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課題成果報告

C-0906 受容体AhRの転写活性化を伴わないダイオキシン類の新たな毒性発現メカニズムの解明
研究代表者
所属名・氏名
遠山 千春
(東京大学大学院 医学系研究科)
実施期間(年度)H21-23
「ダイオキシンが転写因子アリール炭化水素受容体(AhR)と結合し、ダイオキシン・AhR複合体が結合する標的遺伝子に異常な転写活性化が生じ、その結果として毒性が発現する」ことが、ダイオキシン毒性発現のドグマとして、ダイオキシン類のリスク評価の根拠となっています。しかし、最近、培養細胞を用いた研究で、ダイオキシン類が受容体AhRの転写活性化を伴わない反応を引き起こすこと、その際に細胞質型ホスホリパーゼであるcPLA2の活性化が、プロスタグランジン(PG)合成の重要な酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)-2発現上昇を含む諸現象の引き金となるということが明らかにされました。しかし、動物個体を用いた実験系が存在しないことから、受容体AhRの毒性現象への関与の有無、ならびに動物個体で毒性発現にいたる道筋が不明でした。この現象がin vivoでも生じているとすると、ダイオキシン類の毒性発現メカニズムを説明する新たな反応であり、リスク評価のあり方にも影響する可能性があります。そこで、授乳期マウスのダイオキシン水腎症をモデルとして、AhRの転写活性化を伴わないダイオキシン類の毒性発現の可能性を明らかにすることを目的として研究を行いました。

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