廃棄物・特定有害廃棄物等の輸出入
  1. 環境省
  2. 廃棄物・リサイクル対策
  3. 廃棄物・特定有害廃棄物等の輸出入
  4. 不法案件・不許可案件
  5. バーゼル法第4条規定の環境面の確認について(注意喚起)

バーゼル法第4条規定の環境面の確認について(注意喚起)

令和2年3月4日
経済産業省貿易経済協力局貿易管理部貿易審査課
経済産業省産業技術環境局資源循環経済課
環境省環境再生・資源循環局廃棄物規制課

概要

  • 特定有害廃棄物等の輸出に当たっては、輸入国において、当該特定有害廃棄物等の処理において環境の汚染を防止するために必要な措置が講じられているか等について慎重に確認することが必要です。
  • 最近、特定有害廃棄物等の輸入国における環境の汚染を防止するための措置が輸出の承認に必要な基準を満たしていない事例がありました。特定有害廃棄物等(廃鉛バッテリーを含む)の輸出に当たっては、当該特定有害廃棄物等の処理の方法等が、たとえ輸入国の国内法が定める基準を満たしていても、我が国において人の健康の保護及び生活環境の保全上の観点から求められる水準を満たしていなければ輸出ができませんので、御注意願います。

特定有害廃棄物等の輸出の際には、特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律(以下、「バーゼル法」という。)第4条第1項の規定に基づき、外国為替及び外国貿易法第48条第3項に基づく経済産業大臣の承認を得る必要があります。

こうした申請が行われた場合、経済産業大臣はその申請書の写しを環境大臣に送付し(バーゼル法第4条第2項)、環境大臣は、その申請に係る特定有害廃棄物等の処分について環境省令で定める環境の汚染を防止するために必要な措置が講じられているかどうかを確認し、その結果を経済産業大臣に通知するものとされており(バーゼル法第4条第3項)、その通知を受けた後でなければ、経済産業大臣は輸出の承認をしてはならないと定められています(バーゼル法第4条第4項)。

最近、特定有害廃棄物等に関して、ヒ素を含む残滓の管理基準が我が国の基準を満たしておらず、バーゼル法第4条第3項に基づく環境大臣の確認通知が得られない事例がありました。特定有害廃棄物等を輸出する場合、輸入国における特定有害廃棄物等の処分の方法がたとえ輸入国の国内法が定める基準を満たしていても、有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律に基づく特定有害廃棄物等の範囲等を定める省令第6条第1号ロ(4)のとおり、我が国において人の健康及び生活環境の保全上の観点から求められる水準を下回らないことが確実であることが必要ですので御注意下さい。

参考:ヒ素を含んだ鉱滓の最終処分方法について我が国の基準

ヒ素溶出値 基準
~0.3mg/L 管理型処分場
0.3mg/L~ 遮断型処分場又はコンクリート固化等
  • ※管理型処分場・・・埋め立てた廃棄物の中を通った雨水など(浸出水)が周辺の土壌や地下水に影響を与えないよう遮蔽工対策が整えられた最終処分場
  • ※遮断型処分場・・・有害物質が基準を超えて含まれる有害な産業廃棄物を埋め立てる最終処分場。コンクリート製の仕切りで公共の水域および地下水と完全に遮断される構造

参照条文

特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律(平成四年法律第百八号)

(輸出の承認)

第四条 特定有害廃棄物等を輸出しようとする者は、外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第四十八条第三項の規定により、輸出の承認を受ける義務を課せられるものとする。

  • 2 経済産業大臣は、その輸出に係る特定有害廃棄物等の処分に伴い生ずるおそれのある大気の汚染、水質の汚濁その他の環境の汚染(以下単に「環境の汚染」という。)を防止するため特に必要があるものとして経済産業省令、環境省令で定める地域を仕向地とする経済産業省令、環境省令で定める特定有害廃棄物等の輸出について前項の承認の申請があったときは、その申請書の写しを環境大臣に送付するものとする。
  • 3 環境大臣は、前項の規定により申請書の写しの送付があったときは、その申請書に係る特定有害廃棄物等の処分について環境省令で定める環境の汚染を防止するために必要な措置が講じられているかどうかを確認し、その結果を経済産業大臣に通知するものとする。
  • 4 経済産業大臣は、前項の規定により環境の汚染を防止するために必要な措置が講じられている旨の環境大臣の通知を受けた後でなければ、第一項の輸出の承認をしてはならない。

特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律に基づく特定有害廃棄物等の範囲等を定める省令(平成三十年六月十八日環境省令第十二号)

(環境の汚染を防止するために必要な措置)

第六条 法第四条第三項の環境省令で定める措置は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に掲げる措置とする。

一 輸出に係る特定有害廃棄物等(分析試験を行うためのものを除く。)の処分(処分のための運搬及びこれに伴う保管を含む。以下同じ。)を行う場合 次に掲げる要件に適合する措置。

イ 輸出に係る特定有害廃棄物等の処分を行おうとする者が、次に掲げる基準に適合すること。

  • (1) (略)
  • (2) 輸出の相手国において禁錮刑以上の刑に処せられ、又は環境関連法令の規定により罰金の刑に処せられたことがある場合にあっては、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から五年を経過していること。
  • (3)~(5) (略)

ロ 輸出に係る特定有害廃棄物等の処分が、次に掲げる基準に適合すること。

  • (1)~(3) (略)
  • (4) 輸出に係る特定有害廃棄物等の処分に伴い生じる排ガス、排水及び残さが、我が国において人の健康の保護及び生活環境の保全上の観点から求められる水準を下回らない方法により処分されることが確実であると認められること。
  • (5)~(7)(略)

バーゼル条約

第4条(一般的義務)

  • 8 締約国は、輸出されることとなる有害廃棄物又は他の廃棄物が輸入国又は他の場所において環境上適正な方法で処理されることを義務づける。