環境省廃棄物・リサイクル対策廃棄物処理の現状ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物処理PCB廃棄物の保管等の届出の全国集計結果

平成14年度 PCB特別措置法に基づくPCB廃棄物の保管等の届出の全国集計結果について


 「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(以下「PCB特別措置法」という。)」に基づくPCB廃棄物の保管等の届出の全国集計結果(平成14年3月31日現在のPCB廃棄物の保管等の状況について事業者から都道府県(保健所設置市を含む。)に対し届け出られたもの)を取りまとめました。

●表-1 PCB廃棄物の保管状況の集計結果(平成14年3月31日)
廃棄物の種類 保管事業所数 保管量
高圧トランス 1,804 15,077台
高圧コンデンサ 40,412 242,339台
低圧トランス 270 38,121台
低圧コンデンサ 2,624 1,367,724台
柱上トランス 103 1,772,563台
安定器 11,273 4,824,973個
PCB 186 171トン
PCBを含む油 599 163,632トン
感圧複写紙 363 662トン
ウエス 494 239トン
汚泥 138 19,005トン
その他の機器等 1,474 233,534台

(備考)ドラム缶等各種容器にまとめて保管している場合など、台数(個数)や重量で計上できないものについては、事業所数のみ計上した。また、PCB、PCBを含む油、紙、ウエス及び汚泥については、重量又は体積で計上されたもののうち、体積で計上された分については、1l=1kgとして重量に換算して集計した。

●表-2 PCB廃棄物を保管する事業所におけるPCB使用製品の使用状況の集計結果(平成14年3月31日)
製品の種類 使用事業所数 使用量
高圧トランス 399 2,639台
高圧コンデンサ 6,996 31,653台
低圧トランス 69 453台
低圧コンデンサ 257 33,093台
柱上トランス 7 1,952,500台
安定器 2,173 664,947個
PCB 8 79kg
PCBを含む油 12 3kg
その他の機器等 160 8,928台

(備考)PCBを含む油については重量又は体積で計上されたもののうち、体積で計上された分については、1l=1kgとして重量に換算して集計した。

1.集計の範囲

 各都道府県等においてPCB廃棄物を保管する事業者から届出のあったPCB廃棄物の種類毎の保管量及びPCB使用製品の種類毎の使用量を集計したものを環境省において全国集計した。PCB廃棄物の種類は、表-3のとおり分類し、集計した。
 なお、個々の事業者等のPCB廃棄物の保管及び処分の状況は、都道府県等において公表されている。
 また、参考までに都道府県単位の集計結果を参考表(1)~(12)[PDF 79KB]に示す。
 ※PCB特別措置法第8条に基づき平成14年3月31日現在の保管状況について届出されたもの。

●表-3 廃棄物の種類及び製品の種類

[1]高圧トランス [2]高圧コンデンサ [3]低圧トランス [4]低圧コンデンサ
[5]柱上トランス [6]安定器 [7]PCB [8]PCBを含む油
[9]感圧複写紙(ノーカーボン紙) [10]ウエス [11]汚泥 [12]その他の機器等

※高圧とは、受電電圧が交流で600Vを超えるものをいう。

2.前回集計結果(平成13年7月15日現在の保管状況等)との比較

 前回集計結果(平成13年7月15日現在の保管状況等)との比較を表-4に示す。

●表-4 PCB廃棄物の保管状況及びPCB使用製品の使用状況(台数、重量ベース)
廃棄物(製品)の種類 保管 使用
平成13年7月 平成14年3月 平成13年7月 平成14年3月
高圧トランス 事業所 1,583 1,804 339 339
台数 16,496 15,077 1,689 2,639
高圧コンデンサ 事業所 35,655 40,412 6,033 6,996
台数 220,345 242,339 30,502 31,653
低圧トランス 事業所 330 270 52 69
台数 30,412 38,121 616 453
低圧コンデンサ 事業所 2,388 2,624 335 257
台数 1,146,383 1,367,724 17,510 33,093
柱上トランス 事業所 111 103 7 7
台数 1,713,291 1,772,563 1,967,000 1,952,500
安定器 事業所 8,736 11,273 2,705 2,173
個数 4,170,839 4,824,973 868,256 664,947
PCB 事業所 156 186 4 8
トン 12,955 171 0.055 0.079
PCBを含む油 事業所 479 599 8 12
トン 142,261 163,632 0.003 0.003
感圧複写紙
(ノーカーボン紙)
事業所 347 363
トン 679 662
ウエス 事業所 401 494
トン 215 239
汚泥 事業所 106 138
トン 17,698 19,005
その他の機器等 事業所 955 1,474 123 160
台数 199,873 233,534 42,067 8,928

(備考)ドラム缶等各種容器にまとめて保管している場合など、台数(個数)や重量で計上できないものについては、事業所数のみ計上した。また、PCB、PCBを含む油、感圧複写紙、ウエス及び汚泥については、重量又は体積で計上されたもののうち、体積で計上された分については、1l=1kgとして重量に換算して集計した。

3.機器別の状況等の考察

 前回の集計結果(平成13年7月15日現在の状況)と比較すると、種類によって増減がまちまちであるものの、保管量は全体として増加傾向にあり、使用量は減少傾向にある。
 これは、PCB特別措置法の施行により、これまで把握されていなかったPCB廃棄物の把握が進んでいることと、使用から保管への切り替えが進んでいること双方の影響によるものと推測される。
 なお、増減が顕著であるPCB廃棄物の状況について、以下に整理する。

(1)高圧トランス及び高圧コンデンサ
 高圧トランスの保管量は、前回集計結果と比較して1,419台減少した。これは再調査の結果、高圧トランスではなかったと判明した物が多数あったためである。なお、使用量は950台の増加となった。
高圧コンデンサの保管量は、前回集計結果と比較して21,994台増加した。また、使用中の台数も1,151台の増加となっていることから、全国的に把握が進んだため増加したと推測される。
(2)低圧トランス及び低圧コンデンサ
 低圧トランスの保管量は、前回集計結果と比較して7,709台増加した。一方、保管事業所数は60事業所の減少となったが、これは今回の集計で種別の判定違いが判明したものがあったためである。また、低圧コンデンサ保管量は、前回集計結果と比較して221,341台増加しており、それぞれ全国的に把握が進んだため増加したと推測される。
(3)安定器
 保管量は、前回集計結果と比較して、約65万個の増加となった。しかし、使用量は約20万個の減少となっていることから、全国的に把握が進むとともに、使用から保管への切り替えが進んだためと推測される。
(4)PCBおよびPCBを含む油
 PCBの保管量は、前回集計結果と比較して、約1.3万トン減少するとともに、PCBを含む油の保管量は約2.1万トン増加した。これは、主に前回の集計においてPCBとして取り扱っていたものが再調査の結果、PCBを含む油と判明したものである。
(5)その他の機器等
 保管量は、前回集計結果と比較して約3.4万台増加し、使用中の台数は約3.3万台減少した。これは、使用から保管へ切り替わったものがほとんどである。

4.今後の方針

 既に公表(平成14年10月23日)している平成13年7月15日現在の集計結果と比較すると、種別の判定違いによる差異があった他、今回、新たに把握されたPCB廃棄物があった。
 今後、PCB廃棄物の適正かつ計画的な処理を進めていくためには、現時点でPCB廃棄物の数量を漏れなく確実に把握しておくことが極めて重要なことから、本日、都道府県等に対し、PCB特別措置法に基づく届出制度の一層の周知を図り、保管事業場の確実な把握を進めるとともに、引き続きPCB廃棄物が適正に保管され、不適正な処理が生じないよう事業者の対する指導、助言の徹底に努めるよう要請した。

※参考資料 PCBとは [PDF 184KB]

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