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課題成果報告

3K133002 水素を利用したチタン合金切削屑の高効率再資源化技術の実用化研究
研究代表者
所属名・氏名
近藤 勝義
( 大阪大学 )
実施期間(年度)H 25 ~H 27
チタン合金部材の切削時に発生するmm 単位の切粉表面には切削油が付着するものの,認定工場では他の金属切粉と混合しないように管理・保管されている.このような良質切粉は,切削油由来の炭素や大気酸化による酸素が唯一の不純物である.他方,航空機用素材は「無欠陥」が前提ゆえ,緻密化に有効な数十μm の微細粉末が必要である.しかしながら,mm 単位の切粉をμm レベルにまで微細加工する際,表面酸化や粉砕費の増加といった品質と経済性の両面において大きな課題がある. そこで,優れた経済性のもとで完全緻密化に適した微細なチタン切粉を得ると同時に,切粉中の酸素・炭素の含有量を既存のチタン材と同等以下に管理した上で,再溶解せずに直接固化によって切粉から無欠陥の完全緻密素材を再生できるリサイクル技術の開発を目指す.
【平成25年度】金属の脆化現象を誘発する水素のマイナス作用に着目し,水素雰囲気での熱処理によりチタン切削屑への水素吸蔵を促し,脆い水素化チタンから粉砕加工にて所定の粒子径を有する粉末を作製すると共に、酸素・炭素の還元分解技術も併せて確立する.
【平成26年度】示差熱重量分析・高温X線回折により上記の水素化チタン微粉末の熱分解挙動を解明し,水素の完全除去に有効な熱処理条件を実験的に検証する.また粉末の緻密化に向け,粒子再配列・破砕充填機構に基づく圧縮成形モデルを用いて抽出した最適固化条件を抽出・検証する.両成果に基づき,水素化チタン粉末固化体の水素除去同時焼結プロセスを構築し,現行のバージン素材と同等の強度特性の発現を実証する.
【平成27年度】民間企業(焼結部品メーカ)の生産設備を利用し,チタン切削屑の水素化処理+粉砕加工+脱水素化・焼結の連続加工熱処理を行い,直径100mm 程度のビレット体の試作・評価を通じて本開発製法のスケールアップの可能性を実証する.

成果報告スライド

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