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課題成果報告

3K143012 汚染土壌の減容化実現に向けた粘土化学的手法の開発
研究代表者
所属名・氏名
佐藤 久子
(愛媛大学)
実施期間(年度)H 26 ~H 28
2011 年福島第一原子力発電所の事故により発生した環境放射能汚染に対して行われた除染の結果、多量の汚染土壌が蓄積されている。現在、この減容化が緊急の課題となっている。我々は原発事故以来、粘土化学の立場から土壌汚染の脱セシウム化法を見出す目的で、セシウムイオンと粘土鉱物との相互作用について基礎的な研究を積み重ねて来た。粘土鉱物中のセシウムイオンの吸着状態を高分解能電子顕微鏡観察によって原子レベルで明らかにし、その知見に基づいて高濃度のマグネシウムイオンを用いたイオン交換反応によるセシウムイオンの脱離条件を見出した。これは、シアン化物などの有害物質を一切用いることなく土壌を除する方法である。本研究では、今までに得られた基礎的な研究結果をもとに、実地の汚染土壌に対して、放射性セシウムイオンの脱離を実現し、それに基づく貯蔵汚染土壌の減容化・リサイクル化処理プロセスを構築することを目的とする。本方法では、用いる材料は粘土鉱物と硝酸マグネシウムのみであり、除染処理によって新たな環境有害物質が生じることもない。構築予定規模の除染装置であれば移動は容易であり、貯蔵場所でオンサイト処理が可能である。これらの利点は、除染政策の立案にとって迅速性、広域性の実現に大きく寄与するものと思われる。

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