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課題成果報告
4-1405 釧路湿原にて超高密度化状態となったシカの管理を成功させる戦略と戦術 | |||
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研究代表者 所属名・氏名 |
吉田 剛司 (酪農学園大学) | 実施期間(年度) | H 26 ~H 28 |
国内各地で超高密度化(Hyper Abundant)したニホンジカによる生物多様性への影響が懸念され、個体数管理の取り組みが進んでいる。しかし、シカは希少種保全の目的で設置された鳥獣保護区や個体数管理が困難な生態系に集中し、釧路湿原でも年間を通じて国立公園内外にシカが超高密度に分布している。湿原でのシカの超高密度化は植生のみならず生態系物質循環への影響が予測され、適切な管理下で湿地の機能、資源、価値を持続的に確保する必要がある。しかし、湿原でのシカの捕獲は難しく、タンチョウ等の希少種に影響を与えない捕獲のための時空間的な要因解明も課題である。さらに公園利用者との調整や地域協働によるシカ管理も緊急を有す。本研究では『時空間利用と植生・土壌環境への影響評価』として、Iridium 通信型 GPS発信機によりシカの季節移動と日周行動を地図化し、シカ‐植生‐土壌の物質循環に対する生態系影響をシカ排除柵によって明確にする。『生物多様性保全を可能とする広域個体群管理』では、広域のシカ分布・密度構造と植生への影響把握手法を確立し、北海道と周辺市町村による希少種保全に配慮したシカ管理について提案する。『地域住民・市町村での情報共有および協働による湿原保全と個体数管理手法の検討』では、社会科学の観点からワークショップの開催により地域協働での湿原の自然再生を目指す。これらを総括して、釧路湿原において超高密度化状態となったシカの管理を成功させる戦略と戦術を提案する。 |
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