環境中の化学物質のリスク評価・管理では、複合暴露を常に考慮する必要がありますが、現状では個々の化学物質を別個に評価する事にほぼ限られています。その最大の理由は、現行法では物質Aと物質Bを同時に暴露した途端、新たな物質Cを評価する事と同じになるためです。即ち、厖大な組み合わせを処理すると言う問題に直面します。この問題に対し、我々の推進する毒性分子メカニズム解析手法により、物質 A の遺伝子発現情報と物質 B の遺伝子発現情報から、AとBの複合暴露時における毒性を予測する方法が原理的に開発可能である事を提案します。これにより複合影響の評価法が開発され、国民の安全な生活の確保に貢献することが期待されます。