのところには、その方法論の開発だとか、次期枠組みにもきちんとCDMが使えるというふうに言わないとだめだとか、CDMの改革すべき点を幾つか書いてございます。
下から2つ目のところにEU−ETSとの関係が書いてありますが、御承知のとおりフェーズ1のクレジットのEUAというのはかなり枠が緩かったということで、このフェーズ1のクレジットが、オフセットのプロバイダーと通じて消費者にこれでオフセットしたというふうになるというのは、政府として抑制すべきではないかと指摘しています。
最後の箇条書きのところになりますが、現行の自主規則(案)をもう一度考え直して、ボランタリー市場がコンプライアンス市場の補完的役割を果たすべく、すべてのクレジットタイプを対象とすべきではないかと提言しております。
それから[5]番、規制とオフセットの基準の策定ということで、これはクレジットの売り手と開発者が異なる。先ほどの議論ですけれども、クレジットの販売だけではなく、クレジットの質とクレジット自体への規制、いわゆるVERへの規制、そういうものが必要であろうということです。
下の最後の箇条書きになりますが、政府は、独自の承認基準を設けて、CDMの対象とならないプロジェクトに品質マークを付与すべきではないかということです。
例えば、その考え方を5ページ目の上に示しておりますが、どういう基準を考えるべきかということで、プロジェクト、クレジットが、CDMの範囲外か範囲内かということと、それをどのような基準でだれがそれを決めるのかということを政府が考えるべきだろう。CDMの場合はプロジェクトが実施され検証された段階で販売されることになっているんですが、VERはその限りではないので、場合によっては、さっきも議論されましたが、プロジェクトが全く実施されないこともある。その吸収源プロジェクトにありがちだということで、タイムスケールの問題は重要だということでございます。
提言としては、コンプライアンス市場以外での取引、ここでVERと言いますけれども、デファレンススキームでは今除外されているということで、このボランタリー市場というのは、先ほども言いました持続可能な開発への貢献だとか、そういったものに貢献できるんですけれども、ここを規制しないとカーボン・カーボーイズ、前回明日香さんもおっしゃっていましたけど、悪徳業者というのがこのボランタリー・マーケットの中で横行することになりがちなので、きちんとここはオフセット企業に提供する、品質マークを認定する独立した団体が要るんじゃないかということです。Climate Care等はこの資金を産業界が負担すべきだと言っているんですが、この委員会としては、運営は産業界よりも政府が管轄して、承認には主要なNGOが参加するという形がいいのではないかと提案しております。
[6]番目が、その森林の吸収源のプロジェクトの扱いということで、提言部分を御説明しますと、政府としては、2012年以降のCDMメカニズムに森林減少抑制、これは小林先生がおっしゃる森林保全だとか、森林保護だとか、いわゆる新しく森林を植える以外の活動が入るんですが、そういった森林減少抑制のプロジェクト、こういったものが費用対効果的に有効なので、国際的に働きかけるべきだろうということ。
あと国内などで言いますと、泥炭地からのCO2排出抑制とか、今まで方法論が結構難しかったんですが、こういったものもプロジェクト化していくべきではないかということです。
最後のところを説明しますと、クレジットには必ずビンテージマークをつけて、発行段階になって再販されないようにしなければならないと提案しております。
それから、6ページ目が航空産業ということで、個人がオフセットに参加を希望する主要な分野になるんじゃないかということで、今は2005年に排出量は5%なんですが、2050年の長期展望をするときには、24%でシェアが大きくなってくる。だから、野放しにするのではなくて、これをきちんと削減できるような方向で行くべきだろうということで、例えば既にカーボン・オフセット基金を設立して、CERでできるような取り組みも開始している状況でございます。
先ほどの参考資料1でも御説明しましたが、航空の排出量算定の難しいところは、実際の測定する範囲、運航区間なのか、陸路の移動まで入れるのか、そういう計算上のテクニカルなバウンダリーの統一がされていないことだとか、あるいは飛行機のエンジンの種類だとか、座席クラス、それから放射強制力などのカウントの問題、間接効果ですね、そういったものの課題もあるということです。
EACの提言としては、7ページになりますが、この航空機の削減というのはかなり重要だという認識で、英国内の航空チケットにオフセットの仕組みを入れることについては賛成するということでございます。その算定方法については、かなりテクニカルな問題については、DEFRAのCalculatorの活用に賛成ということで、この方法論だとかその仮定を航空機の分野でも使えるようにしてほしいということが提言されております。
以上でございます。

○新美座長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの説明について御議論いただきたいと思います。

○小林委員 皮切りにさせていただきますけれども、先ほど私は、カーボン・オフセットの制度が京都メカニズムに補完する形で進んでいるのではないかということを申し上げましたが、ここではそういうことが非常に出てきております。そうした場合、幾つか見ていきますと、英国としては国内でこういうカーボン・オフセット市場をやって、一方、こういうCDMの改革もやってきたという議論が出ている。その中で、クレジットで考えた場合、京都メカニズムに基づくものはコンプライアンス市場、一方これは補完市場だと。その辺、クレジットと制度の管理を両方並行して考えていく必要がここの委員会でもあるのではないかと思うんです。
その中で、また森林問題で恐縮なんですが、どうもこのEACの提言等を見ていますと、京都議定書の次期枠組みをかなりにらみながら提言しているような気が私はいたします。そこで大きな焦点となるのは、既に上がってきているアボイディング・ディフォレストレーションですね。それに最近の言葉ではADという言葉と、それからもう1つはデグラデーションも入れるという、劣化も入れていこうという意見もあるんですけど、そういったことを踏まえていく。
それからもう1つは、これは我が国でも十分今のところは見ておくべきだと思いますけれども、ここでもう1点留意しておく必要があるのは、5ページのEACの提言の2つの項目のところに出ている泥炭地からの問題なんですけれども、実はこれについては、英国国内でもそういう地域がある。日本でも当然あるわけですが、国際的に見た場合、現在インドネシアの湿地帯、東カリマンタンとか、中カリマンタン、スマトラの湿地帯をめぐって、既に欧州、オーストラリア、米国等が目をつけて、そういうところでの排出を抑えるプロジェクトにかなりいろいろと開始していると聞いております。ですからこの辺の動きは、国際的な動き、国内をどうするかをあわせて検討していく必要があるのではないか。例えば、海外で考えるカーボン・オフセットのプロジェクトに、こういった将来のことも見込んで制度設計の中に入れていくのかどうか、というのもこの検討対象ではないかと私は思います。

○新美座長 その辺はいかがですか、そういうことは視野に当然入れていくということなんじゃないでしょうか。

○事務局(竹田) そういう方向で検討していきたいと思っております。

○新美座長 先生のおっしゃる方向だと思います。
ほかに。明日香さんお願いします。

○明日香委員 これは私もダウンロードして、235ページあって大変だったんですけれども、私のちょっとうがった見方かもしれないんですが、これも多分規制される方たちは頑張って議員さんを動かして、DEFRAを自分たちのいい方向に持って行こうという趣旨もあるのかなと思います。先ほどチラッと出たカーボン・カーボーイという懸念云々というのも、ある意味では多分VERが入らないと全然、それこそVERが育たないという気持ちから、VERを逆に規制対象にしてくださいと、その方がVERは売れますというような思いでやったのかなと思います。だから最終的にDEFRAが、そういう意味でどう判断するのかなというのは非常に興味があるところだと思います。
あと関係ないかもしれませんが、CDMとの関係は、どちらかというとCDMに責任を転嫁しているようなところもあるのかなと思います。VERの話とはちょっと外れているところもあるのかなと思います。根本的にはVERをどう考えるか、政府がそれに対して何らかのアクションをとるかとらないか、とった場合ととらなかった場合の市場がどうなるかという見通しをどう考えるかということだと思います。

○新美座長 ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問がありましたら。
これはイギリスだけではなくて、アメリカもヨーロッパ各国もそうですが、カーボン・マーケットの問題はかなり戦略的に考えていますので、余り受け身ではなくて我々も、あるいは日本も相当程度戦略的に提言していかないと、アッという間に沈み込まされるというところもありますので、そういう点は注意して議論した方がいいかと思います。
ほかに御意見、御質問ありますでしょうか。

(3) 我が国におけるカーボン・オフセットの論点について
   【資料4】

○新美座長 先ほどの議論もありますので、次に移ってそれで議論をまた深めたいと思います。それでは、資料4に関連して御説明をお願いします。

○事務局(竹田) それでは、簡単に資料4を御説明します。
これは前回の検討会の御意見を事務局で用意した6つの論点にそれぞれ当てはめた資料でございます。簡単に紹介しますけれども、(1)番のオフセット普及にしても排出量増加を容認することにならないかということで、この検討会でもオフセットの定義を明確にすべきではないか。個人が排出削減に参加するような仕組みとして重要だろうなということが意見として出されました。
2つ目が一番大きく議論されたところで、先ほどのVERの話もそうですけれども、どういった排出削減量、クレジットを対象とすべきかということで、前回は森林の吸収源を含め、国内VERをどういったものを入れるべきかということについて御意見をいただいたかと思います。例えばエコマネー・エコポイントとオフセットの関係だとか、RPS法と他の施策との関係とか、広くカバーするためにどうしたらいいか、という御意見が出ました。中でも逆に、排出削減が減っていないものは対象とすべきではないだろうということです。
裏のページでございますけれども、海外でのVER、先ほど議論していただきましたけれども、これを我が国の中でどう取り扱いについて留意するべきだろうということ。
3番目のオフセットの実施手続のところでは、レジストリ上でCERを償却するのはわかりやすいという御意見とか、企業が実際にやろうとなると、きちんと株主にも説明しなければならないのに、その手続論とかその承認みたいなものについて、手続みたいなものが必要だろう。
最後は、(6)番、個人がそれぞれ参加するためには、小さな小口化するような商品がないと国民一人ひとりが参加するような形にはならないんじゃないかという御意見が出たかと思います。
(4)、(5)などについては、事務局としては特に御発言がなかったということで、言及なしというふうにしております。
以上でございます。

○新美座長 ありがとうございます。
これまで取り上げてきた論点について6つ挙げてありますが、これについて再度深めていく、あるいはこれまで議論されていない点を改めて議論したいということでございます。これをもとに報告書の骨子案ができるということになりますので、骨子案の中身をそれぞれがイメージを抱きながら御議論いただければと思います。
それでは、また名札を立てていただければと思います。
論点ごとにつぶしていった方がいいかと思いますので、まず第1の論点について絞りましょうか。第1の論点について、これまでの議論の中でもう少し深めるべきだという点があればぜひお願いします。
仲尾さんお願いします。

○仲尾委員 最低限カーボン・オフセットの定義というのは、この委員会である程度方向性を出したいと思いますので、簡単に重要な単語だけはここで皆さん出していただきたいと思います。まず私から申しますと、「自主的である」、「削減努力を行う」、「クレジットは確実に削減に結びつくプロジェクトから生まれたクレジット」と、私の今頭に浮かんだのはこの3つであります。

○新美座長 今の仲尾さんの御意見に関してでも結構ですが、そのほかに論点1に関連して御意見がございましたらお願いします。
どうぞ、明日香さん。

○明日香委員 この前もちょっと言ったんですけど、日本の京都議定書の目標達成につながるかつながらないかというのは結構重要なことだと思いますので、少なくとも買う人がわかるようなシステムが大事だと思います。国としても、ある程度重要かと思います。

○新美座長 今の御発言はある意味で、相当全体に影響を及ぼす可能性のある御発言ですね。京都議定書のところとどうつなげるかということになると思います。

○明日香委員 僕はVERがだめということではなくて、少なくとも買う人が、これはどういうものかと、日本の京都議定書の目標達成につながるのか、地球全体での排出削減につながるのか、中国での農家・農村の福利厚生につながるのか、そういうものをある程度理解して買うという状況をつくり出す必要はあると思います。

○新美座長 それを明確にしておくということですね。わかりました。
ほかにございましたら。加藤さんお願いします。

○加藤委員 定義については、私はミニマムなものでいいのかなと思っております。ミニマムなもので必要なものというのは、さっき仲尾さんがおっしゃったものかなと思っております。ただ、それはここで考えるカーボン・オフセットとは何かというところであって、先ほど議長から、実際に実施するときの留意事項とか、その背景にある電子的なインフラ・ストラクチャーの話があったと思いますが、そことツーステップに分けて議論すると多分わかりやすいのかなと思います。そのツーステップに分けたときに、消費者なりオフセットのクレジットを買った人たちがきちんと理解しているのかどうかというのが多分、明日香先生のおっしゃったところに合致するのではないか。そこは多分かなりたくさん出てくると思っています。

○新美座長 ありがとうございます。
小林さんお願いします。

○小林委員 今の御意見から考えますと、定義というのはかなり固い感じになってくると思います。概念としてとらえるか、私は定義としてとらえてもいいと思うんです。そのかわり、できるだけシンプルにする。もう1つは、今の京都議定書に対処するか云々等の議論がありましたが、定義は何かということとともに、このカーボン・オフセットの制度の目的は何かという、定義と目的に分けてやった方がわかりやすいと思います。定義自身はもうそもそも論で簡単にしていっていいと思うんです。というのが私の意見です。

○新美座長 ほかに御意見ございますか。
一方井委員お願いします。

○一方井委員 私の理解はよく自分自身わかっていないところがあるんですが、明日香先生が最初に御提起された問題の、京都議定書に具体的につながるのかつながらないのかという話ですが、私の理解では、今回のは京都議定書の国の目標に直接カウントするような仕組みとは一応切り離すという理解なんですが、それでよろしいんでしょうか。

○新美座長 私もそういう理解ではいるんですけれども、環境省さんはどうですか。にらんではいるけれど、リンクはしないと。

○高橋室長 目的等についてはこれから整理をさらにしたいと思いますけれども、基本的には個人・企業の自主的な取り組みを促進するという、普及・啓発なり促進するというのが主眼であるということでありますけれども、ただ、京都議定書と全く関係ないかというと、当然オフセットにCERを使えば、それが登録簿上でキャンセルされることもあり得るわけですから、そういう意味で関連は出てくると思います。主たる目的、大きな目的は企業・個人の自主的な削減を促すためのツール、そういう位置づけになるのかなと今の段階では思っております。

○新美座長 ある意味でダイレクトに直結はしないけれども、何らかのつながりは制度の設計仕方いかんでは絡んできますという、ややまだまだ不透明ですが、そういう位置づけだろうと思います。
小林さん。

○小林委員 先回もその辺の議論はあいまいだったと思うんですけれども、かなり大事なポイントであるので、きょう整理するのか、それとも次回するのか。何かある程度骨子をつくっていくんでしたら、きょうある程度整理しておかないと、後でボタンのかけ違いになってしまうのではないかと思うんです。今、高橋室長がおっしゃったような方向、もしくは議長がおっしゃったような方向で、ダイレクトではないけれども、場合によってはそれは使える。それはCERとかそういう京都クレジットはそうなるということ、その辺が非常にわかりやすい言い方だと思うんですけれども、もうちょっとそれを踏み込めるか。つまり英国の場合と同じですけど、京都メカニズムの中で入らないもの、もしくは対応できないものを今回検討して、京都議定書の目的達成に入れられるかどうかですね。

○新美座長 一応そういう基本的スタンスですけれども、今言ったCERを本当に排除したままでいいかどうかというのは、依然としてまだ十分議論しなければいけないところがあるのかなと思います。

○高橋室長 少し補足しますと、京都議定書の関係では、先ほどちょっと申しましたようにCERを使えばそういうことがあり得るというのと、当然VERであっても国内でそういう削減が行われ、それがVERについてカウントされオフセットされれば我が国の排出削減につながるわけですから、間接的といいますか、議定書の目標達成に貢献するということはあると思います。
恐らく、もう1つ小林委員がおっしゃっているのは、海外での植林、森林保全等で今の京都議定書に入ってカウントされないものの扱いというのは議論になると思いますが、そこについては私も今の段階でどこまで議論するのか、CDMそのものの改善のあり方みたいなことはテーマとしてかなり大きいテーマですので、それをここで取り上げてしまうと議論が拡散してしまうので、そこはそういう課題を指摘するぐらいになるのかなと思っております。時間的な制約もありますので、ちょっと議論の次元が違うのではないかと思っております。

○新美座長 明日香さんどうぞ。

○明日香委員 私の問題意識としては、多分買う人はVERもCERもクレジットも全部ごっちゃに2個は買ってないで買う人が99%ぐらいだと思うんです。それはそれでいいと思うんですけれども、でもそのときに情報として、これは日本の京都議定書に、なかなか大変そうな京都議定書の目標達成に使えますよという情報を与えるかどうかだと思うんです。多分消費者としては、与えてもらった方がいいんじゃないか。アンケートとってみないとわかりませんが、そこら辺はある程度考慮した制度なり仕組みの方が、消費者の買う方にとってもよいのではないか。もちろん国にとってもいいということはあるんですが、買う方にとっても、そういうものを買いたいという要求はあるのじゃないかということです。

○新美座長 そのレベルでしたら当然視野に入れて、国別の削減目標に資するということは言えるようにすべきだと思いますし、そのためにどういう仕組みを用意したらいいのかということだと思います。ですから、その辺は明日香さんのおっしゃることと全く私も同じ意見だと思います。
小林さんどうぞ。

○小林委員 私もそれでいいと思うんですけど、そうであるなら、特に国内でどういうプロジェクトが入り得るのか、その辺はどういう時点で検討したらいいのか。多分きょうはそこまで検討できないと思いますが、次回だけでもできないと思いますけれども。

○新美座長 多分ここでは、そういう枠組みとしてどういうものを考えたらいいかということになるだろうと思いますけれども、具体的にこういうプロジェクトが入りますとか、そういう議論はちょっと時間との関係では入り切らないんじゃないかと思うんです。ただ、幾つかの例を想定しながら議論はあると思います。

○小林委員 そうすると、私は先ほど定義と目的を分けたらどうかということを申し上げたんですが、仮に分けるとした場合、目的の中にカーボン・オフセットというのは、京都議定書の目標達成にも入ることはあり得るということを、どういう言い回しで言うか、これは事務局に検討していただく必要があると思います。もしくはここで検討してもいいと思います。

○新美座長 それは次の(2)の論点と絡むわけですが、CO2の排出の排出削減に資するということを書けば今言ったことにつながるわけですので、どういう仕組みで排出量の削減につながることになるのかということとある意味でリンクするんじゃないでしょうか、先生のおっしゃるところは。ですから、京都議定書で目標と掲げる炭素削減には、これが資するということを言えると。
小島さんお願いします。

○小島地球環境審議官 小林さんがおっしゃった話は、高橋室長の整理でいいと思いますが、イギリスの資料を見ていると、植林をどう扱うか、あるいは次期枠組みを意識した議論があります。世界のCO2の20%は森林や土地改変から出ています。日本では9割以上エネルギー起源のCO2なのでこういう観点が全然出てこないんですが、次期枠組みの交渉をする場合、この20%の排出源をどうするんだというのは、大きな関心事になるわけです。
資料を見ると、マスコミやNGOから森林プロジェクトの永続性や追加性の問題点が指摘されて、森林プロジェクトが減っていったという議論と、次の枠組みの中の議論のこの20%の問題をどうするんだという意識があることが分かります。再生可能エネルギーや省エネプロジェクトだけを考えていると、投資はアフリカには行かないんですよね。じゃあアフリカをどうしてくれるんだという議論を組み込んでいかないと、次の枠組みはできないという認識がすごくあるわけです。だから、アフリカとよく議論をしなさいというのが出てくるわけです。
今のCDMは、いろいろな批判でこうなっているけれども、現実には森林を何とかしなければ次の枠組みもうまくいかないし、世界的なCO2の削減もできない。CDMを環境至上主義的にギリギリやってくると森林が抜ける、アフリカが抜けるというジレンマが多分あるんです。批判するのはたやすいけれども、森林やアフリカをどうしてくれるんだという問題を解決しなければ枠組みができないんだという問題ですよね。だから、森林も1つの課題としてあるんだということは整理しておかないと、2012年までのことしか考えていないという話になってしまうので、一応そこも視野に入れる。けれども、そこまで全部やっていると、高橋室長が言ったようにまとまらなくなるので、まず当面とりまとめていく範囲と、次の段階での課題というように整理して、一つずつまとめていっていただいたらいいと思います。資料で示されているイギリスの関心は、先をよく見通した関心事だと思います。

○新美座長 よろしいでしょうか。小島さんからの発言もありましたように、この研究会でどこまで視野に入れるかというのは少し整理しながらまとめていくことになると思います。
ほかに御意見。
それでは、論点2の方に移ってこの点に関して。ごめんなさい信時さん、1の論点ですか。

○信時委員 今の小島審議官のお話ですけど、来年5月の末に横浜でアフリカ会議があるものですから、どういう話題にするか。これは外務省さんが主体でやっていらっしゃるんですが、50数カ国もアフリカが集まるものですから、何かそこで横浜でこういう内容で会議ができたというのがあればいいなと思いますので、ぜひその辺も。ちょっとここでの議論にはならないかもしれませんけれども、参考にして我々の方からも問題提起をしたいなと思っています。特に小学生とか中学生とアフリカの人たちとの交流というプログラムもあるものですから、そこで何らかの提案といいますか、動きのあれができたらいいなと思いますので、ぜひその辺は参考にさせていただきたいと思います。

○新美座長 ありがとうございます。
今、信時さんもおっしゃったし、小島さんもおっしゃったように、アフリカのことを抜きにしてはこの問題は、長い先の問題になりますけれども、それはちょっと視野には入れておかなければいけないと思います。
どうぞ。

○小林委員 今のアフリカの問題はもちろんですけど、我々はアジアを考えた場合、あわせて。特にアジアの中で光の当たらない地域ですね、視野に考える必要があるんじゃないかと思います。

○新美座長 それは大事なことですね。そのことは当然視野に入れなければいけないと思いますので、それはぜひ実情の詳しい小林さんの方から強力に情報を提供していただければと思います。
それでは、論点2に関連して、これは大分御議論いただきましたけれども、なおここが足らないとか、こういう点も加えるべきだということがあれば御意見をいただきたいと思います。
仲尾さんどうぞ。

○仲尾委員 今まで何回も出ているかと思いますが、ここで一番重要なのは、クレジットの質をどう選ぶか、どう取るか、基準をどこに設けるかということ、それとその透明性をどう確保して伝えるかということに尽きると思うんです。非常に難しい問題で、質を上げれば上げるほどそれにかかるコストも上がりまして、範囲も狭めてしまう。したがって、下手をすると良質な本当はいいプロジェクトが出てきたVERかもしれないんだけど、それが落とされてしまうことにもなりかねないので、非常ここは難しい議論になろうかと思いますけど、やはり避けては通れないのかなと感じています。

○新美座長 この辺は環境省さんがやっている自主参加型のものがどの程度動いているかというのは大きな参考になると思いますので、その辺も議論の中では、日本の制度を考えるにはぜひ俎上に乗せていきたいと思います。それでよろしいでしょうか。
ほかに。

○小林委員 私は制度設計を考える場合、環境省さんのやっておられる自主参加型は非常に参考になると思うし、かなり蓄積もあると思うんですけれども、それプラス特に海外のプロジェクトを考える場合、まさにCDMの現在問題点として指摘されている、非常に炭素の価値だけで判断されているという問題がありますね。もちろんそれは大事なことでありますけれども、それ以外に、途上国の発展にどういうふうに貢献しているのかとか、それから排出源でも言えると思いますが、地域の環境に対する貢献がどうか。いろいろな関係があると思うんですが、そういったことをどううまくクレジットの価値に反映させられるか、そういうことはVERだからこそ私は大事ではないかと思います。

○新美座長 今の点はどうですか。非常に難しい。専門家の御意見を伺った方がいいですね。加藤さんお願いします。

○加藤委員 ありがとうございます。おっしゃるとおり非常に悩ましいところかと思います。このクレジットの活用をどうするかというところですけれども、私は実は同じことを(4)のところで発言しようと思っていたんですが、小林先生の方からお話が出たのでここで申し上げます。
先ほどから仲尾さんがおっしゃっておられるように、まず炭素がきちんと減っているかというところをチェックするのは大前提だと思うんですが、そこの厳しさをどうするかという問題があるかと思いますが、いずれにせよ、オフセットをするクレジットというのは炭素が減っているということだと思うんです。それプラス、例えば途上国のSDに貢献しているとか、もしくは国内の環境改善だとか、地域の発展に寄与しているというのがあると思うんですが、そこは多分炭素の削減という以外の付加価値だと思うんです。私が知っている限りでは、オフセットのプロバイダーの方々は、つまり炭素が減りましたよというところだけで売る方々と、プラスアルファそれ以上のことを合わせてやりますよという人たちが、多分出てくるのではないかと思っております。どちらかでなくてはならないというよりは、両方あっていいと思うんですけれども、ただ、後者の人たちは多分より高く買ってくれる人たちに売ると思うんです。そのときに、その付加価値の部分のクライテリアが何かあるのかないのかというと多分今のところはないですが、少なくともそれがあったらいいかもしれないですけど、ここの議論とは違うかもしれない。でも、そういう動きは国内でも海外でもまたあります。ただ、少なくともそういう情報が出てくると、より高く売れるんだということを許容できる制度にしておく必要があるのかなと考えています。

○新美座長 その場合もオフセット、要するに相殺できる量は同じということになるわけですね。付加価値部分で相殺量がふえるということは考えられない。どうですか、その辺が難しい。

○加藤委員 それは多分今の制度ということを考えると、私を含めて我々は非常に頭が固いですから、多分今はそうなんだと思うんですけど、将来を見据えたときに、それは一つ大きなテーマとしては取っておくべきだと思っています。

○新美座長 ある意味でプレミアムつきのVERを用意すると。そのプレミアムがどうなるかというのはまだはっきりしないということになるんですか。考え方としては。これも悩ましいというか、本当に大きな課題だと思います。でも、考えに入れる必要はあると思います。
明日香さんお願いします。

○明日香委員 今のお話に関連しているんですが、私も基本的な炭素の部分の議論とそれプラスアルファのコメディフィットの議論は分けた方がいいかなと思います。その炭素の部分は質という意味では、まさにこれはCDMの制度設計のときと全く同じような議論をしておりまして、追加性がどうだとか全く同じだと思います。多分CDMと例えばCDM理事会合だとか、アクリシパンヨとか、こういうビーロクラシは多分要らないと思うんですけど、基本的に例えば追加性なりパーマネンシーなり、基本的なところはCDMのクレジットに要求されるものと同じである必要があると僕は思います。でないと、1トン削減にならないからです。そこは確認をしたというか、そういうふうになるべきだと思います。多分世界もそういう方向に動いているのかなと僕は思っています。
政府がある程度関与できるのはそのレベルだと思うんです。その次の、これはこういうメーンフィットがありますよというのは、プロバイダーが自分でこう考えて幾らで高く売るかどうか、本当にそこは市場メカニズムでやっていくしかないのかなと思って。先ほどおっしゃったような、それを正式に計測するなりどこかが認証するというのは、私は永遠のテーマなんですけど、永遠に終わらないテーマでして、やはり個人の主観が入るんですね。継続が非常に難しいので、そこは政府が関与できるところではないのかなと思います。
あともう1つ、先ほどの議論ともつながるんですが、質のときに時間が大事なんです。100年でオフセットするのか、20年でオフセットするのか、1年でオフセットするのかで全然違いますので、そこは忘れがちなんですが、議論を忘れないようにした方がいいと思います。それは消費者はわからないので、我々がある程度ケアする必要はあるのかなと思います。

○新美座長 そこのところはスタンダードというか、ある程度割り切って案を出すことが必要になるんですか。

○明日香委員 もちろんある程度追加性のあるものにするとか、その程度でいいのかもしれません。あとVCSにするとか、でもVCSはちょっとだからISOみたいなものにするとか、そういう判断をするのかもしれませんし、今ISOなりVCSでいろいろ議論ができている、あちらでもいろいろつくっているところだと思いますので、それに積極的に参加することもありますでしょうし、いろいろ政府としてアクションができることはあると思います。ですが、中身を見るとかなり違うんですね。VCSなりISOの議論なりGold Standardなり、ほかに4つか5つぐらいあるんですけれども、かなり違いますので、そこはにらみながら中身を吟味しながら、どれがいいかということは私としては政府の検討対象とするべきだと思います。

○新美座長 今のお話にも絡むんですが、イギリスとかアメリカなんかは、VERについてのスタンダードを自分たちが取りたいという、商売にしようと思っているところがありますので、日本もそういう意識で我が国固有のスタンダードをつくるのかどうか、あるいはつくらなければいけないと思うんです。ISOの9000とかISOの14000で高い金を全部持って行かれているわけです。それがそのまんまこの分野でも続くのかどうかという問題もあるので、ぜひとも我が国のものをスタンダードにする、世界のスタンダードにするということは視点としては必要だと思います。明日香さんのおっしゃったこともその中に含めて議論した方がいいんじゃないかと思います。
仲尾さんお願いします。

○仲尾委員 またちょっと違った視点になるんですけど、例えばレジストリがしっかりしているクレジット、CDMではもちろんありますし、例えばJPAというのも参加型のクレジットですけど、これもレジストリがありますので、これだとレジストリ上できちんとキャンセルされますので、確実にプロジェクトで削減できましたよということは確認できるので、レジストリのあるスキームから出てきたクレジットであるかどうかを1つの目安にするという手もあるんじゃないかと思います。

○新美座長 ありがとうございます。
ほかに御意見ございますでしょうか。
一方井さんお願いします。

○一方井委員 さっき小島審議官が言われていたことは非常に重要なポイントで、アフリカみたいなところにお金が流れて行かないと。ぜひ、こういう日本で新しくつくる制度も、そういうものに幾らかでも役立てばいいなと私も思います。そのときには、きちっとしたCDM案件にかからないようなもの、プロジェクトに流れるようなものも、これが拾えるかという話になると思うんです。そのあたりを日本独自でスタンダードをつくるのか、それとも外国のやつを見ながらそれを持ってくるのか。ただ、前者だとかなり大変だなという気がちょっとして、私自身もどっちがいいのかとまだ迷っています。

○新美座長 ただ、そこで自主参加型でのノウハウをどこまで一般化できるかということが関心の的になるので、これは次回か次々回あたりにここで議論しましょうかという話なんですけど、そういうことは可能ですか。

○二宮課長補佐 その方向で検討してまいりたいと思います。

○新美座長 よろしくお願いします。一応議論の対象にしてみようということですね。
ほかに御議論ございますでしょうか。(3)、(4)、(5)、余り時間も残っていませんので順序を問わずにお願いします。きょうですべてというわけではございませんが、次のまとめの柱になりますので。
小林さんお願いします。

○小林委員 今の件なんですけれども、これはどういうふうにモニタリングするか等々含めて、私は我が国としてどうできるかという視点から検討した方がいいと思います。事例は今出ましたようにISOも既に14064だとか出ていますし、その他いろいろあることですし、英国のこういう事例もありますから、そういうものを踏まえた上で、我が国としてどういう制度ができるのかということで世界に発信して行った方がいいと思います。いずれにしてもVER自身は、英国以外ではまだそれほどいっていないと思いますので。

○新美座長 そういう意味では、イギリスにはイギリスの事情があってのVERですから、日本ではどこまでできるのかということはぜひとも推し進めて議論したいと思います。
加藤さんお願いします。

○加藤委員 (3)とさっきの仲尾さんの御発言とかかわるかもしれませんが、きちんと償却なりキャンセレーションができるというのが大前提であることは、大体皆さん同じことを考えていらっしゃると思うんですが、キャンセレーションするクレジットが何をオフセットするかというところを考えておかなくてもいいのか、それとも考えた方がいいのか、考えておかなければいけないのか、オプションは幾つかあると思うんです。つまり、私がどれだけここに来るまでに地下鉄とかタクシーとか乗って排出したかというところまでをカバレッジの中に入れておかなければいけないのか、それとも、それはとりあえず置いておいてクレジットだけを帳消しにするという、バツ印をつけるということをするだけでいいのかというところはもし今後、きょうでなくて議論ができればおもしろいかなと思っています。

○新美座長 それはある意味では大事な議論かもしれませんね。オフセットするとしたらする側とされる側があるはずだから、その対応関係を要求する。

○高橋室長 事務局としては、今御指摘のオフセットされる行為の部分ですね、どれだけ排出されるかという部分の算定も当然システムの一部として考えていかなければいけないと思います。恐らくクレジットの検証ほど厳密なものではないかもしれませんが、そこは考え方を明らかにしていく必要があると思います。

○新美座長 ほかにございますでしょうか。
信時さんお願いします。

○信時委員 もう時間がないんですが、6番で書いています、一口1000円とか2000円まですべきだというのは前回私が申し上げた件ですが、自治体としては特に住民、市民の方がどう動くかというのは一番の関心事なので、これを申し上げました。G30でうちがゴミを36%ぐらい削減したんですけれども、その辺の話を聞いていますと、一番よく頑張ったのが子供たちだったというんです。一番、だめだったのは功成り名遂げたおじさんたちだったという現場の話もあります。そういう意味では、その層をあきらめるわけではないんですが、言えばサーッと行動するのはそういう層の人たちなので、例えばお正月のお年玉でも買えるぐらいの排出権ということになったらよいなということで前回申し上げました。
別の自治体で、電力をいかに削減するかということでトライして、選抜した各家庭に、電気を使うに伴って幾ら料金がかかったかを毎日毎日リアルタイムでわかる機械を入れたらしいんです。そうすると、いかに待機電力を多く使っているかというのが目に見えてわかって、それで電気を消すようになったということがあるようです。市民というのはそういう感じでありまして、だから毎日毎日その商品に、例えば環境省さんの権限でいけるかどうかわかりませんが、買ったものにすぐシールを義務づけるとか。最近コマーシャルで、これを使えばCO2がこれだけ削減できますと書いていますけど、それをもっと商品レベルに落として、これを買えばCO2削減がどれくらいか、というのもその都度わかるようなシステムを社会的にやることが。これは社会にビルトインしたシステムをというところにおいては、そういうのがあるのかなと。とりあえずお金さえ出せば汚せるだろう、CO2出せるだろうみたいな感覚ではなくて、お金を出して何かを守るんだという、そっちの方の消費者マインドにしていくようなことが何かの方策の中でできればいいのかなと思っています。
以上です。

○新美座長 ありがとうございます。
今のお話は、省エネではたしかユニットでこれをやったら炭素をどれだけ削減したかというのがありましたよね。それとうまく連動したらいいのかなと思いました。それは大事な御指摘だと思います。

○小林委員 それは非常に大事なポイントだろうと思うんですが、資料1のところにも出ていますけど、英国では消費者はあくまでオフセット商品に投資するんであって、企業に投資しようと考えていないと書いていますね。我が国の場合、往々にして企業の広告で、どれだけ削減して使われるので何となく企業自身というイメージがあるんですが、その辺はどうなんですか。やはり商品というふうに的を絞って考えていくのかどうか、というのが1点です。
もう1点は、今までの議論でちょっとしていなかったのは認証機関、認定機関の問題ですね、その辺をどうするのか。幸い我が国は、さっき言いました自主取引でやっているのを認証する機関もあるし、それからDOEもしくはOEもありますから、その辺の活用等も含めてどう考えるのか、その2点です。

○新美座長 この点は何かアイデアを持っていますでしょうか。

○高橋室長 まず最初の商品に限るかどうかについては、前回の資料でオフセットの3つのタイプをお示ししたと思いますが、その中で商品のタイプのものと、2番目として企業さんが自社ビルから出てくるものをオフセットするという、これは多分CSRみたいな話なので、企業がそういうことをやったということについて、それを広告するということを入れてもいいのではないかと思っております。
それから、体制については認証機関等の御指摘がございましたが、その辺は既存のものがありますので、そういうものを最大限活用しながら必要なものを検討していきたいと思っております。

○新美座長 今のお話ですと商品か企業かというのは、VERとしてどこから出てきたかというところに絡みそうですね。ですから、それはもう少し柔軟に考えていってもいいのではないかということだと思います。認証機関は、今言ったような自主参加のものを念頭に置きながら少し考えていって、使えるものは使うということですね。
ほかに御意見。
明日香さんお願いします。

○明日香委員 ちょっとダブるところもあるかと思いますが、確認したいのは、この委員会なり何をアウトプットとして出すかということなんですが、私の質問はDEFRAの品質マークみたいなものを政府は商品か企業か認証機関か、対象は議論になると思いますが、そういうものを出す方向でそういうのを決める、そのルールを決めるのかというのがまず1つ。あと、そのときに今の検証機関とか認証機関の話になると思うんですが、調べるといろいろあって、商品だけにかけるというのもあるし、小売業者に認証マークをつける。アメリカのグリーンEではたしかリテーラーにつけるんですね。DEFRAもそこは多分迷っているみたいなので、何らかの判断をする必要があるのではないか。
最後に、認証機関ですけど、私も認証機関は非常に重要だと思います。ある意味ではルールはどうでもいいけど、認証機関を認証する、ある程度決める仕組みがしっかりしていれば認証機関は自浄作用で、変なのをしたらちゃんと認められない、またはほかのところからいろいろ言われるというので自動的にうまく動くところもあると思います。なので、いかに検証機関を何らかのお墨付きをつけるかというのは重要だと思います。もちろんそのお墨付きなんか要らないという議論もあるかと思いますので、議論は必要かと思います。

○新美座長 ありがとうございます。
ほかに御意見ございますでしょうか。特にございませんでしょうか。
この6つの論点のほかに、こういうことも加えるべきだということがありましたら出していただきたいと思いますが、もう時間も来ていますので、事務局の方に個別に御連絡いただければ、それを入れて骨子案の検討の中で御議論いただくことにしたいと思います。
あと特にございませんようでしたら、きょうの会議はそのくらいにして、あとの骨子案については事務局が次回にお示しして議論することになりますので、よろしくお願いします。
それでは、最後に環境省から連絡事項等がありますので、お願いします。

○高橋室長 きょうは大変有意義な御議論、ありがとうございました。次回の検討会については既に先生方に御案内しておりますが、10月31日、水曜日の15時から17時、場所は虎ノ門パストラルでございますので、よろしくお願い申し上げます。
以上でございます。

○新美座長 それでは、きょうはどうもありがとうございました。

閉会